攫われた先は妖狐の世界、そして私は『姫』らしい。

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第二章:姫として愛してる訳ではない。

決行と同時の警告。

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僅かな音が聞こえた。

私は銀が帰ってきたと思って向かおうと。
少し動いた。

でも、すぐに立ち止まった。

いつもと違う雰囲気と…
更に不思議に思った『大きな点』だ。

銀が人を連れてきていた事だった。
それは『初めて』で、今までなかった。

いや?
人ではないか…

多分、妖狐だ。

瞳は金色だし、髪も銀色。
それに整った顔立ち。

銀の少し、後ろに居るけど…
ただ、私に向ける笑顔は…
どこか子供っぽさの残る雰囲気だった。

でも私は、少し『警戒』しながらも銀を見る。

少し、複雑そうな顔をしてる?
気のせいだろうか?

それに…
いつもと雰囲気も違うように感じるけど?

銀は、いつもと違うような口調でだった。
私に話し出した。

光希みつき
この子は、私と光希みつきの間に産まれた子だ。
紹介も含めて…
連れてきた。」

私はまた、銀の側にいる妖狐を良く見た。

子供?
銀と、私の?

そう言われても『実感』が湧かない。

なぜなら、既にその子は…
私と同じぐらいの子に見えるからだ。

そして、その子は嬉しそうな笑顔を向けてきた。
私にと丁寧なお辞儀をして、挨拶をした。

「初めまして。
偉大なる我が母とお目にかかれて光栄です。
私の名前は『青嵐せいらん』と申します。」

随分と教育がされている様子で驚きながらも。

私は…
どうすれば…?

また銀の方を見る。

銀は、やっぱり…
いつもと『雰囲気』が違う。

そして、改めた様子で、私へと話し出した。

光希みつき
実は、お願いしたい事があって。
その為に、青嵐せいらんを連れてきたが…
落ち着いて、聞いて、欲しいのだが…」

私が不思議に銀を見ると、珍しく。
銀が視線を逸らしたり、言葉も濁す感じだった。

「今日は…
我が子である、青嵐せいらんとの間に。
子を産んで欲しい。」

私はあまりの驚きに、返事が遅れた。

「…え?」

今、何て言った?

銀の方はそのままの口調で続けた。

「この子は産まれ持って、『特殊な才能』を持っている。
更に他の能力、知能、『全てが優秀』だ。
一族でも既に『最も優秀な子』として、選ばれた子だ。
妖狐族の中でも、詳しくは説明が難しくなる為、省くが…
今は『光希みつきの議題』ばかりなのだ。」

私は少しだけ首を傾げ、銀に言う。

「私、何か、しちゃった?」

銀は視線を逸らす。

「いや、していないが…」

銀はいつもと、やっぱり違う。
でも、そのまま淡々と話し出した。

「私が当主として、長として。
今は妖狐族を、全て取り纏めている事は知っているとは思うが…
その中でも、今の『1番の問題』には、やはり、光希みつき
君の事での、議題ばかりしている状態だ。
その事もあり、どうしても必ず。
揉める話にはなるのだが…
私と光希みつきとの間の子供達は、なぜか皆。
『特殊能力や才能』が、他の妖狐よりも優れているのだ。
私の血筋も関係があるのかもしれないが…
それでも、やはり『姫』である光希みつきへと。
関心が高まっている事にも繋がっている。
それで…」

銀楊ぎんようは止めて、光希みつきを見る。
すぐに判るからでもある。

もう、頭が混乱している顔だな…

光希みつき
話しに、ついてこれているか?」

銀の問いに、私は素直に謝る。

「…ごめんなさぃ。」

銀楊ぎんようは予想出来ている。
少し目元を手を当て、頭と上げ思考する…

どうにも、光希みつきの前では…
普段の方が良いように思える。
青嵐せいらんも居るのだから。
常ならば仕事。

だが、今は光希みつきが優先か…

そう判断し、少し気を緩めた。
ここは仕方がない。

銀楊ぎんようは息を吐き出して切り替えた。

そして普段のように光希みつきにと。
いつものような口調に戻した。

「いや、急にだから、すまなかった。
判っている。
私も殆ど、仕事の話はしていないからな。
光希みつきは、悪くない。」

そんなやり取りを。
青嵐せいらんは何も言わずに…
ただ、しっかりと見ていた。

青嵐せいらんにとって、父上は、とても強く。
それこそ、誰もが認める程の『最強の妖狐』と呼ばれているのだ。
また『厳格な威厳』を持ち、更には『才覚』も含めてだ。
『完璧過ぎる程の印象』がある。

そして今、その父上を見ていると…
余りにも普段とは違う。

別人にも見えるのだ。

しかも…
あんな顔は『初めて』見る。
まさか、警戒を完全にやめた?

それと同時に、『初めて』会う母上…
俺を産んでくれた存在である。

その母上は、余りにも綺麗だった。
簡単に言えば美人だが。
仕草はなぜか愛らしい。
可愛らしいと言う表現に近い。

美人と可愛い。
両方があるのは若干、矛盾するが…

まだ挨拶しかしていない。
青嵐せいらんにとって、母上を知るのは難しい。

だが、その様子を見て居ると…
どうしても、湧き上がるものがある。

明らかに、父上の態度がだ。
母上の前で変わった。

まさか、母上の前だけ。
警戒心を『完全に解く』のか!?

けれど…
そんな態度に、母上の方は『普通』にしている?

どんな者にも向けた事のない顔を…
母上にだけしている!?

あの、『歴代でも一族最強』の父上が!?
まさか、母上に、負けてる感じだろうか!?

思わず、少しだけだが、小さく笑ってしまった時。

それに対し、銀楊ぎんようは『全て』判っている。
一瞬、青嵐せいらんに視線だけ向けて、睨みつけた。

それにすぐ気付き、青嵐せいらんは下を向く。
また静観する体勢に入った。

銀楊ぎんようは言葉を簡略しながらも。
光希みつきに合わせて、話しの続きをする。

「まぁ…
簡単に言うと…
私と光希みつきとだけの子供ではな。
足りない事に毎回、繋がる会議だな。」

「なるほど。」

「そこで、やはりどこも『姫』を譲れと。
言われるのだが、『全て』却下した結論が…」

そこで少し止まる。

銀楊ぎんようからしたら…
光希みつきの『反応』も含め、『全て』想定内なのだ。

だからこそ、言葉を選びながら…
濁して、言いたくない部分でもある。

普段から、そういう話をしていないのもだった。
その『理由』も含まれているのだ。

だが、覚悟を決めるように、銀楊ぎんようは続けた。

「その結論なのだが…
妥協点として…
更に『力を高める意味』も含めて、より血を濃くし。
その子供達の中でも1番優秀な子のみを。
『1人』選び、その者の『子』を産んで欲しいと。」

え…?

私は少し考える。
でも、すぐに答えなど出ない。

だからこそ、頭に浮かぶ言葉だけが僅かに出た。

「でも…
私は、銀以外…」

困惑しながらも、ようやく出した言葉すら続かない。
言葉にすら、ならない。

銀以外の子を産むなんて…
聞いてないし、私だって、銀以外を受け入れたくない。

なのに、更に自分の産んだ子となんて…

光希みつきは言葉を出せていないが。
銀楊ぎんようは、そんな思考もすぐに察した。

そして、無理かもしれない。
銀楊ぎんようは、すぐに頭に浮かぶが抑えた。

一応、諭すように、優しく言う。

光希みつき
我が一族で、唯一の『姫』である事は。
以前、話しただろう?
一族には、光希みつきを欲しがる者は多い。
だが、私はそれを許したくはない。
だからこそ、全て却下してきたが…
このまま拒み続ければ、たくさんの争いになる。
だから、他の者から避ける為にもだが。
妥協点として出た案になった。」

銀楊ぎんようはこの時。
『全て』は話していなかった。

だが、そのまま、続けた。
頭は下げなかったが、目を閉じ。
光希みつきの方にと話を続ける。

「だから…
これは今から…
私からの、お願いにもなる。
どうか『姫』としての責務と思って。
受け入れて欲しい。」

そこまで銀は言い切った時。
ようやく、私は言葉を出した。

「そんな…
私は、銀以外とは…」

やはり、想定内の反応だ。
銀楊ぎんようは頭の中ですぐに思った。

ここから先の想定も複数ある。
まだ、最悪な方でなければ…

銀楊ぎんようは、極力。
光希みつきへの刺激を減らすように、ゆっくりと言う。

光希みつき
私との間だけの子のみでは、少な過ぎてしまう。
そして最悪の場合、内乱にもなる。
だが、私も他の男に光希みつきを触れさせたくはない。
だから、せめて強引にだが。
1人だけにまで絞った。
血が濃くなれば、強い妖狐が産まれ。
更に長生きで、丈夫な子になる。」

そこで、私は状況の重さを受けた。

だけど…
それは1番の嫌な事でもある。

「や……
いゃだよ?
銀とだけが…」

涙を堪えながら、銀の側に寄る。

銀も目を開けた。
少し戸惑う様子で、私を抱き締めた。

銀楊ぎんようは、そして激しくキスをすると。
スッと側に居た青嵐せいらんの方へ向けて軽く押した。

青嵐せいらんは、その動作に違和感を出さないようと。
スッと『姫』でもある『母上』を引き寄せる。

そのまま、私は驚きながらも。
銀と同じように、青嵐せいらんがだった。
軽くキスをして、抱き締めてくる。

「んっ!
やっ、あ…!」

離れた唇からは、どうしても…
受け入れられない否定の言葉が出る。

青嵐せいらんも、器用にキスをしながら、舌を絡める。

そして、極力、優しくと軽めに。
ベッドの方へと倒した。

「や、やだっ。
銀っ、あっ!」

青嵐せいらんの動作は強引ではない。
でも…
私は、銀以外との経験はない。

すぐに受け入れられる筈もなかった。

「んっ、あっ、やぁっ。」

青嵐せいらんに恐さのようなものはない。
だが、的確にも刺激する行為に対して…

身体は若干、反応しかけても…
私は気持ちなど、ない。

「やだっ。
やぁっ、あっ!
銀っ、やめさせて、あっ!
ぎんっ!
やだっ!」

私は簡単に青嵐せいらんに捕まっており。
的確にも、弱いところを責めようとしてくる。

「んぁっ、あ、やぁっ。
ぎん、いがいは、やだ。
っ、やっぁあっ!
ぎ…ん、やぁ、ぎんっ。
あっ、やだっ!」

身体への優しく愛撫もしながら、青嵐せいらんは言う。

「痛くありません…
傷なども、付けません…
恐くしたりもしません…
約束します…
だから…」

青嵐せいらんも内心焦っていた。
『強制はするな』と。
既に、事前に、言われている。

だが、完全に拒否をし、父上の名しか言わない。
助けすらも、父上の名を呼ぶ。
けれど、続けるしかないが…
強引な事は、出来ない。

青嵐せいらんは極力、優しく触れるが…

「ぁっ、んっぅ…
やぁ…、ぎ、んっ!
ぎっ、ん、あぁっ、やっ!」

銀が連れてきた子に。
私は、犯されそうになっているのに…

銀は目を閉じたまま、動かない。

「あっ、やっ。
そこっ、や!
だ、めぇ、やぁ!!」

頭では少し説明に理解しようとしても…
気持ちが追い付かない。

違う、こんな手は嫌だ。
どうしても、銀が良い。

心も身体も、銀以外は…

青嵐せいらんに触れられる度に。
銀以外とは嫌だと。
感情の方ばかりが強く出てくる。

「あっ、ふぁ、やっ、だぁ。
助け、て!
ぎん、っ、あ、ぎん…
やぁ!!」

銀楊ぎんようは、光希みつきの助けを…
無視は出来ないが複数の男に触れさせたくもない。

それゆえの『苦肉の策』でもあり…
仕事も含め、常に詳しく言わないのは、その為でもある。

だからこそ、光希みつきには、言わなかったが…

青嵐せいらんも、それは多少知ってもいる筈。

だが、銀楊ぎんようもまた。
光希みつきの事を、良く知っている。

「っや、ぁあ!
ぎっ、ん。やっ!
あっあ…
や、だぁ、わた、しは…
ぎ、ん。
やぁ、や、助けて…
銀っ、やっ!」

私は銀が何も言わないのも悲しくなってしまう。

私は…
銀だけが好きなのに…
銀がいつも居てくれたのに…

側にいるのに、何も言わないのが…
また悲しくて、もう、目を閉じた。 
『全部を拒否』した。

「やっ、だっ。
うぅ…
っ。やっ。いゃ…
ぅっ。っ。
………  」

それまで無言だった銀楊ぎんようが動いた。

光希みつきを見ないようにと。
銀楊ぎんようは、目を閉じていた。

だが、『声は』聞いていた。

光希みつきの言葉、口調、変化に。
銀楊ぎんようは気付く。

無理だ!!
このままだと、『全てを』閉ざす!!

そして光希みつきの側へ行くと。
抱き上げるようにして、すぐに激しくキスをする。
舌も絡め取る。

「んっ…
ふっ…」

私は目を少し開けると銀だった事に。
気付いて、抱き上げられたままの腕を…
スッと銀へ伸ばす。

銀楊ぎんようは唇を離してから…
少し落ち着くように優しく抱き締めながらも。
ゆっくりと、諭すように言う。

光希みつき
大丈夫だ…
息をしなさい…」

私は何も言えないけど…
銀の言う通りにする。
銀の方へと触れようとする。

銀も少し目を閉じて、私にと話してくる。

光希みつき、大丈夫だ。
私と光希みつきの子なのだ。
幼くとも、充分に『理解』はしている。
優秀過ぎるぐらいの子だ。
だから…
大丈夫だ、私も側に居る…」

私は涙を堪えて、僅かに言った。

「ちがっ、私はっ…」

「判っている!!
だから…
光希みつき
お願いだ…
少しだけ…
『1人だけ』で、良いから…」

私は何も言えなくなる。
でも涙を浮かべながらも、首だけは横に振ってしまう。

銀楊ぎんようはそれに対し、やはり、無理かと、心の中で思う。

光希みつきは、言葉ではなく、もう行動が完全に物語っていた。

銀楊ぎんようは少しだけ目を閉じる。

そして…
青嵐せいらんの方へと、光希みつきを軽く押し離した。

********************

「あっ、やっ…っ。」

青嵐せいらんは咄嗟に動いた。
『姫』である、母上を支える形で受け止めた。

だが、先にすぐ視線だけ、父上を見た。

その父上の…
一瞬の『僅かな表情』を見逃さなかった。

そして判った。
なぜ、寧ろ、この無茶な策案を…

あの厳格な父上が出していた事。
更にそれを、強引にもでも可決させた事。

それに『納得できて』しまう。

初めて会った、母上は…
『心』が…
『純粋過ぎる』んだ…

妖狐の中ですら…
父上の『絶対的な強さ』を持っているとはいえ。
少なくとも。
周りが言うように『複数の男』となど、論外だ。

だから父上は、『常に却下』してた…
『全て』だ。

そして理由までは流石に判らないが。
父上も、それを充分過ぎる程に『理解』している。
そして、『母上を愛している』からこそ。
無理矢理にでも、今回の策を『可決』させた。

あの父上がした、『最善策』なのだ。

銀楊ぎんようは、すぐに現状を…
『把握』しながら目を閉じて思考する。

そしてすぐに構築し、目をゆっくりと開けた。

銀楊ぎんようは、青嵐せいらんに一瞬。
視線だけ向けた。

青嵐せいらんは、『それ』に気付いた。

また、父上の案が理想的な結果になるのを。
瞬時に『理解』する。

それでも思考する。
父上の策など、今まで…
読みきれた事すらない!!

それでも思考しながら…
現状では読みきれないが、動けない。
また、今は、『動かない事を』選択した。

銀楊ぎんようは、頭で構築していく。

そして、光希みつきの方へ向かい合うと。
優しく声をかけた。

光希みつき
こっちを向いてごらん…」

青嵐せいらんは父上の案が読めない!!

母上を、どう責め、どう策を実行させるかなど。
どれだけ考えても判らないのだから。

その声に涙ぐんでいた母上が顔を上げた。

「ぎ、ん…?」

青嵐せいらんもたれ掛かるような状態であった母上が。
そして父上をと見上げた。

父上はすぐに、母上を引き揚げるようにし。
抱き締めながら唇を奪う。
舌を絡めながら激しくキスをした。

「んっ…
ん、ふっ…
あっ…」

潤み溜めていた涙が、瞳から零れ落ちる。
そして、唇を離すと父上は言った。

光希みつき
そんなに嫌ならば…
目を閉じて…」

それに対し、母上は素直に目を閉じた。
そして再び、奪うように、激しくキスをした。

だが、その時だった。
僅かに父上は、青嵐せいらんに視線だけ。

青嵐せいらんは、すぐに気付くが!?
まだ上手く、読めない青嵐せいらんだった。
でも次の父上の言葉で『理解』する。

光希みつき
良く聞いて…
これから、私が良いと言うまで。
目を閉じていなさい…」

それに対し。
何か言おうとする母上の唇は、すぐに塞がれた。

「ぎ…
っ、んっあっ。」

そして唇を離し、諭すように言う。

「そう…
そのままで良い…
光希みつきはそのまま…
私の事だけ、考えてごらん…」

その後も甘く、優しく、時に激しく。
キスをし、その唇から離れた僅かな隙に。
後ろに居た青嵐せいらんの方へと。
上手く離した。

青嵐せいらんが母上に触れると。
母上はビクリとする。

だが、その反応が判っていたように
すぐにまた父上が、母上の唇を奪った。

「っんっぁ…
ん。んっ。」

そして唇から離れるのと。
同じタイミングで、優しく言う。

「恐くはない…
私が居る。
例え他の者が居ようと。
私の事だけを、考えなさい…
良いね…?」

そう言うと、再び激しく舌を絡めた。

だが、視線だけ。
青嵐せいらんに僅かに向けた。

青嵐は理解する。
『声は出してはいけない』と。

「んっ。
んんっあっ。
ふぁ。」

青嵐せいらんは一言も出さずに。
母上の方へと手を伸ばし、ソッと優しく近付く。
母上の瞳は、閉じたままだった。

そして、ゆっくり、愛撫を始める。

徐々に責め、時折するビクリと。
母上が反応をすると、父上は唇を奪った。

それから弱い部分へと触れる。
その反応に合わせながらもだった。
父上が上手く舌を這わせ…
その度の反応に合わせながら。
巧みに母上の体勢を変えていった。

「んっ、あっ。
ふっぁ、あ、んっぁ。」

そして青嵐せいらんが触れても…
反応を出し始める。

「あっ。
んんっぁ。
ふっあぁっあ。」

そして時折、激しく父上が唇を奪いながら。
弱い部分へと責める。
母上の反応すら『全て』を判っているように動いた。

青嵐せいらんも瞬時に観察し、その弱い部分へと。
同じように責めていく。

「んっっ、あっあぁっ…」

更に父上はタイミングを測るように。
母上にと声をかけた。

光希みつき
そう、良い子だ…
そのまま、目を閉じて…
そう、私を考えなさい。」

「ぎっ、ん。
あっ、んぁっ。
ふぁっあ。ん。」

それは母上の些細な反応すらも、一切見逃さない。
そうして、徐々に父上は責め続け、声をかける。

そして視線が青嵐せいらんに向けられる。

青嵐せいらんが触れても…
母上の声音も変わり出した。

「んぁっ、ふぁぁっ!
あっ。
んっあっ。あぁっ。」

青嵐せいらんは、そこで気付き。
そして戦慄する。

そう、父上は巧みに…
母上を誘導しながら肝心な部分に触れる時も。
声をかけ続け、唇を奪いながら…
更に母上を敏感にさせていき、酔わせながら…
完全に母上に『暗示』をかけたのだ。

「んっ、ぁっ…
ん。ぎ…んっ。
あっ、んぁあっふ。
あっ。あっ。」

だが、これは母上が必ず。
父上を信じているからこそ『成立する暗示』だ。

そして青嵐せいらんが触れても。
素直に反応する状態へと。
父上が、母上を快楽に落としながら…
あっという間に『暗示をかけた事』になる。

あの僅かな時間、否、『数分』もかけず!?

様々な『思考』を纏めながら…
どれが『最善』か、どれが母上の為になるか。
そして、その実行の策に対する、思考の速さ。

更には、技術、話術。
また母上の思考、行動、反応、全てを。

あの『僅かな瞬間』でだ。
父上は導き出したと言う事に…

父上がどれ程の強さかは全部ではなくとも。
知っている青嵐せいらんすらも…

父上からしたら…
青嵐せいらんの存在もだと。
行動も、思考も、読み、『計算した』ようなものである。

それが自分の父上である事が嬉しい反面。
恐ろしくもなる程の様々な思いが浮かぶ。

これが優秀?有能?才覚?

否、そんな言葉では表せない。
遙か上に居る程、『天地の差すら』ある。

青嵐せいらんも勿論、弱い部分へと愛撫をする。

だが、父上はその場の母上の些細な反応すら。
決して見逃す事もしない。

時折、母上に優しく声をかけ、キスをし。
そして更に、計算していたようなタイミングでと。

青嵐せいらんにも『視線だけ』を一瞬で送る。

「んぁっ。
ふっあぁんっ。
ぎ…ん、あっ」

光希みつき
そう…
そのままだ…
私だけを考えなさい…
良い子だ…」

父上は反応を見ながら、深く、深く…
『暗示』をかけている。

その上で、的確な刺激まで…

「んっ…ぁあっ!
ふぁっ。」

その『深い暗示』をした事で…
青嵐せいらんの動きにも『反応する』のだ。

そして青嵐せいらんが挿入する際も…
敏感に反応した。

「んっあ!
ふっあぁ…ぁっ!
んっあぁっ!
あっ。んぁっ。」

青嵐せいらんは…
そこで改めてまた『実感する事』になる。

っく!?
今まで経験したのとは、『違い過ぎる』っ。

締め付け、些細な仕草すら敏感に反応する。

「ふぁんっ…
あぁっぎ、ん、あぁ。
あっ。んぁ、うっ…
んっぁ。」

青嵐せいらんは、その母上の姿を見て…
素直に思った。

うぁ…
綺麗過ぎる…

『心も』だが、この『身体も』だ…

雪のように白く綺麗な上に、頬は紅く染まり。
表情や仕草の反応が、敏感に判ってしまう。

っ、これは、俺の方がやばぃ。
青嵐せいらんは心の中で思っていた。

中に出し入れする際も含めて、この状態で…
俺が声を殺す方がキツい。

滑らかな肌、傷も全くない、胸にあるのは刻印のみ。
その上で時折する仕草も、『全て』が美しく…
妖艶でもある姿。

「んぁ…あっ。
ふぁっ、ぎ、ん…。
あぁっぁっ…!
ふぁっう。んぁ。」

瞳を閉じたままの母上の、父上を呼ぶ声にも。
その状態を見ながら、声をかけるか、かけないか。
『全て判っている』ように父上は動く。

時折、不安になる様子があっても…
父上は声をかける。

青嵐せいらん自身が気付かない反応にも。
甘く囁き、キスをする。

どれ程に父上が、母上を知り尽くし…
愛しているか…

また母上も、同じ。
父上を愛していなければ、『成立』しない。

青嵐せいらんは、また考えを改める。

だから、あんな無茶な策案を出したのかと。
様々な手を使い、強引に可決させたのだと。

更に青嵐せいらんがもう限界になりそうな時も。

父上は気付き、母上の唇は激しく奪う。

そして青嵐せいらんには、視線だけ。
父上が完全に『この場を支配』していた。

っ、もうダメだ、出る。

その時ですら、父上が唇を離し、母上の耳元で囁く。
そして、さり気なく舐める。

ドクリ、ドクリ、ドクリ。

出してから、青嵐せいらんは心の中で思うのだ。
まさか、『俺の方が』これだけキツいなんて…
想定外だと…

息を何とか『声だけは出さず』に整える。

それに対して、スッと父上の視線だけ。
丸で合図のようにくるのに気付き、ゆっくりと抜いた。

そして母上が身を捩りながら喘ぐ。

「あっ!
うっあっん、くぅ。
あつぃ…っ、あぁ…。
うぁっ…ん。」

そこで『初めて』自分の子を…

母上が産む瞬間と。
『我が子』を見た瞬間に…
産まれた光に、感動が溢れ出る。

ただ、綺麗な光。
ただ、綺麗な命。

それを見つめて、受け取るように触れる。
その光からの鼓動が感じられて…
何も、浮かばなくなってしまった。

だが、その状態の青嵐せいらんに…
若干、否、不快にも似た呆れる様子でだった。
眉間に皺を寄せた父上が、息を少し大きめに吐いた。

そして父上が、スッと動き、母上の耳元で囁く。

青嵐せいらんは、『そこで』ようやく気付いた。

母上の息が、かなり荒いのだ!?
そうか、こんな小さな身体で!!

新たな命を『圧縮』するように産むのだから。
『全ての負担』は、母上の身体の方へいくのか。

その父上は、軽々と母上を抱き上げる。
ソッとまた優しく触れると…
少し耳元で囁き、呼吸で判断したのだろう。

僅かに抱きかかえて離れると…
すぐに『高位治癒術』を軽めに右手に出した。
それを母上の身体へと流し込む。

効果を出し、徐々に母上の呼吸が整い出す。

そのまま、眠ってしまっているのだろう。
父上は改めて、母上を優しくベッドへと戻した。
寝かせると、布団をかける。

青嵐せいらんへ視線だけ、ドアの方へと向ける。

それに『気付き』、青嵐せいらんも動く。
母上を起こさないようにと。
また服は簡単に着る際も慎重にと。
『命の光』も常に気を付ける。

部屋を出ると、既に父上の側近が居た。
青嵐せいらんは、新たな『命』を渡した。

そこで父上が1度立ち止まってから。
でもまた歩き出した。

ずっと無言のままだが、止まった動作を含め。
ついてくる『指示だ』と判断した。

青嵐せいらんは、その後ろから父上の後に続く。

そして中庭の方へと外に出た時だった。

父上はこちらを向かない。
視線ではなく、ただ端的に青嵐せいらんへ言った。

「で、どうだ?」

その短い問いに対し…
青嵐せいらんは、思う事など。
余りにも多かった。

だが、最終的に、1番に浮かぶ言葉を…
それを言った。

「母上を、守りたい…」

他にもたくさんある。
それでも、真っ先に浮かぶ『言葉』だった。

それを聞いてか、父上は少し空を見上げながら…
大きな溜め息を出した。

「…ならば、お前はまだまだ『子供過ぎ』たな。」

父上の返答は、余りにも『的確で正解』だった。

あの場を上手く動かしたのは、全て父上だ。

あの場を完全に支配し、制御しながらも…
母上への配慮まで…

完璧だった。

自分が周りよりも多少優れていたとしても…
今の自分は何も、寧ろ優れてなどいない。

母上の事も、父上の事も…
『何一つ』、全く理解すらも…

出来ていなかったのだ。

**************************

青嵐せいらんは思考する。

短い間だがそれでも早い。
様々な思考が頭の中に巡る。

自分は、あの全てが美しく、綺麗な母上の…

心も、身体も、『何も掴めて』はいなかった。

だからこそ、父上が出した誓約書。
その『意味』が今ならば、判る。

あんなにも美しく、あんなにも綺麗で…
それこそ、初めて見た命の光にも近かった。

けれど同時に可愛い…
愛しくも見えるような母上…

その母上を、父上が、どれだけ守り抜き…
愛してきたのかは、想像すら出来ない。

そして自分は、その母上にだ…
『産んで貰えていた事』を、知らないなんて事は…

許されない事でもある気分になる。

それと共に、今ならば『逆も判る』のだ。

父上が『全力』で守り続ける意味。

きっと…
あの母上の笑顔や、『純粋過ぎる程の綺麗な心』を。

今回の策は…
父上が安易に、『あの母上』を求める。

多くの者達の手から守りたくて…
それでも無理矢理にと可決させた策案なのだ。

だが…
きっと父上の方は…
この策すらも、納得はしていない筈だ。

少なくとも…
自分がその1人なのだ。

あの母上を、困らせ、泣かせた…

どんな言葉よりも絶対的にだ。
母上は…
父上だけを愛している。

母上の行動、父上を見て、伸ばした手、腕。

信じているからこそ、父上の名を呼び続けていた…

そんな父上が、計算したように『実行する前』だ。

一瞬しか、見せはしなかったが…
あれは、この策に父上も納得などしてないのだ。

それを強引にでも…
可決させる形にしか出来なかった。
『痛み』だ!!

誰もあの母上を知らないから…
皆が勝手にあの美しくも、『純粋な母上』に…
群がるから…

だからかっ!!

青嵐せいらんは泣くのだけ、堪えて、痛感する。

『後悔』をするのだ。
あの母上を、俺が傷付けた!!

今なら…
父上の行動、『全ての謎が』判ってしまう。

だから、父上がどんなに何を言われても…
周りが言ってきても…
母上を完全に、『絶対的な力すら』見せて。
『ずっと守っていた』のだと。

どれほど、誰よりも母上を愛し、理解しているか…
判ってしまったのだから…

そして、母上すらも…
最後まで嫌がっていた。
父上以外は嫌だと言った言葉。

両方じゃないか!!

『2人だから成り立つ』

2人だからこそ、俺も含めて産まれていたんだ。

妖狐を産めるのは母上だけだ…

だが、あの母上は『心』が、綺麗過ぎる!!
純粋過ぎる!!

それをあんなにも群がれば…
『絶対に壊れて』しまう!!

その母上を誰よりもずっと、父上が守っているんだ。

俺とは、違い過ぎるっ。

青嵐せいらんは、必死に涙だけは堪える。

父上は、母上の為に。
『強く存在』しなければならない。

だからこそ、誰よりも強く。
『最強』とまで言われる、『絶対的な力』が必要なんだ!!

母上よりは、父上の仕事の一環や。
一族の中での存在や立場。
違う部分は、俺は多く見ていた…

だが、母上と居た父上は、丸で別人のようだった。

そんな父上がしていた行動を思い返す。

納得する答えを、否、納得させる策を。
どれだけ探して、常に先を読み、選び。
『勝ち続けようとしてきた』のか。

一族の長であり、実力も才能も血筋もなければ。
絶対に立てない地位に居続けるのも…
あの『母上を守る為』だ。

そうでなければ、『あの母上』がだ!!
一族内では『秘密事項』とされてる。
知られないようにしている『事実』が納得できない!!

だが、それでも多くの者が、皆が…
ただ『姫』として使おうする。

それが『真実』だ!!
これが『事実』だ!!

だから、父上がずっと、『守っていた』んだ。

そんな事、愛している者からしたら…
そんな思考を巡らしながら…

この答えはきっと、今の俺には出ないだろう。
様々な思考が瞬間的でも駆け巡っていた。

**************************

そして、父上の声が聞こえてきた瞬間に。
全てを止められた。

青嵐せいらん。」

っ!!

これは…
声すら出せない…
『威圧』かっ!?

父上は、こちらを向いてさえ、いないのに…
にも関わらず。
明らかに俺に対し、否、俺へ向けているもの。

これでも、父上はまだ、かなり力を抑えている。

『一族最強である父上』が…
どれだけ意図的に力を抑えても。
その『威圧の凄さ』でも…
声すら出せなくなる程の、明らかな『威圧』だ。

名前を呼びながらも…
父上は、こちらを向かないままだが淡々と言う。

「お前のすべき事、それは『1つだけ』だ。
常に…
『1番で』居ることだけ…」

っぐっ!

更に『威圧』が重くっ…!?

「お前は、光希みつきに触れた…」

っっっ!!

このままだと、潰されかねない程に。
強くなっていく『威圧』だが…
父上がそれでもまだ、かなり抑えてる。

「お前は、光希みつきを傷付けた…
それを『忘れるな』よ?」

本気すら、全く出してもいない。
その父上にすら…
敵わない。

圧倒的にあるこの実力差っ。

「私は、ずっと『お前が1番で』居れば…
光希みつき』を…
『一族』を、まだ…
守れる。
この策は、その布石。」

そこまで言うと、父上はこちらを向いた。

その瞬間、俺は悟る。

「今の意味は…
判るな?」

油断したら、心臓すら止まりかねない程の『威圧』と。
そして、この『言葉の意味』は…

俺は、頷く以外は出来ない。

『父上の目』は、本気だ。
この威圧は、ただ抑えきれていないだけに過ぎない。

けれど、この『父上のあの目』は…
『怒り』だ。
この怒りの原点…

俺は少なくとも。
父上の最後の言葉の意味を『完全に理解』した。

あれは『母上を愛している』からこそ。
俺へと向けられている…
『殺意』にも近い…

そして、『警告』だ。

父上がその目を伏せ、一瞬だけ威圧が下がる。

だがその後、続けた言葉に衝撃を受ける。

「もし、また他の下らない議案でこれ以上…
光希みつきに迫り、『傷付ける』つもりなら…」

銀楊ぎんようは、かなりの『怒り』を圧し殺していた。
だから、もう、思うままに言い切った。

「私は『全力で光希みつきを選ぶ事も』厭わない。」
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