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第七章 王都の休日
フィーナ編「白銀の理と泡の奇跡」
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王都の一角、魔導学院の分校棟。
アーチ状の高窓から朝日が差し込むなか、白銀の髪を揺らした少女――フィーナは、魔道具研究室の扉をノックした。
「失礼するウサ。研究見学をお願いしたいウサ」
部屋の中では、論文と試作機が所狭しと並び、眼鏡をかけた学者たちが黙々と文献に目を通していた。
無機質な視線が、ピンクのローブ姿のフィーナに一斉に注がれる。
「……こちらは学術関係者以外の立ち入りは――」
「古代魔導具について、少し調べたいことがあるウサ。あと……これも見てもらいたいウサ」
フィーナは、リリィと協力して開発中の『気泡式入浴魔道石』を取り出した。
宝石のような輝きを持つその石は、湯に入れると細かく泡立ち、温熱と癒しの魔力を放出する。
「これは……界面魔力を利用した気泡拡散型……いや、これは応用魔術の……!」
学者たちはざわつき始めた。
やがて最年長の研究主任が石を手に取り、目を細めた。
「発想は奇抜だが、実用性がある。君が開発者かね?」
「うん、可愛いと便利は両立するウサ! 美は正義、癒しは論理ウサ!」
場が静まりかえる。
だが次の瞬間、一人の若手研究員が吹き出した。
「……ぷっ、論理に癒し……? いや、逆に面白いぞこれ!」
フィーナの情熱とプレゼンが学者たちを巻き込み、白熱したディスカッションが始まる。
「この魔道石の構造はどうなっている?」「魔力の流動安定化にはどんな結晶を?」
「ふわふわの泡を作るのに、どれだけの魔力計算したと思ってるウサ! ねばねば成分とシュワシュワ成分の絶妙なバランスが……」
フィーナは懸命に語り、図解とメモを広げながら説明を続けた。
──数刻後。
研究主任は、フィーナの肩に手を置いた。
「君の発明、正式に論文として魔導学院で取り上げたい。願わくば、我々の研究員としても力を貸してほしい」
「本当ウサか!? ……でも、旅があるウサ。今はまだ、立ち止まれないウサ」
「ならば、この研究室は君の第二の拠点だ。旅の途中でも、発想が生まれたら戻ってきなさい」
「わかったウサ!」
──研究棟の外。
夕暮れの中、フィーナは小さく伸びをした。
「ふわふわの泡が、誰かの疲れをとるなら……それって、すごく素敵なことウサ」
彼女の目は、まっすぐ明日を見据えていた。
可愛いも、便利も、癒しも、全部を届ける魔法技術を。
泡と魔力、ふわふわは正義ウサ!
そう胸に刻んで、フィーナは歩き出した。
彼女の後ろで、魔導学院の塔がやさしく灯をともしていた。
アーチ状の高窓から朝日が差し込むなか、白銀の髪を揺らした少女――フィーナは、魔道具研究室の扉をノックした。
「失礼するウサ。研究見学をお願いしたいウサ」
部屋の中では、論文と試作機が所狭しと並び、眼鏡をかけた学者たちが黙々と文献に目を通していた。
無機質な視線が、ピンクのローブ姿のフィーナに一斉に注がれる。
「……こちらは学術関係者以外の立ち入りは――」
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宝石のような輝きを持つその石は、湯に入れると細かく泡立ち、温熱と癒しの魔力を放出する。
「これは……界面魔力を利用した気泡拡散型……いや、これは応用魔術の……!」
学者たちはざわつき始めた。
やがて最年長の研究主任が石を手に取り、目を細めた。
「発想は奇抜だが、実用性がある。君が開発者かね?」
「うん、可愛いと便利は両立するウサ! 美は正義、癒しは論理ウサ!」
場が静まりかえる。
だが次の瞬間、一人の若手研究員が吹き出した。
「……ぷっ、論理に癒し……? いや、逆に面白いぞこれ!」
フィーナの情熱とプレゼンが学者たちを巻き込み、白熱したディスカッションが始まる。
「この魔道石の構造はどうなっている?」「魔力の流動安定化にはどんな結晶を?」
「ふわふわの泡を作るのに、どれだけの魔力計算したと思ってるウサ! ねばねば成分とシュワシュワ成分の絶妙なバランスが……」
フィーナは懸命に語り、図解とメモを広げながら説明を続けた。
──数刻後。
研究主任は、フィーナの肩に手を置いた。
「君の発明、正式に論文として魔導学院で取り上げたい。願わくば、我々の研究員としても力を貸してほしい」
「本当ウサか!? ……でも、旅があるウサ。今はまだ、立ち止まれないウサ」
「ならば、この研究室は君の第二の拠点だ。旅の途中でも、発想が生まれたら戻ってきなさい」
「わかったウサ!」
──研究棟の外。
夕暮れの中、フィーナは小さく伸びをした。
「ふわふわの泡が、誰かの疲れをとるなら……それって、すごく素敵なことウサ」
彼女の目は、まっすぐ明日を見据えていた。
可愛いも、便利も、癒しも、全部を届ける魔法技術を。
泡と魔力、ふわふわは正義ウサ!
そう胸に刻んで、フィーナは歩き出した。
彼女の後ろで、魔導学院の塔がやさしく灯をともしていた。
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