1000人の特盛召喚記 mobに憧れた876番目の転移者

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交通の都ヘパイドン

5.自由の剣

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 緑朗太が案内された工房はよほど使われることがないのか、1週間そこいらではありえない程度には埃が積もっており、少なくとも一月かそれ以上は手をつけられていないであろうことが伺える。

 ドワーフは酒好きの粗暴者ではあるが、非常に高度な鍛冶や工芸技能を持っており、1日も休まずに鎚を振るっているという先入観があっただけに、このことは緑朗太にとって意外と思わざるを得ない。付け加えて、この国には確かにドワーフやエルフのような亜人は存在するのだが、彼らは自分たちの領域から出てこようとはせず、人と人との接触を著しく嫌う。それ故に、お目にかかることはまずありえないとまで拓郎に教わっていたのである。

 「ドワーフ…本当に?」
 「なんじゃお前さん。まだここにおったんか。聞いてのとおり、儂は客を取らん。お前さんには悪いが今日のところは帰ってくれ。」
 「駄目!カティがせっかく連れてきたお客さんなの!お爺ちゃんはこの人に剣を売らないと駄目なのぉ!!」

 帰れと言われたり帰るなと言われたりどうしろっていうんだ!相変わらず緑朗太を挟んで言い合いを始める2人にどうしようかなぁと途方に暮れる緑朗太。だが、そもそもは自分は出来合いの武器を見に来たのだ。それも、ここに来たらジョスクよりも質が良いのがあると言われ、一度それをお目にかかればどう言ったものが質がいいのかがわかるのではと思っただけであり、今すぐ作ってくれと言うつもりは毛頭ない。よし、はっきりと断ろう。そう決心をし、取り敢えず言い争いを続ける2人に割り込んだ。

 「あの、すいません…俺は別に武器が欲しいわけじゃないので、帰ってもいいですか?あんまり遅くなると訓練にも間に合いませんし。」
 「…なんじゃお前さん…武器が欲しくて来たんじゃないのかい。それに訓練?お主ルーキーいや、ビギナーか?それならここいらじゃなくてジョスクに行くとええじゃろ。」
 「帰っちゃ駄目ぇ!貴方はうちのお客さんなの!!」

 女児に手を捕まれ、しかも帰らせないとばかりにその場でしゃがみこまれてしまい、緑朗太は本格的に困り果てた。ドワーフの口にしたルーキーというのはFランクのギルドメンバーのことで、その中でも訓練中の者をビギナーを表している。ドワーフには自身がどういった経緯でこの場所に来たのか理由を告げると、拓郎の名前を出したところで、ドワーフは意外そうな顔をした。

 「なんじゃ…拓郎の知り合いか。ということは、ここに来るように仕向けたのもあ奴か…。」

 いえいえ、ここに連れてこられたのは貴方のお孫さんですよ?緑朗太はそう言おうとしたのだが、ドワーフはそんなことはわかりきっていると言わんばかりに鼻を鳴らし「違うわい」と否定をした。

 「ここ最近、カティが向かいの工房の客を連れてきおるんじゃ。連れてこられても儂は武器を打つ気はないから追い返すしかないのじゃが、態々連れて来といて客を追い返すなんてどういうことだと苦情が来ておってな。」

 なるほど…緑朗太の手を力強く握り締めて一向に離す気配のない女児改めカティの被害者面々には同情がこみ上げる。

 「しかし、拓郎が送り込んでくるとはどんな奴かと思いきや…お前さんそもそもレベル1か2の無職じゃろ。訓練中ということはまだ自分にあった武器すら知らんのではないのか?」

 ステータスを公言したわけではないが、訓練を受けると話したことで、緑朗太のステータスを大まかに察していた。或いは長年培った観察眼というやつなのかもしれない。

 「冷やかしだったんですよ。もしくは目を肥やすのが目的…いや、良いのがどういうのか知りたかったんです。後はすごく個人的なことになるんですけど…。」
 「なんじゃ?」
 「格好いいのが好きなんです。これでも男ですから。」

 緑朗太の思わぬ発言に、ドワーフはこれまた目を丸くして驚いていた。カティも緑朗太が何を言ってるのだろうかと呆気にとられた表情を浮かべている。そう、緑朗太は異世界に来たからにはまず武器に触れてみたかった。それは秘めたる破壊衝動というよりも、あまりにも幼稚な厨二的思考の意味合いが強く、もしも触れられるのならば、低品質の武器よりも一層のこと伝説の勇者の武器とまではいかなくとも、最高品質の武器とやらをお目にかかってみたかった。

 「なるほどの…昔お前さんと同じことを言った奴がおったよ。」
 「拓郎ですか?」
 「そうじゃ。それともう1人、「勇者の剣を打ってくれ」と無茶を言いよった奴がおる。」
 「まさか…4年前の?」
 「なんじゃ知っておったか。そうじゃ、4年前にこの地で戦死した勇者じゃ。」

 目の前のドワーフが勇者の剣を造った。思わぬところから明かされた真実に、今度は緑朗太が目を丸くして驚く番となった。

 「当時、儂はこんな外の世界ではなく、【穴ぐら】と呼ばれるわしらの故郷におった。そんな時にやってきたのが拓郎を含めた勇者パーティじゃ。人間嫌いのドワーフは当然武器など造らぬし、売ろうともせんかった。だが、儂は奴らには一生をかけても返せぬ恩が出来てしもうた。その礼として勇者に剣を1振り打ってやったというわけじゃ。」
 「ちょ、ちょっと待ってください…。」

 緑朗太の思考は、次から次に振って沸いたように出てくる新情報にパニックに陥る。頭を抱えて思考の整理が追いつかない緑朗太を無視し、ドワーフは自嘲気味に言い捨てた。

 「もっとも、人間に武器を造った儂は穴ぐらをおわれ、儂の武器で戦った勇者は戦死した。ここに流れ着いたのも単に勇者の最期が知りたかったのと、儂の武器を回収しに来ただけじゃ。さぁ、もう良いじゃろう。帰っておくれ。」



 この世界には時計の概念というのは基本的にない。綿密な時を刻む為の道具と手段がなく、それによって「何時頃」という約束の仕方が存在をしないのだ。だが、その街その街で昼を知らせる為の【鐘楼塔】という方法はある。この町だと中央寄りに建てられた周りの建物よりも頭二つほど高い建物のことである。塔の上には巨大な鐘楼が設置されており、木板から垂直に針を飛び出させ、陽の光が当たる場所に置いておく。太陽が流れていくに連れて影も移動をし、1日の大まかな時の流れを計測しているのである。

 駄々をこねるカティをドワーフが緑朗太から引き剥がし、その隙に工房を出る事が出来た。結局向かいの工房には入る時間もなくなってしまったので、そのまま訓練場への移動を余儀なくされてしまい、タベスでの目的を何も果たせなかったことに緑朗太の肩はガックリと落ちることとなった。

 訓練場に着くと、昨日まではいなかったギルドメンバーが何人かおり、少し離れたところではリヴィとマーヴィスが話し合っている。緑朗太は2人の下へと向かい、今日もよろしくお願いしますと訓練の申し込みを済ませ、訓練場に屯する同じく受講者と思しきギルドメンバーに近づいた。

 全部で6人ほどいるのだが、いずれも緑朗太より若く、一回り以上離れているのでは?という風貌の者までいた。近寄ってきた緑朗太に1人が気付き、指をさして他の者にも伝えると、残り全員の視線が一斉に緑朗太に集中する。

 「おじさんも訓練受ける人?」

 開口一番のそんな言葉に、密かに傷つきながらも緑朗太は「そうだ」と同意し、自らの名を名乗った。レベルや職業までは口にはしなかったが、見るからに初心者であろうといった緑朗太の見た目に興味が半分侮蔑が半分といったところである。約1名、興味が全くないのか見向きもしないものがいるが、最初に話しかけてきたオレンジ色の髪の若い男は気にしてないと言わんばかりに話しかけてくる。

 「僕、トーリ!このパーティ【自由の剣】のリーダー兼攻撃隊長やってるんだ!よろしくな!」
 「あぁ、こっちこそよろしく。俺のことはロクか緑朗太でいいよ。」
 「わかったよロクさん!俺のこともトーリって呼んでいいからな!」

 元気あふれる若者である。一回りは離れていそうな緑朗太になんの躊躇もなく話しかけるあたり、人懐っこい性格なのかもしれない。

 「そっちにいる栗色の髪のヤングとユングって兄妹がうちの斥候兼遊撃手。それとこっちの杖持ってる女の子がメルダ。うちの魔法使いなんだ。後ろでムッツリしてるクラッドとヒョロ長いムーザがうちの二枚盾をやってくれてる。」

 その他のメンバーの紹介を始めたトーリを周りのメンバーは誰も咎めようとはしない。それどころかまたかと言わんばかりの様子である。

 「俺は昨日から訓練を受けてるんだ。ギルドメンバーになったのも昨日からだし、君たちの方が先輩になるな。」
 「そうなのか?大変だと思うけど、わからないことがあったら先輩である僕達にいつでも聞いてくれよ!」

 先輩という響きがよほど気持ちよかったのか、自分の胸を大きく叩いて自慢気に語るトーリの溢れんばかりの若々しさに、緑朗太は自身が途端に老け込んだような錯覚に陥った。日本でも脱サラをして飲食店を始めた人たちをテレビで見かけることがあり、それを見てよくやるなと感心をした記憶があるが、彼らからしてみれば、緑朗太はまさにその類の人間なのかもしれない。

 「自己紹介は終わったか?それじゃあ今日の訓練を始めるぞ。緑朗太は昨日もやったと思うが、まずは走り込みだ。トーリ達には前にも言ったが走るっていうのは前衛後衛関係なく、如何なる状況下にあろうとも必須になる。体力を増強するという意味合いもあるが、いざという時に逃げることのできる奴が必ず生き残るからだ。良いか、逃げることを恥だと思うな。たかだかちっぽけなプライドでその後の生涯を全て棒にふることがあるんだ。」

 体力を鍛えるというところもあるが、逃げる為の訓練という名目に若者達は一様に「えー」と嫌そうな声を上げる中、緑朗太だけはその言葉の重みを知っているので、「はい」と返事をした。

 そうして始まった走り込みだが、先日と同じく少し走ったところで最初に息切れを起こしたのは緑朗太である。1日2日走っただけでそんな簡単に体力が付くわけでもなく、一緒に走り始めて数分後には最後尾にいき、更に数分経過すると周回遅れといった具合である。

 ギルドメンバーとして先輩ということもあるのだが、元々走り込みを日常としていたような若者達は、次々に緑朗太を背後から追い抜き、マーヴィスが「それまで」と言うまでの間には何回緑朗太を追い抜けるかというゲームまで行われるほどである。失礼極まりないのだが、まだ笑い合えるトーリ達と、喋る気力すらない緑朗太では体力がそもそも桁違いなのだということがわかり、怒りすら湧いてこない。

 だが、そんな中で1人だけ緑朗太に賞賛をするものがいた。マーヴィスである。昨日の緑朗太は走り始めてすぐに倒れてしまったというのに、たった1日で倒れることがなかった。走るペースが異なるのではないかという疑問もあったのだが、傍から見ている限りではそういった様子はなく、昨日とほぼ同じペースで走り続けていた。マーヴィスは自身が思い至った[最適化]の効果が、早くも緑朗太に反映をされているのだと知り、この後の模擬戦で彼がどのような成長を遂げるのかと密かに楽しみに思うのであった。

 「それじゃあ模擬戦を始めるぞ。トーリ達は3人組でかかってこい。緑朗太は1人だ。」
 模擬戦は、まずは自由の剣から始められた。最初の3人は剣士のトーリ、盾役のクラッド、魔法使いのメルダの3人である。体力的に余裕がある6人が先に戦うことで、緑朗太は少しでも体力の回復に励めということであった。

 緑朗太は地べたに座り込み、3人のパーティの動き方ではなく、マーヴィスの動き方を凝視していた。マーヴィスが今回手にした武器は右手にはショートソード、左手には円形状のラウンドシールドであり、共に木製であり怪我こそすれど死亡事故の可能性を抑えたものである。

 トーリ達の装備も木製ではあるが、メルダの用いる魔術は危うく死亡させる可能性もある危険なものである。だが、始められた模擬戦は素人目から見てもその技量差にはハッキリと開きがあり、マーヴィス側に危うさを一切感じられない。

 トーリ達3人はクラッドを先頭にその背後にトーリ、更に後ろにはメルダが縦一列に並んだ形である。クラッドは開始と同時にマーヴィスに向かって駆け寄り、木製の大型のカイトシールドを用いて殴りつけようとする。

 マーヴィスはラウンドシールドの丸みを利用してパリィし、横合いからクラッドの足元に自分の足を伸ばして引っ掛け、転ばせようとする。だが、クラッドの影からトーリが飛び出し、ロングソードで袈裟懸けに斬りかかる。慌てることなくショートソードの鍔部分で受け止めたマーヴィスは、トーリの体をメルダの射線上へと強制的に移すことで、メルダの魔法の攻撃を阻害させる。

 メルダが扱える魔法は主に火属性の[ファイアーボール]、発動後はソフトボール大の火球が対象めがけて一直線に飛んでいくというものである。銃器のないこの世界では銃器相応の役割である。飛翔スピードは凡そ140km、真正面から避けるのは容易いことではない。だが背後から飛んでくるその火球を避けるのは更に難易度が跳ね上がり、不可能と言えよう。メルダもそれを承知の上なのか、魔法を放とうという気配はみせない。

 シールドバッシュを流され、体勢を崩していたクラッドがマーヴィスの背中目掛けて再びのシールドバッシュを放つ。マーヴィスは真後ろからの攻撃を横に転げ回ることで躱し、トーリの剣とクラッドの盾をぶつけ合わせる。射線上から障害物がなくなったことでマーヴィスへとメルダのファイアーボールを発射させる。ラウンドシールドだけでは火球を防げないと知っているマーヴィスは、火球がラウンドシールドに着弾した瞬間、体を捻りながらそれを背後へと受け流す。

 トーリとクラッドがマーヴィスへと向き直ろうとした時、彼は既にメルダとの距離を潰して、彼女の喉元に木剣を突きつけているところだった。

 「まだ荒削りだな。トーリとクラッドは自分から攻撃をすることに夢中になりすぎてメルダをお座成りにし過ぎだし、メルダはメルダで後ろにいることで大丈夫と安心しすぎだ。前みたいに射線上にいる仲間めがけて魔法を打たなかったことは褒めてやるが、それだけだ。チームワークをもう少し磨け。」

 3対1の状態で1人でも潰されれば、それだけでマーヴィスには敵わない。模擬戦でなければメルダを死なせていたであろうことを突きつけられ、初戦は終了をする。

 続く2戦目、盾役のムーザとヤングユング兄妹のパーティである。ムーザの盾はクラッドと同じくカイトシールドであるのだが、そのサイズは2回り小さく、右手には棍棒を装備している。ヤングとユングの兄妹は共に腰にダガー状の木剣を2本差し、手にはショートボウを装備し、矢筒には矢尻の潰された訓練用の矢が10本ずつ入れられている。

 開始の合図が告げられ、ムーザはクラッドとは異なりゆっくりとマーヴィスとの距離を詰めようとしている。ムーザの背後ではヤングとユングがそれぞれムーザの後方で左右に広がり、弓に矢を番えた状態で待機している。

 緑朗太はどうして直ぐに矢を射ないのか不思議であったが、マーヴィスがヤングに狙いを定めて駆け出したことでその意図に気づかされた。飛び出したマーヴィスの動線上にムーザが割り込み、足止めを行い、足止めを食らったマーヴィスめがけて狙われなかったユングが側面から矢を射る。その場から後方に飛び退いたマーヴィスを、今度は反対方向から回避地点に狙いを定めていたヤングの矢が襲い掛かり、シールドでそれを受け止めさせられる。

 ユングに狙いを定めて走り出すマーヴィスにも、同様にムーザが割り込んでヤングが矢を放ち、追撃でユングの矢が放たれる。ならば、ムーザを先に潰そうと襲いかかれば、ヤングとユングに左右同時で弓を射られてしまう。僅か3度の攻防でマーヴィスは動きを封じられたことになり、緑朗太と共に見学をしていたトーリが「いけー!勝てー!」と声援を投げかけている。

 「さっきの3人に比べると格段に連携に優れ、一戦目を見てよく研究をしたと言えるな。だが、今の攻防で気付いたかもしれんが、どれだけ矢を射ろうとも俺には当たることはない。いずれ矢が尽きた時はヤングとユングは接近戦を強いられることになると知れ。そして…」

 マーヴィスはムーザ目掛けて走り出す。ヤングとユングは左右から矢を射るが、ショトソードと盾でそれぞれ弾かれてしまい、前傾姿勢で盾を前に突き出したムーザの盾を、マーヴィスはラウンドシールドを捨てて手で掴み、強引にムーザの背後へと周り、羽交い締めにする。仲間を盾にされたヤングとユングは共に攻撃をすることが出来なくなってしまう。だが、マーヴィスは羽交い締めを解くやいなや、ムーザの足と足の間に腕を回して持ち上げ、ヤング目掛けて放り投げる。

 驚いたヤングだが、受け止めることなく冷静に回避をし、マーヴィスの方へと視線を戻すのだが――マーヴィスはすでに目と鼻の先にいた。ユングが弓矢を構えようとするも、ヤングもムーザと同じく腕を掴まれて強引に背後に回られて盾にされてしまう。矢を撃てないユングにヤングが「俺ごと射ろ!」と言うが、それも敵わず、マーヴィスが「このままヤングをお前に投げていいか?」と訊ねると、構えていた弓を解いて負けを認めたのであった。

 もしかしたらと期待のあったトーリ達だったが、結果はやっぱりマーヴィスの圧勝である。カウンター狙いであったのは良かったが、トーリ達とは真逆で攻め気がなさ過ぎたことを怒られる3人。特にムーザは防御に徹しすぎていた為に、盾役なのに真っ先に捕まったことを叱責された。あの時、盾に頼るばかりではなく、棍棒で攻撃をしておれば、或いはヤングとユングのサポートもあって1撃を与えることぐらいは出来たのでは?ということである。



 緑朗太の出番になり、緑朗太は昨日と同じ木槍と昨日とは異なる木製のショートソードを伴ってマーヴィスの前で佇む。前日は扱い方がわからずにただ振り回すだけであったが、左腰に剣を差し、右足を後ろ左足を前にした左半身で槍を構える姿は、昨日までにはなかったものである。

 マーヴィスも剣と盾から昨日と同じ槍と剣へと装備し直し、目の前で同じように構える。構えた両者が口を開くことはなく、緑朗太がジリジリと距離を詰めることが開始の合図となったようにピンと空気が張り詰める。詰め寄る緑朗太に対してはマーヴィスは何もせずに構えて待つという姿勢であり、互いの槍先が交差したところで緑朗太の足はピタリと止まる。攻撃の間合いというには僅かに遠い。トーリ達も、後1歩は近寄って攻撃を仕掛けると思っていたのか、どうした?と不審がっている。マーヴィスは何か考えがあるのだろうと楽しみにしていたのだが、いつまで経っても緑朗太からの攻撃がない。あまりにも攻撃をしなさすぎて、トーリ達は緑朗太の腰が引けたのではないかとさえ疑い始めた。

 マーヴィスも焦れてはいたのだが、緑朗太の視線は途方にくれているようなものではなく、何かを狙っているというのはわかりきっていた。可能ならば、相手が先に動き出すのを待ちたい所だったが、この後の訓練に影響を与えかねない状況に陥りそうだったので、仕方無しと動き出すことになった。

 「いつまでこのまm」

 話しかけたマーヴィスはその刹那、息を飲んだ。挑発をせざるを得ない状況で声をかけた瞬間を狙われ、緑朗太の槍の穂先がマーヴィスの握り締めてた槍の柄に沿うように撥ね上げられたのだ。

 槍を握っていた左手を咄嗟に離し、距離を取ろうとしたマーヴィスに、槍そのものを手放した緑朗太が迫る。緑朗太は左腰に差されたショートソードの柄を右手で握り、腰から居合い斬り宛らの[スラッシュ]が抜き放ち、マーヴィスは、右手で掴んだ槍で緑朗太の体を外側から薙ぎ払わんとしてそれに対抗。互いの攻撃が交差した結果、宙を舞ったのはマーヴィスでも緑朗太でもなかった――遥か後方に乾いた音を立てて転がったのは、マーヴィスが右手に掴んでいた木槍であった。

 「貰った!」
 「舐めんな!!」

 既に抜き身の緑朗太のショートソードに対し、マーヴィスの木剣は未だに腰に差さったままである。誰もがマーヴィスに一撃が叩き込まれたと思った。だが、緑朗太がショートソードを振り切ることはなく、彼の体は後方へと二点三点と転がされることになった。緑朗太は自らがマーヴィスに蹴り飛ばされたことを腹部に走った痛みから察し、千載一遇のチャンスを逃してしまったことに、歯噛みして悔しがった。

 マーヴィスもまた悔しさを滲み出していた。自分がいま相手にしているのは新人訓練を開始して2日目、しかも話によると目の前の相手は拓郎と同じで星の流れ者であり、武器を持ったのも昨日が初めてだというのだ。そんな素人同然の男の攻撃に、騙し討ち同然で危機感を乗り切ったことに安堵をした。そんな自分自身に恥じて、そして憤怒する──冷静さを欠いた事を悔い改め、静かなる殺意を自らの器に流し込む。

 「お前さん……これで調子に乗るんじゃないんだろうな?」
 「せめて…一発ぐらいは叩き込めると思ったんだけどな…」

 マーヴィスの視線と雰囲気に殺意が篭められ、周囲の空気が重々しいものに一変する。見学をしていた自由の剣の面々も、マーヴィスが自分達と模擬戦をしていた時とは一線を画していると、全身で感じとっていた。皮膚の粟立ちを抑えきれず、寒くもないのにガチガチと奥歯が震える。だが、そんなマーヴィスよりも理解が及ばないのが、自分たちよりも圧倒的に経験がないはずなのにマーヴィスに怯えている素振りを一切見せず、尚且つ戦闘を続行しようとしている緑朗太という存在であった。



 緑朗太が蹴り転がされたのはスタート位置よりもやや前方、僅かに退いていたマーヴィスとの距離感はほぼスタート時と大差ないものであった。仕切り直し、言葉にしてみればそれだけのことであるが、マーヴィスの心には油断は既になく、緑朗太の心はそんなマーヴィスに怯えている自分とどうすればマーヴィスに一撃を叩き込めるのかを必死に探っている自分とがせめぎ合っていた。

 遠くで見ているトーリ達でさえ震えているのに、緑朗太が平気な理由――それはこの模擬戦より数時間前に遡る。タベス通りの埃の被った工房で経験したあの殺気に比べれば、マーヴィスの殺気は動けなくなるほどではない。あの時感じた殺意はもっと冷徹で黒々としており、何より刺し殺されたのではと錯覚するほどに鋭利であった。

 緑朗太は一旦足元に転がっていた槍を拾い、開始時同様に左半身で構えを取る。だが、これではないな、と拾った槍を自分の目の前に投げ捨てる。これには折角有利に事が運べるリーチ差を、どうして手放すのかとトーリ達は困惑をしていた。1人納得をしたのは眼前のマーヴィスだけだ。

 「おいおい…マーヴィスさん…本気になってないか?」
 「あんたの目でもそう見えるってことは私の目の錯覚じゃないのか…」
 「や、やばくない…これ」
 「お、俺…誰か人呼んでくる…」

 盾を所有していない左手を前に突き出し、右手に装備した木剣を逆手に握り直すマーヴィス、右足を引き体を右斜めに向けてショートソードを右脇に取り、剣先を後ろに下げて構える脇構えの緑朗太。そもそもマーヴィスは剣と槍を扱うことが可能ではあるが、彼の本来の得物は自由の剣を相手取ったラウンドシールドとショートソードという彼の体格からは考えつかない組み合わせであった。そんな彼が最も得意とするこの構えであり、左手で相手の攻撃を受け止め、去なし、ガラ空きになったところを攻撃するというオーソドックスな戦法の為のものである。

 対する緑朗太は、万力の力で体を捻り、左半身を背中ごと相手に向けて無防備に晒しつつも得物を視認できぬように隠している。元来、この構えは相手から武器を隠し、武器の射程をわからなくさせるといった効果が見込めるのだが、ショートソードであると発覚している以上、その効果は期待できない。

 だが、マーヴィスの脳裏には今し方自身の槍が弾かれた苦い記憶が蘇る。当初、マーヴィスは最初のスラッシュが自分自身を狙ったものであると確信を抱いていた。それ故に相手の攻撃よりも早く相手を吹き飛ばすことができれば、当たることはないとも。実際に相手が振るってきた攻撃はマーヴィスではなく、マーヴィスの右手を狙っていた。武器破壊とまではいかずとも、相手戦力を削ぎ落とし、確実に仕留めに来た相手の戦法は決して間違っていない。相手が再び武器を狙ってきた場合、注意せねばならないのは相手が放つ[スラッシュ]である。

 「やり方を思い出したのか…」
 「さっき…頭というより体が思い出してくれました。」

 緑朗太は現状で己が放てる最速の攻撃がこれであると確信をしていた。マーヴィスに当てられるかもしれないチャンスを、棒に振ってまで彼の武器に固執をした理由――それは、単に昨日の訓練場での記憶である。

 当たったと思った瞬間には武器が弾き飛ばされていた。自分が放った一撃よりも遥かに速い攻撃であり、これを相手が武器を手にしているから発動するのではないかと予想建てをしていた。結局、蹴りという攻撃手段を失念していたので、意味はなかった。が、次は当てる。当てられる。そんな気配を全身で感じとっていた。

 「「……」」

 武器を構えた2人であったが、互いに一歩も動かなかった。そのことに対して不審に思う者は最早そこにはいない。尋常ならざる空気の重さにトーリ達が耐え兼ねた時、ギルド会館からリヴィを伴ったムーザが帰ってきた。「おーい」とリヴィの手を引きながら声を投げ掛けるムーザの姿に、トーリ達は漸く止めてくれる人が来たということを心の底から安堵した。



 「マーヴィスさん!緑朗太さん!」



 血相を変えて飛び込んできたムーザの様子から、何かとんでもないことが起きてるのではないかと悪い予感がしたリヴィであったが、駆け込んでみるとその光景よりも、その場の空気に唖然としてしまった。今すぐやめさせなければと、慌てて復活して2人を呼び止めんと声を張り上げたのだが――示し合わせたわけでもなく、彼らにとってはその呼び声こそが激突の引き金を引く為の切っ掛けであった。

 2人の距離が一気に狭まる。同時に動いたとは言え、緑朗太よりもマーヴィスの方が圧倒的に早く、対する緑朗太は左足を一歩踏み出した直後に踏み込んだ足の膝が折れ、体が地面スレスレまで倒れかける。だが次の瞬間、緑朗太は左手で地面に落ちた槍を逆手に拾い、鋒をマーヴィスに向けたまま投擲。一撃の攻撃で決着をつけると思っていた見学者達は突然の行動に驚きを隠せなかった。

 マーヴィスだけは違った。何かを仕掛けてくるであろうことは予想しており、その何かが捨てた槍を使ったものであることもわかっていた。

 「小賢しい!!」

 左手の甲で飛んできた槍を弾き飛ばし、射程圏内に収めた緑朗太の肩口目掛けて鋒が振り下ろされる。

 誰もが悲鳴を上げる間もなく地面に緑朗太の血が飛び散る。ポタポタと彼のから流れ落ちる血の雫――緑朗太の右手に握り締められたショートソードは、マーヴィスを下から切り上げることに成功していた。

 その攻防の内容を理解できた者は少ない。見ていたはずのトーリ達は、どうしてマーヴィスが攻撃されていたのか、いつの間にトーリが攻撃をしたのかがわからなかった。知るのは3人。戦っていた2人と、長年ギルドメンバー達を見ており、訓練を何度も見学をしていたリヴィである。

 緑朗太が槍を投げたのは、マーヴィスの左手で槍を薙ぎ払わせる為である。そして、ガラ空きになった左半身に[スラッシュ]を叩き込む。戦法としては特におかしな点は見当たらない。だが、ただそれだけでは足りないと踏んだのか、彼はマーヴィスの攻撃を利用したのだ。肩口を狙い放たれた刺突を左手で防いだと思った。その用途は防御という要素も偶々あったが、実際には彼は攻撃の勢いを利用して自身の体勢を左右スイッチさせつつ一歩踏み込んだ。そして、踏み込みざまにマーヴィスを切り上げたのだ。ただ攻撃するだけであれば、緑朗太の攻撃よりも速いマーヴィスの蹴りが飛んだであろう。だが、マーヴィスの攻撃の勢いを利用した速度で放たれた攻撃は、彼に蹴らせる暇を与えないほどに加速をし、ガラ空きになった胴体を切り裂いた。

 マーヴィスは自身の胴体が左腰から右肩にかけて切断をされたと錯覚をした。木製でなければ、確実に切断をされていたという話ではなく、たったいま自分は斬り殺されたのだと頭ではなく細胞が理解をしたのだ。信じられないと思いつつも、心の片隅にはやはりと思う自分もいた。最適化という異質なスキルを持っていたからではなく、己の身を一切顧みることなく攻撃をしてきた彼の戦法に素直に敬意を評したのだが――突如、緑朗太の体は糸が切れたかのように地面へと転がる。

 「え?」
 「緑朗太さん!!」
 「「「ロクさん!!」」」

 手を貫いたのを除けば、緑朗太への攻撃は蹴りの一発だけ。気絶して倒れ伏すようなことなどしていなかったマーヴィスは、何事かと困惑をした。だが、即座に理解した。これは新人が最も陥りやすい現象の1つ、【MP切れ】によるものだと言う事に。
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