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六章 豪華客船、カジノとディーラー
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(どうしましょう…この状況。)
なぜか歴史の人物と同じ名前の仮面のバーテンダー?の腕に閉じ込められている私は、首もとに突きつけられるアイスピックに恐怖しながらも頭を働かせていた。
「大人シクシテテネ、キミヲ傷ツケタクハナイカラ。」
少し身じろぎをしただけでアイスピックの先を首元に近付けられ、こう言われる。
もう脱出の目処はないのかしら。
(いえ、諦めたらそこで試合終了よ…!!)
どこぞの有名人の台詞をパクり、弱気な自分を奮い立たせる。
「サテ、賭ケノ内容ダケド……。」
後ろに気配を感じる。それと共にジェイさんとファルークさんは眉を寄せ険しい顔をし始めたので、それはよくないものなのだと分かった。
「あの、ちょっと気になるので振りかえることって大丈夫ですか?」
「ウン、ダメデショ。ナンデ、イイトオモッタノ?」
「ですよね……少しだけでも…?」
「キミナニスルカワカラナイカラダメ。」
「お嬢様、後ろにいるのはあのマリオネットが少し芸術肌となった姿ですから、わざわざ見る価値はないですよ。」
「余計気になりますよ!!?」
どういうことなの、芸術肌になったマリオネットって……。気になるが、ちょっとコナン…こほん、ドイルさんの雰囲気が冷たくなった気がするので、もう追求するのはやめておく。
「アア、コノ前ダケドネェ、
大切ナ小説ヲ失クシテシマッテ!
トテモ大切デ憎イ、俺ノ思イ出サ!」
「……早く言いなさい。お嬢様を長く怯えさせるおつもりですか?」
「相変ワラズセッカチダナ。
マァツマリ…コノコタチカラ逃ゲナガラ、コノ船内二隠レテイル小説ヲミツケダスダケデス。全部手二イレタラ、君タチヲ生キテ返シテアゲル。………急二打ッテクルナンテ、ヤル気満々ダナァ。デモ残念。コノ子達ハスグ回復スルンダ。」
(相変わらずせっかち?)
やはり、この人はジェイさんを知っている。ジェイさんだって、この人を。
しかし私がそう考えているうちに、
私たちの背後にいるものに、ファルークさんは躊躇なく、懐から虎さんにもらった拳銃を取り出し打った。
しかしなにかが倒れる音はせず、なにかしらの咆哮が聞こえた。あのマリオネット鳴くの!?
新事実に驚愕しながらも、ファルークさんたちへの心配が募る。余計に敵を興奮させてないかしら……。
案の定、後ろから威嚇のような低い地響きのような音が聞こえる。
「……フフフ、モウコノ子達ハ待チキレナインダッテサ。ソレジャア、ガンバッテネ。」
「待てっ、その小説は全部でいくつなんだ!?」
「……サァ?」
「なっ……!いや、そんなことよりもまず彼女を離せ!」
迫力のある声でファルークさんは私の解放を願い出てくれるが、ドイルさんは首を降った。
「っ……ファルーク、まずは一旦退きましょう!このままでは我々がやつらに喰われてしまいます!それに、彼はお嬢様には手を出さないはずです!私を信じてください!」
「どうしてそう言える!?アイスピックを突きつけているんだぞ!根拠を言え、根拠を!」
「それは……っ、どうしても、です!信じてください!我々は親愛なるライバルでしょう!それに貴方だって、今は逃げるしかないと分かってるでしょう!?」
「……っ、ああ……女神殿!絶対に助け出すから、待っていてくれ!」
苦しげに顔をしかめた二人に、強くうなずき返す。逃げていく彼らを追いかけていくマリオネットは、筆を持ち、絵の具のついたエプロンをつけていたり、万年筆と紙を持っていたりして、本当に芸術肌なマリオネットだった。
「……紅茶デモドウダイ?それとも珈琲?」
アイスピックを下ろし、彼は穏やかな口調でそう言った。アイスピックは、ファルークさんとジェイさんを威嚇するためだったようだ。
「それじゃあ珈琲を…。」
「ア、ゴメンココ珈琲豆ナイ。紅茶デイイ?」
「お願いします…あ、でもストレートはちょっと…、ミルクティーなら…!」
「ウン、ワカッテルヨ。」
出されたのは出来立てのミルクティー。
え。なんで私の好み知ってるの?
不信感が大分募る。もともとこちらを調査していたのだろうか。でも食の好みまで必要?
そこまで考え気がついた。まさか、毒でも?
「チガウヨ。毒ジャナイヨ。」
「なんでわかったんですか!?」
「フフフ、前二同ジコト言ワレタコトガアッテネ。ナツカシイナァ……。」
仮面で顔を見えないはずなのに、寂しそうな表情をしている気がする。じっと見つめていれば、誤魔化したように、微笑む代わりに首をかしげられた。
「…ネェ、歌ッテクレナイカ?」
「?」
意図がわからない。
彼は歌うことで魔法が強化されることを知らないのかしら。
いや、キースくんが歌っていたので、そんなことはないとは思う。
そもそも、知っていたとしても、知らなくとも。そんな不思議なお願いを、どうして私に……?
「選曲ハ【キラキラ星】デ。」
きーらーきーらーひーかーるー…ってなんで??なんでそのチョイスなの??
ミルクティーを飲んだらホッとしたのか、恐怖から怒りと疑問になってくる。
(この人、お願いしてる相手がいま絶賛殺されかけながら小説を探しにでていった人たちの仲間ってわかって言ってるのよね??)
少し腹立つので、歌いはするが別の曲にしてあげることにする。
選曲は【大きな古時計】よ!大差ない?まぁまぁ…これくらいで怒ってこないでしょ、たぶん……。だいぶささやかな反撃である。
「それじゃあ、歌います。」
「オネガイネ。」
「すぅーーー……
大きなのっぽの 古時計
おじいさんのーーー」
「!?マテ、ヤメロ!!」
「時計……っっえ!!?」
「ーーーーマイワイフっ!!」
手を伸ばしてくるドイルさん。いつしか床にぽっかり穴が空き、下に落ちていってる気がする。というか、落ちている。
途中で加速したり減速したりしながら落ちて行くそれは、さながらアリスのはじめのシーンの穴のよう。どこへ出るのかなど分からないが、おそらく歌ったことによる魔法の誤爆だろう。きっとすぐどこかへ行き着くはず。
「待って、長くない?」
かれこれ30分ほど落ちてる気がする。すぐ行き着くとかいったの誰よ。私ね。
「というか、本当にアリスの穴みたいね……なんでクッキーあったりティーポットあったり針ネズミが宙に浮いてるの?あそこだけ無重力?私絶賛下降中なのにそんなのあり得る??」
思わず考える人のようなポーズを取ってしまう。と色々考えていたら、下に光が見えた。
「!もうすぐでられるのねーーーきゃあっ!!」
「うわぁっ!!?」
穴から出た先は、柔らかいベッド。大きくドスン、と聞こえ、ベッドに横になっていた人を跨ぐかたちとなってしまった。しかも落下してきたので、ダメージがあるのか、その人はいてて、と呟いている。
あら、よくみたら好青年。
「ご、ごめんなさ……。」
「えっ、なにこの魔女みたいな人。
すごく執筆のモデルになりそうだな……キミ、綺麗な顔してるね。……そういえば俺親からそろそろ結婚しろっていわれてるんだよな……。」
ぶつぶつという独り言に、私の謝罪は書き消される。
こちらこそなにこの人、という気持ちよ。のそのそと上から退こうとしたら、強く腰を掴まれた。
「なにしてるの?」
「なにって…退こうとしてるのですが…重いですよね?」
「まぁまぁ重いけど…健康的でいいんじゃない?と、いうよりも。今キミ、天井から現れたんだよね?」
「たぶん…」
「つまり不法侵入で、しかも俺の朝の睡眠を阻害した?」
「人聞き悪すぎませんか…?間違ってませんけど…。というか朝は起きる時間じゃ…?」
「よし、キミは今から俺の妻だよ、いいね。」
「なんでですか!?」
話が変な方向に行っている。慌てて違うといえば、でも俺に迷惑かけたでしょ?凄く疲れてて、眠かったんだけどなぁ、と言われてしまった。黙るしかない。
「あれ、でもそれと妻になることになんの関係が…?」
「親にお見合いさせられるのそろそろ辛い。一度は夫婦生活してみろって言われててさ。半年でいいから、俺と結婚生活送って、その後離婚しよう。それなら親も文句言わないだろうし。一度夫婦生活送ってるからね。」
初めての結婚がまさかの離婚前提。ここでわかったわ、この人典型的なダメ男。
「一軒家で三食昼寝つき!家事は使用人にさせるし、いい条件だと思うけど?」
「……あの、そもそもここは…?」
「そこから?キミ、知らないで来たの?
ここはね……ロンドンだよ。」
「!?」
(まさか、そんなことって……!)
ロンドンは、もとの世界の国だ。まさか、ここはもとの世界なのだろうか。慌ててカーテンをあけ、外を見る。それは、変哲のない、古びたレトロな町並み。しかし、イギリスだとわかるビックベンがそびえ立っていた。
(本当に、もとの世界……?)
しかしそれにしては、見慣れた車が走っていない。あるのは、馬車と馬。服装だって、現代とは違う。女性はドレスを、男性は紳士服を着ている。というかなんで言葉が通じてるの?英語私しゃべれなかったと思うのだけど……もしやこちらの世界でも魔法が使えるのかしら。
しかしそんな疑問より先に、私には確認しないといけないことがある。
「あの、いまって何世紀ですか…?」
「?キミは変なことを聞くなぁ。19世紀だよ。」
「えっ。」
「?当たり前だろ?」
お父さん、お母さん。私、元の世界には変えれましたが国と時代が違う場所に来てしまいました。
「あ、名乗り忘れてたね、お嬢さん。俺はコナン・ドイル。半年間、キミの夫としてよろしくね。」
「えっ、ええっっ!!?」
あとついでに、敵に嫁入りしたようです。
なぜか歴史の人物と同じ名前の仮面のバーテンダー?の腕に閉じ込められている私は、首もとに突きつけられるアイスピックに恐怖しながらも頭を働かせていた。
「大人シクシテテネ、キミヲ傷ツケタクハナイカラ。」
少し身じろぎをしただけでアイスピックの先を首元に近付けられ、こう言われる。
もう脱出の目処はないのかしら。
(いえ、諦めたらそこで試合終了よ…!!)
どこぞの有名人の台詞をパクり、弱気な自分を奮い立たせる。
「サテ、賭ケノ内容ダケド……。」
後ろに気配を感じる。それと共にジェイさんとファルークさんは眉を寄せ険しい顔をし始めたので、それはよくないものなのだと分かった。
「あの、ちょっと気になるので振りかえることって大丈夫ですか?」
「ウン、ダメデショ。ナンデ、イイトオモッタノ?」
「ですよね……少しだけでも…?」
「キミナニスルカワカラナイカラダメ。」
「お嬢様、後ろにいるのはあのマリオネットが少し芸術肌となった姿ですから、わざわざ見る価値はないですよ。」
「余計気になりますよ!!?」
どういうことなの、芸術肌になったマリオネットって……。気になるが、ちょっとコナン…こほん、ドイルさんの雰囲気が冷たくなった気がするので、もう追求するのはやめておく。
「アア、コノ前ダケドネェ、
大切ナ小説ヲ失クシテシマッテ!
トテモ大切デ憎イ、俺ノ思イ出サ!」
「……早く言いなさい。お嬢様を長く怯えさせるおつもりですか?」
「相変ワラズセッカチダナ。
マァツマリ…コノコタチカラ逃ゲナガラ、コノ船内二隠レテイル小説ヲミツケダスダケデス。全部手二イレタラ、君タチヲ生キテ返シテアゲル。………急二打ッテクルナンテ、ヤル気満々ダナァ。デモ残念。コノ子達ハスグ回復スルンダ。」
(相変わらずせっかち?)
やはり、この人はジェイさんを知っている。ジェイさんだって、この人を。
しかし私がそう考えているうちに、
私たちの背後にいるものに、ファルークさんは躊躇なく、懐から虎さんにもらった拳銃を取り出し打った。
しかしなにかが倒れる音はせず、なにかしらの咆哮が聞こえた。あのマリオネット鳴くの!?
新事実に驚愕しながらも、ファルークさんたちへの心配が募る。余計に敵を興奮させてないかしら……。
案の定、後ろから威嚇のような低い地響きのような音が聞こえる。
「……フフフ、モウコノ子達ハ待チキレナインダッテサ。ソレジャア、ガンバッテネ。」
「待てっ、その小説は全部でいくつなんだ!?」
「……サァ?」
「なっ……!いや、そんなことよりもまず彼女を離せ!」
迫力のある声でファルークさんは私の解放を願い出てくれるが、ドイルさんは首を降った。
「っ……ファルーク、まずは一旦退きましょう!このままでは我々がやつらに喰われてしまいます!それに、彼はお嬢様には手を出さないはずです!私を信じてください!」
「どうしてそう言える!?アイスピックを突きつけているんだぞ!根拠を言え、根拠を!」
「それは……っ、どうしても、です!信じてください!我々は親愛なるライバルでしょう!それに貴方だって、今は逃げるしかないと分かってるでしょう!?」
「……っ、ああ……女神殿!絶対に助け出すから、待っていてくれ!」
苦しげに顔をしかめた二人に、強くうなずき返す。逃げていく彼らを追いかけていくマリオネットは、筆を持ち、絵の具のついたエプロンをつけていたり、万年筆と紙を持っていたりして、本当に芸術肌なマリオネットだった。
「……紅茶デモドウダイ?それとも珈琲?」
アイスピックを下ろし、彼は穏やかな口調でそう言った。アイスピックは、ファルークさんとジェイさんを威嚇するためだったようだ。
「それじゃあ珈琲を…。」
「ア、ゴメンココ珈琲豆ナイ。紅茶デイイ?」
「お願いします…あ、でもストレートはちょっと…、ミルクティーなら…!」
「ウン、ワカッテルヨ。」
出されたのは出来立てのミルクティー。
え。なんで私の好み知ってるの?
不信感が大分募る。もともとこちらを調査していたのだろうか。でも食の好みまで必要?
そこまで考え気がついた。まさか、毒でも?
「チガウヨ。毒ジャナイヨ。」
「なんでわかったんですか!?」
「フフフ、前二同ジコト言ワレタコトガアッテネ。ナツカシイナァ……。」
仮面で顔を見えないはずなのに、寂しそうな表情をしている気がする。じっと見つめていれば、誤魔化したように、微笑む代わりに首をかしげられた。
「…ネェ、歌ッテクレナイカ?」
「?」
意図がわからない。
彼は歌うことで魔法が強化されることを知らないのかしら。
いや、キースくんが歌っていたので、そんなことはないとは思う。
そもそも、知っていたとしても、知らなくとも。そんな不思議なお願いを、どうして私に……?
「選曲ハ【キラキラ星】デ。」
きーらーきーらーひーかーるー…ってなんで??なんでそのチョイスなの??
ミルクティーを飲んだらホッとしたのか、恐怖から怒りと疑問になってくる。
(この人、お願いしてる相手がいま絶賛殺されかけながら小説を探しにでていった人たちの仲間ってわかって言ってるのよね??)
少し腹立つので、歌いはするが別の曲にしてあげることにする。
選曲は【大きな古時計】よ!大差ない?まぁまぁ…これくらいで怒ってこないでしょ、たぶん……。だいぶささやかな反撃である。
「それじゃあ、歌います。」
「オネガイネ。」
「すぅーーー……
大きなのっぽの 古時計
おじいさんのーーー」
「!?マテ、ヤメロ!!」
「時計……っっえ!!?」
「ーーーーマイワイフっ!!」
手を伸ばしてくるドイルさん。いつしか床にぽっかり穴が空き、下に落ちていってる気がする。というか、落ちている。
途中で加速したり減速したりしながら落ちて行くそれは、さながらアリスのはじめのシーンの穴のよう。どこへ出るのかなど分からないが、おそらく歌ったことによる魔法の誤爆だろう。きっとすぐどこかへ行き着くはず。
「待って、長くない?」
かれこれ30分ほど落ちてる気がする。すぐ行き着くとかいったの誰よ。私ね。
「というか、本当にアリスの穴みたいね……なんでクッキーあったりティーポットあったり針ネズミが宙に浮いてるの?あそこだけ無重力?私絶賛下降中なのにそんなのあり得る??」
思わず考える人のようなポーズを取ってしまう。と色々考えていたら、下に光が見えた。
「!もうすぐでられるのねーーーきゃあっ!!」
「うわぁっ!!?」
穴から出た先は、柔らかいベッド。大きくドスン、と聞こえ、ベッドに横になっていた人を跨ぐかたちとなってしまった。しかも落下してきたので、ダメージがあるのか、その人はいてて、と呟いている。
あら、よくみたら好青年。
「ご、ごめんなさ……。」
「えっ、なにこの魔女みたいな人。
すごく執筆のモデルになりそうだな……キミ、綺麗な顔してるね。……そういえば俺親からそろそろ結婚しろっていわれてるんだよな……。」
ぶつぶつという独り言に、私の謝罪は書き消される。
こちらこそなにこの人、という気持ちよ。のそのそと上から退こうとしたら、強く腰を掴まれた。
「なにしてるの?」
「なにって…退こうとしてるのですが…重いですよね?」
「まぁまぁ重いけど…健康的でいいんじゃない?と、いうよりも。今キミ、天井から現れたんだよね?」
「たぶん…」
「つまり不法侵入で、しかも俺の朝の睡眠を阻害した?」
「人聞き悪すぎませんか…?間違ってませんけど…。というか朝は起きる時間じゃ…?」
「よし、キミは今から俺の妻だよ、いいね。」
「なんでですか!?」
話が変な方向に行っている。慌てて違うといえば、でも俺に迷惑かけたでしょ?凄く疲れてて、眠かったんだけどなぁ、と言われてしまった。黙るしかない。
「あれ、でもそれと妻になることになんの関係が…?」
「親にお見合いさせられるのそろそろ辛い。一度は夫婦生活してみろって言われててさ。半年でいいから、俺と結婚生活送って、その後離婚しよう。それなら親も文句言わないだろうし。一度夫婦生活送ってるからね。」
初めての結婚がまさかの離婚前提。ここでわかったわ、この人典型的なダメ男。
「一軒家で三食昼寝つき!家事は使用人にさせるし、いい条件だと思うけど?」
「……あの、そもそもここは…?」
「そこから?キミ、知らないで来たの?
ここはね……ロンドンだよ。」
「!?」
(まさか、そんなことって……!)
ロンドンは、もとの世界の国だ。まさか、ここはもとの世界なのだろうか。慌ててカーテンをあけ、外を見る。それは、変哲のない、古びたレトロな町並み。しかし、イギリスだとわかるビックベンがそびえ立っていた。
(本当に、もとの世界……?)
しかしそれにしては、見慣れた車が走っていない。あるのは、馬車と馬。服装だって、現代とは違う。女性はドレスを、男性は紳士服を着ている。というかなんで言葉が通じてるの?英語私しゃべれなかったと思うのだけど……もしやこちらの世界でも魔法が使えるのかしら。
しかしそんな疑問より先に、私には確認しないといけないことがある。
「あの、いまって何世紀ですか…?」
「?キミは変なことを聞くなぁ。19世紀だよ。」
「えっ。」
「?当たり前だろ?」
お父さん、お母さん。私、元の世界には変えれましたが国と時代が違う場所に来てしまいました。
「あ、名乗り忘れてたね、お嬢さん。俺はコナン・ドイル。半年間、キミの夫としてよろしくね。」
「えっ、ええっっ!!?」
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