『転生悪役令嬢、スライムで世界を変える』 ~追放先で見つけたヌルヌルが産業革命を巻き起こしました~

のびすけ。

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スピンオフ短編 『ぷに小学校の日常』

ぷにの芽吹く教室

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これは、女王ティアナが建国した「ぷるぷる共存国」で、新しい時代を生きる子供たちの、ささやかできらきらした日常の物語。

【舞台紹介】王立ぷに小学校とは?

女王ティアナの発案で設立された、世界初の“スライム共生型”初等教育機関。

人間の子供とスライムが1対1で「生涯の相棒(バディ)」となり、共に通学する。

国語では「ぷに語」の感情表現を学び、算数ではスライムの体積計算を行い、体育では「ぷにリレー」で弾力性を競う。

校則第一条:「相棒のスライムを忘れた者は、相棒が寂しがるので登校を禁ず」。

給食には、もちろん「本日もぷにぷにゼリーあります」。

【登場人物】

マナ(小学3年生): 元気いっぱいの女の子。初対面の相手への挨拶は「あなたの相棒、ぷにってみていい?」。相棒は、もこもこの毛が生えた変種スライム「モコ」。

ルイ(小学3年生): クールな文学少年。スライムの心の声が“詩”として聞こえる特殊な才能の持ち主。相棒は、少しだけ闇属性で中二病な言動をする「クロ」。

ティナ先生: ぷに小学校の初代教師の一人。女王ティアナを心から敬愛しており、その思想を受け継ぐ熱血ぷにマスター。「人生のだいたいは、弾力で解決できます」が口癖。

【第1話:転校生は、液体でした】

ある晴れた日の朝の会。ティナ先生が、にこにこしながら言った。
「みなさーん、今日は新しいお友達を紹介します。さあ、入ってきて!」
教室のドアが、ぷにん、と音を立てて開く。
そこに立っていたのは──人間の女の子、ではなかった。ぷるぷると揺れる、液体そのもののかたまりだった。

マナ「え、本体がスライム!?」
ルイ「……逆説的だが、新しい存在の形だ」

液体は、器用に形を変えて少女の姿になると、はにかみながらお辞儀をした。
『な、ナナ・スライムリアです……。よ、よろしく、お願いします……ぷにっ』

スライムそのものが生徒としてやってきたことに驚く一同だったが、ナナの特技「疲れているお友達のために、ふかふかの椅子に変身して背中を支える」がきっかけで、一気にクラスの人気者になった。

【第2話:ぷに体育祭は、優しさの戦い】

ぷに小学校の一大イベント、体育祭!
目玉競技は、三人一組で行う「スライム騎馬戦」。ただし、ルールが少し変わっている。相手の騎馬を倒すのではなく、「相手の相棒スライムを、どちらがより気持ちよくマッサージできるか」で勝敗が決まるのだ。

マナ「いっけー! モコ、秘技・もこもこマッサージ!」
モコ『ぷにぃーー!(騎馬になっているルイの相棒クロを、優しく揉みほぐす)』
ルイ「クロ、詠唱開始だ」
クロ『我が深淵の粘体よ、かの者に至高の癒しを与えよ──!』
ティナ先生「ルイ君、だから詠唱は禁止ですってば!」

勝っても負けても、全員のスライムがぷるぷるに癒される。それが、ぷに小学校の体育祭だった。

【第3話:スライムとケンカした日】

ある日、マナはモコと大ゲンカをした。
「もう知らない! モコのぷにぷになんて、大っ嫌い!」
些細なことがきっかけだった。マナがそう叫ぶと、モコは悲しそうにぷるりと一度震え、家を飛び出してしまった。

その夜。
マナが一人でベッドで泣いていると、窓からそっとモコが戻ってきた。
そして、カーペットの上で、自分の身体を使って、一生懸命に何かを描き始めた。
それは、ぷるぷるとした、温かい文字だった。

『ごめんね』

マナ「……うわ、ずるい。そんなの、反則じゃない……」
マナはモコを抱きしめて、声を上げて泣いた。
その日から、マナは誰よりも、自分の相棒を大切にするようになった。

【第4話:卒業ぷに式と、一生の約束】

やがて、卒業の日がやってきた。
生徒たちは、それぞれの相棒スライムと共に、卒業証書を受け取る。
最後に、ティナ先生が涙をこらえながら、生徒たちに語りかけた。

「あなたたちと、あなたたちの相棒は、一生のパートナーです。これから先、嬉しい時も、悲しい時も、どうか、そのぷにぷにした繋がりを忘れないでください。柔らかい心を失わなければ、人は何度でも立ち上がれます」

式が終わり、マナはモコの身体に顔をうずめた。
「……ねぇ、卒業しても、ずっと隣にいてくれる?」
モコは言葉を話さない。けれど、マナを包み込むように、今までで一番優しく、温かく、ぷるりと震えた。
スライムは涙を流さない。でもきっと、その心は、誰よりも温かい涙で満たされていた。

【エピローグ:未来のぷにマスターたち】

数年後。
マナは、スライムの治癒能力を研究する、世界的な医療研究者になった。
ルイは、スライムの心を詩で表現する、ベストセラーのぷに文学作家になった。
そしてナナは、史上初のスライム議員として、人間とスライムの共存のために活躍している。

彼らは大人になっても、時々ティナ先生の家に集まっては、「ぷにっとしたおやつ」を囲んで、あの頃のように笑い合っているという。

――ぷにが、直接世界を変えることはないのかもしれない。
でも、誰かの心を、ぷにっと温かくすることは、きっとできる。
未来の種は、今日もぷにの芽吹く教室で、すくすくと育っている。
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