１年以内に５つの国を制覇しないと神様にお仕置きされちゃうんです!!

4章

2.僕は男だ!!

海に浮かんでいた王子様を助けてから早3日･･･。
ランはようやく吹っ切れたようで、今までのように僕に甘えてくるようになった。
僕も船酔いに慣れて、船での食事も何とか食べられるようになったんだ～。安心安心♪


でもあの王子様はまだ目が覚めないらしい。


｢ナナぁ･･････シェルアルトにはまだ着かないのぉ？」
｢うん･･････まだ3日だからね。ランは船酔い大丈夫？｣
｢ふふっ、グラジェットの民は元は船で生活してたんだよ？だから俺も大丈夫｣

僕は今、船内に入る入り口に背中をもたれ掛けて日向ぼっこでだらだらしてる。ランは僕の膝枕で横になって。
先祖の血のお陰ってことか･･･。
だからランは最初から平気だったんだねぇ～。
僕はランのくるくるした金髪を指先で弄りながらふと思った。

｢そう言えば、王子様はまだ――｣


｢おっ、、王子!!まだ寝ていてください!!｣
｢大丈夫、だ｣

バタンッ

｢ほら言わんこっちゃない･･････｣

僕とランは驚いて入り口からその先の廊下を覗くと、あの王子様が倒れていた。さっきの会話から、おじさんが安静にしてろって言ったのを聞かなかったな？あの王子。

船員のおじさんだけでは王子を支えられないので、僕も補助につこうとした。

｢ナナ、俺がやるからっ。･････えっと、大丈夫？｣
｢･･････ああ｣

僕の代わりに王子を支えたラン。
身長の差が10センチくらいある。僕的にはあと5センチランが低かったら･･････あ、僕と王子で黄金比？
っ･･･ランと身長を交換したいィィィ!!

以外と僕の黄金比は細かい。


｢･･････俺を――｣
｢お兄さん？｣
｢俺を助けた、、、不思議な力の持ち主は誰だ？｣
｢んーと、ナナかな？｣
｢･･･ナナ･･････？｣
｢うん。とりあえず部屋に運ぶね？｣
｢あ？っあ!!｣

うわぁ･･････。
一瞬別の世界でひたすらニヤニヤしてた僕。気がついたら、王子様がランにお姫さま抱っこされとります。

｢俺、以外と力持ちなんだぁ。まぁ元々の能力をスキルでカバーしてるだけだからスキルを使ってても普通の人より力はあるよ？｣

だ、そうです。
ヤベー･･････なんかきゅんっってした。これがギャップ萌えと言うやつですなぁハハハ。
自分より大きなイケメンを横抱きにしてるよ天使が!!

｢っ、大丈夫だ。･･････歩ける｣
｢そう？｣

あーあ･･････。
ランは王子を降ろして、僕の方に駆け寄ってきた。

｢お前が･･････ナナか？｣
｢え、う、うん･･･。そうだけど？｣
｢･･････俺を助けた？｣
｢うん｣

王子は腕を組んで考えるような仕草をした。

｢女か――｣
｢男です!!僕は男!!恋愛対象は二次の美少女!!｣

言わせねーよ!?
僕は王子が全てを言う前に否定した。王子は無表情で聞いている。･･････聞いているのかな？

｢分かった？｣
｢ああ、理解した。･･････式はいつ挙げる？｣
｢は？｣
｢･･････金だけは不自由させない･･･。俺を助けたお前は俺の命の恩人だ。俺とお前の結婚に異議を唱えるやつなんていない｣

んんん？

｢王子様は何か勘違いされてませんか？｣
｢何をだ？｣
｢まず第一に僕と王子様は初対面の他人です｣
｢これから知れば良い｣
｢･･････次にさっき言いましたよね？僕の恋愛対象は二次の美少女だと･･････｣
｢ニジノビショウジョ？何だそれは｣

っ･･････コイツ、マジで言ってんのか？おっと失礼。この王子様は真剣に言ってるんですかね？
相変わらず無表情で応戦してくる。

｢はぁ、、それに･･･まだ僕たち自己紹介してないでしょ？知らない人についてっちゃいけないって教わりましたから――｣
｢･･････俺は、ロイド･シェルアルトだ｣

｢っ･･････ナナです。とある目的のために5つの国を巡ってます。こっちはラン｣


この王子様聞いてないですね。と言うか、何で王子様たちって会って最初に婚約してくれだとかおれのものになってとか式はいつ挙げる？が来るんですか？

一番ランがまともじゃないけどまともだよ。