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第3章 新しい女性関係を構築する
1、サチの要望
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俺の名前は大杉緑。なんで、明治になって一夫一妻という法律が生まれたんだ。
ああ、財閥なんかはまだ2号さんとかいるけど、うちのような法律屋はそれが許されにくい。
ということで、俺は今、銀座の百貨店で指輪を買いに来た。
「お客様、今日はどのような商品をお探しで?」
「ああ、プロポーズ用の指輪で。」
「お客様のお相手のお名前教えていただけますか?」
「どうして?」
「当店をご利用でしたら、指のサイズが分かりますので。」
ああ、俺はサチの指輪のサイズなんて考えても見なかった。
「ああ、ありました。薬指は9号ですね。でしたら、このデザインあたりがよろしいかと。」
勧められた指輪の値段は俺の月給の2倍だった。
「なあ、こんなに値段するものなのかい?」
「一生に一度ですから。」
俺はケチと言われるかもしれない。でも、俺はその指輪はやめた。
「申し訳ないんだけでど、その半額くらいのがいいな。」
「承知いたしました。」
てな感じで、俺はささっと指輪を買い、家路についた。
家に帰ると、親父が話しかけてきた。
「なあ、緑」
「ああ、父さん、ただいま」
「お前、これからどうするつもりだ?」
「仕事のこと?」
「そうじゃない。女性だ。」
「ああ、それは。」
「サチさん、父さんはいいとおもうぞ。」
「まあ、父さんの思うようになるよ。」
「悲しませないでくれよ。」
親父は親父でサチの家のことを調べたんだろう。大金持ちとは言わないが、そこそこの金持ちで山手に瀟洒な住宅があるらしい。
「じゃあ、父さん、何か決まったらまた話すよ。」
うん、と親父はいった。
え?親父って言ってるのに、本人には倒産って言ってるって?
そう、俺は表向きはいいお坊ちゃんなのだ。
仕方ない。
それから数日経って、サチと一緒にフランス料理店に行った。
デザートが出てきて、俺はカバンに用意した指輪を出した。
「サチ、これをもらってくれ。」
「ええ。他にいうことは?」
「あ、、俺と。。。婚約してくれ」
「50点ね」
「え?どうして?」
「これ、給料3ヶ月分じゃないでしょ。」
「どういう意味だ?」
「私は目利きできるのよ。でも、これつけて、会社や会合に出るようにするわ。」
「そんな、まだ結婚が決まってないし、指輪はデートの時だけでいいよ。」
「ううん、世間に私は知らしめたいの。」
「知らしめる?」
「私が大杉緑の婚約者だってね。」
ああ、もう俺は追い詰められた。嬉しいことなのかもしれない。
でも、俺は苦しかった。
しかし、このことが俺を変えてしまうことにこの時は気が付いてなかった。
女遊びを初めてしまうということを。
ということで今日はこの辺りで、さらばである。
ああ、財閥なんかはまだ2号さんとかいるけど、うちのような法律屋はそれが許されにくい。
ということで、俺は今、銀座の百貨店で指輪を買いに来た。
「お客様、今日はどのような商品をお探しで?」
「ああ、プロポーズ用の指輪で。」
「お客様のお相手のお名前教えていただけますか?」
「どうして?」
「当店をご利用でしたら、指のサイズが分かりますので。」
ああ、俺はサチの指輪のサイズなんて考えても見なかった。
「ああ、ありました。薬指は9号ですね。でしたら、このデザインあたりがよろしいかと。」
勧められた指輪の値段は俺の月給の2倍だった。
「なあ、こんなに値段するものなのかい?」
「一生に一度ですから。」
俺はケチと言われるかもしれない。でも、俺はその指輪はやめた。
「申し訳ないんだけでど、その半額くらいのがいいな。」
「承知いたしました。」
てな感じで、俺はささっと指輪を買い、家路についた。
家に帰ると、親父が話しかけてきた。
「なあ、緑」
「ああ、父さん、ただいま」
「お前、これからどうするつもりだ?」
「仕事のこと?」
「そうじゃない。女性だ。」
「ああ、それは。」
「サチさん、父さんはいいとおもうぞ。」
「まあ、父さんの思うようになるよ。」
「悲しませないでくれよ。」
親父は親父でサチの家のことを調べたんだろう。大金持ちとは言わないが、そこそこの金持ちで山手に瀟洒な住宅があるらしい。
「じゃあ、父さん、何か決まったらまた話すよ。」
うん、と親父はいった。
え?親父って言ってるのに、本人には倒産って言ってるって?
そう、俺は表向きはいいお坊ちゃんなのだ。
仕方ない。
それから数日経って、サチと一緒にフランス料理店に行った。
デザートが出てきて、俺はカバンに用意した指輪を出した。
「サチ、これをもらってくれ。」
「ええ。他にいうことは?」
「あ、、俺と。。。婚約してくれ」
「50点ね」
「え?どうして?」
「これ、給料3ヶ月分じゃないでしょ。」
「どういう意味だ?」
「私は目利きできるのよ。でも、これつけて、会社や会合に出るようにするわ。」
「そんな、まだ結婚が決まってないし、指輪はデートの時だけでいいよ。」
「ううん、世間に私は知らしめたいの。」
「知らしめる?」
「私が大杉緑の婚約者だってね。」
ああ、もう俺は追い詰められた。嬉しいことなのかもしれない。
でも、俺は苦しかった。
しかし、このことが俺を変えてしまうことにこの時は気が付いてなかった。
女遊びを初めてしまうということを。
ということで今日はこの辺りで、さらばである。
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