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2章

1.例の花嫁修ぎ・・・お泊まり会

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あの日からもう2週間が経った。
さらに言うと“あの日”が迫っている・・・。

今日は7月12日。
夏休みまであと1週間ちょっとと言えば嬉しいこと。しかし僕にとっては“あの日”が刻一刻と迫っている以上はあまり喜ばしいものではない。




「瑠衣ちゃんー。今日も暑いねー」
「だったら離れろけだもの

暑い暑いと言いながら僕に抱きついているこいつ。
2週間前にはケンカして約2日間の短い戦いであったがお互いにギクシャクしていたと言うのに。(僕はそのあと恥ずかしすぎて1週間口を聞かなかった。・・・・・・なんかこっちの方がケンカっぼい?)

「やー、瑠衣ちゃん冷・た・いっ、ゴホッ
「気持ち悪い」

今のは僕のひじ打ちが海渡の鳩尾辺りに当たったことで海渡が出した変な声。
・・・・・・相変わらず懲りないなぁ。
お陰で僕も自分が強くなって来てる実感がする。

「ふふっ・・・瑠衣ちゃん可愛い~」
「なっ、、・・・ほんとに懲りないよね。それに僕なんて可愛くないだろ?」
「んー?瑠衣ちゃん・・・それ、本気で言ってるの?」

あ、ヤバイ。
空気が変わった。

「瑠衣ちゃん・・・・・・自覚しなよ。こんなに可愛いんだから俺以外の誰かに盗られちゃうかもしれないでしょ?いっそのこと監禁しちゃいたいのに瑠衣ちゃんが嫌がるから俺は妥協してるんだよ?ねぇ・・・
「あっ、あーそーいえばさぁ。妹たちがコンビニで今日から新発売のホワイトスノーフラッペが食べたいとか言ってたなぁ」

変わったことといえば海渡があからさまに束縛してくること・・・。
僕も海渡のことは好きなんだと思う。友情と言う意味ではなくその手の“好き”。
もしかしたら仲直りに焦るあまり好きだと勘違いしているのかもしれない。・・・・・・でもあの状態じゃ仕方なくない?好きって勘違いしたとしてもさ。

好きってのもたぶんなんだけど・・・その、ね、“たぶん”僕の好きはその手の好きなんだとは・・・思う。

はっきりしなくてごめん。でも、誰だってそうだと思うよ?幼馴染に出会った当初からガンガン好き好きアピールされて、馴れてるつもりでもそいつがイケメンだったら惚けちゃうのは致し方無いことだと思うよ?男としても。


「買いに行かない?放課後。・・・その、、放課後・・・デート・・・?みたいな・・・?」

とりあえずは海渡の機嫌を直すこと。そうじゃないと監禁されかねない・・・・・・。
僕は恥辱ながらもデートと言う言葉を口にした。

「!!・・・瑠衣ちゃん・・・!!うん!!そうだね!!放課後・・・デート・・・!もちろん、喜んで!!」
「そっか、良かった・・・。(監禁されないで済む・・・)」
「!!・・・瑠衣ちゃん・・・!!(そんなに俺とのデート楽しみにしてるんだ・・・!!)」

これで自分の身の安全は確保出来た。
あとは・・・・・・。

「なぁ、海渡・・・」
「んー♪どうしたの?」

明らかに機嫌の良くなった海渡。
でも、ね。

「21日から1週間・・・海渡ん家にお世話になるけどさ・・・海渡、好き嫌いあったっけ?」
「え?」
「2週間くらい前に佐紀さんが来て・・・









<2週間前>


佐紀さんが訪ねて来た。

「いやー、良かったわ~仲直り出来て。瑠衣ちゃん・・・ごめんなさいね。ウチの海渡が・・・」
「・・・いえ、僕も意地張りすぎたので」
「私も(私達も)2人のケンカの仲介に入ろうかしらと思っていたんだけど・・・・・・心配無かったようね、ふふっ」
「・・・そう・・・だったんですか・・・。すみません、お騒がせしてしまって」
「いえいえ~。結果的に何にも出来なかったんですもの・・・紅子お義姉さんに全部お任せしちゃったっ」

まぁ、僕らのケンカの話になった。
紅先生(紅子おばさんか紅子先生か宮代先生と呼びたかったのだが頬が痛くなって来たので愛称として紅先生で妥協した)が保健室で僕と海渡が話し合うきっかけを作ってくれたこと、海渡が徹夜で危ないものを作っていたこと等々。

「でね?今日来たのは、夏休みの花嫁修ぎ・・・ごほんっ。夏休みのお泊まり会のことなんだけどね」

今、花嫁修業と言いました?

「7月21日から1週間というのはどうかしら?」
「え、、あのぅ・・・僕
「あら!良いんじゃない?瑠衣ちゃんと海渡君は仲直り出来てセーフだったけど・・・凪君や巳波君とも考えて見るべきよね~」

え?
突然、母さんが口を出してきた。
・・・何、言ってんの・・・?

確かに僕は『海渡と仲直りした』って言った。『海渡のことが好き』とは言わなかったけど。
なんか・・・乙ゲーみたいになってきてない?イケメン攻略対象者を攻略してくやつ・・・。

「なら良かった!!実はその1週間・・・私は鳴海さんの海外視察で同行する予定だったからあの子達3人だけだと心配だったのよ~。男3人だときっと外食か食べないか肉だけだから。瑠衣ちゃんが居てくれるなら安心ね~」
「あらっ、じゃあ食事の用意とか掃除・洗濯とか瑠衣ちゃんなら完璧よ~(だてに17年間、受け教育を叩き込んでないわ~((小声)」

うっ・・・今まで母さんの手伝いしてきたのが恨めしい・・・。母さん、小声で言ってるけど聞こえてるからね・・・。
佐紀さん・・・一応、僕も男なんで・・・。

「まぁ!!それじゃお願いしても良いかしら?」

いや、もう断れないですよね!?
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