『転生悪役令嬢、スライムで世界を変える』 ~追放先で見つけたヌルヌルが産業革命を巻き起こしました~

のびすけ。

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第三部 ぷるぷる銀河航海記

幕間 ぷるぷる英雄列伝(そして、いくつかの黒歴史)

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銀河中に“ぷに”の温もりを届け、私たちのぷるぷる共存国が、ついに宇宙の一員として認められてから数ヶ月。
私は女王として、歴史上初の「ぷるぷる王国公式白書」の編纂作業に追われていた。インタビュアーは、報道局長となったノエル君だ。

「それでは陛下。我が国の成り立ちを後世に正しく伝えるため、女王陛下とその仲間たち――“ぷるぷるの英雄”の肖像を、改めて記録させていただきたく思います」
「英雄だなんて、大げさよ。私たちはただ、ぷるぷるが好きな変人の集まりなだけだもの」

私は苦笑しながら、最初のページをめくった。そこには、凛々しく(そして少しだけふてぶてしく)描かれた、私自身の肖像画があった。

■ティアナ=エルゼ=ヴァルフェンベルク

**【役職】**ぷるぷる共存国・初代女王 兼 ぷにぷに枢機卿
**【特技】**商才、演説、即興での無茶振り、スライムへの無限の愛
**【ぷに適応度】**SSS(もはや、ぷにの化身)

【裏エピソード:スカートクラッシャー・ティアナ事件】

ノエル「えーと、陛下。資料によりますと、まだ辺境の村で活動されていた頃、『貴族界では“スカートクラッシャー・ティアナ”の異名で呼ばれていた』とありますが……これは?」
「……ッ!? なんでその黒歴史を掘り起こすのよ!?」

あれは、私がスライム保湿ジェルの応用を研究していた頃のこと。王都の茶会に潜入し、新開発した「スタイルアップ&潤いぷにクリーム」を令嬢たちに試供品として配ったのだ。
塗ると肌が引き締まり、ドレスのラインが美しくなるという画期的な製品……のはずだった。

しかし、計算を誤った。ぷにの持つ驚異的な“伸縮率”を。
クリームの引き締め効果は、ドレスの生地の耐久度を遥かに超えていたのだ。
結果、茶会のクライマックスで、令嬢たちのドレスの腰回りが、**「ビリッ!」「パァン!」**という小気味良い音と共に、次々と弾け飛んだ。
阿鼻叫喚の地獄絵図の中、わたくしはそっとその場を後にした。ええ、もちろん犯人だとバレましたとも。

「……ぷにが、想定よりぷにぷにしすぎただけなのよ! 事故よ、事故!」
「……記録には、そう残しておきますッス」

■スリィ

**【役職】】**ぷるぷる共存国・宰相 兼 女王陛下の最後の伴侶(自称)
**【能力】**超絶技巧ツッコミ、超高性能思考、無限変形、女王陛下への絶対的な忠誠
**【正体】**古代ぷに生命体の超進化体(……ということが最近判明した)

【裏エピソード:ゴミ箱から生まれた宰相】

「スリィの出自については、今でも謎が多いのよね」
『私の原点は、非常にシンプルですよ』

スリィの記憶によれば、彼の“始まり”は、王都の魔道実験施設の、大きなゴミ箱の中だったらしい。
彼は、名もなき、ただの実験用スライムだった。
だが、そのゴミ箱には、失敗作の魔法薬や、解読不能とされた古代魔導書の切れ端、そして、伝説級の魔石の削りカスなどが、無造作に捨てられていた。
彼は、ただ“お腹が空いていた”から、それらを全部、吸収した。

結果、彼の内部で、奇跡としか言いようのない化学反応と魔力融合が発生。
知性と、人格と、そして、無限の可能性が、その小さなぷるぷるの中に、生まれたのだ。

『私が最初に覚えた感情は“孤独”でした。次に覚えたのは“退屈”。そして、ティアナ様と出会い、初めて“温かい”という感情を知ったのです』
「……スリィ……」

普段は聞けない彼の独白に、胸がキュッとなる。彼はただの便利なスライムじゃない。ゴミ箱の暗闇の中から、私を見つけ出してくれた、かけがえのない存在なのだ。

■その他、愉快な仲間たち

ルフ博士(科学局長): かつて、好奇心だけでぷに反重力粒子を開発し、研究所ごと月まで吹っ飛ばしたことがある。現在の月面基地「ぷにルナベース」は、その事故の跡地に建てられたものである。「科学に失敗はない! あるのは、加速と飛躍と、ちょっとしたぷにリスクだけだよーん!」とは本人の弁。

ノエル(内政大臣代理): 王都にいた頃、あまりの人の好さから「ぷに教」の勧誘員にスカウトされたことがある。「ご一緒に“ぷに”を信じ、心をとろけさせませんか?」という勧誘に対し、「その教義、ツッコミどころしかありませんが、まず資料をいただけますか?」と冷静に返答。その的確な判断力と情報処理能力が、後にティアナに買われることになる。

リムナ(女王付筆頭騎士): 幼少期、偶然拾ったスリィの分裂片を「可愛い!」という理由だけで育てていたら、家中がぷにまみれになり、村がぷるぷるで埋め尽くされ、一週間休業に追い込んだ過去を持つ。だが、その献身的な愛により、スリィから正式に“ぷに認定”を受けた、唯一の一般人である。

シャルロッテ(文化大臣): 祖父の代から「ぷには害悪」と教えられて育った、生粋のアンチぷに令嬢だった。しかし、修学旅行先で、友人に突き飛ばされて偶然“ぷに風呂”に落下。その瞬間、全身を包む至高の癒しに「こ、これが……天国……!」と開眼。それ以来、「全ての文化にぷにを融合させるべし!」と唱える、最も過激なぷに改革派に転身した。

「……こうして見ると、まともな経歴の人が一人もいないわね、うちの国」
「それが、我が国の多様性と強みですッス!」

ノエルとのインタビューが終わり、夜の執務室で、私は一人、今日の記録を読み返していた。
そこへ、スリィがそっと寄り添ってくる。

「ねぇ、スリィ。わたくし、本当に“ぷにの女王”なんて、大役が務まっているのかしら。時々、不安になるわ」
『誰がどう決めるものでもありません。ですが……』

スリィは、私の頬に、その身体を優しくすり寄せた。

『貴女が“ぷにを必要とする誰かに、その温もりを届けたい”と願う限り――それはもう、“神”と呼ばれるに等しい、尊い行いだと、私は思います』
「……ふふっ。あなたって、本当に、わたくしの一番の理解者ね」

私たちがそうして、穏やかな時間を過ごしていた、その時だった。
執務室の空間が、ぐにゃり、と歪んだ。
そして、目の前に、今まで見たこともない、幾何学模様の魔法陣が、輝きながら浮かび上がった。

「な、何これ……!?」
『……強烈な次元干渉波です! ティアナ様、お下がりください! これは、私たちの宇宙とは異なる、別次元からの……“召喚術”です!』

魔法陣が、眩い光を放ち、私とスリィの身体を包み込む。
私たちのぷるぷるな冒険は、どうやら、宇宙の果てすらも飛び越えて、次のステージへと、強制的に引きずり込まれようとしていた。
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