侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。

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第三章 武闘会編

決戦前夜、守るべきもの

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会場を揺るがす混乱――闇ギルドの魔道具が煙を上げ、観客たちの間に悲鳴とざわめきが広がっていた。



「皆さん、落ち着いて!出口へゆっくり避難してください!」



イッセイは壇上から声を張り、混乱する人々を導く。その隣には、クラリスが凛とした表情で民衆の誘導を手伝い、ルーナは小さな子供たちを保護しながら、怪我人の手当てに回る。



「イッセイくん、怪我人はこちらです!」

「ありがとう、ルーナ。手当ては頼んだよ!」



会場の端では、セリアやフィーナ、ミュリルたち仲間もそれぞれに人々を守り、魔道具の暴走に立ち向かっていた。



「さすがはイッセイの仲間たちですわね……わたくしたちも負けていられませんわ!」



クラリスは民衆を守りながら、イッセイに静かに語りかける。

「――あなたと出会えて、わたくしは本当に強くなれた気がします。もし明日、何があっても……イッセイくんのこと、信じていますわ」



「クラリス……ありがとう。僕も、君たちを絶対に守るよ」



ルーナも不意に、イッセイの手をぎゅっと握った。



「こんな時こそ、笑顔でいなきゃダメだよ。イッセイくんのそばにいたら、どんなことでも乗り越えられる気がするんだ」



イッセイは二人の手をそっと重ねて握り、静かにうなずいた。







やがて魔道具の暴走は鎮圧され、闇ギルドの一部は衛兵たちによって捕らえられたが、ノワールとその黒幕は姿を消していた。



会場には、救護所と臨時の夜営が設けられ、仲間や市民たちが互いに支え合いながら長い夜を過ごしていた。



「明日が決勝なんて信じられない雰囲気だけど……でも、負けない」



イッセイは星空を見上げて、静かに心を燃やした。



クラリスはそっと寄り添い、ルーナはイッセイの肩に頭を乗せて、三人で夜風を感じる。



「きっと、私たちなら大丈夫ですわ」

「うん、だってイッセイくんの“物語”は、ここで終わりじゃないから」



微笑みあう三人。その隣で、仲間たちも静かにエールを送っていた。







そして夜が明ける――

すべての想いと絆を胸に、いよいよ決勝戦の幕が上がろうとしていた。
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