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第5章 旅路の悦楽と、深まる依存
【セラフィナ編①】腐食する美貌と、湧き出る救済
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⚫︎紫煙の回廊
「ハァッ!どいつもこいつもしつこいんだよ!」
勇者ゴウの聖剣が閃きヘドロのような姿をした魔物を両断する。
魔物は断末魔と共に霧散したが、その後に残ったのは鼻を刺すような腐敗臭と紫色の濃い霧だけだった。
魔王城の手前に広がる『瘴気の谷』。
ここは植物さえも黒く枯れ果て、大地からは絶えず魔界の毒気が噴き出している死の世界だ。
一行は口元を布で覆いながら進んでいたがその環境ダメージは深刻だった。
「……っ、ぐぅ……!息が苦しい……」
最後尾を歩くセラフィナの足取りが乱れる。
彼女は森の精霊の加護を持つハイエルフだ。
清浄な自然の中では無敵の強さを誇るがこのように汚染された環境では呼吸するだけで体内の魔力回路が侵食されてしまう。
「おい姫様!遅れてるぞ!魔法障壁が薄いんじゃないか?」
「だ、黙れ……!わらわは全力で……っ!」
セラフィナが杖を握る手は震えていた。
その手の甲を見て彼女自身が悲鳴を上げそうになる。
白い手袋の隙間から見える肌が、乾燥して粉を吹き老婆のようにシワが寄っていたのだ。
(ああ、嫌だ……!わらわの肌が死んでいく。カイトに手入れしてもらったばかりの美しさが泥のように崩れていく……!)
⚫︎勇者の無神経と、姫のヒステリー
「よし、少し休憩だ!」
岩陰に入りゴウが休息を宣言した。
セラフィナは崩れ落ちるように座り込み慌てて手鏡を取り出した。
「ヒッ……!?」
鏡の中の自分を見て彼女は絶句した。
髪は瘴気でベタつき艶を失って藁のようになっている。
頬はやつれ、目元にはクマができ、唇はカサカサにひび割れていた。
それは「ハイエルフの姫」にあるまじき醜い姿だった。
「いや……嫌じゃ!こんな顔、わらわではない!誰か、水を持って参れ!清らかな水で顔を洗わねば!」
セラフィナが半狂乱で叫ぶ。
しかし、ゴウはあきれ顔で腰の水筒を放り投げた。
「贅沢言うなよ。水は貴重なんだ。飲む分しかねーよ」
「顔を洗いたいと言うておるのじゃ!このままではわらわは枯れ木になってしまう!」
「だーかーら!魔王を倒せば全部元通りになるんだって!それくらい気合で耐えろよ、気合で!」
ゴウは面倒くさそうに言い捨て硬い干し肉を齧り始めた。
彼には理解できないのだ。
エルフにとって「美の喪失」が「死」と同義であることを。
そして、女性にとって肌荒れがどれほどのストレスであるかを。
「……野蛮人め。そなたには分からぬ……この絶望が……」
セラフィナは鏡を抱きしめ涙を流した。
その涙さえも乾いた頬に染みて痛かった。
⚫︎硫黄の香りと、カイトの提案
絶望するセラフィナの肩にふわりと温かいタオルがかけられた。
「……カイト?」
振り返るとそこには心配そうな顔をしたカイトが立っていた。
彼は手に持っていた濡れタオル(A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)で購入した『純水ウエットタオル』)で彼女の汚れた頬を優しく拭った。
「酷いですね。……この瘴気は肌の水分を根こそぎ奪っていくみたいだ」
「カイト……わらわを見てくれるな。今のわらわは醜い……」
セラフィナが顔を背ける。
カイトはその顎を強引にしかし優しく掴んで自分の方へ向けた。
「醜くないですよ。……ただ、少し『乾いている』だけだ」
「慰めはいらぬ……」
「慰めじゃありません。解決策があるんです」
カイトは周囲の空気を鼻で吸い込み地面に手を当てた。
「この臭い……腐った卵のような臭いが混じっているのに気付きませんか?」
「……?確かに瘴気とは違う臭いがするが……」
「硫黄の臭いです。それにこの地熱」
カイトがニヤリと笑う。
「近くに熱源がある。……地下水脈もあるはずだ。これだけの条件が揃えばあれが作れます」
「あれ、とは?」
「日本人が愛してやまない、究極の回復施設……『温泉』ですよ」
⚫︎荒野の隠れ湯
カイトはゴウに「少し周辺の偵察をしてくる」と告げ、セラフィナを連れて岩場の裏手へと回った。
そこは、湯気が微かに立ち上る亀裂のある場所だった。
「下がってください、姫様。……少し揺れますよ」
カイトがスキルを発動する。
今回注文したのは食料や日用品ではない。
【万物配送:業務用・簡易ボーリングマシン&汲み上げポンプセット】
【オプション:総檜(ヒノキ)造りの露天風呂枠】
ガガガガガッ!!
ドリルの音が響き地面が穿たれる。
そして数分後。
プシューーーッ!!
白い蒸気と共に熱いお湯が勢いよく噴き出した。
カイトは手際よくポンプを設置し檜の浴槽にお湯を引き込む。
さらにポケットから取り出した『全国名湯めぐり(入浴剤)』と『清酒』をドボドボと投入した。
「……完成です」
そこに出現したのは殺伐とした瘴気の谷には似つかわしくない湯けむり漂う極上の『露天風呂』だった。 檜の爽やかな香りと硫黄の香り、そして日本酒の甘い香りが混ざり合い周囲の瘴気を押し流していく。
「こ、これは……お湯……?」
「ただのお湯じゃありません。『源泉掛け流し・酒風呂』です。アルコール成分と温泉のミネラルが毛穴の奥の毒素を排出し肌をツルツルにしてくれますよ」
カイトが湯船のお湯を手で掬いセラフィナに見せる。
湯気でお湯がトロリとして見える。
「さあ、姫様。……服を脱いでください。その干からびた肌にたっぷりと水分をご馳走してあげましょう」
⚫︎湯けむりの誘惑
セラフィナはゴクリと喉を鳴らした。
目の前にあるたっぷりの温かいお湯。
冷え切り、乾燥しきった彼女の体が渇望の悲鳴を上げる。
「……ゴウに見られぬか?」
「結界を張りました。ここはこの世で一番安全な『個室』です」
その言葉を聞いた瞬間セラフィナの理性の糸が切れた。
彼女はドレスを脱ぎ捨て下着(カイトから貰ったレースのもの)も乱暴に外し全裸になった。
「あ、あぁ……」
寒風に晒された肌が檜風呂の湯気に触れるだけで喜んでいる。
彼女は片足をお湯に入れた。
チャポン。
「っ……熱い、けど……気持ちいい……!」
「どうぞ、肩まで浸かって。……俺が背中を流して差し上げますから」
カイトも服を脱ぎ始めた。
湯気の向こうで彼の逞しい体が露わになる。
そして、その股間には戦闘態勢に入ったイチモツが揺れているのが見えた。
セラフィナは顔を赤らめながらも、期待に胸を膨らませてお湯の中に身を沈めた。
このお湯で肌を癒やし、そしてカイトの「熱い注射」で中から潤してもらう。
そのフルコースへの期待が彼女の枯れた子宮をキュンと疼かせた。
「ハァッ!どいつもこいつもしつこいんだよ!」
勇者ゴウの聖剣が閃きヘドロのような姿をした魔物を両断する。
魔物は断末魔と共に霧散したが、その後に残ったのは鼻を刺すような腐敗臭と紫色の濃い霧だけだった。
魔王城の手前に広がる『瘴気の谷』。
ここは植物さえも黒く枯れ果て、大地からは絶えず魔界の毒気が噴き出している死の世界だ。
一行は口元を布で覆いながら進んでいたがその環境ダメージは深刻だった。
「……っ、ぐぅ……!息が苦しい……」
最後尾を歩くセラフィナの足取りが乱れる。
彼女は森の精霊の加護を持つハイエルフだ。
清浄な自然の中では無敵の強さを誇るがこのように汚染された環境では呼吸するだけで体内の魔力回路が侵食されてしまう。
「おい姫様!遅れてるぞ!魔法障壁が薄いんじゃないか?」
「だ、黙れ……!わらわは全力で……っ!」
セラフィナが杖を握る手は震えていた。
その手の甲を見て彼女自身が悲鳴を上げそうになる。
白い手袋の隙間から見える肌が、乾燥して粉を吹き老婆のようにシワが寄っていたのだ。
(ああ、嫌だ……!わらわの肌が死んでいく。カイトに手入れしてもらったばかりの美しさが泥のように崩れていく……!)
⚫︎勇者の無神経と、姫のヒステリー
「よし、少し休憩だ!」
岩陰に入りゴウが休息を宣言した。
セラフィナは崩れ落ちるように座り込み慌てて手鏡を取り出した。
「ヒッ……!?」
鏡の中の自分を見て彼女は絶句した。
髪は瘴気でベタつき艶を失って藁のようになっている。
頬はやつれ、目元にはクマができ、唇はカサカサにひび割れていた。
それは「ハイエルフの姫」にあるまじき醜い姿だった。
「いや……嫌じゃ!こんな顔、わらわではない!誰か、水を持って参れ!清らかな水で顔を洗わねば!」
セラフィナが半狂乱で叫ぶ。
しかし、ゴウはあきれ顔で腰の水筒を放り投げた。
「贅沢言うなよ。水は貴重なんだ。飲む分しかねーよ」
「顔を洗いたいと言うておるのじゃ!このままではわらわは枯れ木になってしまう!」
「だーかーら!魔王を倒せば全部元通りになるんだって!それくらい気合で耐えろよ、気合で!」
ゴウは面倒くさそうに言い捨て硬い干し肉を齧り始めた。
彼には理解できないのだ。
エルフにとって「美の喪失」が「死」と同義であることを。
そして、女性にとって肌荒れがどれほどのストレスであるかを。
「……野蛮人め。そなたには分からぬ……この絶望が……」
セラフィナは鏡を抱きしめ涙を流した。
その涙さえも乾いた頬に染みて痛かった。
⚫︎硫黄の香りと、カイトの提案
絶望するセラフィナの肩にふわりと温かいタオルがかけられた。
「……カイト?」
振り返るとそこには心配そうな顔をしたカイトが立っていた。
彼は手に持っていた濡れタオル(A_ma_zon(アー・マ・ゾーン)で購入した『純水ウエットタオル』)で彼女の汚れた頬を優しく拭った。
「酷いですね。……この瘴気は肌の水分を根こそぎ奪っていくみたいだ」
「カイト……わらわを見てくれるな。今のわらわは醜い……」
セラフィナが顔を背ける。
カイトはその顎を強引にしかし優しく掴んで自分の方へ向けた。
「醜くないですよ。……ただ、少し『乾いている』だけだ」
「慰めはいらぬ……」
「慰めじゃありません。解決策があるんです」
カイトは周囲の空気を鼻で吸い込み地面に手を当てた。
「この臭い……腐った卵のような臭いが混じっているのに気付きませんか?」
「……?確かに瘴気とは違う臭いがするが……」
「硫黄の臭いです。それにこの地熱」
カイトがニヤリと笑う。
「近くに熱源がある。……地下水脈もあるはずだ。これだけの条件が揃えばあれが作れます」
「あれ、とは?」
「日本人が愛してやまない、究極の回復施設……『温泉』ですよ」
⚫︎荒野の隠れ湯
カイトはゴウに「少し周辺の偵察をしてくる」と告げ、セラフィナを連れて岩場の裏手へと回った。
そこは、湯気が微かに立ち上る亀裂のある場所だった。
「下がってください、姫様。……少し揺れますよ」
カイトがスキルを発動する。
今回注文したのは食料や日用品ではない。
【万物配送:業務用・簡易ボーリングマシン&汲み上げポンプセット】
【オプション:総檜(ヒノキ)造りの露天風呂枠】
ガガガガガッ!!
ドリルの音が響き地面が穿たれる。
そして数分後。
プシューーーッ!!
白い蒸気と共に熱いお湯が勢いよく噴き出した。
カイトは手際よくポンプを設置し檜の浴槽にお湯を引き込む。
さらにポケットから取り出した『全国名湯めぐり(入浴剤)』と『清酒』をドボドボと投入した。
「……完成です」
そこに出現したのは殺伐とした瘴気の谷には似つかわしくない湯けむり漂う極上の『露天風呂』だった。 檜の爽やかな香りと硫黄の香り、そして日本酒の甘い香りが混ざり合い周囲の瘴気を押し流していく。
「こ、これは……お湯……?」
「ただのお湯じゃありません。『源泉掛け流し・酒風呂』です。アルコール成分と温泉のミネラルが毛穴の奥の毒素を排出し肌をツルツルにしてくれますよ」
カイトが湯船のお湯を手で掬いセラフィナに見せる。
湯気でお湯がトロリとして見える。
「さあ、姫様。……服を脱いでください。その干からびた肌にたっぷりと水分をご馳走してあげましょう」
⚫︎湯けむりの誘惑
セラフィナはゴクリと喉を鳴らした。
目の前にあるたっぷりの温かいお湯。
冷え切り、乾燥しきった彼女の体が渇望の悲鳴を上げる。
「……ゴウに見られぬか?」
「結界を張りました。ここはこの世で一番安全な『個室』です」
その言葉を聞いた瞬間セラフィナの理性の糸が切れた。
彼女はドレスを脱ぎ捨て下着(カイトから貰ったレースのもの)も乱暴に外し全裸になった。
「あ、あぁ……」
寒風に晒された肌が檜風呂の湯気に触れるだけで喜んでいる。
彼女は片足をお湯に入れた。
チャポン。
「っ……熱い、けど……気持ちいい……!」
「どうぞ、肩まで浸かって。……俺が背中を流して差し上げますから」
カイトも服を脱ぎ始めた。
湯気の向こうで彼の逞しい体が露わになる。
そして、その股間には戦闘態勢に入ったイチモツが揺れているのが見えた。
セラフィナは顔を赤らめながらも、期待に胸を膨らませてお湯の中に身を沈めた。
このお湯で肌を癒やし、そしてカイトの「熱い注射」で中から潤してもらう。
そのフルコースへの期待が彼女の枯れた子宮をキュンと疼かせた。
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