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第六章 愛を確かめ合う関係
5、アグリの感謝
しおりを挟むもっと先生と話がしたかった。でも先生に触れたら、幸せの真ん中に連れて行かれた。
私はどうしたいんだろう。話したいのか、先生とくっついていたいのか。
夕飯の後、風呂に入り、一人部屋で考えていた。
ふと、ドアがノックされた。
「はい、江藤ですが」
「アグリだけど、ちょっと書斎に来てくれる?」
「はい、すぐに伺います。」
櫻はランプの灯りを落とし、書斎に向かった。
こんな時間にどうしたんだろう。明日からの過ごし方についてご主人様が話してくれたからそれについてだろうか。
「櫻さん、どうぞ。」
背後からアグリに声をかけられた。
「ワッ」
「あら、びっくりさせてしまったわね。ちょっと、自室から持ってくるものもあってね。」
書斎の中に二人で入って、ソファに向かい合った。
「先生、明日からの辻さんとのことですか?」
「ああ、それは主人から聞いたから大丈夫よ。みんなには出版社に行ってるって伝えるからランチは1時間半ね。あなたに来てもらったのは別件なの。」
「別件?」
「実はね、私まだみんなに言ってないんだけど新しい命がこのお腹の中にあるの。。。」
「え!赤ちゃんですか?」
「直接的に言うのね。ふふ。私、16歳で産んだでしょ。だから、実感がないの。」
「でも、おめでたいです!」
「私、不安だったの。お店が軌道に乗ってるのに子供なんてね。でも、主人が大喜びしちゃって。」
「望月さんが子供に甘くなりそうですね。」
「主人が子守り手伝ってくれるって言うからね、私も仕事も両立しようかと思ってね。」
「素敵です。でも、どうして1番下の弟子の私に。。」
「実はね、辻さんの心の中の櫻さんが子供のことを告げたって言うのよ。だから、それを聞いた主人が珍しく手紙をよこしたのね。それで、産む決心がついたの。」
「そんな、私じゃないですし、辻先生が考えたことじゃないですか?全然、気にしないでください。」
「いいの。あなたが来てから、いろいろいいことが起きて私嬉しいのよ。だから、ありがとう。。」
アグリは泣いて感謝した。
手を握り合って笑い合った。こんなに幸せなことはない。
素敵な赤ちゃんが生まれてきますようにと、櫻は願った。
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