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一章
3.し
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「・・・・・・え?」
母様の子供だから・・・・・・?
「ルナ様はご聡明な方でした。また、国内一の星詠み使いでした。・・・・・・神は優れた血を好みます。数百年前に一度、星詠みの皇族が贄となりました。それからの50年は飢饉に見舞われることもなく作物は豊富に、水害や火災などの災害も一度も起こらなかったそうです。
・・・そのルナ様の血を引いていらっしゃる貴方が適任だと国王様自らがおっしゃいました」
「国王様には26人のお子があり、そのなかでもルナ様は逸脱して素晴らしい人格と美しい容姿をお持ちでした。
贄の資格を持ち、14~24の歳のお子、お孫様は貴方も含め21人。ほとんどの方が贄の宿命を放棄、または許否されました」
「僕も放棄って・・・」
「出来ません。・・・いえ、出来るかも知れませんが貴方のシャラソウジュは枯れていませんから。宿命を放棄、許否した方々は皆様シャラソウジュが消えはしませんが、枯れていきました。シャラソウジュに細工などはされておりませんでしたので、恐らく神ご自身が許否なされたものと」
「大丈夫ですか?」
「え?」
「・・・・・・ショックでしたか?しばらく呆然となさっていたので」
気づいたら時計の針が半分くらい進んでいた。
「・・・ごめんなさい」
「貴方が謝る必要などないでしょう?」
「でも」
「貴方は何も悪くない。恨むのならこのユグドラシルに皇族として生まれてしまった貴方の宿命を恨むことです・・・」
そう言ってサエグサさんは唇をぐっと噛む。
・・・・・・サエグサさんのことじゃないのになんでそんな顔するの?
「あの、、今日は寝ます。僕、贄として頑張ります。明日、僕なんかを殺すのは嫌でしょうけど、出来ればなるべく痛くないように殺して下さい。よろしくお願いします」
「え、ええ・・・。・・・・・・怖くないんですか?」
「怖いですけど、僕が逃げたら他の人が贄にならないといけないでしょう?・・・その方が怖いです」
「・・・・・・分かりました。
贄とそれを捧げる者は一晩同じ部屋で過ごすのがしきたりです。・・・寝所は別なのでそこは安心して下さい。今、ご案内しますね」
サエグサさんはふっと目元を緩めた。
・・・・・・サエグサさんになら殺されてもいいかもしれない。
そう思ったのは内緒。
母様。
贄として殺されたら、僕は母様のところへ行けるかな?
それとも神様のところへ行って、奴隷のように神様のところで働くのかな?
死んだら・・・・・・どうなるのかな。
「さぁ、儀式を始めようではないか」
お祖父様・・・・・いえ、国王様の声が外からした。
僕とサエグサさんは命運の祭壇にいる。と言っても、実際に殺されるところを見るのは不吉とされているため祭壇の奥にある部屋で待機しているのだった。
僕は禊のときに来ていたような白いキモノで、サエグサさんは全身真っ黒な戦服・・・・・・。手に持った剣さえも真っ黒。
「・・・大丈夫です。せめて、痛みを感じる間もなく死ねるように善処しますから。安心して下さい」
刻一刻とカウントダウンが聞こえる。
サエグサさんの優しい声と悲しそうな微笑みに少し心が落ち着いた。
「・・・私は、もう少し早く貴方にお会いしたかった・・・」
「・・・え?」
「出来ることなら、貴方に仕えたかった・・・。貴方の側で、貴方をお守りしたかった・・・・・・」
「・・・・・・ありがとうございます」
「もし、もう一度お会いすることがあれば、私を貴方の部下にしてください。そして貴方をお守りさせてください。・・・・・・たった、半日でした。私はもっと貴方を知りたい。そう、思った。今度は、貴方を必ずお守りすると誓います」
サエグサさんの気持ちが嬉しかった。
ほわっとした暖かさが胸に広がる。
「・・・ルウ様」
僕は頷いた。
「「・・・さようなら」」
・・・・・・母様・・・。
母様の子供だから・・・・・・?
「ルナ様はご聡明な方でした。また、国内一の星詠み使いでした。・・・・・・神は優れた血を好みます。数百年前に一度、星詠みの皇族が贄となりました。それからの50年は飢饉に見舞われることもなく作物は豊富に、水害や火災などの災害も一度も起こらなかったそうです。
・・・そのルナ様の血を引いていらっしゃる貴方が適任だと国王様自らがおっしゃいました」
「国王様には26人のお子があり、そのなかでもルナ様は逸脱して素晴らしい人格と美しい容姿をお持ちでした。
贄の資格を持ち、14~24の歳のお子、お孫様は貴方も含め21人。ほとんどの方が贄の宿命を放棄、または許否されました」
「僕も放棄って・・・」
「出来ません。・・・いえ、出来るかも知れませんが貴方のシャラソウジュは枯れていませんから。宿命を放棄、許否した方々は皆様シャラソウジュが消えはしませんが、枯れていきました。シャラソウジュに細工などはされておりませんでしたので、恐らく神ご自身が許否なされたものと」
「大丈夫ですか?」
「え?」
「・・・・・・ショックでしたか?しばらく呆然となさっていたので」
気づいたら時計の針が半分くらい進んでいた。
「・・・ごめんなさい」
「貴方が謝る必要などないでしょう?」
「でも」
「貴方は何も悪くない。恨むのならこのユグドラシルに皇族として生まれてしまった貴方の宿命を恨むことです・・・」
そう言ってサエグサさんは唇をぐっと噛む。
・・・・・・サエグサさんのことじゃないのになんでそんな顔するの?
「あの、、今日は寝ます。僕、贄として頑張ります。明日、僕なんかを殺すのは嫌でしょうけど、出来ればなるべく痛くないように殺して下さい。よろしくお願いします」
「え、ええ・・・。・・・・・・怖くないんですか?」
「怖いですけど、僕が逃げたら他の人が贄にならないといけないでしょう?・・・その方が怖いです」
「・・・・・・分かりました。
贄とそれを捧げる者は一晩同じ部屋で過ごすのがしきたりです。・・・寝所は別なのでそこは安心して下さい。今、ご案内しますね」
サエグサさんはふっと目元を緩めた。
・・・・・・サエグサさんになら殺されてもいいかもしれない。
そう思ったのは内緒。
母様。
贄として殺されたら、僕は母様のところへ行けるかな?
それとも神様のところへ行って、奴隷のように神様のところで働くのかな?
死んだら・・・・・・どうなるのかな。
「さぁ、儀式を始めようではないか」
お祖父様・・・・・いえ、国王様の声が外からした。
僕とサエグサさんは命運の祭壇にいる。と言っても、実際に殺されるところを見るのは不吉とされているため祭壇の奥にある部屋で待機しているのだった。
僕は禊のときに来ていたような白いキモノで、サエグサさんは全身真っ黒な戦服・・・・・・。手に持った剣さえも真っ黒。
「・・・大丈夫です。せめて、痛みを感じる間もなく死ねるように善処しますから。安心して下さい」
刻一刻とカウントダウンが聞こえる。
サエグサさんの優しい声と悲しそうな微笑みに少し心が落ち着いた。
「・・・私は、もう少し早く貴方にお会いしたかった・・・」
「・・・え?」
「出来ることなら、貴方に仕えたかった・・・。貴方の側で、貴方をお守りしたかった・・・・・・」
「・・・・・・ありがとうございます」
「もし、もう一度お会いすることがあれば、私を貴方の部下にしてください。そして貴方をお守りさせてください。・・・・・・たった、半日でした。私はもっと貴方を知りたい。そう、思った。今度は、貴方を必ずお守りすると誓います」
サエグサさんの気持ちが嬉しかった。
ほわっとした暖かさが胸に広がる。
「・・・ルウ様」
僕は頷いた。
「「・・・さようなら」」
・・・・・・母様・・・。
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