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一章 出会いと魔女の本領発揮

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「どうしよどうしよどうしよー!?これ無理だろ!?どうしたらいいんだ!?なんでファルーク王来た次の週にすぐこっちに向かうんだよ!?情報早すぎ敵多すぎぃぃ!!」
執務室で頭を抱えるアーサーを横目に、ダニエルとヴィンスはファルーク王を交えてお茶会をしていた。正直そんなことをしている場面ではないのだが、一旦冷静になろうとのことである。ただ主にお茶会は女性たちがするもののため、使用人にはすごい目でみられた。全力で引かなくてもよくないか?アーサーに準備しろといわれたんだと伝えれば、ヴィンス殿下ではありませんでしたか……と目をぱちくりさせ、使用人はアーサーにたいしてなんだこいつってもうあからさまな目になった。
「すまない。私のせいだ。」
「いやいいんだよ!ファルーク王は被害者だし!もう兄弟だよ兄弟!ぜってぇ王座取り戻させてやるからな!」
「ああ……国のためにも、民のためにも申し訳ないが、頼む。」
神妙とした顔でうつむくファルーク王は、あ、と思い出したように声を出した。
「どうしたんデス?」
「……伝説の魔神を封印したランプがやつの手にある。すまんこの戦い死ぬかもしれん。」
「魔神??」



「……使いたくはなかったな。みなのもの、このことは他言無用だぞ。」
荒い砂漠を生身の人間がわたるのはほとんど不可能で。どれほど物資を持っていても、砂嵐に合えばなんの意味もない。唯一あるのは金貨や紙幣だけ。我々は荒くれ者を引き連れたまま、足を進めていた。が、それにも限界が来ていた。懐にいれていた代々伝わるランプを擦れば、低い地響きが鳴り、ランプからは煙が出る。そこからでたのは、まさに魔神といっていいだろう、炎に包まれた、宙に浮く大男。しかし手足に鎖が繋がれており、その鎖のさきはランプへと繋がっていた。
「王よ!これは……っ!?」
「なんだ!?化け物……っ!!」
口々に民は、部下は恐れおののく。僕の頭がイカれたのかと勝手なことをいうやつもいた。黙れ!と怒鳴り付け魔神に体を向ける。
「三つまでかなえてやる。願いは」
「魔神よ!一つ目の願いだ!!グランド王国へ我々をつれていってくれ!!」
両手を広げ魔神を見上げれば、じっと僕をみたあと頷く。
「承知したーー。」
人差し指を魔神が振った瞬間、僕たちはグランド王国の入り口にたっていた。魔神はいつのまにやらランプへと戻っており、残り、ふたつーーと魔神は言った。
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