異世界の『贄』として殺された僕がこの世界で生きるにはどうしたら良いのですか?

望百千もち

文字の大きさ
4 / 18
二章

1.しらないところ

しおりを挟む
「・・・・・・上手くいったか」
「はい、それはもちろん!
いやー、流石は国王様で御座いますよぉ!」

儀式が終わり、控えの間では国王が玉座に足を組んで座り、その側近とみられる丸眼鏡の卑しい笑いを浮かべた男がすぐ横に立っている。

「ちと、贄の儀式には早かったが、まぁ贄の儀式などただの伝承に過ぎんからな。たったの2年や3年じゃ変わらんじゃろ」
「ええ!」
「ふふ。あの裏切りものの子は贄となり、国に豊穣と幸運を与えたのだから・・・ルナもなにも言うまい。まさか化けて出るなどそんなことはないだろうが、ははっ。いや、良かった良かった。あれを消す目的と、50年に一度の贄の儀式が被るとはな、ははっ」
「まったくですぅ。ほほほほほっ」











         ☆  ☆  ☆











ほんとに痛くなかった・・・・・・!
サエグサさんの真っ黒な剣が、僕の左肩から右脇腹を袈裟斬りにしたのは見て分かった。でも、その映像を理解したと思ったらいつの間にか視界が真っ赤に染まって・・・。

気がついたら“ここ”にいた。



大きな部屋の魔方陣の中に置いてある漆黒に輝く祭壇。
人ひとりが横になれるくらいの大きさで、なんの素材なのか凄く固い。ぺちぺちと叩いてみたり、耳を当ててみたりしたけど音もしない。
・・・んー、石かな・・・?でもこんな綺麗な形、見たことない。

「君・・・・・・こんなところでどうしたんだい?」

え・・・?

気づいたらウィーンって前方の壁が開いて、男の人が出てきた。歳は20歳くらいかな?青と白の軍服で、絹のような淡い栗色の髪、透き通るような蒼い瞳の美形さんだった。

「ここへはどうやってはいったの?」
「え?」
「おい、ナガレ。こんなとこでどうし―」
「どったの?あれー?その子誰ー?」

ここは天国なのかな?
天使様たちが僕をお迎えに来たのかな?

蒼い瞳の人を『ナガレ』と呼んだ黒髪の人は、漆黒の髪に吸い込まれるようなコクヨウセキの瞳で、鋭い眼差しが僕を見て驚いている。
そのあとに来た人はストロベリーブロンドで、長い髪を軽く結わいて肩から流している。やや垂れ目で柔和な印象。瞳はよく見たら朱と緑のオッドアイだった。
二人とも蒼い人と同年代らしい。



「・・・まだ嫁とりの時期でもないのに」
「そうだよね。毎年決まった日に嫁とりがあるから、僕らも行政のスケジュールをそれに合わせて決めてるのに・・・」
「不思議だね~。男の子だよねぇ、でも凄く可愛いし女の子かなぁ?君の名前は?どこから来たの~?」
「え、・・・えっと・・・」

美形の三人が揃って僕を見た。

「あ、あの・・・・・・ここは、、天国なのですか?」
「は?」
「え?」
「んー?」

三人が揃いも揃ってクエスチョンマークを顔に浮かべた。

「ぼ、僕はルウです。ルウ・スメラギと言います。
『ユグドラシル』の皇族として、贄になって、僕は死んだはずなのです・・・。あの・・・っ」

何から話せばいいのかな?
それに聞きたいこともいっぱいある。
何から聞けばいいのかな?

「あの、えっと、それで・・・ここは。あの、僕は。ど、どうすれば、あ、うっ、うぅ、あのっ、うぅっ」

どうしよう。
伝えたいのに、声がでないよ・・・。それなのに涙はたくさん出てきて、どうしよう・・・・・・。


「泣くな。泣いたら余計意味分からなくなるだろ」
「ご、ごめんなさっ」
「楽・・・。この子を責めることはないだろう?
大丈夫。落ち着いて、ゆっくりでいいから。僕らに話してごらん?」
「あ、は、はい・・・、っ、ん」
「イイコイイコ~。はい、泣いてると可愛いお顔がものっ凄く可愛くなっちゃうからこのハンカチ使ってね~」
「「トウ(塔矢トウヤ)!!」」
「あはは、ゴメーン」
「今はふざけているときじゃないだろ・・・。はぁ、もういい。とりあえず俺は総理秘書んとこ言って、説明してくるわ。・・・あー、めんどくせー」
「す、すみませっ」
「謝んな!・・・・・・泣くなよ。別にお前を虐めたいわけじゃない。流、子守頼んだ」
「俺は~?」
「塔矢は僕がこの子も話をしてる間、この部屋を少し調べていてくれるかな?」
「分かったぁ」

「行こうか」


話がとんとん拍子に進んで何がなんだか話に追いつけません・・・。蒼い人・・・ナガレさん?が僕の手を軽く引いて、部屋から出ました。

「隣に部屋があるから、そこに行こう」
「はい」
「いつくか聞きたいことがあるけど、ゆっくりでいいからね。答えたくなかったら嫌って言ってね?」
「はい・・・?」
「よし。君も分からないことがあれば言って?僕の答えられる範囲なら教えてあげられるから」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

王子に彼女を奪われましたが、俺は異世界で竜人に愛されるみたいです?

キノア9g
BL
高校生カップル、突然の異世界召喚――…でも待っていたのは、まさかの「おまけ」扱い!? 平凡な高校生・日当悠真は、人生初の彼女・美咲とともに、ある日いきなり異世界へと召喚される。 しかし「聖女」として歓迎されたのは美咲だけで、悠真はただの「付属品」扱い。あっさりと王宮を追い出されてしまう。 「君、私のコレクションにならないかい?」 そんな声をかけてきたのは、妙にキザで掴みどころのない男――竜人・セレスティンだった。 勢いに巻き込まれるまま、悠真は彼に連れられ、竜人の国へと旅立つことになる。 「コレクション」。その奇妙な言葉の裏にあったのは、セレスティンの不器用で、けれどまっすぐな想い。 触れるたび、悠真の中で何かが静かに、確かに変わり始めていく。 裏切られ、置き去りにされた少年が、異世界で見つける――本当の居場所と、愛のかたち。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます

クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。 『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。 何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。 BLでヤンデレものです。 第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします! 週一 更新予定  ときどきプラスで更新します!

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

僕、天使に転生したようです!

神代天音
BL
 トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。  天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

従者は知らない間に外堀を埋められていた

SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL 転生先は悪役令息の従者でした でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません だから知らんけど精神で人生歩みます

処理中です...