攫われた先は妖狐の世界、そして私は『姫』らしい。

蒼真 空澄(ソウマ アスミ)

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第二章:姫として愛してる訳ではない。

奇跡と同時の危機。

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銀楊ぎんようは、光希みつきを眺めながらも。
ソッと頬に触れる。

ずっと複雑な気分のままだった。
それをどうにかしたくて側に居るだけ…

「ん…
ん?」

銀楊ぎんようは、ふと。
触れずにはいられなかったが…

起こしたのに内心。
若干焦るもすぐに隠し、口調を優しくする。

「あぁ。
すまないな。
起こしてしまったか?」

内心、どうにか動揺も隠すも。
思考も同時にはする。

光希みつきが、起きてしまったか…

昨日の暗示。

これは遅いか、早いかで…
光希みつきは『確実』に気付くだろう。

その時、私は…

光希みつきが、私へと視線を向けてくる。

「銀?
あれ…
私…」

極力、優しく銀楊ぎんようは言う。

「昨日は疲れただろう?
まだ、早いから。
もう少し、寝てて大丈夫だ。」

「………」

僅かな違和感を銀楊ぎんようは察した。

光希みつき?」

「銀…
教えて、私…
昨日、確か…
銀が、誰かを、連れて来たと…
思うんだけど…」

銀楊ぎんようは内心、また焦る。

暗示が解けるには、まだ早過ぎる!?
下手に失言するのは、危ないと直感する。

「初めて…
だよね?
銀が…
誰かと?
一緒に、居るなんて…」

銀楊ぎんようは、軽くキスをする。
ただ、光希みつきをと、優しく撫でる。

「あ、れ?」

そこでポロポロと、光希みつきが涙を零した。

銀楊ぎんようは、ふと。
昨日の『青嵐せいらん』の記憶が掠めた。
けれど、光希みつき自身、理由が判らない様子だった。

「あれ?
なんで、涙が…」

銀楊ぎんようは、嫌な予感がした。
暗示は、確かに解ける。

だが、それは早いか遅いか。
予測不可能なのだ。

どんなに誤魔化そうとしてもだ。
光希みつきは、必ず気付く。
違う違和感が残っていても、不思議でもない。

判っていたが、これは早過ぎる!!

光希みつきはまだ、ポロポロと涙を零してた。
銀楊ぎんようはそれを見て、思わずにはいられなかった。

光希みつき
泣かないでくれ。
私は光希みつきの。
泣き顔は、見たくない。」

ソッと涙を拭い、撫でた。

「………ぅ。
ふっ。
う、そだ。
違う…」

光希みつきの言葉、それを聞いた瞬間だった。
銀楊ぎんようは、すぐに気付いた。

完全に致命的なミスをした事に!!

光希みつきは両腕で。
目を覆うが、泣くのを堪えるだけに見える。

「銀の…
嘘付き…
うっ…」

銀楊ぎんようはまた、昨日の声すらも思い出す。
だから、若干、目を閉じながらも本音も出た。

光希みつき
もう、泣かないでくれ。
すまない。
謝るから…
私は、もう、光希みつきの…
泣く姿は…」

理由は完全に、銀楊ぎんようも気付いていた。

でも、もう遅い…

銀楊ぎんよう自身がだった。

青嵐せいらんの件での怒りが、頭の隅に残っていた事だ。
そのせいで、『完全な矛盾』が発生した。

光希みつきが弱々しくも、声を出す。

「私…
したの…?
銀じゃ…
なかったの…?」

暗示が解けるのが早過ぎる。
だが、これは完全な銀楊ぎんようのミスでもある。

それは矛盾だ、普段と逆だと。

光希みつきが泣きそうな時や、泣いている時だ。
銀楊ぎんようは先に、その理由の質問をする。
理由を知ってから、行動をするのであり。
その動作が『逆に』なっていれば、『完全な矛盾』なのだ。

銀楊ぎんようはするべき行動。
光希みつきが泣いている理由も判らない状況に対し。
本来ならば、『先に心配を』し、質問するのが正しい。

だが、『理由を知っている』ゆえに…

銀楊ぎんようは、その質問より。
先に『行動を』した事だった。

それはもう…
光希みつきが、泣いている理由が判らない事に対して。
銀楊ぎんようは、その理由をだ。

知っているという事になる。

光希みつきは、すぐに気付いた様子だった。

「うっ…
やだって…
言った、のに…」

銀楊ぎんようは致命的なミスをした。
そのせいで、暗示が解けようとしているのにも気付く。

銀楊ぎんようは心の中でもだった。
どうにか光希みつきの最善は探す…

すぐに判ったが、これは…
もう、手遅れか。

解けかけている暗示の中でだ。

誤魔化そうとすれば…
余計な矛盾も、多く出てしまうだけだ。

そうなれば、更にまた…
光希みつきを傷付ける。

その危険の方が大き過ぎる。

そして、銀楊ぎんようは、正直に言う方を選んだ。

「すまない。
光希みつき
もう、嘘は付かない。
だから。
話を聞いてくれ…」

抱き起こすように。
光希みつきを支えながら抱き締めた。

そして、もう、本心のみで言った。

「もう、泣かないでくれ。
私は…
もう、本当に、光希みつきの泣き顔は…
見たくない…」

**************************

私は抱き締められながらも…
銀の方が…

苦しそうな声をしている事に、気付いた。

抱き締めている腕が。
いつもよりも、少しだけ、強いのも。

「…う、ん。」

銀は、大きく息を吐いた。

銀楊ぎんようもまた…
やはり光希みつきは気付いた事もだが。
言う、覚悟も決めなけれ…

だが…
光希みつきが泣くのを我慢したままでは…

そう思いながら、背中を摩る。

気持ちの準備をするように。
ただ、光希みつきをと摩った。

**************************

あぁ…

銀の身体だ。
いつもの、銀だ。

きっと、いつもの、銀なら…

私を待っている。

そう感じ取って、私は言った。

「ん、大丈夫だよ。
銀…
泣かないから…」

**************************

銀楊ぎんようは、光希みつきに判り易く説明する為に。
素直に言葉を選びながらも、話し出す。

光希みつき
どうか、落ち着いて、聞いて欲しい。
昨日、どうしても…
…。」

「…銀?」

銀楊ぎんようは思う。

あれを…
私は…
納得していない!!

それを、私自身が…
言わないと、いけないのか!?

私はあんなもの、望んではいないのに!!

銀楊ぎんようは言葉を探す。

「昨日…
連れてきた者を…
覚えて、いるか?」

「少しだけなら。」

「そうか…
実は今。
光希みつきの事が。
問題に、なっているんだ。」

「問題に?」

「あぁ…
それで、長く揉めていたんだが。
このままだと、
内乱にもなるぐらいにまで…
なっている。」

「内乱…」

「それで、どうしても。
苦肉の策を、議決させた。
その内容が。
私以外の1人だけ。
子を産ませると言うところまでは。
何とか、出来た。
条件も、付いている。
だから、今はしばらくは。
問題は出ないが。
昨日、連れてきた1人が。
その、決まった者だ。」

「うん…」

「だが、昨日。
あまり、覚えているか。
判らないが…
光希みつきが嫌がるのを。
私が、見ていられなかったんだ…
それで、その事を。
どうにかする為に…
少し…」

銀楊ぎんようは…
続きを言いたくなかった。

私が、暗示をかけて。
光希みつきを、抱かせたなんて事を…

銀楊ぎんようはまた、思い出す。

それだけでもだった。
どうにか、抑える…

あんな事を…

私は、したくはなかった。
やりたくもない!!

そんな事、口にもしたくない!!
私は納得など、していない!!

銀楊ぎんようは、続きを言えなくなった。
けれどもう、光希みつきを強く抱き締めた。

でも、『これだけ』は…
言わないと、いけないも思えた。

光希みつき
すまない…」

「銀…
うん…
何となく、判ったから…
銀も…
嫌だったんでしょう?」

銀楊ぎんようは驚く。

光希みつきから…
そう言ってくる想定は、全くしていなかった。

「だって、銀が…
いつも、私を守ってたの。
知ってる。
その、銀が…
どうにも、出来なかったのに。
私がきっと。
我が儘を言ったから…」

銀楊ぎんようは、その『言葉』に。
すぐに光希みつきの方を向いた。

そして銀楊ぎんようは言い切った。

「違う!!
我が儘なんかじゃない!!
光希みつきのせいじゃない!!」

光希みつきと目が合う。

でも、その光希みつきが驚くような顔をした。
そして、不器用に笑う。

ソッと手だけ。
銀楊ぎんようの頬にと触れて言った。

「でも、銀が…
泣きそうなんだよ。
我慢してるのが判る…
銀のせいでも、なかったんでしょう?
だったら…
銀が、自分ばかり。
責めちゃ、駄目だよ…」

そう言うと、光希みつきは自ら私にキスをした。
まだ、やはり拙い仕草で、自ら、舌を使う。

銀楊ぎんようは、それで一気にタカが外れた。

どうしようもなくなり。
光希みつきを抱き締めて。
そのまま押し倒し、舌を絡め取る。

「んっ、っ。
んっん。」

そのまま愛撫もしながら。
光希みつきを、犯したい衝動にまで、かられる。

「っんぁ。
ふぁあっ、ぎんっ。
んぁっあっ、ふぁっ!」

光希みつきの声音が変わる。

「すまない…
光希みつき
もう…
私は、あんな我慢は…
なんでっ。
光希みつきをっ!?
私は、そんな事は…」

銀楊ぎんようは、もう抑えられなくなる。
光希みつきを完全に求めた。

「んっあ。
ふぁっ。
んっあっ!」

私は銀が…
泣くのをずっと、我慢し続ける気がした。

いつも、私を守ってばかりなのに…
したくもない事に…
それでも、泣けないのだと思えた。

「ぎ、んっ。
私は…
銀なら、良いんだよ…
銀だけを愛してるの…
だから、銀なら…」

そして、銀なら私を抱いても良いのだと。
言いたかったけれど…
言葉よりも、私は銀へとキスをする。

まだ上手く出来なくても…
銀と同じように、舌を絡める。

銀楊ぎんようは、その言葉も。
その行動も、意味が判った。
だから、嬉しくて堪らなくなる。

そのまま、何度も愛撫をし。
激しくキスをし、舌を絡める。

そして、激しく責め続ける。

光希みつきは愛らしい声音を出す。
全て判るのもある。
もう、銀楊ぎんようは抑えられずに。
そのまま、光希みつきの中に入れた。

「んぁぁあっ!
ぅあん!
っあっ、んっあぁ!
ふぁっ!!」

あぁ…
可愛い光希みつき、誰よりも愛してる…
私を受け入れて、求めてくれる。
全部を受け止めてくれる。

そして、それを感じているのも判る。

「ふぁぅ。
んぁっ、はぁ。
ぅあ!」

銀の全部が激しかった。
でもずっと、愛してるのも判る。
もっと、私は銀だけを愛したいと。
願っていた…

「あっ!
んぁ!ふぁあっ!!」

私が銀に、出来る事を…
私も、銀だけを、愛したいと。
なら私は…

「あっ!
んっ。ぅあぁん!」

銀楊ぎんようは奥の深い部分まで。
深くと、激しくと入れる。

舌を絡め、愛撫もする。

「んっ。
あっふぁ、んっ!
ぁあっんっ!
はげしっあ!あぁ!!
っぁあ、イッちゃ…ぅ。
あっ、あぁ…!!」

私は仰反るように。
身体が勝手にビクビクしてしまう。

銀は、何度も愛してると囁きながらも。
奥に一気に出したのすら感じた。

ドクリ、ドクリ、ドクリ。

銀なら、良い…
銀の為なら…
私は産んでも良いのだから…
私は銀だけが良いと。

「っあ、くっ。
あぁっ、ふぁ。」

荒い息を。
2人共が抱き合うまま、整えようとする。

先に銀が動いたのは判る。
身体を上げて、息を整えて、ゆっくりと抜いた。

私もまだ、なかなか荒い息が整わず。
でもお腹に熱さを感じ取る。

私はビクリとする。

「あっ。
ふっ、あっ…」

あ、れ。
おか、しい。
いつもと、違うっ!?

身体が、いつもより…
何が違うのは、感じ取っていた。

銀楊ぎんようは、どうにか息も整えた。

「っあっ。
んっ。
くっぁ…」

私はお腹が、いつも以上に熱くて…
呻くのも、小さくなる。

「っ、あ、くっ。
ぅ…」

銀楊ぎんようが、ふと。
いつもの冷静さを取り戻す。
そして、すぐに光希みつきの様子がおかしいのに気付いた。

光希みつき…?」

若干、焦るが思考もする。
いつもと、これは…

「ぁ…
くっ…ぅあっ、ぅ。」

銀楊ぎんようは、焦り出す。
それは明らかにだった。
どう見ても、苦しんでいる顔の光希みつきだった。

光希みつき
光希みつき
どうしたっ?」

銀楊ぎんようは思考もする。
この顔、苦痛にも近い…
それに、いつもと違い過ぎる!?

銀楊ぎんようは、すぐにそれだけは判る。
だが、光希みつきは言葉すらも…
出せる様子でもない!!

それでも、今でもだ、苦しんでいるのは判る。
すぐに思考はするが、『原因の方』が判らない。

光希みつきっ!?」

私は凄い熱さに、呼吸すら出来なくなる。

「っ、ぁ。
おなか、が。
…ぅあっ…っ」

私はお腹の方に手を当てながら抱え込む。
涙が勝手に浮かぶけど、もう言葉が出ない。

銀楊ぎんようは、瞬間的に、呼吸も含めて。
光希みつきの状態が良くないのは判る。
それでも『原因』が、判らない。
だが、かなり危険を感じ取った。
すぐに高位治癒術を出す。
それを光希みつきの腹部に流し込む為にと当てる。

私は少し、軽くはなるけど…
熱い!!
でも、何かが産まれようと…
しているのは、判る…
ただ、でも…
もう、堪えるしか、出来ない…

「っ…あっ。
…っ。
うっ、うぁっ!!」

凄く熱い何かが、急に身体から出ていくのを感じた。
私は反射的に身を反らす時だった。
その熱が身体から、抜け出たのが判った。

銀楊ぎんようも、咄嗟にだった。
光希みつきを支えながらも、産まれた光も咄嗟と動いていた。

だが、金色の2つの光が産まれ、反対の手で受け止めたが…
銀楊ぎんようは、驚く。

金色…
まさか…!?

手の平にある、2つの光。
それは、まさかの『双子』だった。
そして、あり得ないとも思いながらも言う。

「双子の…
『女児』を…!?」

私も、金の光を見た。

あぁ、双子…
それで…

銀楊ぎんようは驚きを隠せない。
でもすぐに光希みつきに言った。

「女児だ、しかも、双子の!?」

私は息がかなり苦しい…
目も薄らとはしていたけれど、呟いた…

「良かった…」

その時に、熱が去ったからか…
私は急に寒くもなり、そのまま何も見えなくなった。

銀楊ぎんようは、新たな『女児の命』に驚きながらも…
すぐ光希みつきの状態にも気付く。

光希みつき!?
光希みつきっ!!」

これは意識すらない!?

瞬間的に悟る。

まさか!!

その時。
銀楊ぎんようは最悪な状況を思い浮かべた。
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