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第五章 冒険編 〜ハイエルフとの出会い
精霊の里の誓い
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エルフの里の広場には、かつてないほどの活気が満ちていた。
長老たちをはじめとするエルフの民が一堂に集まり、木々の間にかかる布と灯りが幻想的な雰囲気を作り出している。精霊たちの歌声が風に乗って響き渡り、祝福の宴は始まっていた。
「こんなに明るいエルフの里、はじめて見ましたにゃん」
ミュリルが目を輝かせて笑い、精霊酒の入ったグラスを片手にくるくると踊り出す。
「本当に綺麗……この風も、空気も、全部が生まれ変わったみたいですの」
クラリスがそっと微笑み、ルーナはその隣で「……でも、ちょっとだけ騒がしすぎるかも?」と困り顔を浮かべながらも、どこか楽しげだ。
そして、シャルロッテは里の中心に設けられた円卓のそばに立っていた。
精霊《シェイル=アルファリア》の加護を受けた彼女の存在は、里の民にとっても特別なものとなっていた。
そこへ、長老のひとり、白髪の女性エルフがゆっくりと近づいてくる。
「シャルロッテ。我らの里に、再び風が吹いたのは……まぎれもなく、お前のおかげじゃ」
「……皆さんのおかげです。私はただ、皆を守りたくて」
シャルロッテが控えめに頭を下げる。
「それでもよい。だが、精霊の加護を受けし者として……そなたには、これからの道を決める義務もある」
シャルロッテは一瞬言葉を失う。だが、その視線はすぐにイッセイの方へと向けられた。
宴の少し離れた場所で、イッセイは仲間たちと笑い合いながら、木の杯を傾けていた。
「イッセイさん……」
彼の背中を見つめるシャルロッテの胸には、昨日の戦いで芽生えた強い感情が渦巻いていた。助けてもらうだけではない。自分も、隣に立ちたい。共に、歩んでいきたい。
「わたし……決めました」
シャルロッテが口を開く。
「精霊の加護を受けた者として、そしてひとりの仲間として……彼らと共に旅に出たいと思います」
長老たちの間に静かな感嘆のささやきが広がった。
「この里を……離れるのか?」
「はい。皆さんが、もう心配ないと信じられるから。そして、今度は……外の世界で困っている人たちを、助けたい」
「……その心がある限り、お主はどこにいても我らの誇りじゃ。行くがよい。風の娘よ」
静かな祝福と共に、シャルロッテは深く頭を下げた。
その夜、イッセイたちは広場の端で静かに杯を交わしていた。
星空の下、焚き火の灯りが揺らめく中で、シャルロッテがそっと近づく。
「イッセイさん」
「ん? どうしたの、シャルロッテ」
「……あの、もし迷惑じゃなければ、私も……これから一緒に行ってもいいですか?」
少し緊張した面持ちで、シャルロッテが言葉を紡ぐ。
イッセイは一拍の間を置いてから、微笑んでうなずいた。
「もちろんだよ。君はもう、僕たちの大切な仲間だ」
その言葉に、シャルロッテの頬が赤らむ。
「よかった……ありがとうございます」
「むしろ、頼りにしてるよ。精霊の力も、君の勇気も」
「ふふ……がんばります。ぜったい、役に立ってみせますから」
それを少し離れたところで見ていたルーナとクラリスが、こっそりと耳打ちを交わす。
「クラリス、あれ、ちょっと距離近くない?」
「見ていて、心臓がむずむずしますわね……ですが、なんだか……可愛いですの」
「むう……イッセイくん、私だって、もっと甘えたいんだからっ」
それぞれが笑い合う中で、焚き火の炎がぱちぱちと音を立てた。
旅はもうすぐ、再び始まろうとしていた。
けれど、次に待ち受けるのは、これまでとはまた違う試練と、新たな出会い。
風が吹き抜ける森の中で、精霊たちのささやきが告げていた。
——次なる冒険の扉が、いま開かれようとしている。
長老たちをはじめとするエルフの民が一堂に集まり、木々の間にかかる布と灯りが幻想的な雰囲気を作り出している。精霊たちの歌声が風に乗って響き渡り、祝福の宴は始まっていた。
「こんなに明るいエルフの里、はじめて見ましたにゃん」
ミュリルが目を輝かせて笑い、精霊酒の入ったグラスを片手にくるくると踊り出す。
「本当に綺麗……この風も、空気も、全部が生まれ変わったみたいですの」
クラリスがそっと微笑み、ルーナはその隣で「……でも、ちょっとだけ騒がしすぎるかも?」と困り顔を浮かべながらも、どこか楽しげだ。
そして、シャルロッテは里の中心に設けられた円卓のそばに立っていた。
精霊《シェイル=アルファリア》の加護を受けた彼女の存在は、里の民にとっても特別なものとなっていた。
そこへ、長老のひとり、白髪の女性エルフがゆっくりと近づいてくる。
「シャルロッテ。我らの里に、再び風が吹いたのは……まぎれもなく、お前のおかげじゃ」
「……皆さんのおかげです。私はただ、皆を守りたくて」
シャルロッテが控えめに頭を下げる。
「それでもよい。だが、精霊の加護を受けし者として……そなたには、これからの道を決める義務もある」
シャルロッテは一瞬言葉を失う。だが、その視線はすぐにイッセイの方へと向けられた。
宴の少し離れた場所で、イッセイは仲間たちと笑い合いながら、木の杯を傾けていた。
「イッセイさん……」
彼の背中を見つめるシャルロッテの胸には、昨日の戦いで芽生えた強い感情が渦巻いていた。助けてもらうだけではない。自分も、隣に立ちたい。共に、歩んでいきたい。
「わたし……決めました」
シャルロッテが口を開く。
「精霊の加護を受けた者として、そしてひとりの仲間として……彼らと共に旅に出たいと思います」
長老たちの間に静かな感嘆のささやきが広がった。
「この里を……離れるのか?」
「はい。皆さんが、もう心配ないと信じられるから。そして、今度は……外の世界で困っている人たちを、助けたい」
「……その心がある限り、お主はどこにいても我らの誇りじゃ。行くがよい。風の娘よ」
静かな祝福と共に、シャルロッテは深く頭を下げた。
その夜、イッセイたちは広場の端で静かに杯を交わしていた。
星空の下、焚き火の灯りが揺らめく中で、シャルロッテがそっと近づく。
「イッセイさん」
「ん? どうしたの、シャルロッテ」
「……あの、もし迷惑じゃなければ、私も……これから一緒に行ってもいいですか?」
少し緊張した面持ちで、シャルロッテが言葉を紡ぐ。
イッセイは一拍の間を置いてから、微笑んでうなずいた。
「もちろんだよ。君はもう、僕たちの大切な仲間だ」
その言葉に、シャルロッテの頬が赤らむ。
「よかった……ありがとうございます」
「むしろ、頼りにしてるよ。精霊の力も、君の勇気も」
「ふふ……がんばります。ぜったい、役に立ってみせますから」
それを少し離れたところで見ていたルーナとクラリスが、こっそりと耳打ちを交わす。
「クラリス、あれ、ちょっと距離近くない?」
「見ていて、心臓がむずむずしますわね……ですが、なんだか……可愛いですの」
「むう……イッセイくん、私だって、もっと甘えたいんだからっ」
それぞれが笑い合う中で、焚き火の炎がぱちぱちと音を立てた。
旅はもうすぐ、再び始まろうとしていた。
けれど、次に待ち受けるのは、これまでとはまた違う試練と、新たな出会い。
風が吹き抜ける森の中で、精霊たちのささやきが告げていた。
——次なる冒険の扉が、いま開かれようとしている。
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