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第2話★旅立ち★
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昼ごはんを食べ終えた僕は今から昼の特訓です。
いつもは主に剣の素振りや魔物の狩り。そしてこの頃はお父さんとの模擬戦もやっています。
「よしっ!今日からは新たに『弓』の練習も新しく特訓に加えるぞ!」
「はいっ」
「よぉーし、それじゃあ弓を撃つ前にまずは体幹トレーニングといこうか」
「体幹トレーニング?」
「ああ。弓を撃つのに大事なことは体幹。つまり体の軸だ。重心を体の真ん中に置いて、しっかりとした姿勢で標的に向かって撃つ。それがまず弓を使う上で大事なことだ。後は腕の動きや手の形とかしっかりとした手順を覚えること。それと、弓を使う場所の環境。風向きとかそういうことを考えるだけだ。
ルフィス。お前ならできるだろ」
「はい!やってみます!」
弓を使うのはもちろんですが初めてです。でも、お父さんが覚えたほうがいいと言ったので覚えたほうがいいのでしょう。それに、お父さんの教え方は物凄く上手いのですぐに出来ると思います。
★★★★★★★★★★
「よぉーし今日の特訓はここまでだな」
「はいっ!ありがとうございました!」
「一日でもう的を射抜くとはな……さすがルフィスだな!」
「いえいえ、これはお父さんの教え方が素晴らしいだけです。僕なんてまだまだですから」
「……うん。そうだな!」
こうして昼の特訓を終えた僕は家へと戻り、今から夜ご飯を食べる時間なのです!
「ただいまぁ!」
「おかえりなさい」
僕が言うとお母さんも返事してくれる。返事をしてくれると言うのは実に気持ちいことです。なので僕も、挨拶をされたら必ず大きな声で返事するようにしているのです。
「お母さん!今日はね、お父さんに弓の使い方を教えて貰ったんだよ!」
「まあ、そうなの。それは良かったわね。上手に撃使えた?」
「はいっ!上手に使えました!」
「一日で弓を使えるようになった人は私はこの世界でルフィスとあと一人しか知らないわね」
「それは誰ですか?」
「うふふ」
それと同時にお母さんの視線が少し、お父さんに向きました。
一方お父さんは少しにやにやしながら少し頬を染めらせています。
「よしっ!今日の晩ご飯はリトルドラゴンのお肉でお鍋よ!」
「……お母さん。今、夏なんだけど……」
「あら?そーだったかしら?まあ、作っちゃったし、さっさと食べましょ!」
「は、はい……」
お母さんは時々天然です。今のは正直とぼけたのか本当に分かっていなかったのかはわかりませんが……
この前も魔法の特訓の時、初めて魔法を習うのにいきなり神級魔法を覚えさせられました。勿論習得は出来ませんでしたが……そもそも基本属性の魔法すらしていなかったのにも関わらずです。
お母さんは茶色のふわふわとした髪の毛に黒色の目。目はちょっと細目ですが、怖いとも思わないおっとりとし為です。そして体も細くて弱そうで、それでも魔法の才能はすごくて、僕なんかまだまだ足元にも及びません。それでそれで、子供の僕が見てもおお母さんは美人さんです!
「「「いただきまーす!」」」
結局今日の晩ご飯はお鍋になっちゃいました。
しかも鍋の中の半分はお肉で埋め尽くされています。
他には白菜や豆腐が入っています。
この家で飼っている鳥の魔獣からとれた卵を使って僕は今日すき焼き風で食べようと思います!
ちなみに魔獣というのは基本的に【従魔契約】により従魔にできるような魔物のことを指します。
といっても、魔物でも【従魔契約】で従魔にしたという例もありますので、やはり、一番の違いは体内に魔石が入っているかいないかという違いです。
どんな魔物にも必ず魔石が体内にあります。その魔石のおかげで魔物は魔法を使えたり出来ます。
しかし、魔獣は空気中に散乱している魔力を使い、魔法を使えます。ここは人と似ている部分です。
魔獣にもランクがあり、魔獣。珍獣。幻獣。神獣。とランクが上がっています。
特に神獣はとても珍しく、陸海空の頂点に君臨する三体しか存在せず、とある集落では神として崇められるほどです……
「やっぱりドラゴンのお肉は美味しいなあ…」
「ルフィスは昔っからドラゴンの肉が好きなんだな。そんなに美味しそうに食ってくれりゃあ俺も狩り甲斐があるってもんだぜ」
「お父さん、いつもありがとう!」
「おうっ!」
僕のお父さんはとにかく凄くて、強い、自慢のお父さんです!
黒色の短く切ってある髪の毛と黒色の目。どうやら黒目黒髪は珍しいらしいです。僕は街に行ったことが無いので分かりませんが……そして、お父さんは物凄くイケメンです!お母さんも美人ですが、それに負けないくらいキラキラしています!
僕のお母さんとお父さんは本当に自慢のできる親です!
★★★★★★★★★★
「「「ご馳走様!」」」
今日はいつもより少し張り切って食べちゃったのでお腹がいっぱいです。
そして、今からお勉強の時間です!
この世界の地理、歴史、文化。色々なことを勉強しています!
「お片づけが済んだら先に二階に行っててね」
「はい!分かりました!」
僕はお片付けを終えると、二階にある勉強部屋へと向かいました。
勉強部屋といっても本棚がいっぱいあって机が置いてあるだけの部屋なのですが、勉強部屋は僕の部屋の隣なので、たまにこっそりと入って気になった本をよく読んでいます。
今日もお母さんが来る間少し先にお勉強をしておきます。
僕は机の上に置いてある一冊の本を手に取り、ページを開きました。その本は簡単に言えばこの世界のことを書いている本です。
まずこの世界は【ランド】と言います。
そして、この世界は一つの物凄く大きな大陸が様々形の大きな山脈により種族別に大陸を分けられています。種族は主に、【人族】【獣族】【霊族】【魔族】そしてそこから【獣人族】【精霊族】といった形で分けられています。
【魔族】は異界からきた魔王軍の生き残りが繁殖したものです。【魔族】の中には他の種族にも親交的な関係を築いている者いますが、大半はもう一度魔王軍を結成し、世界を滅ぼそうと企んでいます。その為、【魔族】は共通の敵として見なされています。
そしてそれぞれの種族は国を作り、その中に街を作ったりして、自分たちの大陸を守っています。
人族は【シルバー王国】を自分たちの大陸の中心地としてそのほかに様々な国が存在します。他の国のことはあまり知らないのでこれからどんどん覚えていきたいと思います!
そして、今からおよそ十年前。僕がまだ生まれる前に、魔族の王。魔王がこの世界を崩壊へと導いたらしいです。それを救ったのが誰もが知る白銀の勇者。
人族はその感謝の意味を込めて、改めてシルバー王国を作りました。噂では今のシルバー王国の現王は五英雄のうちの一人ともされています。これはただの噂にすぎませんが……
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「いえ、僕も本を読んでいたので全然大丈夫です!」
「そう。偉いわねぇ、本当…」
「いっ、いえいえ、僕は早くお父さんとおお母さんに追いつきたいだけです」
僕はお母さんの表情が一瞬悲しい表情になったなのを見逃しませんでした。どうしてそんな表情になったのかまでは考えませんでした。
「さあっ!それじゃあ今日は勉強じゃなくて、ちょっとお話をしましょうか」
「はい!」
「うん。それじゃあ……
あるところに仲良し六人組がいました。その六人はどこに行くのも一緒で、毎日を一緒に過ごしていました。
そしてある日、その六人は突如として現れた謎の光によって全く違う世界に飛ばされてしまいました。
そして、自称神様なる者が現れ、『救ってほしい』とだけ言われました。
その六人は当初その意味が全く分かりませんでした。しかし、違う世界を旅するにつれてその言葉の意味を理解していきました。その意味は魔王を倒すということでした。そして、その六人はひたすらに強くなりました。無我夢中で他のことになんの関心もわかないほどにとにかく強くなることだけを考えました。様々な困難を乗り越えながら六人は戦い続けました。
そしてとうとう、六人の旅は終わりを迎えました。
魔王の前に立ち向かった私たちは一瞬、魔王の覇気に驚きましたが、接戦の末、六人はやっとの思いで魔王を討ち取りました。
魔王を倒した六人はその後それぞれバラバラになりました。
しかしそのうちの二人は恋に落ち、幸せに暮らしました……
おしまいおしまい」
「…………」
「どうだった?ルフィスはもうわかったと思うけどこの話は白銀の勇者と五英雄の話よ。
この話は世間にはあまり出回っていないけど、一部では有名な話よ。今日はここまでにして、今日はもう寝なさい」
「…はい。分かりました!おやすみなさい!」
「うん。おやすみ」
僕は部屋を出て、自分の部屋に行きました。
そして……
(さっきの話。あれはお母さんの昔の話?でも、だったらじゃあ……)
そう。僕はさっきの話は多分お母さんの過去の話だと思いました。理由は簡単です。まず話し方がまるで自分が体験したような話し方だったからです。それに……お母さんは話している途中。六人ではなく私たちと言っていました。
これがわざとだとは天然なお母さんからはあまり考えられません。多分…感情的になったせいで誤って言ってしまったのでしょう。
「そうなったら……お母さんとお父さんは……伝説のゆう…しゃ……?」
そんなことをブツブツと考えながら、僕は部屋に入り、そしてベッドの中に潜りました。
★★★★★★★★★★
「はあああ…………」
「どうした?」
「あっ秀真くん」
「なんかあったか?」
「うん。ちょっと昔の話をルフィスに話しちゃって……」
「あぁ、もしかしてバレた?」
「多分。バレ……たと思う」
「まっ、愛奈は昔っから天然だからじゃあねーけどな」
「むうっ、私はそんなに天然じゃないのに…」
「ははは、ごめんごめん」
「まあ別にもういいけど……それで、ルフィスはどう?」
「ああ。ルフィスはとんでもねぇバケモンだ」
「うん。言い方はちょっと汚いけど間違ってないわね」
「たった一日でもう弓をマスターしやがった。弓を主流に使おうとするならば、まだまだとも言えるが、あれでも十分といえるだろ」
「まあ、秀馬くんの子供だからね」
「愛奈の子供でもあんだろ。魔法の才能もピカイチだろ」
「うん。五歳ですでに三重属性なんて、聞いたことないわ。まあ、全属性の秀馬くんからしたらどうってことないかもしれないけど」
「いや、そんな事はないぞ。それに、ルフィスは絶対に全属性になるな」
「うん。それに、神級魔法も覚えれる」
「まじか。俺以上じゃねーか」
「うふふ。秀馬くん以上になるかもしれないわね。それにあの髪の毛の色。やっぱり何か関係あるのかしら?」
「さあな。何にも関係ないわけじゃなさそうだがな……」
「これからどうするの?もう弓は覚えちゃったんでしょ?」
「ああ。だから俺が覚えている武術全てをルフィスに覚えさせるつもりだ」
「ルフィスの覚えの速さは秀馬くん譲りだものね」
「ま・あ・な」
「はあああ……みんなに会いたいなぁ」
「ルフィスが学校に入るまでの辛抱だ。ちゃっかりあいつら結婚しているかもよ」
「そんなわけ……ないと思うけど……」
「ははっ、お前は知らないだけで、あいつら結構いい感じだったんだぜ」
「まあ何はともあれ、あと七年だ。それまでにルフィスを徹底的に鍛えるぞ」
「うんっ!秀馬くん!」
★★★★★★★★★★
七年後…………
★★★★★★★★★★
「ん~~~!!」
朝が来た。時刻にして午前五時過ぎ。僕は昨日ずっと空間魔法の練習をしてたからちょっと寝不足です。
そして昨日の模擬戦の筋肉痛やキズが腕や足に歩くごとに追撃してきています。
「いてて、やっぱりお父さんは物凄く強いなあ全属性使っていいって言われたのに一撃も入れられ無いんだもん……」
僕は階段を降り、外へ出る。お父さんとお母さんはまだ寝ている。僕は少し先に起きて、森へと出かける。早朝特有の肌寒さが僕の体を冷ましてくる。
僕はいつもの日課となっているとある場所へといこうとしている。
それは僕が【神の庭】と呼んでいる場所だ。ずっと前にお母さんに連れられて来た場所ですが、あれ以来早朝に起きてはここへ来ている。そのおかげか、僕は基本属性の中でも風属性が一番得意になりました。
湖の近くで動物…主に鳥などと戯れながら自然魔法の練習をして、木の葉のベットの上で朝の昼寝をした。
★★★★★★★★★★
今日も日々の日課を終えた僕は家へと戻った。
今日は僕が飛び立つ日。そう、今日から僕はとうとうシルバー王国へと向かう事になったのです!それに、学校に通う事にもなりました。それもあの名門学校【レンブラント魔術武術学術総合学園】にです。
勿論。まだ決定したわけではありません。入試試験をクリアしないと入学はできません。
【レンブラント魔術武術学術総合学園】はシルバー王国が直接運営をしている学校ですから、物凄く人気がある学校です。
なので、必然的に試験などは他の学校とは比べ物にならないくらい難しいらしいです。
「ただいま…」
「おかえりルフィス」
家に戻るとすでにお母さんは起きていた。お父さんはまだ寝ているだろう。
「今日のご飯はなんですか?」
「今日はルフィスが学校に行く日だから特別に【キングドラゴン】のステーキよ!!!」
「ほっ、ほほほ本当ですか!?!?」
「ふふふ、お父さんとお母さん頑張ったんだからね」
「あっ、ありがとう!」
キングドラゴンはその名の通り竜の王。
リトルドラゴンとは比べ物にならないくらい大きく強く、そして美味しいのです。
そして、キングドラゴンが街へと向かって来るとその街は崩壊する。という言い伝えもあるらしいです。
そもそも、一度の人生でキングドラゴンを見る事自体が滅多にないことなのです。
「街へ準備はできたの?」
「はい!全部この中です」
僕は何も無い空間に黒い渦を作って見せるとそこから服や武器などを取り出してみせた。
「ふふふ、どうやら準備万端みたいね」
「はい!この魔法は本当に便利です」
僕が神級魔法を覚えてから始めに覚えた魔法が【無限収納】です。
お母さんが使っているのを見て、絶対に使えるようになりたい!と思ったのがきっかけです。
「ご飯ができるまでまだ時間はある?」
「ええ、まだまだかかりそうね」
「それじゃあちょっとお父さんを起こしてきます」
「うん。分かったわ」
僕はお父さんの部屋へと向かった。お父さんの強さは今でも計り知れないほどです。
当然です。だってお父さんはあの白銀の勇者なのですから……
勿論…今もこれからもお父さんは白銀の勇者としてではなくお父さんとして見ていくつもりですし、僕が知っていることを教える気もありません。
そんなお父さんは幾千もの修羅場を通ってきている出勝。そんな強い人。戦いに慣れている人物を起こすのにはとっておきの魔法があります。
僕はそぉっとお父さんの部屋に入り、その魔法を使いました。
「ーーー【殺気拡散】」
「!?」
僕が魔法を使ってからわずか0.1秒足らずでお父さんは起き上がり僕に殴りかかって来た。
それを僕は難なく避けました。
「おはようございます、お父さん」
「はあっ…はあっ…おはよう。てゆうか、もっとマシな起こし方があるだろ、反射的に起き上がっちまうんだ。」
「お父さんを起こすにはこれが一番良いんです」
【殺気拡散】はその名の通り自分の殺気を周りに飛ばす魔法です。
闇魔法の魔法ですが、闇魔法は単なる補正に過ぎません。熟練の人ならば闇属性を持っていなくても使える人がいるでしょう。
効果は様々で、主に格下の相手には威嚇効果。格上の相手には挑発効果があります。
二人以上で格上の魔物と戦う時はまず一人が【殺気拡散】を使い、標的を自分に向けるといった使い方ができます。
「お父さん!今日こそは絶対に勝ちます!」
「おっ!それは楽しみだ」
そして、今日こそは……今日こそはお父さんに勝つ!
お父さんを起こしてから僕は玄関に置いてある木刀を手に取り外に出た。お父さんも同様、木刀を手に取り外へと出た。その様子を見て、お母さんはにっこりと笑っていました。
「さあっ、勝負は一回だぞ」
「分かってます。その一回で……お父さんに勝つ!」
僕は地面を蹴った。それだけで砂埃が舞う。だがお父さんはまだ一歩も動いていない。僕はすぐさまお父さんの背後に周りお父さんの足をめがけて木刀を振った。
しかしお父さんはそれを後ろを見ずに木刀ではじき返した。
「やっぱりお父さんは凄いですね…気配を完全に消していたはずなんですが……」
「まだほんの少しだけ残ってるからな。それでもここまで気配を消せるのは流石だな」
「今度こそ……【魔力分身】!」
「うおっ……」
僕は【魔力分身】を使い体を三つに分けた。
この魔法は神級魔法。霊魂魔法の応用技で、一人を本体として、他の分身を自分に似せた魔力の塊で偽造するものです。
つまり今、一人は本物で、二人は偽物というわけです。
この魔法のポイントは魔力の使い方です。
魔力の塊で自分の体を作るのはそこまで難しくはありません。
ただ、相手が戦い慣れている人なら、生きた人間との魔力の流れの違いを見破られてすぐに本体が分かってしまいます。
なので、見破られ無いようにするためには魔力の流れを再現する必要があるのです。
僕はまず二人で両方から同時にお父さんに木刀を振り下ろしました。
同時に振り下ろされたと思われた木刀は、たった一本のお父さんの右手に握る木刀に『ひょいひょい』っとあしらわれました。
そして今度は一歩も動かなかったお父さんが反撃へと出てきました。二人はあっという間に倒されその姿を消しました。残る一人は一度引き、体制を整えました。そして、猛スピードでお父さんのところへと走る。そして、お父さんの一歩手前で空に向かってジャンプしました。そして上空からお父さんへと切りかかりました。お父さんも目線を上に上げ、姿勢を整えました。
ーーードゴォォオン!!
二つの木刀が交わった。
たった一撃で森全体にその波動は伝わった。木にとまっていた鳥も今の衝動でほとんどが飛び立っていった。
やはりパワーではお父さんに勝る事は無かった。本体はお父さんのパワーに敗れその体を木刀で打たれ……
打たれる前にその姿を消した。
「!?」
流石のお父さんも少しびっくりしています。
すかさず僕はお父さんの背後をとらえた。完全なる不意打ち。
(もらった!!!)
ーーードゴオオオオオオン!!!
★★★★★★★★★★
「いたたたた……やっぱり今回もダメでしたか……」
「ははは、まだまだだな。でも戦略としては十分良かったぞ。分身と見せかけた最初の二人のうち一人が本物で、刀でやられた瞬間に霊魂魔法で霊体となり、気配を完全に消す。そして、最後の本体と思わせた分身を倒した隙に背後を取る。俺はてっきりお前の得意な風属性で来ると思っていたんだがな」
「風属性を使うことは、お父さんならすぐ分かると思いましたので。今回は不意を打つことが目的でしたので」
「流石、ルフィスは戦略家だな。でも、念には念をだな。自分の手札は何重にもして隠すものだ。そして、その手札を絶対にバレないようにすること。まあそんなことは、ルフィスなら分かっていると思うがな」
「はい!」
最後の模擬戦を終えた僕とお父さんはお母さんとキングドラゴンが待つ家へと向かった。今日の朝ごはんはご馳走だから僕とお父さんはやや駆け足になっていました。
「「ただいまッ!」」
家に入った瞬間、その匂いは鼻の中に入って来ました。リトルドラゴンとは比べ物にならない、それこそ王者。僕とお父さんは喉をゴクリと鳴らしてしまいました。
僕はすぐさま模擬戦で汚れた手を水魔法で洗い、駆け足で椅子に座っりました。
「よーし。今日はご馳走よ!なんてったって今日はルフィスとの最後の朝ごはんなんだから!」
「最後だなんて、いつでも一緒に食べれますよ」
「ははっ、そうだな…」
「うんうん。でも、このご馳走はルフィスの入学祝いでもあるのよ」
「いっ、いえ、まだ決まったわけでも無いのに…」
「ふふふ、どうかしらね、ルフィスなら確定だと思うけど」
「そうかな…」
「まあっ、とりあえず食べよう!」
「はいっ!…「「いただきます!」」」
僕はすぐさまかぶりついた。リトルドラゴンとは比べ物にならない肉厚、肉汁。味付けも完璧!舌の上でまるで溶けるような感覚で口の中にどんどん入っていく。
一口噛むと肉汁が溢れ出し、二口噛むと美味しさが倍増し、三口噛むころにはすでに肉は溶けて無くなっていた。まさにジューシー……
「おかわり!」
「はい。まだまだいっぱいあるから好きなだけ食べてね」
「やったー!!!」
★★★★★★★★★★
結局僕は一人で五皿も食べ、自分の部屋へと戻りました。
自分の部屋との別れは寂しく、少し名残惜しいですが、いつでも【空間転移】で帰ってこれますので……
「そろそろ行こうか」
シルバー王国には夜までにはついておきたいのでできるだけ早く出発はしたいです。ここからシルバー王国までは馬車で約二週間かかるとお父さんとお母さんが言っていたので今から走ればなんとか夕方までには間に合うと思います。
できれば、シルバー王国の首都である【王都シルバー】にはついておきたいのですが、流石に距離がありすぎるので、今日は違う街で宿を取るつもりです。
本を読むたびに思うことなのですが……
白銀の勇者の影響力ヤバええええ……
国の名前から街…しかも首都の名前まで、連想されるのは白銀の勇者。
それほど、魔王軍の侵攻というのは恐ろしかったということだと思うが……
僕は最後に無限収納の確認をさて、家の外へと出ました。外に出るとすでにお父さんとお母さんが待っていました。
「準備はバッチリか?」
「はい、バッチリです」
「そうか、あっちに行っても特訓を怠るなよ。なまった体はなかなか元には戻らないからな」
「分かっています。お父さんに言われたことはしっかりするので、安心してください」
「ルフィス……あっちに行ったら友達をちゃんと作ってね」
「大丈夫です!」
「…うん」
「それじゃあ……行ってくる!」
「まっ、待って!」
僕はその声で今使おうとしていた魔法【身体強化】の使用をやめた。
「なんです…『ギュッ』…か…」
「辛いことがあっても苦しいことがあっても良いように、必ず、大切な人を作るんだよ」
それはお母さんの愛情。僕は改めて“別れ”というものを知った。今までは寂しくなったら、苦しくなったら帰りたくなったら【空間転移】で戻れば良いと思っていた。
でもそうじゃ無い。【空間転移】をするのはこちらの勝手だが、もし、僕がお母さんたちのところへ行かなければ、お母さんたちは僕と会えないのだ。学校へ来るのも容易ではないだろう。
つまり、お母さんたちからしてみればこの瞬間は、次、いつ僕に会えるか分からない。といった状態なのだ。
そうなった時、人はどうするか。決まっています。その時間を延ばそうと、大切なこの時間がずっと続いて欲しい。そう思うはずです。
そのことを僕はまだ理解していなかった。
「う"っ、うん……」
ーーーガシッ!!
「うっ、おとう…さん…」」
「何泣いてんだよ。お前が会おうと思えばいつでも会えるのによ。ルフィス、あんまり無茶すんなよ、自分の力を過信するんじゃねぇ。だからって大事な時に力を使えないのはダメだぞ」
「うっ…うん……」
「…それじゃあ、元気出して行ってこい!!!」
「またねルフィス!」
「うっ、うん………行ってくる!!」
俺は涙をぬぐい、その表情を隠すように背を向け、【身体強化】を使った。
途中何度も手を振り返した。
本当に……本当に、別れというのは悲しいものだ。
(お父さんとお母さん。泣いてたな……)
僕は何回も本を見て覚えた地図を思い出しながらにシルバー王国へと向かった。お父さんとお母さんの温かい愛情を胸に感じ続けながら……
★★★★★★★★★★
「行ったね……」
「行っちゃったな……」
「成長したね」
「成長したな……」
「頑張って…欲しい、ね」
「頑張ってほしいな」
「ねえっ…別れるのって……やっぱ、寂しいね…」
「寂しいな…」
「うぇっ、うぇぇええん……」
「愛奈……」
ーーーギュッ
「ルフィスは頑張れるやつだ。俺たちはそれを応援してやろう」
「うん……久々に、泣いちゃった」
「仕方がないさ。俺たちの子だもん」
「うん。そうだね……」
「頑張ってきてね、ルフィス……」
「頑張ってこいよ、ルフィス……」
いつもは主に剣の素振りや魔物の狩り。そしてこの頃はお父さんとの模擬戦もやっています。
「よしっ!今日からは新たに『弓』の練習も新しく特訓に加えるぞ!」
「はいっ」
「よぉーし、それじゃあ弓を撃つ前にまずは体幹トレーニングといこうか」
「体幹トレーニング?」
「ああ。弓を撃つのに大事なことは体幹。つまり体の軸だ。重心を体の真ん中に置いて、しっかりとした姿勢で標的に向かって撃つ。それがまず弓を使う上で大事なことだ。後は腕の動きや手の形とかしっかりとした手順を覚えること。それと、弓を使う場所の環境。風向きとかそういうことを考えるだけだ。
ルフィス。お前ならできるだろ」
「はい!やってみます!」
弓を使うのはもちろんですが初めてです。でも、お父さんが覚えたほうがいいと言ったので覚えたほうがいいのでしょう。それに、お父さんの教え方は物凄く上手いのですぐに出来ると思います。
★★★★★★★★★★
「よぉーし今日の特訓はここまでだな」
「はいっ!ありがとうございました!」
「一日でもう的を射抜くとはな……さすがルフィスだな!」
「いえいえ、これはお父さんの教え方が素晴らしいだけです。僕なんてまだまだですから」
「……うん。そうだな!」
こうして昼の特訓を終えた僕は家へと戻り、今から夜ご飯を食べる時間なのです!
「ただいまぁ!」
「おかえりなさい」
僕が言うとお母さんも返事してくれる。返事をしてくれると言うのは実に気持ちいことです。なので僕も、挨拶をされたら必ず大きな声で返事するようにしているのです。
「お母さん!今日はね、お父さんに弓の使い方を教えて貰ったんだよ!」
「まあ、そうなの。それは良かったわね。上手に撃使えた?」
「はいっ!上手に使えました!」
「一日で弓を使えるようになった人は私はこの世界でルフィスとあと一人しか知らないわね」
「それは誰ですか?」
「うふふ」
それと同時にお母さんの視線が少し、お父さんに向きました。
一方お父さんは少しにやにやしながら少し頬を染めらせています。
「よしっ!今日の晩ご飯はリトルドラゴンのお肉でお鍋よ!」
「……お母さん。今、夏なんだけど……」
「あら?そーだったかしら?まあ、作っちゃったし、さっさと食べましょ!」
「は、はい……」
お母さんは時々天然です。今のは正直とぼけたのか本当に分かっていなかったのかはわかりませんが……
この前も魔法の特訓の時、初めて魔法を習うのにいきなり神級魔法を覚えさせられました。勿論習得は出来ませんでしたが……そもそも基本属性の魔法すらしていなかったのにも関わらずです。
お母さんは茶色のふわふわとした髪の毛に黒色の目。目はちょっと細目ですが、怖いとも思わないおっとりとし為です。そして体も細くて弱そうで、それでも魔法の才能はすごくて、僕なんかまだまだ足元にも及びません。それでそれで、子供の僕が見てもおお母さんは美人さんです!
「「「いただきまーす!」」」
結局今日の晩ご飯はお鍋になっちゃいました。
しかも鍋の中の半分はお肉で埋め尽くされています。
他には白菜や豆腐が入っています。
この家で飼っている鳥の魔獣からとれた卵を使って僕は今日すき焼き風で食べようと思います!
ちなみに魔獣というのは基本的に【従魔契約】により従魔にできるような魔物のことを指します。
といっても、魔物でも【従魔契約】で従魔にしたという例もありますので、やはり、一番の違いは体内に魔石が入っているかいないかという違いです。
どんな魔物にも必ず魔石が体内にあります。その魔石のおかげで魔物は魔法を使えたり出来ます。
しかし、魔獣は空気中に散乱している魔力を使い、魔法を使えます。ここは人と似ている部分です。
魔獣にもランクがあり、魔獣。珍獣。幻獣。神獣。とランクが上がっています。
特に神獣はとても珍しく、陸海空の頂点に君臨する三体しか存在せず、とある集落では神として崇められるほどです……
「やっぱりドラゴンのお肉は美味しいなあ…」
「ルフィスは昔っからドラゴンの肉が好きなんだな。そんなに美味しそうに食ってくれりゃあ俺も狩り甲斐があるってもんだぜ」
「お父さん、いつもありがとう!」
「おうっ!」
僕のお父さんはとにかく凄くて、強い、自慢のお父さんです!
黒色の短く切ってある髪の毛と黒色の目。どうやら黒目黒髪は珍しいらしいです。僕は街に行ったことが無いので分かりませんが……そして、お父さんは物凄くイケメンです!お母さんも美人ですが、それに負けないくらいキラキラしています!
僕のお母さんとお父さんは本当に自慢のできる親です!
★★★★★★★★★★
「「「ご馳走様!」」」
今日はいつもより少し張り切って食べちゃったのでお腹がいっぱいです。
そして、今からお勉強の時間です!
この世界の地理、歴史、文化。色々なことを勉強しています!
「お片づけが済んだら先に二階に行っててね」
「はい!分かりました!」
僕はお片付けを終えると、二階にある勉強部屋へと向かいました。
勉強部屋といっても本棚がいっぱいあって机が置いてあるだけの部屋なのですが、勉強部屋は僕の部屋の隣なので、たまにこっそりと入って気になった本をよく読んでいます。
今日もお母さんが来る間少し先にお勉強をしておきます。
僕は机の上に置いてある一冊の本を手に取り、ページを開きました。その本は簡単に言えばこの世界のことを書いている本です。
まずこの世界は【ランド】と言います。
そして、この世界は一つの物凄く大きな大陸が様々形の大きな山脈により種族別に大陸を分けられています。種族は主に、【人族】【獣族】【霊族】【魔族】そしてそこから【獣人族】【精霊族】といった形で分けられています。
【魔族】は異界からきた魔王軍の生き残りが繁殖したものです。【魔族】の中には他の種族にも親交的な関係を築いている者いますが、大半はもう一度魔王軍を結成し、世界を滅ぼそうと企んでいます。その為、【魔族】は共通の敵として見なされています。
そしてそれぞれの種族は国を作り、その中に街を作ったりして、自分たちの大陸を守っています。
人族は【シルバー王国】を自分たちの大陸の中心地としてそのほかに様々な国が存在します。他の国のことはあまり知らないのでこれからどんどん覚えていきたいと思います!
そして、今からおよそ十年前。僕がまだ生まれる前に、魔族の王。魔王がこの世界を崩壊へと導いたらしいです。それを救ったのが誰もが知る白銀の勇者。
人族はその感謝の意味を込めて、改めてシルバー王国を作りました。噂では今のシルバー王国の現王は五英雄のうちの一人ともされています。これはただの噂にすぎませんが……
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「いえ、僕も本を読んでいたので全然大丈夫です!」
「そう。偉いわねぇ、本当…」
「いっ、いえいえ、僕は早くお父さんとおお母さんに追いつきたいだけです」
僕はお母さんの表情が一瞬悲しい表情になったなのを見逃しませんでした。どうしてそんな表情になったのかまでは考えませんでした。
「さあっ!それじゃあ今日は勉強じゃなくて、ちょっとお話をしましょうか」
「はい!」
「うん。それじゃあ……
あるところに仲良し六人組がいました。その六人はどこに行くのも一緒で、毎日を一緒に過ごしていました。
そしてある日、その六人は突如として現れた謎の光によって全く違う世界に飛ばされてしまいました。
そして、自称神様なる者が現れ、『救ってほしい』とだけ言われました。
その六人は当初その意味が全く分かりませんでした。しかし、違う世界を旅するにつれてその言葉の意味を理解していきました。その意味は魔王を倒すということでした。そして、その六人はひたすらに強くなりました。無我夢中で他のことになんの関心もわかないほどにとにかく強くなることだけを考えました。様々な困難を乗り越えながら六人は戦い続けました。
そしてとうとう、六人の旅は終わりを迎えました。
魔王の前に立ち向かった私たちは一瞬、魔王の覇気に驚きましたが、接戦の末、六人はやっとの思いで魔王を討ち取りました。
魔王を倒した六人はその後それぞれバラバラになりました。
しかしそのうちの二人は恋に落ち、幸せに暮らしました……
おしまいおしまい」
「…………」
「どうだった?ルフィスはもうわかったと思うけどこの話は白銀の勇者と五英雄の話よ。
この話は世間にはあまり出回っていないけど、一部では有名な話よ。今日はここまでにして、今日はもう寝なさい」
「…はい。分かりました!おやすみなさい!」
「うん。おやすみ」
僕は部屋を出て、自分の部屋に行きました。
そして……
(さっきの話。あれはお母さんの昔の話?でも、だったらじゃあ……)
そう。僕はさっきの話は多分お母さんの過去の話だと思いました。理由は簡単です。まず話し方がまるで自分が体験したような話し方だったからです。それに……お母さんは話している途中。六人ではなく私たちと言っていました。
これがわざとだとは天然なお母さんからはあまり考えられません。多分…感情的になったせいで誤って言ってしまったのでしょう。
「そうなったら……お母さんとお父さんは……伝説のゆう…しゃ……?」
そんなことをブツブツと考えながら、僕は部屋に入り、そしてベッドの中に潜りました。
★★★★★★★★★★
「はあああ…………」
「どうした?」
「あっ秀真くん」
「なんかあったか?」
「うん。ちょっと昔の話をルフィスに話しちゃって……」
「あぁ、もしかしてバレた?」
「多分。バレ……たと思う」
「まっ、愛奈は昔っから天然だからじゃあねーけどな」
「むうっ、私はそんなに天然じゃないのに…」
「ははは、ごめんごめん」
「まあ別にもういいけど……それで、ルフィスはどう?」
「ああ。ルフィスはとんでもねぇバケモンだ」
「うん。言い方はちょっと汚いけど間違ってないわね」
「たった一日でもう弓をマスターしやがった。弓を主流に使おうとするならば、まだまだとも言えるが、あれでも十分といえるだろ」
「まあ、秀馬くんの子供だからね」
「愛奈の子供でもあんだろ。魔法の才能もピカイチだろ」
「うん。五歳ですでに三重属性なんて、聞いたことないわ。まあ、全属性の秀馬くんからしたらどうってことないかもしれないけど」
「いや、そんな事はないぞ。それに、ルフィスは絶対に全属性になるな」
「うん。それに、神級魔法も覚えれる」
「まじか。俺以上じゃねーか」
「うふふ。秀馬くん以上になるかもしれないわね。それにあの髪の毛の色。やっぱり何か関係あるのかしら?」
「さあな。何にも関係ないわけじゃなさそうだがな……」
「これからどうするの?もう弓は覚えちゃったんでしょ?」
「ああ。だから俺が覚えている武術全てをルフィスに覚えさせるつもりだ」
「ルフィスの覚えの速さは秀馬くん譲りだものね」
「ま・あ・な」
「はあああ……みんなに会いたいなぁ」
「ルフィスが学校に入るまでの辛抱だ。ちゃっかりあいつら結婚しているかもよ」
「そんなわけ……ないと思うけど……」
「ははっ、お前は知らないだけで、あいつら結構いい感じだったんだぜ」
「まあ何はともあれ、あと七年だ。それまでにルフィスを徹底的に鍛えるぞ」
「うんっ!秀馬くん!」
★★★★★★★★★★
七年後…………
★★★★★★★★★★
「ん~~~!!」
朝が来た。時刻にして午前五時過ぎ。僕は昨日ずっと空間魔法の練習をしてたからちょっと寝不足です。
そして昨日の模擬戦の筋肉痛やキズが腕や足に歩くごとに追撃してきています。
「いてて、やっぱりお父さんは物凄く強いなあ全属性使っていいって言われたのに一撃も入れられ無いんだもん……」
僕は階段を降り、外へ出る。お父さんとお母さんはまだ寝ている。僕は少し先に起きて、森へと出かける。早朝特有の肌寒さが僕の体を冷ましてくる。
僕はいつもの日課となっているとある場所へといこうとしている。
それは僕が【神の庭】と呼んでいる場所だ。ずっと前にお母さんに連れられて来た場所ですが、あれ以来早朝に起きてはここへ来ている。そのおかげか、僕は基本属性の中でも風属性が一番得意になりました。
湖の近くで動物…主に鳥などと戯れながら自然魔法の練習をして、木の葉のベットの上で朝の昼寝をした。
★★★★★★★★★★
今日も日々の日課を終えた僕は家へと戻った。
今日は僕が飛び立つ日。そう、今日から僕はとうとうシルバー王国へと向かう事になったのです!それに、学校に通う事にもなりました。それもあの名門学校【レンブラント魔術武術学術総合学園】にです。
勿論。まだ決定したわけではありません。入試試験をクリアしないと入学はできません。
【レンブラント魔術武術学術総合学園】はシルバー王国が直接運営をしている学校ですから、物凄く人気がある学校です。
なので、必然的に試験などは他の学校とは比べ物にならないくらい難しいらしいです。
「ただいま…」
「おかえりルフィス」
家に戻るとすでにお母さんは起きていた。お父さんはまだ寝ているだろう。
「今日のご飯はなんですか?」
「今日はルフィスが学校に行く日だから特別に【キングドラゴン】のステーキよ!!!」
「ほっ、ほほほ本当ですか!?!?」
「ふふふ、お父さんとお母さん頑張ったんだからね」
「あっ、ありがとう!」
キングドラゴンはその名の通り竜の王。
リトルドラゴンとは比べ物にならないくらい大きく強く、そして美味しいのです。
そして、キングドラゴンが街へと向かって来るとその街は崩壊する。という言い伝えもあるらしいです。
そもそも、一度の人生でキングドラゴンを見る事自体が滅多にないことなのです。
「街へ準備はできたの?」
「はい!全部この中です」
僕は何も無い空間に黒い渦を作って見せるとそこから服や武器などを取り出してみせた。
「ふふふ、どうやら準備万端みたいね」
「はい!この魔法は本当に便利です」
僕が神級魔法を覚えてから始めに覚えた魔法が【無限収納】です。
お母さんが使っているのを見て、絶対に使えるようになりたい!と思ったのがきっかけです。
「ご飯ができるまでまだ時間はある?」
「ええ、まだまだかかりそうね」
「それじゃあちょっとお父さんを起こしてきます」
「うん。分かったわ」
僕はお父さんの部屋へと向かった。お父さんの強さは今でも計り知れないほどです。
当然です。だってお父さんはあの白銀の勇者なのですから……
勿論…今もこれからもお父さんは白銀の勇者としてではなくお父さんとして見ていくつもりですし、僕が知っていることを教える気もありません。
そんなお父さんは幾千もの修羅場を通ってきている出勝。そんな強い人。戦いに慣れている人物を起こすのにはとっておきの魔法があります。
僕はそぉっとお父さんの部屋に入り、その魔法を使いました。
「ーーー【殺気拡散】」
「!?」
僕が魔法を使ってからわずか0.1秒足らずでお父さんは起き上がり僕に殴りかかって来た。
それを僕は難なく避けました。
「おはようございます、お父さん」
「はあっ…はあっ…おはよう。てゆうか、もっとマシな起こし方があるだろ、反射的に起き上がっちまうんだ。」
「お父さんを起こすにはこれが一番良いんです」
【殺気拡散】はその名の通り自分の殺気を周りに飛ばす魔法です。
闇魔法の魔法ですが、闇魔法は単なる補正に過ぎません。熟練の人ならば闇属性を持っていなくても使える人がいるでしょう。
効果は様々で、主に格下の相手には威嚇効果。格上の相手には挑発効果があります。
二人以上で格上の魔物と戦う時はまず一人が【殺気拡散】を使い、標的を自分に向けるといった使い方ができます。
「お父さん!今日こそは絶対に勝ちます!」
「おっ!それは楽しみだ」
そして、今日こそは……今日こそはお父さんに勝つ!
お父さんを起こしてから僕は玄関に置いてある木刀を手に取り外に出た。お父さんも同様、木刀を手に取り外へと出た。その様子を見て、お母さんはにっこりと笑っていました。
「さあっ、勝負は一回だぞ」
「分かってます。その一回で……お父さんに勝つ!」
僕は地面を蹴った。それだけで砂埃が舞う。だがお父さんはまだ一歩も動いていない。僕はすぐさまお父さんの背後に周りお父さんの足をめがけて木刀を振った。
しかしお父さんはそれを後ろを見ずに木刀ではじき返した。
「やっぱりお父さんは凄いですね…気配を完全に消していたはずなんですが……」
「まだほんの少しだけ残ってるからな。それでもここまで気配を消せるのは流石だな」
「今度こそ……【魔力分身】!」
「うおっ……」
僕は【魔力分身】を使い体を三つに分けた。
この魔法は神級魔法。霊魂魔法の応用技で、一人を本体として、他の分身を自分に似せた魔力の塊で偽造するものです。
つまり今、一人は本物で、二人は偽物というわけです。
この魔法のポイントは魔力の使い方です。
魔力の塊で自分の体を作るのはそこまで難しくはありません。
ただ、相手が戦い慣れている人なら、生きた人間との魔力の流れの違いを見破られてすぐに本体が分かってしまいます。
なので、見破られ無いようにするためには魔力の流れを再現する必要があるのです。
僕はまず二人で両方から同時にお父さんに木刀を振り下ろしました。
同時に振り下ろされたと思われた木刀は、たった一本のお父さんの右手に握る木刀に『ひょいひょい』っとあしらわれました。
そして今度は一歩も動かなかったお父さんが反撃へと出てきました。二人はあっという間に倒されその姿を消しました。残る一人は一度引き、体制を整えました。そして、猛スピードでお父さんのところへと走る。そして、お父さんの一歩手前で空に向かってジャンプしました。そして上空からお父さんへと切りかかりました。お父さんも目線を上に上げ、姿勢を整えました。
ーーードゴォォオン!!
二つの木刀が交わった。
たった一撃で森全体にその波動は伝わった。木にとまっていた鳥も今の衝動でほとんどが飛び立っていった。
やはりパワーではお父さんに勝る事は無かった。本体はお父さんのパワーに敗れその体を木刀で打たれ……
打たれる前にその姿を消した。
「!?」
流石のお父さんも少しびっくりしています。
すかさず僕はお父さんの背後をとらえた。完全なる不意打ち。
(もらった!!!)
ーーードゴオオオオオオン!!!
★★★★★★★★★★
「いたたたた……やっぱり今回もダメでしたか……」
「ははは、まだまだだな。でも戦略としては十分良かったぞ。分身と見せかけた最初の二人のうち一人が本物で、刀でやられた瞬間に霊魂魔法で霊体となり、気配を完全に消す。そして、最後の本体と思わせた分身を倒した隙に背後を取る。俺はてっきりお前の得意な風属性で来ると思っていたんだがな」
「風属性を使うことは、お父さんならすぐ分かると思いましたので。今回は不意を打つことが目的でしたので」
「流石、ルフィスは戦略家だな。でも、念には念をだな。自分の手札は何重にもして隠すものだ。そして、その手札を絶対にバレないようにすること。まあそんなことは、ルフィスなら分かっていると思うがな」
「はい!」
最後の模擬戦を終えた僕とお父さんはお母さんとキングドラゴンが待つ家へと向かった。今日の朝ごはんはご馳走だから僕とお父さんはやや駆け足になっていました。
「「ただいまッ!」」
家に入った瞬間、その匂いは鼻の中に入って来ました。リトルドラゴンとは比べ物にならない、それこそ王者。僕とお父さんは喉をゴクリと鳴らしてしまいました。
僕はすぐさま模擬戦で汚れた手を水魔法で洗い、駆け足で椅子に座っりました。
「よーし。今日はご馳走よ!なんてったって今日はルフィスとの最後の朝ごはんなんだから!」
「最後だなんて、いつでも一緒に食べれますよ」
「ははっ、そうだな…」
「うんうん。でも、このご馳走はルフィスの入学祝いでもあるのよ」
「いっ、いえ、まだ決まったわけでも無いのに…」
「ふふふ、どうかしらね、ルフィスなら確定だと思うけど」
「そうかな…」
「まあっ、とりあえず食べよう!」
「はいっ!…「「いただきます!」」」
僕はすぐさまかぶりついた。リトルドラゴンとは比べ物にならない肉厚、肉汁。味付けも完璧!舌の上でまるで溶けるような感覚で口の中にどんどん入っていく。
一口噛むと肉汁が溢れ出し、二口噛むと美味しさが倍増し、三口噛むころにはすでに肉は溶けて無くなっていた。まさにジューシー……
「おかわり!」
「はい。まだまだいっぱいあるから好きなだけ食べてね」
「やったー!!!」
★★★★★★★★★★
結局僕は一人で五皿も食べ、自分の部屋へと戻りました。
自分の部屋との別れは寂しく、少し名残惜しいですが、いつでも【空間転移】で帰ってこれますので……
「そろそろ行こうか」
シルバー王国には夜までにはついておきたいのでできるだけ早く出発はしたいです。ここからシルバー王国までは馬車で約二週間かかるとお父さんとお母さんが言っていたので今から走ればなんとか夕方までには間に合うと思います。
できれば、シルバー王国の首都である【王都シルバー】にはついておきたいのですが、流石に距離がありすぎるので、今日は違う街で宿を取るつもりです。
本を読むたびに思うことなのですが……
白銀の勇者の影響力ヤバええええ……
国の名前から街…しかも首都の名前まで、連想されるのは白銀の勇者。
それほど、魔王軍の侵攻というのは恐ろしかったということだと思うが……
僕は最後に無限収納の確認をさて、家の外へと出ました。外に出るとすでにお父さんとお母さんが待っていました。
「準備はバッチリか?」
「はい、バッチリです」
「そうか、あっちに行っても特訓を怠るなよ。なまった体はなかなか元には戻らないからな」
「分かっています。お父さんに言われたことはしっかりするので、安心してください」
「ルフィス……あっちに行ったら友達をちゃんと作ってね」
「大丈夫です!」
「…うん」
「それじゃあ……行ってくる!」
「まっ、待って!」
僕はその声で今使おうとしていた魔法【身体強化】の使用をやめた。
「なんです…『ギュッ』…か…」
「辛いことがあっても苦しいことがあっても良いように、必ず、大切な人を作るんだよ」
それはお母さんの愛情。僕は改めて“別れ”というものを知った。今までは寂しくなったら、苦しくなったら帰りたくなったら【空間転移】で戻れば良いと思っていた。
でもそうじゃ無い。【空間転移】をするのはこちらの勝手だが、もし、僕がお母さんたちのところへ行かなければ、お母さんたちは僕と会えないのだ。学校へ来るのも容易ではないだろう。
つまり、お母さんたちからしてみればこの瞬間は、次、いつ僕に会えるか分からない。といった状態なのだ。
そうなった時、人はどうするか。決まっています。その時間を延ばそうと、大切なこの時間がずっと続いて欲しい。そう思うはずです。
そのことを僕はまだ理解していなかった。
「う"っ、うん……」
ーーーガシッ!!
「うっ、おとう…さん…」」
「何泣いてんだよ。お前が会おうと思えばいつでも会えるのによ。ルフィス、あんまり無茶すんなよ、自分の力を過信するんじゃねぇ。だからって大事な時に力を使えないのはダメだぞ」
「うっ…うん……」
「…それじゃあ、元気出して行ってこい!!!」
「またねルフィス!」
「うっ、うん………行ってくる!!」
俺は涙をぬぐい、その表情を隠すように背を向け、【身体強化】を使った。
途中何度も手を振り返した。
本当に……本当に、別れというのは悲しいものだ。
(お父さんとお母さん。泣いてたな……)
僕は何回も本を見て覚えた地図を思い出しながらにシルバー王国へと向かった。お父さんとお母さんの温かい愛情を胸に感じ続けながら……
★★★★★★★★★★
「行ったね……」
「行っちゃったな……」
「成長したね」
「成長したな……」
「頑張って…欲しい、ね」
「頑張ってほしいな」
「ねえっ…別れるのって……やっぱ、寂しいね…」
「寂しいな…」
「うぇっ、うぇぇええん……」
「愛奈……」
ーーーギュッ
「ルフィスは頑張れるやつだ。俺たちはそれを応援してやろう」
「うん……久々に、泣いちゃった」
「仕方がないさ。俺たちの子だもん」
「うん。そうだね……」
「頑張ってきてね、ルフィス……」
「頑張ってこいよ、ルフィス……」
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