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1章
12.海渡との結婚~プレゼン~
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「プレゼン・・・?別にそんなんやったって僕の意思は変わらないから。諦めて
「えーーー!!お兄、バカなん?せっかくかい兄がお兄のために色々と考えてくれはってんよ!?」
「お兄・・・つくづく見損なった。アイスクリーム饅頭は溶かすし、かい兄さんの好意は無下にするし」
痛い痛い痛い!!
僕、そんなに言われる必要ある!?
我が家の愛らしい天使ーズに痛いところをつかれまくる僕。
だって、どんなに言われたって自分の意思は重要だろ!?
すると、母さんが僕に近づいてきて耳打ちした。
「瑠衣ちゃん、聞くだけなら良いんじゃない?海渡君の話を聞いて瑠衣ちゃんの意思が変わらないならお母さんは無理には言わない。けど、自分のためにここまで熱くなってくれる人・・・そうは居ないわよ」
・・・。
クスッと笑う母さんは苛めっ子のようないたずらっ子のようなそんな顔をしていた。
僕は母さんの目をみて軽く頷く。
母さんは『無理には言わない』と言ってくれた。それが、嬉しかった。だから――。
母さんの言うことも一理あるなって・・・。
僕の意思は関係ないみたいに話を進められる勢いだったし、反抗しかしなかったけどそんな風に母さんが思ってくれていたのなら話は別だ。
「・・・分かった。母さんが・・・そう言うなら、聞くだけだからなっ」
僕は渋々了承した。
僕は家の女傑には勝てないなと思った。
「ありがとう。・・・じゃあ、準備しますね」
そう言って、海渡は何やら白い布の様なものを鞄から取り出し準備を始めた。
どうやら、それにプロジェクターで投影するらしい。
そして、プロジェクターも設置終えたのか海渡は資料を取り出し僕の前に置いた。
「軽く読んでみて」
言われて、資料を広げる。
そこには分かりやすい大きさとグラフや表で様々なことが書いてあった。また、メリットとデメリットが明確に表示されていてそれが各、三ページごとにわかれていた。
計十ページほどの資料だった。
「電気を消します。・・・大丈夫?」
「うん、読んだから」
海渡は表情を和らげて頷いた。
電気の消えたリビングでプレゼンが始まる。
「それでは私、沖江海渡に宮代瑠衣さんが嫁いでどれだけ幸せにすることができるかについて推測した結果から瑠衣さんにご説明されて頂きます。それではプレゼンを始めます」
海渡は緊張しているのかいつもより声色が安定していないように思える。
ふっと、息をはいて海渡は進めた。
「まず一ページ、二ページの表をご覧ください。この表は、結婚後の歳入を表しています・・・」
海渡がプレゼンで話したこと。
それは第一に結婚後、海渡は沖江グループの副社長に就任するらしい、と言っても数年の研修後だが。
つまり、収入の面では心配がいらない
「そして、個人の幸福を数字として出しました」
幸福を数字として出したと言われどう言うことか分からなかったが海渡はすぐに補足を足した。
「これは幸福の最大値を10として様々な場合を数値化したものです」
その欄を見ると様々な場合がシミュレーションされていた。
結婚で5。第一子出産で8。子離れで3~9。
等々様々なシミュレーションによってそのページは埋め尽くされていた。
そこには離婚や別居、夫婦喧嘩などもあって海渡も僕とのことについてたくさん考えてくれているんだなと感じた。
海渡のプレゼンはとても聞き取りやすかった。
それだけ練習もたくさんしたんだろうと思うと胸の奥がギューって・・・。
・・・・・・?
・・・・・・・・・!
「最後にプレゼンをまとめます。メリットとデメリットの面でご説明します。まず、メリットとしては・・・・・・」
っ・・・!!
バンッ
僕は勢いよく立ち上がってテーブルを叩いた。
「・・・・・・もう、いいよ」
「え・・・」
「もう、十分聞いた!!もう帰って!!」
「えーーー!!お兄、バカなん?せっかくかい兄がお兄のために色々と考えてくれはってんよ!?」
「お兄・・・つくづく見損なった。アイスクリーム饅頭は溶かすし、かい兄さんの好意は無下にするし」
痛い痛い痛い!!
僕、そんなに言われる必要ある!?
我が家の愛らしい天使ーズに痛いところをつかれまくる僕。
だって、どんなに言われたって自分の意思は重要だろ!?
すると、母さんが僕に近づいてきて耳打ちした。
「瑠衣ちゃん、聞くだけなら良いんじゃない?海渡君の話を聞いて瑠衣ちゃんの意思が変わらないならお母さんは無理には言わない。けど、自分のためにここまで熱くなってくれる人・・・そうは居ないわよ」
・・・。
クスッと笑う母さんは苛めっ子のようないたずらっ子のようなそんな顔をしていた。
僕は母さんの目をみて軽く頷く。
母さんは『無理には言わない』と言ってくれた。それが、嬉しかった。だから――。
母さんの言うことも一理あるなって・・・。
僕の意思は関係ないみたいに話を進められる勢いだったし、反抗しかしなかったけどそんな風に母さんが思ってくれていたのなら話は別だ。
「・・・分かった。母さんが・・・そう言うなら、聞くだけだからなっ」
僕は渋々了承した。
僕は家の女傑には勝てないなと思った。
「ありがとう。・・・じゃあ、準備しますね」
そう言って、海渡は何やら白い布の様なものを鞄から取り出し準備を始めた。
どうやら、それにプロジェクターで投影するらしい。
そして、プロジェクターも設置終えたのか海渡は資料を取り出し僕の前に置いた。
「軽く読んでみて」
言われて、資料を広げる。
そこには分かりやすい大きさとグラフや表で様々なことが書いてあった。また、メリットとデメリットが明確に表示されていてそれが各、三ページごとにわかれていた。
計十ページほどの資料だった。
「電気を消します。・・・大丈夫?」
「うん、読んだから」
海渡は表情を和らげて頷いた。
電気の消えたリビングでプレゼンが始まる。
「それでは私、沖江海渡に宮代瑠衣さんが嫁いでどれだけ幸せにすることができるかについて推測した結果から瑠衣さんにご説明されて頂きます。それではプレゼンを始めます」
海渡は緊張しているのかいつもより声色が安定していないように思える。
ふっと、息をはいて海渡は進めた。
「まず一ページ、二ページの表をご覧ください。この表は、結婚後の歳入を表しています・・・」
海渡がプレゼンで話したこと。
それは第一に結婚後、海渡は沖江グループの副社長に就任するらしい、と言っても数年の研修後だが。
つまり、収入の面では心配がいらない
「そして、個人の幸福を数字として出しました」
幸福を数字として出したと言われどう言うことか分からなかったが海渡はすぐに補足を足した。
「これは幸福の最大値を10として様々な場合を数値化したものです」
その欄を見ると様々な場合がシミュレーションされていた。
結婚で5。第一子出産で8。子離れで3~9。
等々様々なシミュレーションによってそのページは埋め尽くされていた。
そこには離婚や別居、夫婦喧嘩などもあって海渡も僕とのことについてたくさん考えてくれているんだなと感じた。
海渡のプレゼンはとても聞き取りやすかった。
それだけ練習もたくさんしたんだろうと思うと胸の奥がギューって・・・。
・・・・・・?
・・・・・・・・・!
「最後にプレゼンをまとめます。メリットとデメリットの面でご説明します。まず、メリットとしては・・・・・・」
っ・・・!!
バンッ
僕は勢いよく立ち上がってテーブルを叩いた。
「・・・・・・もう、いいよ」
「え・・・」
「もう、十分聞いた!!もう帰って!!」
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