24 / 34
第三章:本当に願う事は一つだけを。
新しい家族。
しおりを挟む
私の身体が回復した頃。
もう、全てが全部が終わっていた様子だった…
**************************
初めて、私は『妖狐の世界』でだ。
その街並みを、外出すらもだった。
約束をする事で出来るようにもなった。
「わぁ!?
これは何?
凄いなぁ、ねぇ、銀!!」
銀は優しく言う。
「そんなに、はしゃいでばかりだと。
疲れてしまうよ?
別にいつでも来れるから、落ち着きなさい。」
「うん!!」
外出にも驚いた。
でも銀が出した約束は、2つ。
1つは、外出は1時間。
2つは、銀か青嵐などの子が同行。
その2つだけだった。
私は初めて、たくさんの妖狐も見た。
銀が居るからか…?
特に誰も近付いて来ないのもあるけど?
でも、私は銀が居るなら大丈夫だと信じた。
だから、目新しい物を見て、楽しくて笑う。
私からも、特に他へと近付く必要もないし?
でも妖狐も、いっぱい居るんだなぁと思った。
あちこち知らない物ばかりで、楽しかった。
銀楊は、仕事も含めてだ。
詳しく『今ですら』、光希には何も話してもいない。
けれど光希は、そんな事も気にせずに…
『私だけを常に信じる部分は』全く変わらなかった。
そして、私が居るなら大丈夫だと、絶対に信じる姿を。
当たり前のようにと約束もしっかり守る。
そして楽しそうに笑うのだから…
本当に光希が愛しく、眩しく、美しいと思うのだ。
だから銀楊も、『光希』にはと、自然に笑う。
ちなみに、既に条例もあり、また必ずだった。
銀楊と、光希の周りにだ。
常に『子供達の数十人が注意中』である。
皆が側に居たゆえに、誰も近付けないだけでもあった。
その為、誰も手は出せないのが事実でもある。
**************************
その後も当主である銀楊。
全てが変わらず、それは『光希』に関してもだった。
何も変えておらず、また仕事でも同じである。
時折『姫』の件になれば、一切、容赦しない。
譲るような態度もなく、威圧し、話題すらも許可しておらず。
徹底的に排除する姿勢すらも変わらない。
また逆に、異論が出れば…
更に青嵐筆頭に、我が子達すらも敏感に察する。
一斉に『威圧』までし、父上である銀楊に、向かう前と。
動こうとさえする行動も、見せるのだ。
それも大きく…
もう誰もが、何も言わなくもなるのは簡単でもあった。
光希も最初は、子供達の人数が多く居た事で…
戸惑いながらも、銀楊を見る行動をして居たが。
銀楊が優しく、光希にと、大丈夫だと示す。
そうして徐々に慣れていく様子を出していった。
私は青嵐以外の子供達も、皆が優しいのも事実でもあり。
徐々に慣れる中で、自然と笑う事も安心して、普通に出来るようになった。
けれど、子供達の皆からしたら…
既に青嵐から聞かされていた通りでもある。
だからこそ、徐々に打ち解ける流れで、常に動くのだ。
また、父上である銀楊もそう動く。
母上である光希への注意をと『必ず』してきていた。
都度、気付く様子でだった。
子供達の方には時折、父上からの視線でだ。
『意思を伝えて』もいたのもある。
子供達は母上の、その『純粋な心』に、嬉しいだけでもあるが。
どうしても青嵐と同じ気持ちになるのだった。
**************************
私がゆっくりと、穏やかに馴染んだ頃…
どうやら、私が寝て居た時に侵入者が出た日があったらしい。
それらも後日談として、子供達から聞いた。
無断で私がいる場所に、接近しようとしたらしく…
銀がまた、新しく造り直してくれた場所に侵入しようとしたそうだ。
「そっか。
もう、前なの?」
青嵐は笑いながらも言う。
「母上が寝てる間にすぐ終わったし。
少し前に済んでたから、大丈夫。
だって、あの父上が許す筈もない!!」
青嵐達からしたら、実は『あれ』には驚愕もした。
けれど、その点を母上には、特に何も詳しくは話さない配慮もする。
「ふーん?」
だが、皆も判ってきて居た。
母上は『疑わない』のだと。
嘘も付かなければ、何も悪意もなく…
本当に『純粋過ぎる』ぐらいに綺麗なのだ。
父上へと気を付けていれば、何がいけない事かも判る。
話題もしていても、母上は『信じた者を純粋に信じて』そのまま笑う。
それが皆は、やはり『綺麗だ』と、嬉しくもあるのだった。
そんな母上の顔も読み易く…
さっきの話すら、不思議そうな顔をする。
皆はそんな母上にと、嬉しく笑う。
私は銀の強さも、詳しくは知らない…
でも、聞く限りは確かに『強い』らしいのは判るけど。
仕事関係は知らされないままだから。
あまり良く判らない…
「その人、いや、違う。
その妖狐は、どうなったの?」
側にいた他の子供が、アッサリと言った。
「父上が火炎術で灰にしたね!!
それより、あの『怒り』の方が凄かった…」
銀が怒って、火を?
でも…
普通に火を使っても、灰にはならないだろう?
と、私には疑問しかない。
灰にしたって…
一体、どこまでが『後日談』か判らなくなり、首を傾げる。
しかし、これに関しては『事実』であった。
そんな不法侵入、必ず結界にかかるのだ。
子供達すらも気付き、すぐに素早く動き、向かうが…
それより早く、一気に巻き起こされた火炎の威力を見た。
皆が着いた頃には、既に父上がおり…
完全に怒りの顔でだ。
瞬時に『強力な火炎術式』を出した後を見て居た。
そして侵入者を跡形もなく、灰にする姿だったのだから…
青嵐達が思うのは…
あの火炎術の『威力』もあるが。
威力より、『早さ』もだった。
侵入時の、あの『早さ』だ。
それは転移術で、更に正確な位置を、瞬時にした事。
また、的確な場所で処理をしたにも等しく…
場所の特定から、即座の転移の早さ。
そして、あの火炎術の威力だった。
子供達からしたら、侵入者を確かに『愚か』としか思えず…
それでも母上は術も使えない、何も知らない。
だから言う『必要もない』事も知っている皆は…
それらの威力や、早さに驚愕はしたが、言わないのである。
私は不思議に思って言った。
「それは、どこまでが後日談なの?」
すぐに母上の顔で気付き、青嵐は目で合図する。
そうして皆が何も言わずに居た中でだった。
そこに笑い転げた。
ある意味、唯一しか居ない。
1人だけ、孫のようになるかもしれない存在の?
青光だけが笑顔で言った。
「聞かない方が良いよ!」
「え?」
その瞬間だった。
即座に青嵐が凄いゲンコツをして、すぐ黙らせる。
青嵐は、また私に笑いながら言う。
「いや、ほら、父上はね。
母上には寛大だけど。
怒ると、恐いんだってだけだよ?」
「ふーん?
銀は、あまり『怒らない』のに…
きっと、いけない事をしたんだろうね!」
私は笑って言う。
青嵐は、うんうんと、頷き。
周りの皆も同じである。
そう、皆は知っている…
母上は知らなくて良いのだと。
父上から、実は『既に忠告』は受けて居た…
そして判らない方が良いとも、判断してる事も大きい。
これは皆の共通認識でもある1つだが…
そもそも?
あの父上が怒らないと言えるのは『母上限定』である。
そして、あの父上がだ。
母上への危害など…
絶対に許す筈がないと、皆は『確信』もして居る。
それこそ、とんでもない話である。
『実力だけ』ではないのだ。
父上の、妖狐最強の強さに、思考速度。
全てを皆が、味わっており、知ってたのだ。
皆は父上と、初めて…
そう、母上と会う前にだった。
既に指導のような模擬戦済みであり。
それを思い出すのだった…
**************************
若干、時は遡り。
条例含め可決され、光希の身体が、もう少しで回復する頃。
銀楊は、地下へと…
我が子ら約350人以上を『全員』呼び出して居た。
家族の概念が薄い妖狐族ではある。
だが、少なくとも、青嵐の行いもある。
我が子達の意思表示もしており…
それを『確認』する為に、銀楊が呼んだのだ。
そこは、かなりの広い訓練場も兼ねている地下空間。
その人数が揃っても、まだかなり広い。
圧迫感さえない広さはある。
銀楊が敢えて、地下の訓練場にしたのは…
我が子、それぞれの『能力面を』、他者に見せない為だった。
特務を派遣させ、呼び出しをした。
それもあり、ある意味、初めて正式に会う形になる場でもある。
そんな銀楊と、我が子が揃う場ではあったが…
銀楊は仕事の一部と変わらない顔で、皆の前にと立った。
そして青嵐率いる、我が子達の方もだが…
呼び出した内容すら、伝えてなくても騒いですらいない。
銀楊は内心、思う。
これだけ『理解度がある』我が子達を前にすると、若干…
不思議な気分でもあるな。
確かに、愚かな最高議会の面々より優れている。
それには、どうにも笑いそうだが。
銀楊は、それも顔には出さない。
冷静にと、分析もしながらも、皆を見た。
我が子らの意思はあるか。
ならば、話を早く済ませる方を銀楊は選んだ。
側近の報告で全員完了を聞き、皆の前でも淡々と言った。
「さて、呼び出しはしたが。
内容は青嵐から聞いているな?
光希の要望の件だ。
だが、一応、私も確認しておく部分はある。
来る前に見ただろうが…
余程の愚か者でなければ、結界が再度。
複数、構築はされている事ぐらいは見れば判る筈。
けれど、既に光希の居場所が露見している。
だからこそ、念の為、確認する。
守る上で、それぞれの力量は、確かめねばならんからな…」
皆はそれぞれの『実力試験と指導だ』と、すぐ理解した。
また、それは母上の護衛兼、父上の忠告と。
普段の行動にも気を付けろと認識する。
だが、次の言葉に皆が一瞬止まった。
「全員で良い、一斉に来い。」
銀楊は、それだけだった。
皆が、まさか、と思うのだ。
それは、350人以上をだ。
今から『父上1人が相手にする』と意味だからだった。
銀楊は端的にまた言った。
「早くしろ。」
皆は同時に、それぞれ邪魔がない配慮をしながらも、判断する。
そして一斉に父上にと、それぞれが攻撃をした。
だが、その間は短い。
早過ぎる程の速度にも関わらず、それだけで『充分』だった。
青嵐の時と、殆どが変わらなかった。
その『全ての攻撃』がだ。
父上である銀楊は…
飛びかかる者は簡単に避け、様々な特殊も含め、術すらも消し。
また全てを読まれ、誰の攻撃も当たらなかったのだ。
これには流石の皆も、動揺するどころでもない。
青嵐から、聞いていた部分はあれど…
これ程の『実力差』に信じられず。
何も言えない。
そして、それは皆も同じだった。
個々は敵わなくても、あれだけの人数すらも…
青嵐すら、改めて思うのだ。
何をした、どうやっている!?
早過ぎる!!
術式を見抜き、それすら構築したのか!?
皆が思わずにはいられかった。
そんな中でもだった。
銀楊は全く気にもせず、分析まで済ませていた。
「ふむ。なるほど。
確かに才覚も能力、また思考もあるが…」
少し考える仕草をすると、簡単に言った。
「ならば、『1秒』だ。」
青嵐は、以前の試験を思い出す。
だが、違った。
「今から、『1秒』、耐えろ。」
青嵐は、『耐えろ』の意味が判らなかった。
!!?
その瞬間だった。
いきなり身体が動かない程の重みがくる。
なっ!?
動けないっ!!
なぜだ、これは風の応用か!?
いや、だが、息は出来る。
威圧でもない!?
重力関係か!?
だが、何の術式を複数多用している!!
その思考さえしている間に、すぐまた更に重くなった。
!!?
流石の青嵐すらも片膝を着いた。
これを『1秒』と!?
まだか!?
更に重くなっていく。
そして青嵐も含め、皆が崩れた時だった。
けれど、皆の意識はあった時にと。
その瞬間、重みがなくなった。
そしてまた父上は端的に言った。
「なるほどな。
大体、判った。」
皆は、もう何も言えない。
これが『最強の妖狐』の言われる所以、父上の実力か!?
皆がどんなに束になってすら…
擦る事すらなく、避け、術すら消し。
更に今の術式までもが、全て判らないのだ。
銀楊は冷静に分析した。
やはりまだ個々に実力が多少あろうが…
全く経験も、知識も足りない。
複雑な応用術式を、複数使えば思考はしても間に合わない。
また、防げる行動にも間があるな。
それにも、気付けないか…
光希が言っていた言葉を思い浮かべた。
これで判るだろうと言う僅かな間でもあった。
皆は、青嵐からだ。
話は聞いていたが…
それでも皆も同じ事をだった。
全てが、その実力に思わずにはいられないのだ。
余りにも強過ぎる!!
そして、判らない!!
あれだけの術式を、あんな瞬間で全て!?
そんな様子の我が子達にと言う。
「…光希に言われたな。
子供達に『何か間違いがあれば、私が指摘』をと。
その意味は、判るか?」
皆がすぐに返事をする。
「「「はい。」」」
指摘に耳を澄ます。
「皆が同じだ。
同じ『致命的な弱点すら』ある。
それに、気付いてもいない。」
弱点っ!?
皆が判らず、父上の言葉を待った。
銀楊は『指摘』した。
「己の『特殊能力を過信』している。
その能力を使うのは勿論、悪くはないが。
どれも、それすらまだ未熟。
にも関わらず、己の特殊能力に過信している。」
皆が、瞬時に意味を理解する。
銀楊は続けて言った。
「思考も動きも、悪くはない。
ゆえに団体でも攻撃は可能だろう。
だが、そのせいで隙も出来ている。
確かに、今の団体ならば、強いかもしれぬが。
それの『弱点』にも、気付いていない。」
!?
皆が、やはり判らずに、先を待つ。
「今、私は『加減した』が、あの時点でだ。
既に『全員が』動けなかった。
術すら見抜けず、他の能力での動きもなかった。
つまり、さっきの攻撃。
私が加減せずに出していたら、どうなる?」
皆が瞬時に悟る。
そうだ!?
あの場で、父上が本気でしていたら…
既に『全滅』なのだ!!
その様子を察して銀楊は言う。
「判った様子だな。
団体の強さはあれど、それはつまり弱点にもなる。
これは私に限らない。
複数でも可能だろうな。
誰かが皆を止め、誰かが強力な攻撃をした場合。
対処も出来ずに負ける。
そこにも、気付いていない。」
皆が余りにも、『的確な指摘だ』と思った。
「己の特殊以外、『全てを』精進しろ。
特殊に頼った攻撃など、私には何百年でも当たらぬ。」
青嵐は思考する。
特殊能力に頼り過ぎか…
確かに、普段から『風を使う』のに、慣れていた。
いざ危険になれば、『風を使う』し…
攻撃も『風』を混ぜながらする。
的確過ぎるな…
「動きは悪くない。
だが、少なくとも、『全員でこれ』では…
しばらくは、まだ私もここに居よう。」
それは母上を守る為にだ。
父上がここに居る意味でもある事を理解する。
自分達はまだ、未熟だと。
それも、その筈だと。
『全員』ですら、敵わないのだから…
理解をしたと判断し、銀楊は立ち去ろうと動いたが…
ふと思い、1度、立ち止まる。
そして我が子、皆にと、付け足した。
「もう1つだ。」
「「「はい!!」」」
皆が一斉に反応し、聞く。
「光希には言うな。
…何も『知る必要すら』ない。」
「「「はい。」」」
つまり…
それは父上が、母上を守る事は変わらないの意味だと。
また、余計な事を母上に言わない事だとも理解する。
理解したのを確認すると、そのまま家へ戻る父上を…
その銀楊の後姿を、皆が見る。
皆が皆で、それぞれで思考はする。
その中で青嵐だけ、僅かに言った。
「精進か…
あれだけの力を。
ただ、『母上を守る為だけ』に高めたのか…
どうやったのか、それは想像すら出来ないだろ…」
ある意味、それは的を得ていた。
そして皆も同じ意見でもあった…
**************************
あっ、銀が戻ってきた!
「銀、おかえり!!」
「ただいま、光希。
身体は、平気か?」
そして銀楊は…
ようやく光希の前でだけ、自然と笑うのだった。
もう、全てが全部が終わっていた様子だった…
**************************
初めて、私は『妖狐の世界』でだ。
その街並みを、外出すらもだった。
約束をする事で出来るようにもなった。
「わぁ!?
これは何?
凄いなぁ、ねぇ、銀!!」
銀は優しく言う。
「そんなに、はしゃいでばかりだと。
疲れてしまうよ?
別にいつでも来れるから、落ち着きなさい。」
「うん!!」
外出にも驚いた。
でも銀が出した約束は、2つ。
1つは、外出は1時間。
2つは、銀か青嵐などの子が同行。
その2つだけだった。
私は初めて、たくさんの妖狐も見た。
銀が居るからか…?
特に誰も近付いて来ないのもあるけど?
でも、私は銀が居るなら大丈夫だと信じた。
だから、目新しい物を見て、楽しくて笑う。
私からも、特に他へと近付く必要もないし?
でも妖狐も、いっぱい居るんだなぁと思った。
あちこち知らない物ばかりで、楽しかった。
銀楊は、仕事も含めてだ。
詳しく『今ですら』、光希には何も話してもいない。
けれど光希は、そんな事も気にせずに…
『私だけを常に信じる部分は』全く変わらなかった。
そして、私が居るなら大丈夫だと、絶対に信じる姿を。
当たり前のようにと約束もしっかり守る。
そして楽しそうに笑うのだから…
本当に光希が愛しく、眩しく、美しいと思うのだ。
だから銀楊も、『光希』にはと、自然に笑う。
ちなみに、既に条例もあり、また必ずだった。
銀楊と、光希の周りにだ。
常に『子供達の数十人が注意中』である。
皆が側に居たゆえに、誰も近付けないだけでもあった。
その為、誰も手は出せないのが事実でもある。
**************************
その後も当主である銀楊。
全てが変わらず、それは『光希』に関してもだった。
何も変えておらず、また仕事でも同じである。
時折『姫』の件になれば、一切、容赦しない。
譲るような態度もなく、威圧し、話題すらも許可しておらず。
徹底的に排除する姿勢すらも変わらない。
また逆に、異論が出れば…
更に青嵐筆頭に、我が子達すらも敏感に察する。
一斉に『威圧』までし、父上である銀楊に、向かう前と。
動こうとさえする行動も、見せるのだ。
それも大きく…
もう誰もが、何も言わなくもなるのは簡単でもあった。
光希も最初は、子供達の人数が多く居た事で…
戸惑いながらも、銀楊を見る行動をして居たが。
銀楊が優しく、光希にと、大丈夫だと示す。
そうして徐々に慣れていく様子を出していった。
私は青嵐以外の子供達も、皆が優しいのも事実でもあり。
徐々に慣れる中で、自然と笑う事も安心して、普通に出来るようになった。
けれど、子供達の皆からしたら…
既に青嵐から聞かされていた通りでもある。
だからこそ、徐々に打ち解ける流れで、常に動くのだ。
また、父上である銀楊もそう動く。
母上である光希への注意をと『必ず』してきていた。
都度、気付く様子でだった。
子供達の方には時折、父上からの視線でだ。
『意思を伝えて』もいたのもある。
子供達は母上の、その『純粋な心』に、嬉しいだけでもあるが。
どうしても青嵐と同じ気持ちになるのだった。
**************************
私がゆっくりと、穏やかに馴染んだ頃…
どうやら、私が寝て居た時に侵入者が出た日があったらしい。
それらも後日談として、子供達から聞いた。
無断で私がいる場所に、接近しようとしたらしく…
銀がまた、新しく造り直してくれた場所に侵入しようとしたそうだ。
「そっか。
もう、前なの?」
青嵐は笑いながらも言う。
「母上が寝てる間にすぐ終わったし。
少し前に済んでたから、大丈夫。
だって、あの父上が許す筈もない!!」
青嵐達からしたら、実は『あれ』には驚愕もした。
けれど、その点を母上には、特に何も詳しくは話さない配慮もする。
「ふーん?」
だが、皆も判ってきて居た。
母上は『疑わない』のだと。
嘘も付かなければ、何も悪意もなく…
本当に『純粋過ぎる』ぐらいに綺麗なのだ。
父上へと気を付けていれば、何がいけない事かも判る。
話題もしていても、母上は『信じた者を純粋に信じて』そのまま笑う。
それが皆は、やはり『綺麗だ』と、嬉しくもあるのだった。
そんな母上の顔も読み易く…
さっきの話すら、不思議そうな顔をする。
皆はそんな母上にと、嬉しく笑う。
私は銀の強さも、詳しくは知らない…
でも、聞く限りは確かに『強い』らしいのは判るけど。
仕事関係は知らされないままだから。
あまり良く判らない…
「その人、いや、違う。
その妖狐は、どうなったの?」
側にいた他の子供が、アッサリと言った。
「父上が火炎術で灰にしたね!!
それより、あの『怒り』の方が凄かった…」
銀が怒って、火を?
でも…
普通に火を使っても、灰にはならないだろう?
と、私には疑問しかない。
灰にしたって…
一体、どこまでが『後日談』か判らなくなり、首を傾げる。
しかし、これに関しては『事実』であった。
そんな不法侵入、必ず結界にかかるのだ。
子供達すらも気付き、すぐに素早く動き、向かうが…
それより早く、一気に巻き起こされた火炎の威力を見た。
皆が着いた頃には、既に父上がおり…
完全に怒りの顔でだ。
瞬時に『強力な火炎術式』を出した後を見て居た。
そして侵入者を跡形もなく、灰にする姿だったのだから…
青嵐達が思うのは…
あの火炎術の『威力』もあるが。
威力より、『早さ』もだった。
侵入時の、あの『早さ』だ。
それは転移術で、更に正確な位置を、瞬時にした事。
また、的確な場所で処理をしたにも等しく…
場所の特定から、即座の転移の早さ。
そして、あの火炎術の威力だった。
子供達からしたら、侵入者を確かに『愚か』としか思えず…
それでも母上は術も使えない、何も知らない。
だから言う『必要もない』事も知っている皆は…
それらの威力や、早さに驚愕はしたが、言わないのである。
私は不思議に思って言った。
「それは、どこまでが後日談なの?」
すぐに母上の顔で気付き、青嵐は目で合図する。
そうして皆が何も言わずに居た中でだった。
そこに笑い転げた。
ある意味、唯一しか居ない。
1人だけ、孫のようになるかもしれない存在の?
青光だけが笑顔で言った。
「聞かない方が良いよ!」
「え?」
その瞬間だった。
即座に青嵐が凄いゲンコツをして、すぐ黙らせる。
青嵐は、また私に笑いながら言う。
「いや、ほら、父上はね。
母上には寛大だけど。
怒ると、恐いんだってだけだよ?」
「ふーん?
銀は、あまり『怒らない』のに…
きっと、いけない事をしたんだろうね!」
私は笑って言う。
青嵐は、うんうんと、頷き。
周りの皆も同じである。
そう、皆は知っている…
母上は知らなくて良いのだと。
父上から、実は『既に忠告』は受けて居た…
そして判らない方が良いとも、判断してる事も大きい。
これは皆の共通認識でもある1つだが…
そもそも?
あの父上が怒らないと言えるのは『母上限定』である。
そして、あの父上がだ。
母上への危害など…
絶対に許す筈がないと、皆は『確信』もして居る。
それこそ、とんでもない話である。
『実力だけ』ではないのだ。
父上の、妖狐最強の強さに、思考速度。
全てを皆が、味わっており、知ってたのだ。
皆は父上と、初めて…
そう、母上と会う前にだった。
既に指導のような模擬戦済みであり。
それを思い出すのだった…
**************************
若干、時は遡り。
条例含め可決され、光希の身体が、もう少しで回復する頃。
銀楊は、地下へと…
我が子ら約350人以上を『全員』呼び出して居た。
家族の概念が薄い妖狐族ではある。
だが、少なくとも、青嵐の行いもある。
我が子達の意思表示もしており…
それを『確認』する為に、銀楊が呼んだのだ。
そこは、かなりの広い訓練場も兼ねている地下空間。
その人数が揃っても、まだかなり広い。
圧迫感さえない広さはある。
銀楊が敢えて、地下の訓練場にしたのは…
我が子、それぞれの『能力面を』、他者に見せない為だった。
特務を派遣させ、呼び出しをした。
それもあり、ある意味、初めて正式に会う形になる場でもある。
そんな銀楊と、我が子が揃う場ではあったが…
銀楊は仕事の一部と変わらない顔で、皆の前にと立った。
そして青嵐率いる、我が子達の方もだが…
呼び出した内容すら、伝えてなくても騒いですらいない。
銀楊は内心、思う。
これだけ『理解度がある』我が子達を前にすると、若干…
不思議な気分でもあるな。
確かに、愚かな最高議会の面々より優れている。
それには、どうにも笑いそうだが。
銀楊は、それも顔には出さない。
冷静にと、分析もしながらも、皆を見た。
我が子らの意思はあるか。
ならば、話を早く済ませる方を銀楊は選んだ。
側近の報告で全員完了を聞き、皆の前でも淡々と言った。
「さて、呼び出しはしたが。
内容は青嵐から聞いているな?
光希の要望の件だ。
だが、一応、私も確認しておく部分はある。
来る前に見ただろうが…
余程の愚か者でなければ、結界が再度。
複数、構築はされている事ぐらいは見れば判る筈。
けれど、既に光希の居場所が露見している。
だからこそ、念の為、確認する。
守る上で、それぞれの力量は、確かめねばならんからな…」
皆はそれぞれの『実力試験と指導だ』と、すぐ理解した。
また、それは母上の護衛兼、父上の忠告と。
普段の行動にも気を付けろと認識する。
だが、次の言葉に皆が一瞬止まった。
「全員で良い、一斉に来い。」
銀楊は、それだけだった。
皆が、まさか、と思うのだ。
それは、350人以上をだ。
今から『父上1人が相手にする』と意味だからだった。
銀楊は端的にまた言った。
「早くしろ。」
皆は同時に、それぞれ邪魔がない配慮をしながらも、判断する。
そして一斉に父上にと、それぞれが攻撃をした。
だが、その間は短い。
早過ぎる程の速度にも関わらず、それだけで『充分』だった。
青嵐の時と、殆どが変わらなかった。
その『全ての攻撃』がだ。
父上である銀楊は…
飛びかかる者は簡単に避け、様々な特殊も含め、術すらも消し。
また全てを読まれ、誰の攻撃も当たらなかったのだ。
これには流石の皆も、動揺するどころでもない。
青嵐から、聞いていた部分はあれど…
これ程の『実力差』に信じられず。
何も言えない。
そして、それは皆も同じだった。
個々は敵わなくても、あれだけの人数すらも…
青嵐すら、改めて思うのだ。
何をした、どうやっている!?
早過ぎる!!
術式を見抜き、それすら構築したのか!?
皆が思わずにはいられかった。
そんな中でもだった。
銀楊は全く気にもせず、分析まで済ませていた。
「ふむ。なるほど。
確かに才覚も能力、また思考もあるが…」
少し考える仕草をすると、簡単に言った。
「ならば、『1秒』だ。」
青嵐は、以前の試験を思い出す。
だが、違った。
「今から、『1秒』、耐えろ。」
青嵐は、『耐えろ』の意味が判らなかった。
!!?
その瞬間だった。
いきなり身体が動かない程の重みがくる。
なっ!?
動けないっ!!
なぜだ、これは風の応用か!?
いや、だが、息は出来る。
威圧でもない!?
重力関係か!?
だが、何の術式を複数多用している!!
その思考さえしている間に、すぐまた更に重くなった。
!!?
流石の青嵐すらも片膝を着いた。
これを『1秒』と!?
まだか!?
更に重くなっていく。
そして青嵐も含め、皆が崩れた時だった。
けれど、皆の意識はあった時にと。
その瞬間、重みがなくなった。
そしてまた父上は端的に言った。
「なるほどな。
大体、判った。」
皆は、もう何も言えない。
これが『最強の妖狐』の言われる所以、父上の実力か!?
皆がどんなに束になってすら…
擦る事すらなく、避け、術すら消し。
更に今の術式までもが、全て判らないのだ。
銀楊は冷静に分析した。
やはりまだ個々に実力が多少あろうが…
全く経験も、知識も足りない。
複雑な応用術式を、複数使えば思考はしても間に合わない。
また、防げる行動にも間があるな。
それにも、気付けないか…
光希が言っていた言葉を思い浮かべた。
これで判るだろうと言う僅かな間でもあった。
皆は、青嵐からだ。
話は聞いていたが…
それでも皆も同じ事をだった。
全てが、その実力に思わずにはいられないのだ。
余りにも強過ぎる!!
そして、判らない!!
あれだけの術式を、あんな瞬間で全て!?
そんな様子の我が子達にと言う。
「…光希に言われたな。
子供達に『何か間違いがあれば、私が指摘』をと。
その意味は、判るか?」
皆がすぐに返事をする。
「「「はい。」」」
指摘に耳を澄ます。
「皆が同じだ。
同じ『致命的な弱点すら』ある。
それに、気付いてもいない。」
弱点っ!?
皆が判らず、父上の言葉を待った。
銀楊は『指摘』した。
「己の『特殊能力を過信』している。
その能力を使うのは勿論、悪くはないが。
どれも、それすらまだ未熟。
にも関わらず、己の特殊能力に過信している。」
皆が、瞬時に意味を理解する。
銀楊は続けて言った。
「思考も動きも、悪くはない。
ゆえに団体でも攻撃は可能だろう。
だが、そのせいで隙も出来ている。
確かに、今の団体ならば、強いかもしれぬが。
それの『弱点』にも、気付いていない。」
!?
皆が、やはり判らずに、先を待つ。
「今、私は『加減した』が、あの時点でだ。
既に『全員が』動けなかった。
術すら見抜けず、他の能力での動きもなかった。
つまり、さっきの攻撃。
私が加減せずに出していたら、どうなる?」
皆が瞬時に悟る。
そうだ!?
あの場で、父上が本気でしていたら…
既に『全滅』なのだ!!
その様子を察して銀楊は言う。
「判った様子だな。
団体の強さはあれど、それはつまり弱点にもなる。
これは私に限らない。
複数でも可能だろうな。
誰かが皆を止め、誰かが強力な攻撃をした場合。
対処も出来ずに負ける。
そこにも、気付いていない。」
皆が余りにも、『的確な指摘だ』と思った。
「己の特殊以外、『全てを』精進しろ。
特殊に頼った攻撃など、私には何百年でも当たらぬ。」
青嵐は思考する。
特殊能力に頼り過ぎか…
確かに、普段から『風を使う』のに、慣れていた。
いざ危険になれば、『風を使う』し…
攻撃も『風』を混ぜながらする。
的確過ぎるな…
「動きは悪くない。
だが、少なくとも、『全員でこれ』では…
しばらくは、まだ私もここに居よう。」
それは母上を守る為にだ。
父上がここに居る意味でもある事を理解する。
自分達はまだ、未熟だと。
それも、その筈だと。
『全員』ですら、敵わないのだから…
理解をしたと判断し、銀楊は立ち去ろうと動いたが…
ふと思い、1度、立ち止まる。
そして我が子、皆にと、付け足した。
「もう1つだ。」
「「「はい!!」」」
皆が一斉に反応し、聞く。
「光希には言うな。
…何も『知る必要すら』ない。」
「「「はい。」」」
つまり…
それは父上が、母上を守る事は変わらないの意味だと。
また、余計な事を母上に言わない事だとも理解する。
理解したのを確認すると、そのまま家へ戻る父上を…
その銀楊の後姿を、皆が見る。
皆が皆で、それぞれで思考はする。
その中で青嵐だけ、僅かに言った。
「精進か…
あれだけの力を。
ただ、『母上を守る為だけ』に高めたのか…
どうやったのか、それは想像すら出来ないだろ…」
ある意味、それは的を得ていた。
そして皆も同じ意見でもあった…
**************************
あっ、銀が戻ってきた!
「銀、おかえり!!」
「ただいま、光希。
身体は、平気か?」
そして銀楊は…
ようやく光希の前でだけ、自然と笑うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる