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第六章 愛を確かめ合う関係
18、昼下がりの辻の意地悪
しおりを挟む「先生!今日のお昼はなんですか?」
「食いしん坊だね。まあ、君は朝から働いてきてるんだもんね。」
「もう、いいじゃないですか。毎日楽しみで。」
「今日はね、中華のシウマイの弁当だよ。」
「私、中華料理初めてです。まだ支那そばも食べたことなくて。」
「今度、支那そば食べにいこう。」
「でも、目立ってしまっては。」
「個室で食べられるところもあるからね。夕飯の時間、月曜日だったら出やすいんじゃない?」
「月曜は私が夕飯を作る当番なんです。」
「だったら、百貨店で扱っている惣菜を届けるよ。冷めても意外にいけるんだよ。アグリくんには僕からいうよ。」
櫻は弁当箱に入ったシウマイを初めて食べてみた。
「わあ、お肉がとっても柔らかくて美味しいです。」
「それはよかった。醤油をかけるとますますいいよ。」
辻はニコニコ食べる櫻が好きだ。
世の中、自分をよく見せようとして、優雅風に食べる人種がいる。
辻の付き合ってきた女性はどちらかというとそういう女性が多く、美味しいとは言っても心からというのが感じなかった。
それでもその時はいいと思っていた。
でも、櫻という人物を知ってしまった自分は中々もう元に戻るのは難しいと思った。
「ご馳走様でした。」
櫻は育ちが貧相でも、厳しく躾けられたのかきちんとした礼儀をしてくれる。
「では、弁当箱をおいてこちらにきてごらん。」
「先生、まだ召し上がってないじゃないですか。」
「僕はいつでもいいんだよ。君と触れ合っていたい。」
膝の上に櫻を乗せる。
「先生、本当に恥ずかしいです。」
「そんな、気にしなくていいよ。」
「そういうことじゃなくて、耳舐められると。」
「君の耳は甘い香りがする。。。。」
辻は後ろから抱きしめた櫻の耳を舐め上げる。
「せん、せい。。。私、、、はああ、、、」
本当はもっとしたいことはある。
でも、まだ彼女な女学生で、両親にも紹介していない。
ふと顔を後ろに向かせ、口付けをした。
びっくりした顔を櫻はしている。
「まんまるの目の君も素敵ですね。」
その後も、辻の口付けが中々終わらなかったのはいうまでもない。
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