大杉緑とは俺様だ（完結）

第3章 新しい女性関係を構築する

9、見つけた女

大杉緑とは俺のことだ。俺は3人の女性と自由恋愛できることに浮かれていたが、それを阻止するサチの父が現れたことによって、サチの婚約者とだけいなさいと言われたわけである。

さて、そんな日々の中で俺は俺だけの巣、一人暮らしのアパートメントを手に入れた。
賃貸であるが。
サチとの両親の顔合わせが迫る日々ではあったが、俺は自由恋愛についてこだわり始めていた。
やっぱりサチだけが待つ家に帰る日々は自分には無理だと思ったのだ。

ということで、吉田に連絡を取った。

吉田は俺の波瀾万丈な自由恋愛の話を聞くと、大きく笑った。
「お前に自由恋愛を勧めたけど、そこまでお前がハマるとはな。」
「ああ、俺は誰にも縛られたくないんだ。」
「俺もさ、自由恋愛で知り合った女に急に嫉妬されたりして、困った状態だよ。」

吉田も苦労しているようだった。

「なあ、俺さ、もうこの3人じゃなくて他の女でいいんだ。誰か自由恋愛したいんだ。」
「うーん、自由恋愛連合で探すのはちょっと桃さんの手前罰が悪いだろ。」
「ああ、そうだな。」
「お前、自分の周辺に若い女はいないのか？」

そう言われて気がついた。
弁護士事務所に、去年入ったタイピストの佐藤愛という人物がいた。
「いるにはいるが、地味な若い女だよ。」
「それは育てるにはいいな。」
「どういうことだ？」
「育てるんだよ。その女を。」
「え？」
「若紫、源氏物語覚えてるか？」
「いや、」
「自分の好きなように女を育てることだよ。地味なら地味ほどいいよ。」
「そうか、そんな考えも。」
「まあ、ランチからでもしてみるといい。同じ事務所なら、親父さん怪しまないだろ。」
「ああ、それはそうだな。」

吉田はバカだがそういうことには頭が回る。
ということで、俺は佐藤愛にアプローチしてみることにしてみた。

ということで、今日はこの辺りで、さらばである。