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二章
1.しらないところ
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「・・・・・・上手くいったか」
「はい、それはもちろん!
いやー、流石は国王様で御座いますよぉ!」
儀式が終わり、控えの間では国王が玉座に足を組んで座り、その側近とみられる丸眼鏡の卑しい笑いを浮かべた男がすぐ横に立っている。
「ちと、贄の儀式には早かったが、まぁ贄の儀式などただの伝承に過ぎんからな。たったの2年や3年じゃ変わらんじゃろ」
「ええ!」
「ふふ。あの裏切りものの子は贄となり、国に豊穣と幸運を与えたのだから・・・ルナもなにも言うまい。まさか化けて出るなどそんなことはないだろうが、ははっ。いや、良かった良かった。あれを消す目的と、50年に一度の贄の儀式が被るとはな、ははっ」
「まったくですぅ。ほほほほほっ」
☆ ☆ ☆
ほんとに痛くなかった・・・・・・!
サエグサさんの真っ黒な剣が、僕の左肩から右脇腹を袈裟斬りにしたのは見て分かった。でも、その映像を理解したと思ったらいつの間にか視界が真っ赤に染まって・・・。
気がついたら“ここ”にいた。
大きな部屋の魔方陣の中に置いてある漆黒に輝く祭壇。
人ひとりが横になれるくらいの大きさで、なんの素材なのか凄く固い。ぺちぺちと叩いてみたり、耳を当ててみたりしたけど音もしない。
・・・んー、石かな・・・?でもこんな綺麗な形、見たことない。
「君・・・・・・こんなところでどうしたんだい?」
え・・・?
気づいたらウィーンって前方の壁が開いて、男の人が出てきた。歳は20歳くらいかな?青と白の軍服で、絹のような淡い栗色の髪、透き通るような蒼い瞳の美形さんだった。
「ここへはどうやってはいったの?」
「え?」
「おい、流。こんなとこでどうし―」
「どったの?あれー?その子誰ー?」
ここは天国なのかな?
天使様たちが僕をお迎えに来たのかな?
蒼い瞳の人を『ナガレ』と呼んだ黒髪の人は、漆黒の髪に吸い込まれるようなコクヨウセキの瞳で、鋭い眼差しが僕を見て驚いている。
そのあとに来た人はストロベリーブロンドで、長い髪を軽く結わいて肩から流している。やや垂れ目で柔和な印象。瞳はよく見たら朱と緑のオッドアイだった。
二人とも蒼い人と同年代らしい。
「・・・まだ嫁とりの時期でもないのに」
「そうだよね。毎年決まった日に嫁とりがあるから、僕らも行政のスケジュールをそれに合わせて決めてるのに・・・」
「不思議だね~。男の子だよねぇ、でも凄く可愛いし女の子かなぁ?君の名前は?どこから来たの~?」
「え、・・・えっと・・・」
美形の三人が揃って僕を見た。
「あ、あの・・・・・・ここは、、天国なのですか?」
「は?」
「え?」
「んー?」
三人が揃いも揃ってクエスチョンマークを顔に浮かべた。
「ぼ、僕はルウです。ルウ・スメラギと言います。
『ユグドラシル』の皇族として、贄になって、僕は死んだはずなのです・・・。あの・・・っ」
何から話せばいいのかな?
それに聞きたいこともいっぱいある。
何から聞けばいいのかな?
「あの、えっと、それで・・・ここは。あの、僕は。ど、どうすれば、あ、うっ、うぅ、あのっ、うぅっ」
どうしよう。
伝えたいのに、声がでないよ・・・。それなのに涙はたくさん出てきて、どうしよう・・・・・・。
「泣くな。泣いたら余計意味分からなくなるだろ」
「ご、ごめんなさっ」
「楽・・・。この子を責めることはないだろう?
大丈夫。落ち着いて、ゆっくりでいいから。僕らに話してごらん?」
「あ、は、はい・・・、っ、ん」
「イイコイイコ~。はい、泣いてると可愛いお顔がものっ凄く可愛くなっちゃうからこのハンカチ使ってね~」
「「トウ(塔矢)!!」」
「あはは、ゴメーン」
「今はふざけているときじゃないだろ・・・。はぁ、もういい。とりあえず俺は総理秘書んとこ言って、説明してくるわ。・・・あー、めんどくせー」
「す、すみませっ」
「謝んな!・・・・・・泣くなよ。別にお前を虐めたいわけじゃない。流、子守頼んだ」
「俺は~?」
「塔矢は僕がこの子も話をしてる間、この部屋を少し調べていてくれるかな?」
「分かったぁ」
「行こうか」
話がとんとん拍子に進んで何がなんだか話に追いつけません・・・。蒼い人・・・ナガレさん?が僕の手を軽く引いて、部屋から出ました。
「隣に部屋があるから、そこに行こう」
「はい」
「いつくか聞きたいことがあるけど、ゆっくりでいいからね。答えたくなかったら嫌って言ってね?」
「はい・・・?」
「よし。君も分からないことがあれば言って?僕の答えられる範囲なら教えてあげられるから」
「はい、それはもちろん!
いやー、流石は国王様で御座いますよぉ!」
儀式が終わり、控えの間では国王が玉座に足を組んで座り、その側近とみられる丸眼鏡の卑しい笑いを浮かべた男がすぐ横に立っている。
「ちと、贄の儀式には早かったが、まぁ贄の儀式などただの伝承に過ぎんからな。たったの2年や3年じゃ変わらんじゃろ」
「ええ!」
「ふふ。あの裏切りものの子は贄となり、国に豊穣と幸運を与えたのだから・・・ルナもなにも言うまい。まさか化けて出るなどそんなことはないだろうが、ははっ。いや、良かった良かった。あれを消す目的と、50年に一度の贄の儀式が被るとはな、ははっ」
「まったくですぅ。ほほほほほっ」
☆ ☆ ☆
ほんとに痛くなかった・・・・・・!
サエグサさんの真っ黒な剣が、僕の左肩から右脇腹を袈裟斬りにしたのは見て分かった。でも、その映像を理解したと思ったらいつの間にか視界が真っ赤に染まって・・・。
気がついたら“ここ”にいた。
大きな部屋の魔方陣の中に置いてある漆黒に輝く祭壇。
人ひとりが横になれるくらいの大きさで、なんの素材なのか凄く固い。ぺちぺちと叩いてみたり、耳を当ててみたりしたけど音もしない。
・・・んー、石かな・・・?でもこんな綺麗な形、見たことない。
「君・・・・・・こんなところでどうしたんだい?」
え・・・?
気づいたらウィーンって前方の壁が開いて、男の人が出てきた。歳は20歳くらいかな?青と白の軍服で、絹のような淡い栗色の髪、透き通るような蒼い瞳の美形さんだった。
「ここへはどうやってはいったの?」
「え?」
「おい、流。こんなとこでどうし―」
「どったの?あれー?その子誰ー?」
ここは天国なのかな?
天使様たちが僕をお迎えに来たのかな?
蒼い瞳の人を『ナガレ』と呼んだ黒髪の人は、漆黒の髪に吸い込まれるようなコクヨウセキの瞳で、鋭い眼差しが僕を見て驚いている。
そのあとに来た人はストロベリーブロンドで、長い髪を軽く結わいて肩から流している。やや垂れ目で柔和な印象。瞳はよく見たら朱と緑のオッドアイだった。
二人とも蒼い人と同年代らしい。
「・・・まだ嫁とりの時期でもないのに」
「そうだよね。毎年決まった日に嫁とりがあるから、僕らも行政のスケジュールをそれに合わせて決めてるのに・・・」
「不思議だね~。男の子だよねぇ、でも凄く可愛いし女の子かなぁ?君の名前は?どこから来たの~?」
「え、・・・えっと・・・」
美形の三人が揃って僕を見た。
「あ、あの・・・・・・ここは、、天国なのですか?」
「は?」
「え?」
「んー?」
三人が揃いも揃ってクエスチョンマークを顔に浮かべた。
「ぼ、僕はルウです。ルウ・スメラギと言います。
『ユグドラシル』の皇族として、贄になって、僕は死んだはずなのです・・・。あの・・・っ」
何から話せばいいのかな?
それに聞きたいこともいっぱいある。
何から聞けばいいのかな?
「あの、えっと、それで・・・ここは。あの、僕は。ど、どうすれば、あ、うっ、うぅ、あのっ、うぅっ」
どうしよう。
伝えたいのに、声がでないよ・・・。それなのに涙はたくさん出てきて、どうしよう・・・・・・。
「泣くな。泣いたら余計意味分からなくなるだろ」
「ご、ごめんなさっ」
「楽・・・。この子を責めることはないだろう?
大丈夫。落ち着いて、ゆっくりでいいから。僕らに話してごらん?」
「あ、は、はい・・・、っ、ん」
「イイコイイコ~。はい、泣いてると可愛いお顔がものっ凄く可愛くなっちゃうからこのハンカチ使ってね~」
「「トウ(塔矢)!!」」
「あはは、ゴメーン」
「今はふざけているときじゃないだろ・・・。はぁ、もういい。とりあえず俺は総理秘書んとこ言って、説明してくるわ。・・・あー、めんどくせー」
「す、すみませっ」
「謝んな!・・・・・・泣くなよ。別にお前を虐めたいわけじゃない。流、子守頼んだ」
「俺は~?」
「塔矢は僕がこの子も話をしてる間、この部屋を少し調べていてくれるかな?」
「分かったぁ」
「行こうか」
話がとんとん拍子に進んで何がなんだか話に追いつけません・・・。蒼い人・・・ナガレさん?が僕の手を軽く引いて、部屋から出ました。
「隣に部屋があるから、そこに行こう」
「はい」
「いつくか聞きたいことがあるけど、ゆっくりでいいからね。答えたくなかったら嫌って言ってね?」
「はい・・・?」
「よし。君も分からないことがあれば言って?僕の答えられる範囲なら教えてあげられるから」
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