イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。

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第14章『マイクラ結婚式、開幕です!?配信中にプロポーズされちゃった件』

アンケート、開票――まさかの結果に涙がこぼれる

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夜々の高らかな宣言とともに、配信画面に視聴者投票ページが表示される。

候補者は5人+1。

《ひより/メグ/みなと/るる/いのり/そして、夜々自身》

そう、当初は司会ポジだった夜々が、ちゃっかり花嫁候補にエントリーしていたのだ。



「だってぇ~、式場建てたの、私よ? 自分で建てて自分で主役やるって、夢じゃない?」



「それ、職権乱用って言うんだぞ……!」



レイは嘆息しつつも、もう止められないことは悟っていた。

コメント欄も既にヒートアップ。



《推しに入れるしかない》《推し以外の花嫁は認めない》《いやガチで選べない》《いのり様…神託ください!》《るるのドレス強すぎ》《ひよりがんばれええ》《夜々さん出てきたら無理ゲー》



そしてついに、リアルタイムランキングが動き出す。



画面上にバーが伸び、名前と票数が刻一刻と変化する。

チャット欄もコメントビュワーもバグったかのように流れ続ける中、レイはぽつりと呟いた。



「なんかもう、花嫁ってより、戦場の実況してる気分なんだけど……」



「ご覧ください、こちら現場はハートの嵐です!」

夜々がテンション高く叫びながら、式場中央に立つ。

その背後では、花嫁候補たちがコメントと数字の波に揺れながら、それぞれの画面で一喜一憂していた。



みなと:「……え、私、2位……? なんで……こんな……」

メグ:「ひより、ちょっとヤバいよ!? バーが見えないレベルで短い!!」

いのり:「…………神が、お怒りです……(震え声)」

るる:「どきどきして、手が震えて……もうクラフトできない……」

ひより:「うう……わたしのが、最下位……?」



レイの画面にひよりの建築した“兄妹新婚部屋”が映る。

一つ一つのブロックに込めた彼女の愛情が、痛いほど伝わってくるのに。

数字は、無情だった。



コメント欄は一気にざわめいた。



《え、ひより最下位!?》《なんで!?》《可愛いのに》《兄妹ってだけで不利なの?》《ひよりちゃん泣いちゃうよこれ……》



「これ、やばくないか……?」

レイが顔をしかめる。その隣で夜々も眉をひそめた。



「うーん、ちょっと荒れてきたわね……」



夜々が画面操作をし、コメント欄の流れを緩める。

場を落ち着かせるため、エンディングへと移行する構えだった。



「というわけで、結果発表~~!! 栄えある第1位は……っ!」



《夜々さーーーーん!!》《夜々無双きたーーー》《チャペル建てた人が勝つ世界》



「はいっ♡ 私でーす♡ やったねっ♡」

夜々がドヤ顔で両手を挙げると、画面に自作チャペルの全景が映し出される。



「でもぉ~、みんな本当に素敵な花嫁候補でした♡ だから今回は、やさしいエンディングにしましょう!」



その一言で、レイの画面が夕暮れの村に切り替わる。

それぞれの建築が金色の光を浴びて、美しく輝く。



「このLinkLive村には、それぞれの想いが詰まってる。

たとえ数字では表せなくても、画面の向こうにいる“あなた”に、届いてたなら……それがいちばん大事なんじゃないかなって」



レイのセリフにコメント欄が一瞬だけ止まる。



《泣いた》《それな》《イケボでこういうこと言うのずるい》《尊い》《数字だけじゃないんだよな……》



だが――

配信のエンディング画面が流れた、その直後。



ディスコードの裏チャットに、一行だけ、通知が来た。



《ひより:……ごめんね。やっぱり私、“妹”だからだよね》



小さくて、震えるような文字だった。



レイの胸に、かすかな痛みが走る。

気のせいか、彼女のアイコンの輪郭が、いつもより淡く見えた。



それに続いて、他のメンバーのチャットが流れていく。



《みなと:……数字じゃないって思ってても、やっぱり……ちょっと、こたえるね》



《メグ:ひより、泣くなー! アタシが投票しまくったるわー!って、もう遅いか……》



《いのり:神も……妹属性に手を差し伸べるべきだと思います……》



《るる:ひよりちゃん、るると一緒にチョコ食べよ? 甘いの食べたら泣き止むって信じてる》



誰もが優しくて、でも少し傷ついていて、

このイベントが**「ガチすぎた」**ことを、無言で共有していた。



レイはスマホを握りしめ、ひよりのチャット欄にだけ、そっと文字を打ち込む。



《レイ:オレは、ちゃんと届いてたよ。ひよりの気持ち。声でわかった》



……既読にならない。



それでも、彼は信じていた。

画面越しでも、伝わる想いは、きっとあると。



翌日の配信サムネイルはこう表示された。



《LinkLive村で、もう一度――声を届けにいく》
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