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第二章:これからは二人で生活する中へ。
それだけはしたくない、でも生きる為。
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私もそれは…
一応、判ってるけど…
どうしても出来なかった。
**************************
とある日。
食事の準備をする中でも、ラークは教えてくれる。
私は学ぶけど…
どうしても…
それだけは出来ないっ!!
私は首を横に振る。
「ネオ…
判らない訳じゃないが。
でも、その子にも…
このままだと、可哀想だぞ?」
「でも…
せめて、お墓に…」
そう、ラークが食材として持ってくる…
動物達を捌いて、食べる事だった。
私がラークを見ると、確かに困った顔をしてた。
「だが、ネオも最初はだ。
肉も普通に食べてただろ?
どうして急に食べなくなった?
料理を教える様になってから…
もうずっとだぞ?」
「私も判ってたけど…
やっぱり…
この子を…」
ラークは考える仕草をした。
「ネオ?
なら、どうしてだ?
最初はネオも食べてたのに…
それすらもしなくなった。
どう考えても変だぞ?」
私はすぐに包丁を置いて、どうにか言う。
「それは…
だって…
今まで見た事も…
なかったし…」
ラークが少し驚く顔をした。
「ん?
ネオ、待て、今までと言ったか?
それは…
今まで見た事もなかったと?
そういう意味か?
だが…
それならだ。
ネオは普段、どうしてた?」
私は思い出しながら、どうにか言う。
「それは…
肉だけを。
それが売られてたし…
それを買ってた。
だけど…
解体作業も、見てない…
した事も、ない。
ただ、肉だけ、しかなかった…」
「肉だけと?
それをネオは買ってただけと?
それでも、肉も食べないと…」
「ラーク…
私は動物達に刃物を刺したくない!!」
私が大きく言うとラークは複雑な顔をした。
またラークは考える仕草もした。
「それは…
ネオは、既に解体済みの肉のみをと。
更にそれすらも見た事がなかったと。
他は生きてる動物しか、見てないと言う事だな?」
私は頷く。
ラークは考える仕草をしたままだった。
「そう言う事か。
まだ、気になる事もあるが…
なるほど。
ネオは肉だけを買ってた訳だな。
だから食べる事もか。
理解はしてたと。
更にネオの場合…
チートでと。
料理だけを出してたからか。
だが、この世界では各自でするのが普通だ。
それに…
ネオには言いたくないがな?
もし、そうなれば、他の生きた動物達がだ。
誰かが殺してだぞ?
それを解体するだけになるから…
動物達が、もっと可哀想だろう?」
私はすぐに想像した。
だからラークにと大きく言った。
「だったら動物達は人間から守る!!
それに他の子達も守るから!!
亡くなってるなら、お墓にしたい!!」
ラークは私を見て、困った顔をした。
「ネオ…
だがな、これは人間に限らないと。
それを理解してるか?
他の動物達だって、肉食ならば…
その動物がだ。
生きる為にと、食べてるんだぞ?
そうやって、生きてる動物達からしたら…
何も食べられない。
ネオだって、判る筈だ。」
「それは…」
私は考える。
確かに…
肉食の動物達だって…
生きる為にとしてるから…
判るけど。
でも…
「私は肉を食べなくても生きれるよ!!
穀物も、植物も、果実とかでも充分だし?
だったら、肉は食べなくても良い!!
生きる為にと…
動物達でも、それをしてるのは判る。
そうしないと駄目だから、してるけど…
私に肉は必要ない!!
だから、したくない!!
それは生きる為にじゃない!!」
私は必死にラークに言うけど。
すぐにラークは首を横に振って言う。
「それだと人間にもだぞ?
必要な栄養だって、偏るだけにしかならん。
肉だって食べないと…
それにだ…
ネオは魚すらもだ。
一切、食べなくなった。
これだと身体にと、何も良くないだけだ。」
「そうだけど…
でも…
なら、多分…」
私は必死に考える。
確か…
肉はタンパク質だった筈だし?
魚も…
思い出してすぐに言った。
「ラーク!!
そう、タンパク質なら!!
植物からだって、摂る事は出来る!!
大豆とかの、豆類なら多かった筈だし?
それを食べれば、私には問題ない!!
そうすれば栄養だって偏らない!!」
ラークは少し微妙な顔をした。
「タンパク質?
それを動物から摂って…
代わりに豆類をだと?」
私は頷きながら必死に言う。
「肉に多く含まれるのはタンパク質だし?
栄養素としても摂るなら…
他にも方法はある!!
豆類に限らない!!
卵とかの、確か…
そう、他の乳製品でも可能だった筈だし!?
それを作れば良い!!」
ラークは考える仕草をしてだった。
「ネオに少し、聞きたいが…
その豆類や乳製品、具体的には?」
「えっと…
豆類なら、えっと、豆腐とか!?
乳製品なら、牛乳とかも、そう。
チーズも?
全部、作れば良いだけだし?
植物性のタンパク質を多く摂れば良い!!
確かに加工方法は…
私も知らないけど、本も出せば判る!!」
ラークは目を閉じた。
そして、そのまま言った。
「それは…
加工作業もしないと、作れない食べ物だな?
その栄養素は摂れない上にか。
今、ネオが言ったが、植物性…
ならば…」
目を開けてから私に聞いてきた。
「ネオ?
それならば…
動物性のタンパク質がだ。
あるのではないのか?」
私は凄く驚いて焦る。
「そ、そう、だけど…
でも…
どっちでも、一応…
タンパク質としては摂れるし…」
またラークは目を閉じて小さく言った。
「それが理由にも…
その可能性すらも高いか…」
私は判らないけど。
何か考えてる?
ラークは目を開けて私にだった。
「ネオ…
これは俺の予測だがな?
そうやって加工した食品の場合でもだが。
植物性の栄養素よりも…
動物性の栄養素より、低いのではないか?
多く摂ればと…
さっき、ネオも言ってたぞ?」
私は慌てて言う。
「そ、そうだけど…
でも!!
栄養素だけなら…
不足してるのを、また摂れば問題ない!!」
私は目を閉じた。
どうにか思い出す為にと…
必死にまた考える。
「えっと…
植物性タンパク質の不足…
えっと、確か…
必須なアミノ酸…
だと、野菜によっても違う?
ビタミンも?
そうなると…
えっと…
他の食材…
加工しないでも…」
「やはりか…
もう俺は判った。
だからだな、ネオ?」
私が考えてる時にだった。
うん?
判った?
**************************
私はラークの声で目を開けた。
それに複雑な顔もしてた。
「最近、俺がずっと疑問に思ってた事でもある。
変だと、その疑問が俺には判らなかったが…
最初の頃から比べてもだ。
ネオは常に食事と食べてるにも関わらず?
なぜだと疑問だったからな。」
私には判らない。
「ラーク?
うん?
疑問だった?
何が?」
ラークは首を横に振って言う。
「肉や魚を食べなくなってからのネオは…
明らかに痩せ始めてるだろ?
その動物性の方をだ。
そっちの栄養素を、ネオが摂ってないからだろ?」
私は驚く。
「えっ?
私が…?」
痩せた?
私は首を傾げる。
「それは…
私にも判らないけど?
でも…
えっ?
いつもと…
変わらないと思うけど…」
すぐにだった。
またラークは首を横に振って、私と指摘してきた。
「俺の方が、ネオの身体は知ってるぞ?
どう考えても、おかしいと。
理由がずっと判らなかった。
最初の頃に比べても…
必ず食事を食べてるにも関わらず…
どうして、ネオが痩せていくのか疑問だった。
その疑問を考えてもいたが…
ネオにと料理を教えてから、すぐにだ。
ネオは肉や魚を食べなくなったな?
明らかに、前とも違う…
人間の身体でも、動物性の方を摂らないと。
それにネオも言ってだが、必須なのだろ?
だから、食べていても完全に不足してるんだ。」
私は不思議に思って一応と。
自分の身体を少し確認する。
そんなに痩せたかなぁ?
でも…
少し服が、確かに…
前より…
うん?
いや、でも…
これぐらいなら別に…
「でも…
これぐらいなら…
普通だと思うけど…
それに動くのも、特に何も?」
私が不思議に思ってた時にだった。
急に抱き寄せられてた。
「ラーク?
えっ?」
「ネオ…
気付いてないかも知れないがな?
俺がだ、もう完全に判った。
だったら、捌くのは俺がしても良い。
だが、ネオには、まず…
食べて貰わないと駄目だ。
そのまま痩せ続ける場合だってある。」
私は焦りながらも首を横に振って言う。
「だったら、サプリとか出すから!!
栄養素だけでも摂れば!?
それだって不足には…」
「それは…
前のだな?
だが、この世界にはない物だ。
それなのにか?」
どうにか私も考える。
でも…
「ネオ…
動物達が大切だと思うならだ。
俺も、そうなんだ。
ネオが大切なんだ…
その動物達だって、ネオの命へと。
そうやって、助ける為にと皆がするんだぞ?
そんな動物達の事を考えれば…
ネオはどう思うんだ?」
また私は驚く。
「でも…
そんな…
私は別のでも、生きれるのに…
皆を、食べるなんて…」
私は首を横に振る。
あんな優しい皆を!?
私が!?
それは…
私は涙が浮かぶけど、すぐに目を閉じた。
どうにか首を横に振る。
少しラークの手が私に頬に触れるのは判った。
でも…
私は何も言えない。
「ネオ…
皆だって生きる為にと…
そうやって食べてる事にも、判る筈だろ?
ネオが嫌がる気持ちも判るが…
でも、これはどんな動物だって…
同じなんだ。
もう人間に限らないんだぞ?
俺はネオにと。
ネオが大切だからこそ、食べて欲しいんだ。
もし…
ネオが食べないと言うなら…
俺も、食べない。」
それはっ!!
私は目を開けてすぐに言った。
「駄目だっ!!
ラークは食べないと!!
それにラークの方が必要なのに!?
ラークが食べないのだけは駄目だ!!
絶対にそれだけは嫌だ!!」
ラークは悲しそうな顔をしてた。
「ネオ?
俺も今は…
同じ気持ちなんだぞ?
ネオが食べないなら…
ネオが更に、痩せ続けて弱るなら…
俺は、そんなのは嫌だ…
それに俺は…
一人にもなる。
ネオが居なくなるなんて…
俺は考えたくもない。
そんなネオが弱っていく姿も…
俺は見たくないんだ。
だからネオが食べないなら…
俺も、食べたくはない。」
ラークまで!?
それにラークは半分…
狼なら…
尚更、弱るに決まってるのに!!
「ラークが…
そんな事をしたら…
それは絶対にっ!!」
どうにか涙だけは堪えて私は言う。
「判ったよ…
食べるから…
ラークも…
それなら…
食べるのでしょ?
動物達も大切だけど…
ラークが一番、大切なのに…
そのラークが、食べないのは…
もっと…
そんなのは、嫌だ…」
私はでも勝手に涙が零れた…
どうにか目を閉じて堪えようとするけど。
すぐにラークに抱き締められた。
「ネオ…
泣くのを堪える必要もない…
ネオは優しいから、動物達をだろうが。
そんな優しいネオにだったらな?
動物達だって、そんな悲しい顔のネオを見たら…
その皆も同じになるんだぞ?
皆も、俺も、ネオもだ。
生きる為には、どうしても必要だと。
だから動物達だって、してる事なんだ。
ネオも最初から、多くは無理でも良い…
でも…
俺や動物達を大切だと思ってくれるなら。
皆と同じ様にと、ネオもしないと。
いけないんだ…
これはネオだけが、悲しい訳じゃない…
皆も、俺も、どうしてもと、してる事なんだ。」
「ラーク…」
腕を緩めて、ラークは私を支える様にすると言った。
「それにな、ネオ?
これも考え方を変えれば良いだけなんだぞ?
気付いてないだろ?」
私は判らなくてラークを見ると。
悲しそうにも見えるけど…
少しだけ笑ってる様な顔でもあった…
「ネオ?
これは大切な事だから、忘れないで欲しい。
その大切な動物達もな?
ネオが食べる事でだ。
死んでからも、ずっとネオの中でと。
ネオと一緒にと、また生き続けられるんだぞ?
そうやって、命を皆から貰って、生きるからこそ。
皆は命を大切にもするんだ。
死んだ後すらも、ネオの中で、生きれるからだ。
そしてネオが忘れなければ、動物達は死なない。」
私は凄く驚いた。
私が…
忘れずに…
そうすれば、皆は死んだ後すらも…
それは…
少しだけ笑って言う。
「うん…
皆を、忘れない。
ずっと、一緒になら…
皆も、それで死なないなら…
私も、頑張る…
だから、ラークも、食べるよね?」
すぐにラークは嬉しそうに笑って言った。
「あぁ、勿論だ!!
俺はネオに生きて欲しいんだ。
それと、ずっと一緒に居たい!!
だから、俺もそうだが。
ネオがそうしてくれるなら、俺も同じだ!!
一緒にそうやって、二人でまた生きていけるだろ!?」
ラークと一緒に…
ずっと…
だから私はラークにと、笑って言う。
「うん。
私もラークと一緒に居たいから!!
だから、ラークがそれで生きていけるなら。
私も、頑張る。」
ラークは私を抱き締めて言った。
「あぁ、勿論だ!!
俺はネオを離さん!!
ネオだけを愛してる!!」
あぁ…
温かいなぁ。
それにラークは…
やっぱり、優しいなぁ。
「私もラークだけ、愛してるよ。
ラークと一緒に、ずっと…」
そうだなぁ。
皆も忘れずに…
一緒にかぁ…
私の中で、皆が生き続けるなんて…
考えた事も…
なかったなぁ。
**************************
その後はラークが捌くのもあるけど…
私はラークの為に、それに皆の為にと。
そう思って、頑張って徐々にと食べる様になった。
ラークが笑ってくれるのもある。
だから、ラークと一緒にと思った時だった。
少しだけ…
また動物達の事も考えた。
私が死んでも…
こうやって、誰かの中で、生きれるのかなぁ…
だったら、ラークや動物達の中でなら…
私が死んだ後も、皆の中で生きれれるなら…
少しだけ、ラークの言った意味が判った気もした。
そう思いながら、食事をまた考え直した。
私は今まで何も気にしたなかったけど…
でも、今なら…
私は皆の事も忘れない。
それに、ラークと一緒に…
もっと、頑張らないと…
一応、判ってるけど…
どうしても出来なかった。
**************************
とある日。
食事の準備をする中でも、ラークは教えてくれる。
私は学ぶけど…
どうしても…
それだけは出来ないっ!!
私は首を横に振る。
「ネオ…
判らない訳じゃないが。
でも、その子にも…
このままだと、可哀想だぞ?」
「でも…
せめて、お墓に…」
そう、ラークが食材として持ってくる…
動物達を捌いて、食べる事だった。
私がラークを見ると、確かに困った顔をしてた。
「だが、ネオも最初はだ。
肉も普通に食べてただろ?
どうして急に食べなくなった?
料理を教える様になってから…
もうずっとだぞ?」
「私も判ってたけど…
やっぱり…
この子を…」
ラークは考える仕草をした。
「ネオ?
なら、どうしてだ?
最初はネオも食べてたのに…
それすらもしなくなった。
どう考えても変だぞ?」
私はすぐに包丁を置いて、どうにか言う。
「それは…
だって…
今まで見た事も…
なかったし…」
ラークが少し驚く顔をした。
「ん?
ネオ、待て、今までと言ったか?
それは…
今まで見た事もなかったと?
そういう意味か?
だが…
それならだ。
ネオは普段、どうしてた?」
私は思い出しながら、どうにか言う。
「それは…
肉だけを。
それが売られてたし…
それを買ってた。
だけど…
解体作業も、見てない…
した事も、ない。
ただ、肉だけ、しかなかった…」
「肉だけと?
それをネオは買ってただけと?
それでも、肉も食べないと…」
「ラーク…
私は動物達に刃物を刺したくない!!」
私が大きく言うとラークは複雑な顔をした。
またラークは考える仕草もした。
「それは…
ネオは、既に解体済みの肉のみをと。
更にそれすらも見た事がなかったと。
他は生きてる動物しか、見てないと言う事だな?」
私は頷く。
ラークは考える仕草をしたままだった。
「そう言う事か。
まだ、気になる事もあるが…
なるほど。
ネオは肉だけを買ってた訳だな。
だから食べる事もか。
理解はしてたと。
更にネオの場合…
チートでと。
料理だけを出してたからか。
だが、この世界では各自でするのが普通だ。
それに…
ネオには言いたくないがな?
もし、そうなれば、他の生きた動物達がだ。
誰かが殺してだぞ?
それを解体するだけになるから…
動物達が、もっと可哀想だろう?」
私はすぐに想像した。
だからラークにと大きく言った。
「だったら動物達は人間から守る!!
それに他の子達も守るから!!
亡くなってるなら、お墓にしたい!!」
ラークは私を見て、困った顔をした。
「ネオ…
だがな、これは人間に限らないと。
それを理解してるか?
他の動物達だって、肉食ならば…
その動物がだ。
生きる為にと、食べてるんだぞ?
そうやって、生きてる動物達からしたら…
何も食べられない。
ネオだって、判る筈だ。」
「それは…」
私は考える。
確かに…
肉食の動物達だって…
生きる為にとしてるから…
判るけど。
でも…
「私は肉を食べなくても生きれるよ!!
穀物も、植物も、果実とかでも充分だし?
だったら、肉は食べなくても良い!!
生きる為にと…
動物達でも、それをしてるのは判る。
そうしないと駄目だから、してるけど…
私に肉は必要ない!!
だから、したくない!!
それは生きる為にじゃない!!」
私は必死にラークに言うけど。
すぐにラークは首を横に振って言う。
「それだと人間にもだぞ?
必要な栄養だって、偏るだけにしかならん。
肉だって食べないと…
それにだ…
ネオは魚すらもだ。
一切、食べなくなった。
これだと身体にと、何も良くないだけだ。」
「そうだけど…
でも…
なら、多分…」
私は必死に考える。
確か…
肉はタンパク質だった筈だし?
魚も…
思い出してすぐに言った。
「ラーク!!
そう、タンパク質なら!!
植物からだって、摂る事は出来る!!
大豆とかの、豆類なら多かった筈だし?
それを食べれば、私には問題ない!!
そうすれば栄養だって偏らない!!」
ラークは少し微妙な顔をした。
「タンパク質?
それを動物から摂って…
代わりに豆類をだと?」
私は頷きながら必死に言う。
「肉に多く含まれるのはタンパク質だし?
栄養素としても摂るなら…
他にも方法はある!!
豆類に限らない!!
卵とかの、確か…
そう、他の乳製品でも可能だった筈だし!?
それを作れば良い!!」
ラークは考える仕草をしてだった。
「ネオに少し、聞きたいが…
その豆類や乳製品、具体的には?」
「えっと…
豆類なら、えっと、豆腐とか!?
乳製品なら、牛乳とかも、そう。
チーズも?
全部、作れば良いだけだし?
植物性のタンパク質を多く摂れば良い!!
確かに加工方法は…
私も知らないけど、本も出せば判る!!」
ラークは目を閉じた。
そして、そのまま言った。
「それは…
加工作業もしないと、作れない食べ物だな?
その栄養素は摂れない上にか。
今、ネオが言ったが、植物性…
ならば…」
目を開けてから私に聞いてきた。
「ネオ?
それならば…
動物性のタンパク質がだ。
あるのではないのか?」
私は凄く驚いて焦る。
「そ、そう、だけど…
でも…
どっちでも、一応…
タンパク質としては摂れるし…」
またラークは目を閉じて小さく言った。
「それが理由にも…
その可能性すらも高いか…」
私は判らないけど。
何か考えてる?
ラークは目を開けて私にだった。
「ネオ…
これは俺の予測だがな?
そうやって加工した食品の場合でもだが。
植物性の栄養素よりも…
動物性の栄養素より、低いのではないか?
多く摂ればと…
さっき、ネオも言ってたぞ?」
私は慌てて言う。
「そ、そうだけど…
でも!!
栄養素だけなら…
不足してるのを、また摂れば問題ない!!」
私は目を閉じた。
どうにか思い出す為にと…
必死にまた考える。
「えっと…
植物性タンパク質の不足…
えっと、確か…
必須なアミノ酸…
だと、野菜によっても違う?
ビタミンも?
そうなると…
えっと…
他の食材…
加工しないでも…」
「やはりか…
もう俺は判った。
だからだな、ネオ?」
私が考えてる時にだった。
うん?
判った?
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私はラークの声で目を開けた。
それに複雑な顔もしてた。
「最近、俺がずっと疑問に思ってた事でもある。
変だと、その疑問が俺には判らなかったが…
最初の頃から比べてもだ。
ネオは常に食事と食べてるにも関わらず?
なぜだと疑問だったからな。」
私には判らない。
「ラーク?
うん?
疑問だった?
何が?」
ラークは首を横に振って言う。
「肉や魚を食べなくなってからのネオは…
明らかに痩せ始めてるだろ?
その動物性の方をだ。
そっちの栄養素を、ネオが摂ってないからだろ?」
私は驚く。
「えっ?
私が…?」
痩せた?
私は首を傾げる。
「それは…
私にも判らないけど?
でも…
えっ?
いつもと…
変わらないと思うけど…」
すぐにだった。
またラークは首を横に振って、私と指摘してきた。
「俺の方が、ネオの身体は知ってるぞ?
どう考えても、おかしいと。
理由がずっと判らなかった。
最初の頃に比べても…
必ず食事を食べてるにも関わらず…
どうして、ネオが痩せていくのか疑問だった。
その疑問を考えてもいたが…
ネオにと料理を教えてから、すぐにだ。
ネオは肉や魚を食べなくなったな?
明らかに、前とも違う…
人間の身体でも、動物性の方を摂らないと。
それにネオも言ってだが、必須なのだろ?
だから、食べていても完全に不足してるんだ。」
私は不思議に思って一応と。
自分の身体を少し確認する。
そんなに痩せたかなぁ?
でも…
少し服が、確かに…
前より…
うん?
いや、でも…
これぐらいなら別に…
「でも…
これぐらいなら…
普通だと思うけど…
それに動くのも、特に何も?」
私が不思議に思ってた時にだった。
急に抱き寄せられてた。
「ラーク?
えっ?」
「ネオ…
気付いてないかも知れないがな?
俺がだ、もう完全に判った。
だったら、捌くのは俺がしても良い。
だが、ネオには、まず…
食べて貰わないと駄目だ。
そのまま痩せ続ける場合だってある。」
私は焦りながらも首を横に振って言う。
「だったら、サプリとか出すから!!
栄養素だけでも摂れば!?
それだって不足には…」
「それは…
前のだな?
だが、この世界にはない物だ。
それなのにか?」
どうにか私も考える。
でも…
「ネオ…
動物達が大切だと思うならだ。
俺も、そうなんだ。
ネオが大切なんだ…
その動物達だって、ネオの命へと。
そうやって、助ける為にと皆がするんだぞ?
そんな動物達の事を考えれば…
ネオはどう思うんだ?」
また私は驚く。
「でも…
そんな…
私は別のでも、生きれるのに…
皆を、食べるなんて…」
私は首を横に振る。
あんな優しい皆を!?
私が!?
それは…
私は涙が浮かぶけど、すぐに目を閉じた。
どうにか首を横に振る。
少しラークの手が私に頬に触れるのは判った。
でも…
私は何も言えない。
「ネオ…
皆だって生きる為にと…
そうやって食べてる事にも、判る筈だろ?
ネオが嫌がる気持ちも判るが…
でも、これはどんな動物だって…
同じなんだ。
もう人間に限らないんだぞ?
俺はネオにと。
ネオが大切だからこそ、食べて欲しいんだ。
もし…
ネオが食べないと言うなら…
俺も、食べない。」
それはっ!!
私は目を開けてすぐに言った。
「駄目だっ!!
ラークは食べないと!!
それにラークの方が必要なのに!?
ラークが食べないのだけは駄目だ!!
絶対にそれだけは嫌だ!!」
ラークは悲しそうな顔をしてた。
「ネオ?
俺も今は…
同じ気持ちなんだぞ?
ネオが食べないなら…
ネオが更に、痩せ続けて弱るなら…
俺は、そんなのは嫌だ…
それに俺は…
一人にもなる。
ネオが居なくなるなんて…
俺は考えたくもない。
そんなネオが弱っていく姿も…
俺は見たくないんだ。
だからネオが食べないなら…
俺も、食べたくはない。」
ラークまで!?
それにラークは半分…
狼なら…
尚更、弱るに決まってるのに!!
「ラークが…
そんな事をしたら…
それは絶対にっ!!」
どうにか涙だけは堪えて私は言う。
「判ったよ…
食べるから…
ラークも…
それなら…
食べるのでしょ?
動物達も大切だけど…
ラークが一番、大切なのに…
そのラークが、食べないのは…
もっと…
そんなのは、嫌だ…」
私はでも勝手に涙が零れた…
どうにか目を閉じて堪えようとするけど。
すぐにラークに抱き締められた。
「ネオ…
泣くのを堪える必要もない…
ネオは優しいから、動物達をだろうが。
そんな優しいネオにだったらな?
動物達だって、そんな悲しい顔のネオを見たら…
その皆も同じになるんだぞ?
皆も、俺も、ネオもだ。
生きる為には、どうしても必要だと。
だから動物達だって、してる事なんだ。
ネオも最初から、多くは無理でも良い…
でも…
俺や動物達を大切だと思ってくれるなら。
皆と同じ様にと、ネオもしないと。
いけないんだ…
これはネオだけが、悲しい訳じゃない…
皆も、俺も、どうしてもと、してる事なんだ。」
「ラーク…」
腕を緩めて、ラークは私を支える様にすると言った。
「それにな、ネオ?
これも考え方を変えれば良いだけなんだぞ?
気付いてないだろ?」
私は判らなくてラークを見ると。
悲しそうにも見えるけど…
少しだけ笑ってる様な顔でもあった…
「ネオ?
これは大切な事だから、忘れないで欲しい。
その大切な動物達もな?
ネオが食べる事でだ。
死んでからも、ずっとネオの中でと。
ネオと一緒にと、また生き続けられるんだぞ?
そうやって、命を皆から貰って、生きるからこそ。
皆は命を大切にもするんだ。
死んだ後すらも、ネオの中で、生きれるからだ。
そしてネオが忘れなければ、動物達は死なない。」
私は凄く驚いた。
私が…
忘れずに…
そうすれば、皆は死んだ後すらも…
それは…
少しだけ笑って言う。
「うん…
皆を、忘れない。
ずっと、一緒になら…
皆も、それで死なないなら…
私も、頑張る…
だから、ラークも、食べるよね?」
すぐにラークは嬉しそうに笑って言った。
「あぁ、勿論だ!!
俺はネオに生きて欲しいんだ。
それと、ずっと一緒に居たい!!
だから、俺もそうだが。
ネオがそうしてくれるなら、俺も同じだ!!
一緒にそうやって、二人でまた生きていけるだろ!?」
ラークと一緒に…
ずっと…
だから私はラークにと、笑って言う。
「うん。
私もラークと一緒に居たいから!!
だから、ラークがそれで生きていけるなら。
私も、頑張る。」
ラークは私を抱き締めて言った。
「あぁ、勿論だ!!
俺はネオを離さん!!
ネオだけを愛してる!!」
あぁ…
温かいなぁ。
それにラークは…
やっぱり、優しいなぁ。
「私もラークだけ、愛してるよ。
ラークと一緒に、ずっと…」
そうだなぁ。
皆も忘れずに…
一緒にかぁ…
私の中で、皆が生き続けるなんて…
考えた事も…
なかったなぁ。
**************************
その後はラークが捌くのもあるけど…
私はラークの為に、それに皆の為にと。
そう思って、頑張って徐々にと食べる様になった。
ラークが笑ってくれるのもある。
だから、ラークと一緒にと思った時だった。
少しだけ…
また動物達の事も考えた。
私が死んでも…
こうやって、誰かの中で、生きれるのかなぁ…
だったら、ラークや動物達の中でなら…
私が死んだ後も、皆の中で生きれれるなら…
少しだけ、ラークの言った意味が判った気もした。
そう思いながら、食事をまた考え直した。
私は今まで何も気にしたなかったけど…
でも、今なら…
私は皆の事も忘れない。
それに、ラークと一緒に…
もっと、頑張らないと…
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