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第六章 愛を確かめ合う関係
7、幸せな昼下がり
しおりを挟む「先生、美味しいものを食べてると幸せになりますね。」
「そうだね。でも、それは一緒にいる人も重要だよ。僕と楽しいから美味しいんだよ。」
「先生は自惚れ屋さんですね。認めざるおえないですけど。。。」
「櫻くんが毎晩一緒にご飯を食べてくれたら、いいね。そう言う日が来るといいね。」
「私、もっともっと勉強や修行して先生に見合う女性になりたいです。」
「僕にはもうもったいない女性になっていますよ。でも、あなたが成長するのはもっともっと想像を超えると思いますがね。」
「それはどういう?」
うーんと、辻は少し考えた表情をした。
「女学生だからって言うんじゃないんですよ。あなたは芯に強いものを持っている。だからこそ、成長がどこまでいくか僕もわからないですよ。」
「私は先生と出会って、ちょっと弱くなった気がします。」
「どうして?」
「先生がいなくなってしまったらどうしようって、不安になるんです。」
「それは大丈夫とは言えないけれども、僕も初めての出来事でこんなに人に夢中になるとは思いませんでしたよ。」
「先生は旅で離れていても大丈夫になったって言ってましたけど。」
「そう。離れていても平気ですよ。でも、あなたが他の男性に惹かれたりしたら、それは別になりますね。」
「そんなこと起きてもいないのに、もう!」
「怒った顔も可愛いですね。こうやってランチの時間を優雅に過ごせるのも、坂本のおかげですね。」
「私、こんなに恵まれていいのでしょうか?」
「その負債はもう、一生を賭けて払ってきたじゃないですか?」
そう、不幸な目には櫻はずっと遭い続けてきた。お釣りが来てもいい。辻はでもそんな櫻を可哀想なんて思わなかった。
「でもね、僕はあなたを可哀想なんて思いませんよ。あなたを強くしたその境遇が僕たちを出会わせたんですからね。」
「先生、私、全然霊感なんてないんですけど、不思議な夢を見たりするんです。」
「ほお」
「先生と出会ったばかりの時は、先生と一緒にいる夢、この間は先生が歳をとった夢を見たんです。多分、先生かなって。」
「僕はどんなふうに歳をとっていましたか?」
「今のようにとても軽薄で。。。でも真面目で。。でも、私はそこにいなかったのです。」
「では、そうならない未来を作りましょう。僕たちの未来を築きましょう。」
不安を拭ってくれる辻に感謝した。
その大きな手で桜を抱きしめる。二人は幸せの昼下がりを過ごした。
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