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社長秘書『二階堂 冴子』排卵日の記録
エピローグ 残業手当は、秘密の熱で支払われる
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「……ぁ、ふぅ……」
終わった。
嵐のような時間は唐突にその幕を下ろした。
私は冷たい床にへたり込んだまま、自分の太ももを呆然と見下ろしていた。
惨状だった。
破れた黒のストッキングは、まるで脱皮した爬虫類の皮のように足首に溜まっている。
そして白い太ももの内側には、乾燥しかけた透明な糊のような跡と、白濁した彼のエキスが地図を描くようにこびりついていた。
匂いがする。
栗の花のような独特の生臭さと、私の汗と香水が混ざり合ったむせ返るような「性事」の匂い。
普段のアロマ香るオフィスでは絶対に存在してはならない、獣の痕跡。
(汚い……。私、汚れてる)
頭の片隅で潔癖症の私が悲鳴を上げている。
けれど、不思議なことにそれを「不快」だとは思わなかった。
むしろ、太ももに残るその粘り気が彼が私の中にいたという「証拠」のように思えて愛おしささえ感じてしまう。
下腹部の奥がまだドクドクと脈打っている。
子宮が注ぎ込まれた熱を逃がさないように、きゅっ、きゅっ、と収縮を繰り返しているのが分かる。
この感覚。
誰かに満たされているという絶対的な充足感。
独りで完璧に仕事をこなして得られる達成感とはまったく質の違う、脳髄を痺れさせるような快楽の余韻。
「……二階堂さん」
牧村の声が現実への扉をノックした。
ハッとして顔を上げると、彼が心配そうな顔で自分のジャケットを差し出しているところだった。
その表情は、先ほどまで私を獣のように突き上げていたオスのものではない。
いつもの、私の知る「頼りない部下」の牧村に戻っていた。
「身体、冷えちゃいますよ。これ羽織ってください」
「……」
私は無言でジャケットを受け取った。
彼の匂いがする。
鼻を埋めて深呼吸したい衝動を必死に理性でねじ伏せる。
(しっかりしなさい、二階堂冴子)
(あなたは上司。彼は部下。これは事故。……そう、ただのエラーよ)
私は震える足に力を込めゆっくりと立ち上がった。
膝が笑っている。
腰の芯が砕かれたように重い。
けれど、私は崩れ落ちるわけにはいかなかった。
「……ティッシュ、ある?」
口をついて出た声は、自分でも驚くほど低く冷たかった。
「え?あ、はい。あります」
「貸して」
私は彼の手からボックスティッシュをひったくると、あられもない姿のまま太ももの汚れを拭き取り始めた。
ゴシゴシと皮膚が赤くなるほど強く。
まるで、この過ちを消し去ろうとするかのように。
「あ、俺がやりますよ……!」
「触らないで!」
私の鋭い声に彼がビクリと肩を震わせて動きを止める。
「……自分でやるわ。あなたは窓を拭いて」
「ま、窓……ですか?」
「ええ。ガラスに、私の……手形と脂がついているでしょう。明日の朝、清掃員に見られたらどうするつもり?」
私は顎でガラス窓をしゃくった。
そこには、乱れ狂った私が必死に縋り付いた跡が白く生々しく残っている。
「……あ、はい。すいません」
牧村は素直に頷き別の布を探して窓を拭き始めた。
その背中を見ながら、私は乱れたブラウスのボタンを掛け直しスカートの皺を伸ばした。
破れたストッキングは脱ぎ捨てて、バッグの中に押し込む。
予備のストッキングなんて持っていない。
それもまた、この夜の秘密の共有みたいで胸がざわつく。
最後に。
私はデスクの上に転がっていた眼鏡を拾い上げた。
指紋で汚れたレンズをハンカチで丁寧に拭う。
(これをかければ、私は戻れる)
(鉄壁の、氷の女に)
深呼吸を一つ。
肺いっぱいに残る情事の匂いを吐き出し、私は冷たい空気を吸い込んだ。
そして眼鏡をかける。
カチャリ。
世界がクリアになる。
感情の霧が晴れ、輪郭のはっきりした「現実」が戻ってくる。
「……牧村君」
私は、いつものトーンで彼を呼んだ。
「はいっ!」
彼が窓拭きの手を止めて振り返る。
「作業は終わり。今日はもう解散よ。電気系統は復旧していないけれど、セキュリティシステムは予備電源で生きてるわ。退館ログに異常が残らないように、私が処理しておく」
「え……あ、はい。でも、あの、今の……」
「今の?」
私は冷ややかな視線を眼鏡の奥から彼に向けた。
少しだけ首を傾げる。
あたかも「何のこと?」とでも言うように。
「……い、いや、その……二階堂さんと、俺……しちゃいましたよね?その……」
「しましたね」
私は淡々と肯定した。
「生理現象よ」
「へ?」
「人間だもの。極限状態でのストレス反応。吊り橋効果。ホルモンバランスの乱れ。……それだけのことでしょ?」
嘘だ。
全然、それだけのことじゃない。
あんなに気持ちよかったのに。
あんなに、あなたを求めて泣いたのに。
でも、それを認めてしまったら私は私でいられなくなる。
上司としての私が死んでしまう。
「……じゃあ、なかったことにするんですか?」
牧村の声に、僅かな失望が混じっているのを私は聞き逃さなかった。
胸がチクリと痛む。
ごめんね。
でも、私は不器用な生き物だから。
こうやって自分を守るしかできないの。
私はデスクの上の資料――彼がミスをして、私たちが残業する羽目になった原因の書類――を指先で弾いた。
「今回の君のミス。この残業でチャラにしてあげる」
「……え?」
「特例よ。残業手当の代わりに、私の……その、ストレス解消に付き合ってくれたと見なします」
なんて最低な言い草だろう。
彼の純粋な好意(少なくとも、私を庇ってくれた優しさ)を取引材料にするなんて。
でも、牧村は怒らなかった。
彼は私の顔をじっと見つめ、ふっと小さく笑ったのだ。
大型犬が飼い主のわがままを許すときのような、困ったような、でも優しい笑顔で。
「……分かりました。厳しいっすね二階堂専務は」
「……当然よ。私はあなたの評価者なんだから」
「じゃあ、またミスしたら……こうやって指導してもらえるんですか?」
ドキリ、とした。
彼の瞳が悪戯っぽく光っている。
試されている。
私の「建前」がどこまで通用するか。
「……バカ言わないで。二度目はないわ」
私は顔を背けバッグを掴んだ。
これ以上彼の顔を見ていると、また身体が熱くなってしまう。
まだ、お腹の中に熱さが残っているのだ。
「帰るわよ。送らなくていいから」
「あ、待ってください!暗いし、危ないですから!」
結局、彼はエレベーターホールまでついてきた。
並んで歩く二人の距離は、来る時よりもほんの数センチだけ、近くなっていた。
ーーーーー
翌日。4月13日(火) 09:00
オフィスは、何事もなかったように日常を取り戻していた。
昨夜の嵐が嘘のような快晴。
窓ガラスは清掃業者が入る前だから少し汚れていたけれど、誰も昨夜の情事の痕跡だとは気づかないだろう。
「おはようございます、二階堂さん」
牧村が出社してきた。
いつもの安っぽいスーツ。
寝癖のついた髪。
彼は私のデスクの前を通る時、一瞬だけ足を止め、周囲に聞こえない声量で囁いた。
「……おはようございます」
ただの挨拶。
けれどその視線は、私の首元――昨夜、彼が吸い付いたキスマークを隠しているコンシーラーのあたり――に注がれていた。
そして、ニカっと笑って自分の席へ向かう。
(……調子に乗らないでよ)
私は眉をひそめ、冷たく無視をしてパソコンに向かった。
周囲の社員たちは「相変わらず二階堂さんは牧村に厳しいな」と苦笑している。
それでいい。
それが私たちの「表」の関係。
私は誰にも見られないようにそっとスマホを取り出した。
体調管理アプリ『Luna Rhythm』を起動する。
昨夜の記録をつけるためだ。
昨日の私は確かにエラーを起こした。
でも、今日からの私はまた完璧な管理社会に戻る。
……はずだった。
私は昨夜の日付の欄を開き、震える指で入力を始めた。
ーーーーー
[記録媒体:スマホの体調管理アプリ『Luna Rhythm』メモ欄]
4月13日(火)
基礎体温: 36.85℃(高温期継続中)
体調: 筋肉痛(特に股関節、腰)。軽い寝不足。
気分: ……不安定(でも、悪くない)。
【メモ】:
昨夜の件は処理済み。
牧村との関係性に変化なし。
業務上の支障もなし。
すべてリセット。
忘れること。
……でも。
今朝、コーヒーの香りを嗅いだらあの子の匂いを思い出してまた奥が疼いた。
身体の中にあの子の熱がまだ残っている気がする。
トイレで確認したらキスマークが3箇所もあった。
バカ犬。
マーキングなんてして。
コンシーラーで隠すのに10分もかかった。
迷惑だ。
本当に迷惑。
(追記)
次の排卵予定日は4月26日。
カレンダーを確認した。
26日は期末の棚卸し業務がある。
……牧村も、担当だ。
もしかしたらまた遅くなるかもしれない。
念のため、勝負下着(黒のレース)を洗濯しておこう。
あくまで、念のため。
……早く、26日にならないかな。
ーーー END ーーー
終わった。
嵐のような時間は唐突にその幕を下ろした。
私は冷たい床にへたり込んだまま、自分の太ももを呆然と見下ろしていた。
惨状だった。
破れた黒のストッキングは、まるで脱皮した爬虫類の皮のように足首に溜まっている。
そして白い太ももの内側には、乾燥しかけた透明な糊のような跡と、白濁した彼のエキスが地図を描くようにこびりついていた。
匂いがする。
栗の花のような独特の生臭さと、私の汗と香水が混ざり合ったむせ返るような「性事」の匂い。
普段のアロマ香るオフィスでは絶対に存在してはならない、獣の痕跡。
(汚い……。私、汚れてる)
頭の片隅で潔癖症の私が悲鳴を上げている。
けれど、不思議なことにそれを「不快」だとは思わなかった。
むしろ、太ももに残るその粘り気が彼が私の中にいたという「証拠」のように思えて愛おしささえ感じてしまう。
下腹部の奥がまだドクドクと脈打っている。
子宮が注ぎ込まれた熱を逃がさないように、きゅっ、きゅっ、と収縮を繰り返しているのが分かる。
この感覚。
誰かに満たされているという絶対的な充足感。
独りで完璧に仕事をこなして得られる達成感とはまったく質の違う、脳髄を痺れさせるような快楽の余韻。
「……二階堂さん」
牧村の声が現実への扉をノックした。
ハッとして顔を上げると、彼が心配そうな顔で自分のジャケットを差し出しているところだった。
その表情は、先ほどまで私を獣のように突き上げていたオスのものではない。
いつもの、私の知る「頼りない部下」の牧村に戻っていた。
「身体、冷えちゃいますよ。これ羽織ってください」
「……」
私は無言でジャケットを受け取った。
彼の匂いがする。
鼻を埋めて深呼吸したい衝動を必死に理性でねじ伏せる。
(しっかりしなさい、二階堂冴子)
(あなたは上司。彼は部下。これは事故。……そう、ただのエラーよ)
私は震える足に力を込めゆっくりと立ち上がった。
膝が笑っている。
腰の芯が砕かれたように重い。
けれど、私は崩れ落ちるわけにはいかなかった。
「……ティッシュ、ある?」
口をついて出た声は、自分でも驚くほど低く冷たかった。
「え?あ、はい。あります」
「貸して」
私は彼の手からボックスティッシュをひったくると、あられもない姿のまま太ももの汚れを拭き取り始めた。
ゴシゴシと皮膚が赤くなるほど強く。
まるで、この過ちを消し去ろうとするかのように。
「あ、俺がやりますよ……!」
「触らないで!」
私の鋭い声に彼がビクリと肩を震わせて動きを止める。
「……自分でやるわ。あなたは窓を拭いて」
「ま、窓……ですか?」
「ええ。ガラスに、私の……手形と脂がついているでしょう。明日の朝、清掃員に見られたらどうするつもり?」
私は顎でガラス窓をしゃくった。
そこには、乱れ狂った私が必死に縋り付いた跡が白く生々しく残っている。
「……あ、はい。すいません」
牧村は素直に頷き別の布を探して窓を拭き始めた。
その背中を見ながら、私は乱れたブラウスのボタンを掛け直しスカートの皺を伸ばした。
破れたストッキングは脱ぎ捨てて、バッグの中に押し込む。
予備のストッキングなんて持っていない。
それもまた、この夜の秘密の共有みたいで胸がざわつく。
最後に。
私はデスクの上に転がっていた眼鏡を拾い上げた。
指紋で汚れたレンズをハンカチで丁寧に拭う。
(これをかければ、私は戻れる)
(鉄壁の、氷の女に)
深呼吸を一つ。
肺いっぱいに残る情事の匂いを吐き出し、私は冷たい空気を吸い込んだ。
そして眼鏡をかける。
カチャリ。
世界がクリアになる。
感情の霧が晴れ、輪郭のはっきりした「現実」が戻ってくる。
「……牧村君」
私は、いつものトーンで彼を呼んだ。
「はいっ!」
彼が窓拭きの手を止めて振り返る。
「作業は終わり。今日はもう解散よ。電気系統は復旧していないけれど、セキュリティシステムは予備電源で生きてるわ。退館ログに異常が残らないように、私が処理しておく」
「え……あ、はい。でも、あの、今の……」
「今の?」
私は冷ややかな視線を眼鏡の奥から彼に向けた。
少しだけ首を傾げる。
あたかも「何のこと?」とでも言うように。
「……い、いや、その……二階堂さんと、俺……しちゃいましたよね?その……」
「しましたね」
私は淡々と肯定した。
「生理現象よ」
「へ?」
「人間だもの。極限状態でのストレス反応。吊り橋効果。ホルモンバランスの乱れ。……それだけのことでしょ?」
嘘だ。
全然、それだけのことじゃない。
あんなに気持ちよかったのに。
あんなに、あなたを求めて泣いたのに。
でも、それを認めてしまったら私は私でいられなくなる。
上司としての私が死んでしまう。
「……じゃあ、なかったことにするんですか?」
牧村の声に、僅かな失望が混じっているのを私は聞き逃さなかった。
胸がチクリと痛む。
ごめんね。
でも、私は不器用な生き物だから。
こうやって自分を守るしかできないの。
私はデスクの上の資料――彼がミスをして、私たちが残業する羽目になった原因の書類――を指先で弾いた。
「今回の君のミス。この残業でチャラにしてあげる」
「……え?」
「特例よ。残業手当の代わりに、私の……その、ストレス解消に付き合ってくれたと見なします」
なんて最低な言い草だろう。
彼の純粋な好意(少なくとも、私を庇ってくれた優しさ)を取引材料にするなんて。
でも、牧村は怒らなかった。
彼は私の顔をじっと見つめ、ふっと小さく笑ったのだ。
大型犬が飼い主のわがままを許すときのような、困ったような、でも優しい笑顔で。
「……分かりました。厳しいっすね二階堂専務は」
「……当然よ。私はあなたの評価者なんだから」
「じゃあ、またミスしたら……こうやって指導してもらえるんですか?」
ドキリ、とした。
彼の瞳が悪戯っぽく光っている。
試されている。
私の「建前」がどこまで通用するか。
「……バカ言わないで。二度目はないわ」
私は顔を背けバッグを掴んだ。
これ以上彼の顔を見ていると、また身体が熱くなってしまう。
まだ、お腹の中に熱さが残っているのだ。
「帰るわよ。送らなくていいから」
「あ、待ってください!暗いし、危ないですから!」
結局、彼はエレベーターホールまでついてきた。
並んで歩く二人の距離は、来る時よりもほんの数センチだけ、近くなっていた。
ーーーーー
翌日。4月13日(火) 09:00
オフィスは、何事もなかったように日常を取り戻していた。
昨夜の嵐が嘘のような快晴。
窓ガラスは清掃業者が入る前だから少し汚れていたけれど、誰も昨夜の情事の痕跡だとは気づかないだろう。
「おはようございます、二階堂さん」
牧村が出社してきた。
いつもの安っぽいスーツ。
寝癖のついた髪。
彼は私のデスクの前を通る時、一瞬だけ足を止め、周囲に聞こえない声量で囁いた。
「……おはようございます」
ただの挨拶。
けれどその視線は、私の首元――昨夜、彼が吸い付いたキスマークを隠しているコンシーラーのあたり――に注がれていた。
そして、ニカっと笑って自分の席へ向かう。
(……調子に乗らないでよ)
私は眉をひそめ、冷たく無視をしてパソコンに向かった。
周囲の社員たちは「相変わらず二階堂さんは牧村に厳しいな」と苦笑している。
それでいい。
それが私たちの「表」の関係。
私は誰にも見られないようにそっとスマホを取り出した。
体調管理アプリ『Luna Rhythm』を起動する。
昨夜の記録をつけるためだ。
昨日の私は確かにエラーを起こした。
でも、今日からの私はまた完璧な管理社会に戻る。
……はずだった。
私は昨夜の日付の欄を開き、震える指で入力を始めた。
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[記録媒体:スマホの体調管理アプリ『Luna Rhythm』メモ欄]
4月13日(火)
基礎体温: 36.85℃(高温期継続中)
体調: 筋肉痛(特に股関節、腰)。軽い寝不足。
気分: ……不安定(でも、悪くない)。
【メモ】:
昨夜の件は処理済み。
牧村との関係性に変化なし。
業務上の支障もなし。
すべてリセット。
忘れること。
……でも。
今朝、コーヒーの香りを嗅いだらあの子の匂いを思い出してまた奥が疼いた。
身体の中にあの子の熱がまだ残っている気がする。
トイレで確認したらキスマークが3箇所もあった。
バカ犬。
マーキングなんてして。
コンシーラーで隠すのに10分もかかった。
迷惑だ。
本当に迷惑。
(追記)
次の排卵予定日は4月26日。
カレンダーを確認した。
26日は期末の棚卸し業務がある。
……牧村も、担当だ。
もしかしたらまた遅くなるかもしれない。
念のため、勝負下着(黒のレース)を洗濯しておこう。
あくまで、念のため。
……早く、26日にならないかな。
ーーー END ーーー
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