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1章

2.ゲームの世界!?

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VRを起動し僕の体が淡い緑に包まれた。
始めての感覚にわくわくと遠足気分だったのもつかの間――。

眠い。

確か、始める前の時刻は7時頃だったと思う。
いくらニートでもまだ眠くなるには早すぎる。
なんか、おかしい。
気がつくと目の前がぐらぐらする感覚に襲われていた。

「何が・・・・・・起こって・・・・・・るの?」






ーーーーーーーー



「ここは・・・・・・ゲームの景色?」

にしては、やけに青々とした草むらは艶やかに風に揺れているし・・・・・・・・・・・・。
そっと、葉っぱに触れてみる。
少し冷たいが太陽の光を受けてほんのりとした温かさがある。葉の一枚一枚が光合成をしているのか湿っていて柔らかい。

「触れる・・・・・・!」

これが最新式のVR?伝説のゲームの中?

「とっとりあえず・・・・・・。どうしよう?」

ゲーム中と言っても説明書が無かったからどうやって始めるのか全く分からない。
この景色は美しいけどこれをずっと見てるだけの話じゃ無いだろうし・・・・・・。
すると背後に気配を感じた。

ガサガサガサッ

「だっ誰!?」

草むらが揺れ動いた。
すかさず、問いかけたが背後には誰もいない。
・・・・・空耳なのかな?

「ようこそ、『夢の浮き橋~五つの国を巡る恋歌~』へ!」

後ろを振り返っていた体を前に戻すとちょうど目の前に宙に浮いた少年がいた。

「!?」
「僕はこの世界の案内人。足立物怪あだちもののけだよっ!」
「案内人?」
「そうだよ」

案内人と名乗った少年の外見は身長は小学生にも見えるほどで約130センチくらいぱちっと大きく見開いた瞳と寝癖とみられる髪のハネが愛らしい。
服装は小学生用のスーツみたいな感じ、一応案内人と言ってるし呼称は必要かな。

「何か分からないこととかある?」

ニコニコしながら聞いてくる。
人懐っこい子なのかな?

「お兄さん?」
「あぁ、聞いてるよ。えっと・・・・・・まず、このゲームはどんなストーリーなの?」

そう!これが今、僕は一番知りたい!!

「う~ん。それは僕も分からないんだぁ・・・・・・」
「えっ!?分からないって、」
「分からないって言うか、プレイする人によってお話が変わるんだってお父さんが言ってたんだ!」

プレイする人によって変わる?
どう言うことなんだろう?

「でね、僕が出てきたってことは案内人なんだね。この世界の」
「」
「さっそく、この世界を説明するねぇ~。えっと・・・」

少年・・・・・・足立物怪と名乗る少年はゴソゴソと肩に下げたポシェットからなんやら紙を取り出した。

「『この世界は?』・・・・・・・?ごめんね?分かんない」
「え?」
「なんかね、いつもはこの紙にストーリーとか案内するとことか書いてあるんだけど・・・・・・何も書いてない」


そう言って肩を落としたもののけ君。
なんか言いづらいから案内人さんって呼ぶね?

そっかぁ。分からないのか。
でも、『月夜見 桜』らしいと言えばらしいのかも。


「分かった、じゃあ設定を教えて」
「うん!それなら任せて!!
・・・・・・ゴホッゴホッ」

胸を大きく叩きすぎたのか激しくむせる。おっちょこちょいな子なんだな。

「えっとね」

バヂバヂバヂバチッ
突然、美しい景色が一変し稲妻とともに辺り一面が光に飲み込まれた。
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