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第一章:馬鹿神のミスから始まる生活。
初めての出会いと提案。
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結局。
住み始めてからも誰も来ないのも、そうだけど。
逆に人間は、もう居ないと。
友達になった動物にと話した…
既に動物達で、もう話は広まってたらしい。
そして私が居るならと。
私も動物達が居るならと。
皆と普通に過ごしてた。
そんな日々が続いてた中でだった…
**************************
そんな、ある日。
私は初めて『獣人』と出会った。
それは人間でもない…
そして動物でもない…
私は一番、驚くのもだけど。
初めて見たのもある。
特に『目』だった…
どうしても…
今まで、なかった。
そう、判らない事にだった…
**************************
私はベッドから何のアラームなどもない。
自然と起きてから背伸びをする。
相変わらず、帝国王城にと一人でも…
私は何にも問題すらなく生活もしてた。
時々会う動物達なら、もう私は仲良しだ。
それに皆もだった。
私だけは、ちゃんと見てくれるし。
人間とは全然、違う。
話して居ても楽しい。
困ってるのを、私が助けると…
その後、お礼まで持って来る時すらある。
私も自然と笑えた。
人間が居ない方が平和だと。
凄く感じるぐらいだ。
私は少し指輪に触れてから言う。
「IQOSのヒートスティック。」
普通に吸いながら考える。
他にも…
外の動物達とは話せるかなぁ。
散歩とかで会えるかも?
少しは王城の外も…
動物なら良いし?
そう思って私は動き出す。
簡単に外の門へと向かった。
でも私は人影に気付いた。
確認の為にと見てから凄く驚いた。
あの耳は!?
それに…
明らかに…
人間じゃない!?
すぐ思い出して言う。
『シフト』
そこで私に気付いたのか…
他種族らしい方も驚く様子をした。
でも…
私には何も見えない。
なら異能は使ってない…
そう判断して彼に言う。
「貴方は…
異能を、使ってないね。
初めて見るけど…
他種族なの?」
その男性みたいだけど、明らかに、そう…
黒い犬の様な…
不思議な耳をしてた。
他に尻尾も、あるぐらいかなぁ。
人間にも、かなり似てるけど…
これが他種族?
私が不思議に見てると、彼も驚く様に言ってきた。
「俺は、少し違う。
『獣人』だ。」
私は首を傾げる。
また少し考える。
会話が出来るなら人間みたいだしなぁ。
でも違うし…
そのまま私は聞いた。
「獣人?
それは…
人間でもない、よね?
何に、なるの?」
彼は少し、また驚く様に言った。
「狼と人間になるが。
そんな事も知らないのか?
普通だ。」
私も考える。
それに彼の目は…
初めて見る!!
更に判らない!?
茶色みたいに見えるけど…
あんな目は、明らかに…
人間でも、ないよね?
でも動物達とも…
私は、どうにか言う。
「それは…
えっと?
ハーフみたいな事?
半分は人間で、半分は狼なの?
私は知らない…」
今度は彼が不思議そうな様子をした。
「知らないだと?
それより、なぜ…
お前だけが…
この王城内部で生き残ってるんだ?
それの方が疑問だ。
何があったかまでは、判らないがな…
他には誰も居ないのに。」
すぐ私は、また目を見るけど。
その複雑な目を初めて見る。
また私も考える。
人間でもないと。
動物でもないと。
だから、どちらでもない?
いや、逆かなぁ。
どちらも入ってるよね?
だからなの?
その『目』が…
読めない?
判らないなんて…
今までなかったのに!?
判らないのもある。
取り敢えず、思った事を聞いた。
「私が居るのが、変なの?」
「それは当たり前だろう?
この王城内部の皆もだが…
あちこちで今は行方不明も多い。
誰かに殺されてるからだぞ?」
あぁ。
それが疑問だったのかぁ?
もう私は笑うしかなかった。
「あはははっ。
なんだ、それかぁ!!
あんな人間達なんて要らないし。
別に?
何も気にしなくて良い事でしょう?」
「待て!?
今…
要らないと言ったな!?」
彼を見ると、凄く驚いてるぐらいは判った。
だから私は普通に言った。
「言ったよ?
それが、どうしたの?」
急に睨み付ける様になると…
「お前が殺してたのか!!
あれだけの人間すらも!?」
彼が怒鳴ってきた事に…
一応、私も首を傾げて考える。
殺した?
まぁ、消してるから…
そうとも取れる?
私は笑いながら言う。
「一応、そうなるのかも?
しれないのかな。
殺すとも少し違うけど似てるかも。
貴方は人間みたいだけど…
違う事は判る。
貴方は…
だって会話も出来るみたい。
だから私は何もしないよ。」
「お前…
あれだけ多くを殺してか!!
どうして笑ってるんだぁ!!」
また彼に怒鳴られた。
少し私も驚いたのもあるけど。
でも…
私は彼に大きく言う。
「動物達にはしてない!!
人間だけだし!?
そんなの当たり前だ!!」
でも彼は、また怒鳴ってきた。
「何を…
人間だって、動物だって、同じ『命』なんだぞ!!」
同じ!?
人間と!?
全く違うのに…
私は苛立つ。
だから彼を睨み付けた。
でも…
彼は人間じゃない。
だったら…
私は首を横に振って言う。
「貴方は半分、動物だから…
私は何も、しない。
それに貴方は異能も使ってない。
なら私は…
貴方を害する必要もない!!」
また彼は僅かに驚く顔はしたけど…
もう私は彼と話したくない。
すぐ、その場から離れる為にと動いた。
人間じゃないなら…
私は、したくない。
「待て!?
お前に聞きたい!!
どうして皆を。
殺したんだ?
何か理由があったんじゃないのか!?」
私は振り返る。
さっきとも目が、少し違う?
疑問が浮かぶけど。
目を見ても判らないし…
だから私は、そのまま彼へ一応、言う。
「理由なら簡単だよ。
会話すら成り立たなかった。
いきなり武器を突きつけられた。
それに…
私は前から人間なんて嫌いだ。
勝手に私を決め付けてくる。
しかも私の話を、聞こうともしない。
そんな馬鹿馬鹿しい人間なんか、要らない。
私は元々、この世界には居なかった。
だから私は、何も判らないのに…
それすら言っても人間には、通じない。
前の世界で居た人間も、同じだった。
やっぱり人間は、人間だと思ったし。
どの世界でも同じ。
下らない。
馬鹿馬鹿しい。
そんな人間とは、もう話したくもない。」
彼は驚く様な仕草をしたけど。
さっきとは違う感じで、でも強く言ってきた。
「だが、それならば!!
お前だって人間だろう!!
どうしてお前は生きてる!?」
私は不思議に思いながら考える。
まぁ、確かに…
私も人間だからなぁ。
でも彼の目は…
「貴方は…
私を殺したいの?」
彼は凄く驚いた顔になる様子で、すぐ言った。
「何だと!?
俺は人殺しになど、ならない!!」
また私は首を傾げる。
私は別に…
でも、明らかに怒ってる様子も?
したよね?
嘘を付いてもいない様子だし?
判らないけど…
私が人間だからかなぁ。
「だって、貴方は…
私が嫌いでしょう?
だったら別に?
私を殺して良いよ?
だけど…
私は貴方を殺さない。
それは…
貴方は半分、狼みたいだから。
それに貴方は…
嘘も付いてない様に見える。
でも、その目は…
私へ怒りも、あるように見えるから?
ただの人間だったら…
私には貴方なんて要らないけど。
でも…
貴方は違う様だし?
それに、やっぱり…
私は人間なんて嫌いだ!!
自分が人間である事すら大嫌いだ!!
私は動物に殺されるなら死んでも良い。
だから貴方が殺したいと思うなら。
私を殺せば良い。」
彼は慌てた様に言ってきた。
「いや、それも、おかしいだろう!?
だったら俺は…
どちらでも、ないんだぞ?
お前の言葉は…
明らかに矛盾してるぞ?」
そこで私も少し考える。
でもなぁ…
理由は、そのままだし?
「だけど…
貴方は人間でもない。
だから私は貴方へ何も、しない。
私の世界には居なかったからなぁ。
初めて見たけど。
だから…
判断が難しい。
動物は裏切らない。
嘘も付かない。
だから私も動物達を害さない。」
「だったら俺を知れば!!
お前も人間の良さが判る!!
全てを同じにする時点で間違えてるぞ!!」
急に、また彼が強く言ってきた。
少し怒ってる様にも見えるけど…
判らないし、それに…
私は、まただった。
その言葉にも苛立つ。
どうしても睨み付ける。
「貴方も…
やっぱり『半分は人間』だからなの?
他の動物達だったら…
貴方みたいな事は言わない!!
私は人間が嫌いなだけだし。
でも貴方は…
人間でもない。
だから良く、貴方は判らないけど…
半分人間だからなの?
もう私は貴方と話してたくない。」
彼は考える様子をした。
「なぜ…
そんなに人間を嫌う?
理由が、ありそうだが…」
すぐ私は思い出して言う。
「あぁ、それは簡単かも?
私は結局、産まれてからだけど…
誰からも人間に、愛された事なんてない。
皆は私の容姿ばかりだった。
それに親も同じで、お金しかくれない。
結局は誰も同じだった。
私なんか見てなかったよ。
私が演じれば、その場は簡単に済むだけ。
でも、それすら気付かない。
馬鹿な人間ばかりだった。
だから私も、そう。
誰も愛した事すらない。
人間の中に居ても、ずっと同じで変わらない。
誰が死んだって私は悲しくもない。」
また彼は考えながら言う様子には見えた。
「ならば…
なぜ、動物は?」
その言葉を私も考える。
やっぱり、それは…
そのまま彼には言う。
「動物達は違う。
動物達は私が愛せば、同じになる。
私が大切にすれば…
それと同じ事をと返してくれる。
私が信じれば、動物達も信じてくれる。
私が危害をしなければ、動物達も危害しない。
だけど…
人間だけは違う!!
簡単に裏切る!!
嘘ばかり、更に自分勝手だ。
それすら何も変わらない。
嘘ばかり並べて所詮、皆が金に群がるだけ。
強い時には弱い者を。
簡単に虐めるくせに…
自分が逆になれば、すぐだ。
態度すら変える。
そんな私も人間なんて嫌気がする。
私には生きる理由もない。
そして死ぬ理由もない。
結局、私も人間だけど…
何を言っても理解しない!!
更に理解しようとも、しない!!
でも私も人間だから…
私自身すら愛する気にもならない!!
貴方が私を殺したいなら殺せば良い。
貴方も半分は動物…
私からは貴方には何もしたくない。
でも貴方も半分、人間なら…
私を裏切る事も普通にする!!
私には、それが判らないけど。
でも…
貴方は人間じゃない。
だから別に私を殺しても構わない。」
また彼は複雑な顔もした。
「誰も、お前を愛してなかったと?
それに、お前も…
誰も愛してなかったと?
産まれてから…
今でも、ずっとだと言うのか?」
私は少し考える。
でも答えも簡単だった。
「そうなるよ。
だって今でも別に?
誰も私を?
愛してないでしょう?
私も人間を愛した事もない。
それに今更、私は愛して欲しいとも。
全く思ってない。
私も愛する気にも、なれない。
当たり前でしょう?」
「少し待て!?
俺は、お前に言いたい事もある!!」
私は更に苛立つ。
うるさいなぁ…
私は彼に手を向けた。
そんな彼も少し驚く顔にと気付いた。
彼を傷付けるのは…
彼は…
人間じゃない!!
私は手を下げた。
どうにか首を横に振ってから言う。
「私は…
したくない。
動物達には…
したくない!!
もう私のとこに来ないで!!
やっぱり半分は人間だ。
だから私は貴方が嫌いだ。
でも…
半分が動物なら…
私は…
貴方を傷付けたくない。」
また彼は複雑な顔で言った。
「俺が裏切らないと言ったら…
お前も裏切らないのか?」
私は首を傾げる。
「何を急に言うの?
私には判らない答えにしかならない。
貴方は…
半分は人間だし?
だったら裏切る。
でも…
半分は動物だし?
だから判らない…
その判断は出来ない。
それに、したくもない。
そして裏切らない保証もない!!」
また彼は考える様子をした。
「お前…
今は、いくつだ?」
私は彼が全く判らない。
でも半分は動物…
そう思って、一応は睨みながら言う。
「21歳だけど…
何で聞くの?
貴方には関係すらない。
私も貴方は関係ないのに…」
「21年も、ずっと…
それで判らないからと。
してるのか?
人間を嫌うのも…」
また彼は複雑な顔もする。
でも私は睨みながら、そのまま言う。
「貴方は…
良く判らない。
何を言ってるかもだけど。
でも私は…
貴方が人間じゃないなら…
だから私は…
何もしたくない。
でも、やっぱり人間みたいにも話す…
だから、もう来るなぁ!!
私は貴方が判らない。
人間みたいな動物なんか、私は知らない。
私は貴方みたいなのは、嫌いだ…
でも…
しない…」
彼は口調は変わったけど。
複雑な顔のまま言ってきた。
「お前…
それだけ、ずっとだから…
人間を嫌う理由なんだろうが。
命は、同じだと思わないのか?
俺も、お前も、命は同じ筈だぞ?」
「違う!!」
私は瞬時に怒鳴った。
「な、何を…」
彼が凄く驚いたのは判る。
でも私は完全に怒鳴った。
「人間なんか最低な生き物だ!!
あんなものとかぁ!!
他の動物達を一緒に、するなぁ!!
人間なんか絶滅した方が一番、良いんだ!!
あんなのと皆を!!
動物達を同じ扱いにするなぁ!!」
私は怒りが湧くだけだった。
睨み付ける。
「あんな人間なんかと皆を比べるなぁ!!」
また彼は複雑な顔をした。
「それだと…
お前も人間だし、俺だって。
お前に例えるなら…
半分は人間だぞ?
俺も同じに、なる筈だろ?
お前が死ぬなら。
その話なら、俺も死ぬんだぞ?」
私は首を横に振る。
「だから貴方は…
判らない。
それに、さっきも言った。
貴方が私を殺すなら、殺しても良いと!!
私も結局、人間だぁ。
だから生きるのも、死ぬのも、関係ない。
でも、ただの人間にだけ…
殺されるぐらいなら。
あんな人間なんか要らない!!」
急にまた彼は大きく言った。
「だったら!!
俺から『提案』したい!!」
提案…?
私は首を傾げる。
「俺からの提案だ!!
俺はお前に、もう誰かを。
傷付けたり、殺して欲しくない!!
それに判らないなら尚更だ!!
その提案内容は…
お前が『誰かを愛せるまで、俺と一緒に居る事』だ!!
俺は、お前を裏切らないと約束もする。
もし、お前が俺に裏切られたと思うなら。
その時は俺をだ。
殺せば良いだけになるだろう!?」
私は驚く。
『誰かを愛せるまで一緒に居る事』を?
それを、提案と?
「でも…
私は誰かを愛せるとは…
思えない。
貴方も半分は動物…
裏切らないかもしれない。
でも、その内容が?
『誰かを愛せるまで一緒に居る事』と?
それも判らない。
私も貴方を。
裏切りたくはない。
だから…
判らないし…
したくは…」
「さっきも俺が言ったぞ!!
判らないなら、尚更だと。
俺は絶対に裏切らない!!
それが判らないのは…
お前が俺をだ!!
どちらにも入れないからだろ?
人間にも、動物にも、入れないから。
判らないんだ!!」
私の言葉を遮り、彼は大きく言った事。
その内容にもだった。
驚くしかなかった。
確かに、そう…
「それは、でも…
だって貴方は両方。
どっちか、判らない…
でも、人間みたいに話す。
でも、動物でも、あるらしい。
人間なんかと?
話したくもないけど…
その提案を?
どうして、するの?
私は人間なら要らないのに。
貴方は…
どうして、あんな人間を?
要る理由すら判らない。
なんで、あんな人間なんて…
私は要らないのに?」
「それを判る為にもと。
俺は提案したんだ!!
お前が人間を嫌う理由なら俺にも判った。
それに、お前がだぞ!?
さっき俺にとしようとしたが…
それも止めただろう!?」
何を言ってる!?
彼は判らない事ばかりを!?
「それは…
だって貴方は…
半分は…
動物だから…
でも…」
私は目を閉じて首を横に振る。
判らない!!
「や…
嫌だ!!
私は、もう人間なんて…
絶対に信じない!!」
「なぁ?
俺には、お前が…
痛そうに見えるからだ。
だから、もう誰も殺さないで欲しいだけだ。
それに…
泣かないでくれ…」
私は、もう嫌だ!!
人間なんて嫌いだ!!
私は蹲る。
もう何も聞きたくない!!
「貴方は…
痛い事もする。
他の動物達は、しない。
なのに、半分だからなの?
もう私に…
近付かないで!!
嫌だ!!
でも動物達は傷付けたくない!!」
その時だった。
急に抱き寄せられた。
そのまま彼が抱き締めてくる。
私は咄嗟に逃げようとするけど。
「なっ、離れて!?
やっ!!
来るなぁ!!
人間は嫌いだ!!」
「もう…
傷付くな。
俺は人間でもない。
傷も付けない…」
人間でもない!?
その言葉で私は抵抗を止めて言う。
「人間でもない?
貴方は…
判らない…
でも…
半分は…
どうして…」
彼の顔は見えないけど声は聞いてた。
「判らないならだ。
だからする『提案』なんだ。
今、お前がしてる事は…
自分で自分すらも更に傷付けてるのも。
気付いてない…」
「私が?
傷なんて…」
「だったら…
どうしてだ。
俺になら殺されても良いと言うんだ。
それすら…
もう、判らないんだろう?」
「それは…
貴方は…
人間じゃない…
だから…」
「お前は…
誰からも愛されてないからと。
言った…
だったら答えも、本当は簡単なんだ。
なのに、それすら…
判らない理由でもあるんだ。
お前が『誰かを愛せる』までだ。
俺が一緒に居る事で、お前も判る筈なんだ。
俺は絶対に裏切らない。」
私は考える。
それに半分は動物なら…
「判ると?
その『提案』を受ければ?」
「そうだ。
俺がだ。
お前が『誰かを愛せるまで一緒に居る事』を。
約束する。
もう自分も、周りすら、傷付けないでくれ。」
何で…
でも彼は…
「判ったよ…
その『提案』を、受ける。」
そう言うと抱き締めてたのを、緩めて私を見てくる。
さっきとは、また違う目だった。
でも、そんな目を私は知らない…
だから私は何も言えなくなる。
判らない…
首だけを横に振る。
でも私の頬に触れながら優しく言われた。
「もう、俺すら…
見てられない。
傷だらけで、泣いてるのをだ。」
私は判らない、だから視線だけは外した。
「泣いてない…
今までも、今でも、一人でも出来てる。」
「もう一人にはしない。
俺が一緒に居るだろ?
それに、お前が『誰かを愛せる』時だ。
そうなれば、『お前が愛した誰か』が居るぞ?
だから、もう一人には、ならないだろ?」
私は驚いて彼を見る。
少し笑ってた。
私は首を傾げて考える。
別に一人で出来るのに…
どうして二人でする必要が?
やっぱり、判らない…
それに私も、やっぱり…
愛せる気にもならない…
住み始めてからも誰も来ないのも、そうだけど。
逆に人間は、もう居ないと。
友達になった動物にと話した…
既に動物達で、もう話は広まってたらしい。
そして私が居るならと。
私も動物達が居るならと。
皆と普通に過ごしてた。
そんな日々が続いてた中でだった…
**************************
そんな、ある日。
私は初めて『獣人』と出会った。
それは人間でもない…
そして動物でもない…
私は一番、驚くのもだけど。
初めて見たのもある。
特に『目』だった…
どうしても…
今まで、なかった。
そう、判らない事にだった…
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私はベッドから何のアラームなどもない。
自然と起きてから背伸びをする。
相変わらず、帝国王城にと一人でも…
私は何にも問題すらなく生活もしてた。
時々会う動物達なら、もう私は仲良しだ。
それに皆もだった。
私だけは、ちゃんと見てくれるし。
人間とは全然、違う。
話して居ても楽しい。
困ってるのを、私が助けると…
その後、お礼まで持って来る時すらある。
私も自然と笑えた。
人間が居ない方が平和だと。
凄く感じるぐらいだ。
私は少し指輪に触れてから言う。
「IQOSのヒートスティック。」
普通に吸いながら考える。
他にも…
外の動物達とは話せるかなぁ。
散歩とかで会えるかも?
少しは王城の外も…
動物なら良いし?
そう思って私は動き出す。
簡単に外の門へと向かった。
でも私は人影に気付いた。
確認の為にと見てから凄く驚いた。
あの耳は!?
それに…
明らかに…
人間じゃない!?
すぐ思い出して言う。
『シフト』
そこで私に気付いたのか…
他種族らしい方も驚く様子をした。
でも…
私には何も見えない。
なら異能は使ってない…
そう判断して彼に言う。
「貴方は…
異能を、使ってないね。
初めて見るけど…
他種族なの?」
その男性みたいだけど、明らかに、そう…
黒い犬の様な…
不思議な耳をしてた。
他に尻尾も、あるぐらいかなぁ。
人間にも、かなり似てるけど…
これが他種族?
私が不思議に見てると、彼も驚く様に言ってきた。
「俺は、少し違う。
『獣人』だ。」
私は首を傾げる。
また少し考える。
会話が出来るなら人間みたいだしなぁ。
でも違うし…
そのまま私は聞いた。
「獣人?
それは…
人間でもない、よね?
何に、なるの?」
彼は少し、また驚く様に言った。
「狼と人間になるが。
そんな事も知らないのか?
普通だ。」
私も考える。
それに彼の目は…
初めて見る!!
更に判らない!?
茶色みたいに見えるけど…
あんな目は、明らかに…
人間でも、ないよね?
でも動物達とも…
私は、どうにか言う。
「それは…
えっと?
ハーフみたいな事?
半分は人間で、半分は狼なの?
私は知らない…」
今度は彼が不思議そうな様子をした。
「知らないだと?
それより、なぜ…
お前だけが…
この王城内部で生き残ってるんだ?
それの方が疑問だ。
何があったかまでは、判らないがな…
他には誰も居ないのに。」
すぐ私は、また目を見るけど。
その複雑な目を初めて見る。
また私も考える。
人間でもないと。
動物でもないと。
だから、どちらでもない?
いや、逆かなぁ。
どちらも入ってるよね?
だからなの?
その『目』が…
読めない?
判らないなんて…
今までなかったのに!?
判らないのもある。
取り敢えず、思った事を聞いた。
「私が居るのが、変なの?」
「それは当たり前だろう?
この王城内部の皆もだが…
あちこちで今は行方不明も多い。
誰かに殺されてるからだぞ?」
あぁ。
それが疑問だったのかぁ?
もう私は笑うしかなかった。
「あはははっ。
なんだ、それかぁ!!
あんな人間達なんて要らないし。
別に?
何も気にしなくて良い事でしょう?」
「待て!?
今…
要らないと言ったな!?」
彼を見ると、凄く驚いてるぐらいは判った。
だから私は普通に言った。
「言ったよ?
それが、どうしたの?」
急に睨み付ける様になると…
「お前が殺してたのか!!
あれだけの人間すらも!?」
彼が怒鳴ってきた事に…
一応、私も首を傾げて考える。
殺した?
まぁ、消してるから…
そうとも取れる?
私は笑いながら言う。
「一応、そうなるのかも?
しれないのかな。
殺すとも少し違うけど似てるかも。
貴方は人間みたいだけど…
違う事は判る。
貴方は…
だって会話も出来るみたい。
だから私は何もしないよ。」
「お前…
あれだけ多くを殺してか!!
どうして笑ってるんだぁ!!」
また彼に怒鳴られた。
少し私も驚いたのもあるけど。
でも…
私は彼に大きく言う。
「動物達にはしてない!!
人間だけだし!?
そんなの当たり前だ!!」
でも彼は、また怒鳴ってきた。
「何を…
人間だって、動物だって、同じ『命』なんだぞ!!」
同じ!?
人間と!?
全く違うのに…
私は苛立つ。
だから彼を睨み付けた。
でも…
彼は人間じゃない。
だったら…
私は首を横に振って言う。
「貴方は半分、動物だから…
私は何も、しない。
それに貴方は異能も使ってない。
なら私は…
貴方を害する必要もない!!」
また彼は僅かに驚く顔はしたけど…
もう私は彼と話したくない。
すぐ、その場から離れる為にと動いた。
人間じゃないなら…
私は、したくない。
「待て!?
お前に聞きたい!!
どうして皆を。
殺したんだ?
何か理由があったんじゃないのか!?」
私は振り返る。
さっきとも目が、少し違う?
疑問が浮かぶけど。
目を見ても判らないし…
だから私は、そのまま彼へ一応、言う。
「理由なら簡単だよ。
会話すら成り立たなかった。
いきなり武器を突きつけられた。
それに…
私は前から人間なんて嫌いだ。
勝手に私を決め付けてくる。
しかも私の話を、聞こうともしない。
そんな馬鹿馬鹿しい人間なんか、要らない。
私は元々、この世界には居なかった。
だから私は、何も判らないのに…
それすら言っても人間には、通じない。
前の世界で居た人間も、同じだった。
やっぱり人間は、人間だと思ったし。
どの世界でも同じ。
下らない。
馬鹿馬鹿しい。
そんな人間とは、もう話したくもない。」
彼は驚く様な仕草をしたけど。
さっきとは違う感じで、でも強く言ってきた。
「だが、それならば!!
お前だって人間だろう!!
どうしてお前は生きてる!?」
私は不思議に思いながら考える。
まぁ、確かに…
私も人間だからなぁ。
でも彼の目は…
「貴方は…
私を殺したいの?」
彼は凄く驚いた顔になる様子で、すぐ言った。
「何だと!?
俺は人殺しになど、ならない!!」
また私は首を傾げる。
私は別に…
でも、明らかに怒ってる様子も?
したよね?
嘘を付いてもいない様子だし?
判らないけど…
私が人間だからかなぁ。
「だって、貴方は…
私が嫌いでしょう?
だったら別に?
私を殺して良いよ?
だけど…
私は貴方を殺さない。
それは…
貴方は半分、狼みたいだから。
それに貴方は…
嘘も付いてない様に見える。
でも、その目は…
私へ怒りも、あるように見えるから?
ただの人間だったら…
私には貴方なんて要らないけど。
でも…
貴方は違う様だし?
それに、やっぱり…
私は人間なんて嫌いだ!!
自分が人間である事すら大嫌いだ!!
私は動物に殺されるなら死んでも良い。
だから貴方が殺したいと思うなら。
私を殺せば良い。」
彼は慌てた様に言ってきた。
「いや、それも、おかしいだろう!?
だったら俺は…
どちらでも、ないんだぞ?
お前の言葉は…
明らかに矛盾してるぞ?」
そこで私も少し考える。
でもなぁ…
理由は、そのままだし?
「だけど…
貴方は人間でもない。
だから私は貴方へ何も、しない。
私の世界には居なかったからなぁ。
初めて見たけど。
だから…
判断が難しい。
動物は裏切らない。
嘘も付かない。
だから私も動物達を害さない。」
「だったら俺を知れば!!
お前も人間の良さが判る!!
全てを同じにする時点で間違えてるぞ!!」
急に、また彼が強く言ってきた。
少し怒ってる様にも見えるけど…
判らないし、それに…
私は、まただった。
その言葉にも苛立つ。
どうしても睨み付ける。
「貴方も…
やっぱり『半分は人間』だからなの?
他の動物達だったら…
貴方みたいな事は言わない!!
私は人間が嫌いなだけだし。
でも貴方は…
人間でもない。
だから良く、貴方は判らないけど…
半分人間だからなの?
もう私は貴方と話してたくない。」
彼は考える様子をした。
「なぜ…
そんなに人間を嫌う?
理由が、ありそうだが…」
すぐ私は思い出して言う。
「あぁ、それは簡単かも?
私は結局、産まれてからだけど…
誰からも人間に、愛された事なんてない。
皆は私の容姿ばかりだった。
それに親も同じで、お金しかくれない。
結局は誰も同じだった。
私なんか見てなかったよ。
私が演じれば、その場は簡単に済むだけ。
でも、それすら気付かない。
馬鹿な人間ばかりだった。
だから私も、そう。
誰も愛した事すらない。
人間の中に居ても、ずっと同じで変わらない。
誰が死んだって私は悲しくもない。」
また彼は考えながら言う様子には見えた。
「ならば…
なぜ、動物は?」
その言葉を私も考える。
やっぱり、それは…
そのまま彼には言う。
「動物達は違う。
動物達は私が愛せば、同じになる。
私が大切にすれば…
それと同じ事をと返してくれる。
私が信じれば、動物達も信じてくれる。
私が危害をしなければ、動物達も危害しない。
だけど…
人間だけは違う!!
簡単に裏切る!!
嘘ばかり、更に自分勝手だ。
それすら何も変わらない。
嘘ばかり並べて所詮、皆が金に群がるだけ。
強い時には弱い者を。
簡単に虐めるくせに…
自分が逆になれば、すぐだ。
態度すら変える。
そんな私も人間なんて嫌気がする。
私には生きる理由もない。
そして死ぬ理由もない。
結局、私も人間だけど…
何を言っても理解しない!!
更に理解しようとも、しない!!
でも私も人間だから…
私自身すら愛する気にもならない!!
貴方が私を殺したいなら殺せば良い。
貴方も半分は動物…
私からは貴方には何もしたくない。
でも貴方も半分、人間なら…
私を裏切る事も普通にする!!
私には、それが判らないけど。
でも…
貴方は人間じゃない。
だから別に私を殺しても構わない。」
また彼は複雑な顔もした。
「誰も、お前を愛してなかったと?
それに、お前も…
誰も愛してなかったと?
産まれてから…
今でも、ずっとだと言うのか?」
私は少し考える。
でも答えも簡単だった。
「そうなるよ。
だって今でも別に?
誰も私を?
愛してないでしょう?
私も人間を愛した事もない。
それに今更、私は愛して欲しいとも。
全く思ってない。
私も愛する気にも、なれない。
当たり前でしょう?」
「少し待て!?
俺は、お前に言いたい事もある!!」
私は更に苛立つ。
うるさいなぁ…
私は彼に手を向けた。
そんな彼も少し驚く顔にと気付いた。
彼を傷付けるのは…
彼は…
人間じゃない!!
私は手を下げた。
どうにか首を横に振ってから言う。
「私は…
したくない。
動物達には…
したくない!!
もう私のとこに来ないで!!
やっぱり半分は人間だ。
だから私は貴方が嫌いだ。
でも…
半分が動物なら…
私は…
貴方を傷付けたくない。」
また彼は複雑な顔で言った。
「俺が裏切らないと言ったら…
お前も裏切らないのか?」
私は首を傾げる。
「何を急に言うの?
私には判らない答えにしかならない。
貴方は…
半分は人間だし?
だったら裏切る。
でも…
半分は動物だし?
だから判らない…
その判断は出来ない。
それに、したくもない。
そして裏切らない保証もない!!」
また彼は考える様子をした。
「お前…
今は、いくつだ?」
私は彼が全く判らない。
でも半分は動物…
そう思って、一応は睨みながら言う。
「21歳だけど…
何で聞くの?
貴方には関係すらない。
私も貴方は関係ないのに…」
「21年も、ずっと…
それで判らないからと。
してるのか?
人間を嫌うのも…」
また彼は複雑な顔もする。
でも私は睨みながら、そのまま言う。
「貴方は…
良く判らない。
何を言ってるかもだけど。
でも私は…
貴方が人間じゃないなら…
だから私は…
何もしたくない。
でも、やっぱり人間みたいにも話す…
だから、もう来るなぁ!!
私は貴方が判らない。
人間みたいな動物なんか、私は知らない。
私は貴方みたいなのは、嫌いだ…
でも…
しない…」
彼は口調は変わったけど。
複雑な顔のまま言ってきた。
「お前…
それだけ、ずっとだから…
人間を嫌う理由なんだろうが。
命は、同じだと思わないのか?
俺も、お前も、命は同じ筈だぞ?」
「違う!!」
私は瞬時に怒鳴った。
「な、何を…」
彼が凄く驚いたのは判る。
でも私は完全に怒鳴った。
「人間なんか最低な生き物だ!!
あんなものとかぁ!!
他の動物達を一緒に、するなぁ!!
人間なんか絶滅した方が一番、良いんだ!!
あんなのと皆を!!
動物達を同じ扱いにするなぁ!!」
私は怒りが湧くだけだった。
睨み付ける。
「あんな人間なんかと皆を比べるなぁ!!」
また彼は複雑な顔をした。
「それだと…
お前も人間だし、俺だって。
お前に例えるなら…
半分は人間だぞ?
俺も同じに、なる筈だろ?
お前が死ぬなら。
その話なら、俺も死ぬんだぞ?」
私は首を横に振る。
「だから貴方は…
判らない。
それに、さっきも言った。
貴方が私を殺すなら、殺しても良いと!!
私も結局、人間だぁ。
だから生きるのも、死ぬのも、関係ない。
でも、ただの人間にだけ…
殺されるぐらいなら。
あんな人間なんか要らない!!」
急にまた彼は大きく言った。
「だったら!!
俺から『提案』したい!!」
提案…?
私は首を傾げる。
「俺からの提案だ!!
俺はお前に、もう誰かを。
傷付けたり、殺して欲しくない!!
それに判らないなら尚更だ!!
その提案内容は…
お前が『誰かを愛せるまで、俺と一緒に居る事』だ!!
俺は、お前を裏切らないと約束もする。
もし、お前が俺に裏切られたと思うなら。
その時は俺をだ。
殺せば良いだけになるだろう!?」
私は驚く。
『誰かを愛せるまで一緒に居る事』を?
それを、提案と?
「でも…
私は誰かを愛せるとは…
思えない。
貴方も半分は動物…
裏切らないかもしれない。
でも、その内容が?
『誰かを愛せるまで一緒に居る事』と?
それも判らない。
私も貴方を。
裏切りたくはない。
だから…
判らないし…
したくは…」
「さっきも俺が言ったぞ!!
判らないなら、尚更だと。
俺は絶対に裏切らない!!
それが判らないのは…
お前が俺をだ!!
どちらにも入れないからだろ?
人間にも、動物にも、入れないから。
判らないんだ!!」
私の言葉を遮り、彼は大きく言った事。
その内容にもだった。
驚くしかなかった。
確かに、そう…
「それは、でも…
だって貴方は両方。
どっちか、判らない…
でも、人間みたいに話す。
でも、動物でも、あるらしい。
人間なんかと?
話したくもないけど…
その提案を?
どうして、するの?
私は人間なら要らないのに。
貴方は…
どうして、あんな人間を?
要る理由すら判らない。
なんで、あんな人間なんて…
私は要らないのに?」
「それを判る為にもと。
俺は提案したんだ!!
お前が人間を嫌う理由なら俺にも判った。
それに、お前がだぞ!?
さっき俺にとしようとしたが…
それも止めただろう!?」
何を言ってる!?
彼は判らない事ばかりを!?
「それは…
だって貴方は…
半分は…
動物だから…
でも…」
私は目を閉じて首を横に振る。
判らない!!
「や…
嫌だ!!
私は、もう人間なんて…
絶対に信じない!!」
「なぁ?
俺には、お前が…
痛そうに見えるからだ。
だから、もう誰も殺さないで欲しいだけだ。
それに…
泣かないでくれ…」
私は、もう嫌だ!!
人間なんて嫌いだ!!
私は蹲る。
もう何も聞きたくない!!
「貴方は…
痛い事もする。
他の動物達は、しない。
なのに、半分だからなの?
もう私に…
近付かないで!!
嫌だ!!
でも動物達は傷付けたくない!!」
その時だった。
急に抱き寄せられた。
そのまま彼が抱き締めてくる。
私は咄嗟に逃げようとするけど。
「なっ、離れて!?
やっ!!
来るなぁ!!
人間は嫌いだ!!」
「もう…
傷付くな。
俺は人間でもない。
傷も付けない…」
人間でもない!?
その言葉で私は抵抗を止めて言う。
「人間でもない?
貴方は…
判らない…
でも…
半分は…
どうして…」
彼の顔は見えないけど声は聞いてた。
「判らないならだ。
だからする『提案』なんだ。
今、お前がしてる事は…
自分で自分すらも更に傷付けてるのも。
気付いてない…」
「私が?
傷なんて…」
「だったら…
どうしてだ。
俺になら殺されても良いと言うんだ。
それすら…
もう、判らないんだろう?」
「それは…
貴方は…
人間じゃない…
だから…」
「お前は…
誰からも愛されてないからと。
言った…
だったら答えも、本当は簡単なんだ。
なのに、それすら…
判らない理由でもあるんだ。
お前が『誰かを愛せる』までだ。
俺が一緒に居る事で、お前も判る筈なんだ。
俺は絶対に裏切らない。」
私は考える。
それに半分は動物なら…
「判ると?
その『提案』を受ければ?」
「そうだ。
俺がだ。
お前が『誰かを愛せるまで一緒に居る事』を。
約束する。
もう自分も、周りすら、傷付けないでくれ。」
何で…
でも彼は…
「判ったよ…
その『提案』を、受ける。」
そう言うと抱き締めてたのを、緩めて私を見てくる。
さっきとは、また違う目だった。
でも、そんな目を私は知らない…
だから私は何も言えなくなる。
判らない…
首だけを横に振る。
でも私の頬に触れながら優しく言われた。
「もう、俺すら…
見てられない。
傷だらけで、泣いてるのをだ。」
私は判らない、だから視線だけは外した。
「泣いてない…
今までも、今でも、一人でも出来てる。」
「もう一人にはしない。
俺が一緒に居るだろ?
それに、お前が『誰かを愛せる』時だ。
そうなれば、『お前が愛した誰か』が居るぞ?
だから、もう一人には、ならないだろ?」
私は驚いて彼を見る。
少し笑ってた。
私は首を傾げて考える。
別に一人で出来るのに…
どうして二人でする必要が?
やっぱり、判らない…
それに私も、やっぱり…
愛せる気にもならない…
応援ありがとうございます!
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