118 / 177
第16章「夏だ!水着だ!リンクライブ撮影会♥」
プロローグ『ようこそ、灼熱のリンクライブビーチへ!』
しおりを挟む
「──それでは、発表します。“夏のLinkLiveスペシャル企画”、今回の目玉は……こちらですっ!」
事務所のミーティングルームにて、神代カオルマネージャーがリモコンを操作し、スクリーンにスライドを映し出す。
真夏の青空、白い砂浜、きらめく海。そしてその中央には、“水着姿のVtuberたち”がファンサービス中のVRビーチ空間が堂々表示されていた。
全員、一瞬、沈黙。
「……は?」
「いやいやいやいやいや!? 何ですかこれ!?」
真っ先に声を上げたのは、不知火夜々。事務所の看板お姉さんVにして、毒舌系の筆頭。
「ちょっと、カオル。私たちのアバター、これどう見ても……その、攻めすぎじゃない?」
「ふふ、ナチュラルに流してるけど、“水着撮影会”って書いてありますよ!? “夏限定アバターでポージング対応”って、まさか……あのポーズとかも!?」
焦りながらもメモを取るのは、事務所準所属の葛城メグ。V志望の見習いであり、ガチオタ寄りの技術担当。
「これはあれだよ、きっと。夏の恒例イベントってやつ!」
ノリノリで目を輝かせているのは、橘いのり。最年少メンバーながら、破壊力ある言動でたびたび炎上しかける“問題児”V。
一方、真白みなとは冷静そのもの。
「……で、それって誰のアイデアなんですか?」
「視聴者アンケートですね。『水着アバター、見てみたいですか?』って聞いたら、98%が“Yes”だったので」
軽く笑いながらそう言ったのは、今回の発案者にして全責任者、神代カオルその人。
「おいぃぃぃぃっ!? 98%!? どうせサブ垢使ってるでしょ!?」
立ち上がって食ってかかるのは、ひより……ではなく、《ひよこまる♪》の“中の人”であるコウ。
妹に代わってひよこまるを演じる身として、どうしても気が抜けない案件だ。
「……あの、カオルさん?」
ぽそりと声を上げたのは、当の《ひよこまる♪》。中身は天城ひより、高校一年生。
彼女は、小さな声で──けれど震えるように言った。
「お兄ちゃんに……水着姿、見られるのは、ちょっと……」
その声に、場が凍る。
全員が、一斉に視線をコウに向けた。
「……え? 俺?」
「うわ、最低だわ。ひよりちゃんに見せたくないって言わせるとか……」
「これはもう“エモ怒り案件”ですねぇ……」
「キモい。シンプルにキモい」
「お兄ちゃんのくせに、ロリビキニに動揺しちゃうタイプなんだ……ふぅん?」
「待て待て待て!! 今の流れおかしいからな!? 俺、何も言ってないからな!?」
ぐわんぐわんと揺れる空気のなか、ひよりだけがそっとつぶやいた。
「……あ、わたしが悪かったのかも。ごめんね、お兄ちゃん」
「いやいやいやいや、そうなると俺がさらに悪者になるだろ!?」
「ふふ、兄妹って、素敵ですね~」
遠い目で呟いたのは白瀬るる。別事務所ながら、合同イベントで参加中のVだ。猫耳フードのパーカーを被って、眠そうに椅子に沈み込んでいる。
「……ちなみに、水着は自分で選べるんでしょうか?」
「うん。基本は“ファンが選んだ3案”からチョイス。でも最終調整は本人と協議で決めようと思ってるよ。ちゃんと“武器”を活かす方向で」
「武器……?」
「そう、魅力のね」
カオルはさらっと言って、スライドを切り替える。
【夜々 → グラマラス&挑発系ハイレグ】
【メグ → うっかり脱げるラッシュガード】
【みなと → スポーティ元気系フリル】
【ひより → ピュアホワイトの王道妹系ビキニ】
【るる → パレオ+猫耳+あざとフード】
【いのり → スク水風……だけど透ける】
──全員、思わず立ち上がった。
「透けるって何!?」
「“うっかり脱げる”ってどゆこと!?」
「え、逆に私だけ普通すぎない!? もっとバズるやつないの!?」
「……夜々先輩のは、“挑発系”じゃなくて“敗北者系”では……?」
「にゃあ!? るるの“あざとフード”は外せないにゃ!!」
「お兄ちゃんが見てる前でスク水透けたら……しぬ……」
大混乱の打ち合わせ室。
カオルはスライドを戻して、最後にこう言った。
「とりあえず、明日には実装テストに入るから。それまでに“各自、ポージング練習”よろしくね?」
──そして、その日。
LinkLive事務所は、**あらゆるポーズと照れの叫びが飛び交う“夏のレッスン地獄”**と化したのであった。
事務所のミーティングルームにて、神代カオルマネージャーがリモコンを操作し、スクリーンにスライドを映し出す。
真夏の青空、白い砂浜、きらめく海。そしてその中央には、“水着姿のVtuberたち”がファンサービス中のVRビーチ空間が堂々表示されていた。
全員、一瞬、沈黙。
「……は?」
「いやいやいやいやいや!? 何ですかこれ!?」
真っ先に声を上げたのは、不知火夜々。事務所の看板お姉さんVにして、毒舌系の筆頭。
「ちょっと、カオル。私たちのアバター、これどう見ても……その、攻めすぎじゃない?」
「ふふ、ナチュラルに流してるけど、“水着撮影会”って書いてありますよ!? “夏限定アバターでポージング対応”って、まさか……あのポーズとかも!?」
焦りながらもメモを取るのは、事務所準所属の葛城メグ。V志望の見習いであり、ガチオタ寄りの技術担当。
「これはあれだよ、きっと。夏の恒例イベントってやつ!」
ノリノリで目を輝かせているのは、橘いのり。最年少メンバーながら、破壊力ある言動でたびたび炎上しかける“問題児”V。
一方、真白みなとは冷静そのもの。
「……で、それって誰のアイデアなんですか?」
「視聴者アンケートですね。『水着アバター、見てみたいですか?』って聞いたら、98%が“Yes”だったので」
軽く笑いながらそう言ったのは、今回の発案者にして全責任者、神代カオルその人。
「おいぃぃぃぃっ!? 98%!? どうせサブ垢使ってるでしょ!?」
立ち上がって食ってかかるのは、ひより……ではなく、《ひよこまる♪》の“中の人”であるコウ。
妹に代わってひよこまるを演じる身として、どうしても気が抜けない案件だ。
「……あの、カオルさん?」
ぽそりと声を上げたのは、当の《ひよこまる♪》。中身は天城ひより、高校一年生。
彼女は、小さな声で──けれど震えるように言った。
「お兄ちゃんに……水着姿、見られるのは、ちょっと……」
その声に、場が凍る。
全員が、一斉に視線をコウに向けた。
「……え? 俺?」
「うわ、最低だわ。ひよりちゃんに見せたくないって言わせるとか……」
「これはもう“エモ怒り案件”ですねぇ……」
「キモい。シンプルにキモい」
「お兄ちゃんのくせに、ロリビキニに動揺しちゃうタイプなんだ……ふぅん?」
「待て待て待て!! 今の流れおかしいからな!? 俺、何も言ってないからな!?」
ぐわんぐわんと揺れる空気のなか、ひよりだけがそっとつぶやいた。
「……あ、わたしが悪かったのかも。ごめんね、お兄ちゃん」
「いやいやいやいや、そうなると俺がさらに悪者になるだろ!?」
「ふふ、兄妹って、素敵ですね~」
遠い目で呟いたのは白瀬るる。別事務所ながら、合同イベントで参加中のVだ。猫耳フードのパーカーを被って、眠そうに椅子に沈み込んでいる。
「……ちなみに、水着は自分で選べるんでしょうか?」
「うん。基本は“ファンが選んだ3案”からチョイス。でも最終調整は本人と協議で決めようと思ってるよ。ちゃんと“武器”を活かす方向で」
「武器……?」
「そう、魅力のね」
カオルはさらっと言って、スライドを切り替える。
【夜々 → グラマラス&挑発系ハイレグ】
【メグ → うっかり脱げるラッシュガード】
【みなと → スポーティ元気系フリル】
【ひより → ピュアホワイトの王道妹系ビキニ】
【るる → パレオ+猫耳+あざとフード】
【いのり → スク水風……だけど透ける】
──全員、思わず立ち上がった。
「透けるって何!?」
「“うっかり脱げる”ってどゆこと!?」
「え、逆に私だけ普通すぎない!? もっとバズるやつないの!?」
「……夜々先輩のは、“挑発系”じゃなくて“敗北者系”では……?」
「にゃあ!? るるの“あざとフード”は外せないにゃ!!」
「お兄ちゃんが見てる前でスク水透けたら……しぬ……」
大混乱の打ち合わせ室。
カオルはスライドを戻して、最後にこう言った。
「とりあえず、明日には実装テストに入るから。それまでに“各自、ポージング練習”よろしくね?」
──そして、その日。
LinkLive事務所は、**あらゆるポーズと照れの叫びが飛び交う“夏のレッスン地獄”**と化したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる