魔法の華~転移した魔女は勘違いされていても気づかないわよ?~

マカロン

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五章 王道学園にてマリモ在中『怠惰』

十時限目

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彼は、手袋をした手で髪をかき揚げた。その手袋には紫の水晶が手の甲についていた。それにはずいぶんと見覚えがある。ヴィンスさんのときにみた宝石にそっくりなのだ。
そして鼻先を右に背けた。そこも波を引くように左右に捌けた。なぜかダンス用の音楽団とは別の音楽団が現れる。

「あいつらに勝てるといいなァ?」

その言葉が合図のように、音楽が奏でられはじめ、副会長さんは歌いだし……歌いだした!?

「所詮 愛は フェイク

いつだって おままごとのように 生ぬるい愛情」

歌とともに、矢が飛んでくる。魔法が掛けられているのか、炎や氷、得体の知れない黒い煙が掛かっている矢たちが次々と飛んできた。会場はパニックとなり、我先にと生徒たちは逃げ始める。しかし、先程聞いていてなんとなく察したが、おそらく彼は私たちの探している黒幕。私たちの目的は黒幕の捕獲なため、逃げるわけには行かなかった。生徒会役員や雲嵐さんたちは矢を避けながら、どうするかと話し合っているうちに、別の操られた生徒たちに拘束されていた。
ちなみに私はすぐさまファントムさんにお姫様抱っこされ、逃げている。

「ローズヒップは いかがです?

赤く苦い 鉄の味。

貴方に 既に 嵌まってる

苦すぎる恋 もう どうしようもありませんけど」

彼が、弓を構える。

「あなたの愛が貰えないなら いっそ、」

紫の目と矢は、私を狙っている。

「僕のために死んでしまいなさい」

彼は矢を放った。
しかし、ファントムさんは余裕そうな顔で手をかざした。が、なにかに気がついたように固まる。

「っ…そうやった、魔法使えない、んや……」

その言葉と、矢が目の前にきたのは同時だった。ファントムさんは私を抱え込み、せめてもの抵抗なのか、私を守ろうと矢に背を向けた。このままでは、彼の背中に矢がぐさりと刺さってしまうでしょう。

「だめ、やめて、逃げてファントムさん……!!」
「矢くらいでは死なへんよ、痛いやろうけどな…!そんなことより自分の身を考えてくれ……??こんなに話し込んでるならもう刺さっても可笑しくないんやけど、刺さった感覚あらへんな?」

ゆっくりと後ろを見れば、ぽた、ぽた、と赤い液体が見える。それは地面に小さな水溜まりを作り、苦しげな男の体を青ざめさせていく。お腹に矢が突き刺さり、私たちをかばうように立ちふさがっている。

「和久……⁉なぜ……邪魔です!そこを退きなさい!」
「この人…傷、つける、こと…は…ゆるさない……!!!」

副会長さんは、くしゃり、と顔をしかめた。

「……クール気取ってるコミュ障陰キャのくせに……。」
「あ…それぐさっ…きた…ひど……。」
「正義のヒーロー気取りですか?」

彼は口角を上げ、せせら笑った。悔しそうに唇を噛んだ和久くんは、うつむいていたが、顔を上げた。その目は、慈愛に満ちている。


「ちが…う…ひーろー、なんて立派じゃ…ない…た、だ……大事なひと、守りたかった、だけ……」

その言葉に、胸が不意に高鳴った。それは私だけではなかったようで。

「大事な人…て、ま、まさか俺……?助けて貰ったんは感謝するけど、そういう目で見られるんは……。半径5メートル以内に入らんでくれ……!!」

鳥肌が立ったように体を震わせ、私を抱き締める彼の動悸が早くなる。恐怖してるようだ。

「……自意識、過剰……転校生、のこと…」
「俺やん。」
「……魔女さんの、こと……。」

矢がお腹に刺さったままの男性がにらむのはなかなか迫力がある。

慌ててファントムさんの腕から逃れ、駆け寄る。地面にあった血溜まりは小さかったはずだったのに、いまでは広がり大きく濃くなっている。

「こっち、きちゃ、だめ……!な、んで、くるの……」
「心配してるの!どうして、こんな…!」
「な、んで……し、んぱい…?俺、あなたを守れただけで、幸せ、なのに……。」
「あなたいま死にかけてるのよ!?」

彼の体は震えている。青ざめ、ふらついているというのに微笑む彼の顔がどうにも心に深く刻まれる。

「ああ!邪魔です!なぜそこにいるのが僕ではないんですか!?無駄にガタイがいいお前から殺してやりますよ!」

ヒュン、と風を切るおとが聞こえ、和久くんの呻き声が聞こえた。2本目の矢が刺さったようで。自分の顔から血の気が引いていくのがわかる。どくどくと流れる血を見て、人が死にかけているという非現実的な状況を見て、恐怖で涙が一筋流れた。

「ね…転校生……最後、だから……俺に、触れて……?」

もう自分が助からないということを知ってしまったのだろう。悲しいほどに優しい声でそう言った。

ひんやりとした感触が手に伝わる。
頬にそっと手を添えれば、彼は諦めたように穏やかに目をつぶり私の体温を感じていた。

「……お願い、死なないで……。」

今度は、哀しみで一筋の涙が頬を伝った。






「……うん、死なないみたい。」
「え……?」

彼が目を開けた。その目は安堵かわからないけれど、光が宿っていた。

「な、んです……これは……!?なぜ和久が発光して……!?」
「人を…ホタルみたい、な言い方、やめ…てよ……。」

副会長さんの言葉に、和久くんは眉を寄せた。みれば、たしかに刺さったところが光っている。和久くんは矢を自ら引き抜くと、傷のある場所は光りに覆われたあと、何事もなかったかのような傷ひとつ、血のあとすらない制服がみえた。

「ありがと、う……傷、治った、みたい……。」
「⁉一宮先生、話が違います!この学園で奇術は使えないと、あなたが……!!
……は、?」

攻めるように怜先生がいた場所に叫んだ。しかし、そこには誰もいない。ファントムさんが、逃げ足だけは速いやつやな、と舌打ちをした。

「まぁでも、お前の計画は杜撰だったったことや。諦めて降参せぇや。
俺よりすごいとか、男として情けないと思うとこはあるけど……。」
「っっ、おかしい、こんなのはおかしい!!」
「ハッ、負け惜しみか?おい、憂炎、類衣!伊達に会長と会計しとらんやろ!あの反逆者を制圧せぇ!」

突然名前を呼ばれて驚いたのか、二人はびくり、と肩を揺らす。しかしすぐさま命令が理解し、副会長さんのいる2階へと走っていった。

「大人しくしてろよ?」
「悪いけど、拘束させて貰うよ。」

手錠のようなものを懐からだした会計さんにより、会長さんに制圧された副会長さんは、お縄にかけられた。

「っ……!」

悔しそうに唇を噛んでいるのが見える。そのときファントムさんが、声を張り上げ言った。

「そいつの手袋を俺らに渡しぃや!」

不思議そうに会長さんと会計さんは首をかしげたが、おずおずと副会長さんから手袋を剥ぎ取り、一階にいる私たちに投げ渡した。

ファントムさんが、うまくキャッチすると、水晶の部分を下にし、手袋を地面へ叩きつける。

「えっ、ちょ、なにしてんの……?」

渡した会計さんがドン引きした。

水晶はパリンと音を立てて割れ、煙が立つ。

それと同時に、あれ、という不思議そうな副会長さんの声が聞こえた。

「どう、して……僕はこんなところに……?え"、僕手錠されて………誰ですこんな頭おかしいことしたのは!?」

どうやら正気に戻ったらしい。瞳の色は無事変わっている。

会計さんや会長さんがやらかしたことを伝えれば、彼はみるみるうちに青ざめた。そして大きな声で謝罪の言葉を告げてくれた。

それで会計さんや会長さんもピンときたのか、他の操られている生徒たちの身に付けているもので紫色のものはことごとく破壊していった。

近くでもパリン、と聞こえ、何事かとみれば、拘束されていた雲嵐さんとレンブラントさんが生徒たちを逆に拘束し、水晶を破壊した音だった。
 
「え、あ…れ…ここ、どこ……?」
「うーん…?えっ!?会計様!?」
「会長様もいる!?なにごとなのこれ!?」

口々に正気に戻った彼らは驚きの声を上げる。全員を正気に戻らせたあと、危険はないと判断したのか、副会長さんの拘束を解いていた。それに異議を唱えたのは、まさかの和久くんだった。

「な、んで……解くの…まだ、報復、して、ない……」

矢の恨みが募っているらしい。副会長さんたちを一階ににおりてこさせ、目の前に行く。
びくびくし何をされるのかと恐怖を感じている副会長さんを躊躇なく二発殴った。

「待て待て待て!和久、一発でいいだろ!?」
「会長……これは、俺の痛みと、彼女を狙った分……。女性、狙うなんて、死刑になるよ……それを暴力、まで、にして上げるんだから、感謝、すべき……。」
「……うん?ってことは、国に報告しないんだ?」

雲嵐さんが首をかしげた。

「一応、ともだち、だから…。学園の生徒からも、勉強熱心で…ボランティアとかやってるから、慕われてる…し……。たぶん、会長や、会計も…報告、しない、と思う……。」
「おや、そうなんですか?」

今度は、レンブラントさんが首をかしげ会長さんと会計さんをみた。レンブラントさんの意味は、恐らく国ではなく協会に、という意味だろう。

「……俺らはただ学園に潜んでいた魔物の正体が一宮怜だって知っただけだぜ?他にはなんもなかったよな?」
「だね、凌くん。誰も狙われなかったし、操られたりしなかったよね。」
「……憂炎、類衣、和久。……感謝します。」

副会長さんは、三人に向かって跪いた。



「さぁ!しんみりするのはここまでだ、パーティーを続けよう、と言いたいが……会場が半壊しているな…。」

会長さんが固まっていた生徒たちにそう言ったが、会場は悲惨な様子だった。

「残念だが、今回は……」

会長さんがそう言いかけたとき、ファントムさんが指を鳴らした。すると、みるみるうちに会場がきれいになっていく。

「!!」
「このこと踊れなくなるんは嫌やからな。それに、このこががんばってダンスの練習してたんも知っとる。この子の努力は無駄にしたくあらへん。あいつが逃げたからか、魔法使えるようなっとるしな、今回だけは特別に力貸したるよ。」
「転校生くん……ありがとうね。よかったね、凌くん。」
「あ、あとついでに生徒たちの脳いじってさっきの記憶消しといたで。」
「おおい!?脳いじったのか!?こいつほんとはかなり危険なやつなんじゃ…⁉」

あくせくしている間に、生徒たちはみな料理を食べたり踊ったりし始めている。それをみた会長さんはファントムさんを危険人物としてみるような目をやめ、会長としての威厳を取り戻した。

「さぁ!みんな、楽しんでくれ!」

その声に、生徒たちは野太い声でイエッサァァァ!!と叫んだ。



「あ、まって…それ、じゃ……捕まえた、っていう容疑者、は……?」
「…忘れてた。地下牢からだしてやらねぇと!」

会長さんが思い出したように声を上げた。慌てて会場を出ていった。犯人を特定したのは私たちなため、責任感かしら、冤罪者に謝りたくなったため、私たちもついていくことにする。


地下牢では、不気味な泣き声が木霊している。冤罪だと、その声は必死に主張していた。

「黒幕だと思ってたんだぜ☆」
「……景品…みたい…かいちょ、ばか…?」

和久くんがみごと突っ込んで首をかしげてくれた。ロープでぐるぐる巻きにされた男は、執事のような服を着ている。

「掃除の時間のはずなのに、この執事だけ掃除してなくてね。あとを追ったら、しゃがんでいる生徒に絡んでた。よくみたらその生徒、被害者と同じように脱け殻みたいになってたんだ。現行犯で捕まえてきちゃったんだよね。」
「誤解デスッ!ワタシは被害者たちの治療薬を研究していただけデッ……!ほら、証拠はッ!?証拠をだしてくださいヨォ!ホラ、ホラァ!?」
「いや怪しすぎるだろ。犯人じゃないって証明されたぜ、もう。」

会計さんと会長さんに挟まれている端正な顔の男は、見知った顔の友人である。まごうことなきダニエルさんだ。
なにしてるの?ほんとうになにしてるの……??

「ワ、ワタシそもそも、帰りの馬車に乗り遅れてヴィンスたちはそのことにも気づかずお土産たくさんもってうっきうきで帰ってしまって、途方にくれていたときに住み込みの執事の求人みてきたらたまたまこの学園で突然事件が起きたので医者魂が燃えてしまっただけなんデスッ!!」
「こ、このひと私たちの知り合いなの、出して上げて……!」

こうなった経緯がなかなか珍妙で怪しいが、身の潔白は証明されているため無事だしてくれた。彼は私にすごい勢いで抱きついてくる。

「たすかりましタァァァァ!!ほんと、殺されるカト……ッ!!アイシテマスゥッ!!」

シトラスの香りが鼻をくすぐり、私を恥ずかしめる。イケメンってこんなにいい香りするの……?混乱している私からダニエルさんを、レンブラントさんがすぐさま引き剥がしてくれた。

「それでは、ダニエルさん。僕らはホストパーティーがありますので。」
「ホストパーティー…っていうと、この学園の一代イベントのダンスパーティーデスカ!是非とも私も参加を!」
「残念ですが使用人に参加権はありません。」
「え、雲嵐さん……。」
「保険医兼任してますし、教師や生徒会役員が許可しましたからね。」

それを聞き、ダニエルさんはナルホド、と呟いた。

「ツマリ、生徒会役員とかに許可を貰えばいい、と……。そういえばワタシをここに冤罪で拘束したのって……。」

ダニエルさんはにんまりと黒い笑みを会長さんと会計さんに向けた。ふたりとも鳥肌が立ったように体を震えさせ、許可します!と宣言した。

「デスッテ。」
「……チッ。ファーストダンスとラストダンスの競争率が上がったではありませんか。」

悔しげにレンブラントさんは舌打ちをした。
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