37 / 177
第6章『イケボ男子とお嬢様V?ドキドキ即興コラボ朗読劇!』
エピローグ『兄と妹とイケボと――修羅場配信、その余波』
しおりを挟む
──配信翌日。
LinkLive事務所の休憩室は、まるで嵐の通り過ぎたあとの静けさ――
……になるはずだった。
「……なあ、なんで俺、トレンド入りしてたんだ?」
ソファにもたれかかりながら、天城コウは疲れた声で呟いた。
「“イケボで崩壊してく男子”ってジャンル、最近伸びてるんだよ?」
コーヒー片手に答えたのは、月詠ルイ。
今日もいつものように涼しげな笑顔を浮かべている。……が、目元だけはほんのり笑っていなかった。
「いや、崩壊してたの“俺のメンタル”なんだけど!?」
「でも、バズったのは事実だし……いいじゃない。ほら、視聴者数、16万超えてたよ?」
「……現実から目を背けたい……」
頭を抱えるコウの前で、元凶(※義妹・15歳)がご機嫌にスイーツを頬張っていた。
「ん~♡ でもでもぉ、すっごく楽しかったでしょ? あれが……妹の愛ってやつですっ♡」
「お前が言うと、全然笑えねぇんだよ!」
「えー? ひよこまる、愛を叫んだだけだよぉ?」
「叫ぶな!全国配信で“膝枕強制”とか“お仕置き部屋”とか口走るなァ!」
\ガタッ/
突然、事務所の扉が開いた。
入ってきたのは神代カオルマネージャー。
頭にタオルを乗せ、眼鏡を外し、完全に“疲れ切った社会人モード”。
「はい、みんな反省タイム始めるよ。いやぁ、バズったよ。めっちゃバズった。でも、ギリだったからね!? 完全にバランスブレイカーだったからね!?」
「……ギリだったのは俺の心の安定です……」
「コウくん、むしろ君が一番イケてたってコメント多かったんだよ。
“追い詰められるイケボ男子最高”って。自覚して?」
「やだこの世界……」
「というわけで、次回からは――」
神代は無慈悲な笑顔で言い放つ。
「“台本、必ず守ること”。いいね?」
「その前に妹の自由すぎる口をなんとかしようよ……」
コウが涙目で訴える中、背後のモニターでは昨夜の配信が切り抜き編集されて再生されていた。
「レイくん、明日から私の部屋で寝てもらおっかな~♪」
「なんでそんなセリフ、アドリブで出せるの!?」
「……全部、愛してるからだよ♡」
\\\ドォン!!///
コウ:「やめろぉぉぉおおおお!!」
そして、その頃――
その“修羅場劇場”を遠巻きに見つめる者たちがいた。
◆不知火 夜々(年上・先輩V)──自宅/ベッドの上
スマホを横に寝転がりながら、昨夜の配信アーカイブを再生していた夜々は、にこりと微笑んだ。
「ふぅん……まぁ、盛り上がってたわよ。すごく。……でもレイくん、今までで一番楽しそうだったわね?」
その声色は柔らかく――けれど、ほんの少し“冷えていた”。
(……私、負ける気はしないけど)
◆真白みなと(無口系・技術担当)──自宅/風呂上がり・ソファ
髪をタオルで拭きながら、みなとはノートPCに向かい、映像編集ソフトを立ち上げていた。
「……台本崩壊。配信進行グラフ、破綻。
だが……視聴回数、通常比420%。……バズ。悪くない」
その手は迷いなく、《#神回》《#耳が溶けた》《#兄妹じゃね?》といったタグを映像に付けていく。
「……次は、自分の番。準備、完了」
◆葛城メグ(陽キャ・ギャル系V)──自宅/湯船の中
「いや~! マジ最高だったってあれ! ひよこまる、あれリアルに化け物♡」
泡まみれの湯船の中、スマホ片手に爆笑するメグ。
そして、ふと思いついたように呟いた。
「でもさ~……お兄ちゃん、次はアタシともやろ? “ギャルと先生”とかのシチュ、絶対ウケるっしょ♡」
その瞬間、彼女の脳内ではすでに新企画の企画書とハッシュタグが生成されていた。
──物語は、まだまだ終わらない。
静けさの中に火花が散る、“次の配信”という名の戦場へ――
そして、すべての元凶たる妹は言う。
「ねぇお兄ちゃん、“次の神回”、いつやる?♡」
コウの胃は、またひとつ、悲鳴をあげた――。
──To Be Continued.
LinkLive事務所の休憩室は、まるで嵐の通り過ぎたあとの静けさ――
……になるはずだった。
「……なあ、なんで俺、トレンド入りしてたんだ?」
ソファにもたれかかりながら、天城コウは疲れた声で呟いた。
「“イケボで崩壊してく男子”ってジャンル、最近伸びてるんだよ?」
コーヒー片手に答えたのは、月詠ルイ。
今日もいつものように涼しげな笑顔を浮かべている。……が、目元だけはほんのり笑っていなかった。
「いや、崩壊してたの“俺のメンタル”なんだけど!?」
「でも、バズったのは事実だし……いいじゃない。ほら、視聴者数、16万超えてたよ?」
「……現実から目を背けたい……」
頭を抱えるコウの前で、元凶(※義妹・15歳)がご機嫌にスイーツを頬張っていた。
「ん~♡ でもでもぉ、すっごく楽しかったでしょ? あれが……妹の愛ってやつですっ♡」
「お前が言うと、全然笑えねぇんだよ!」
「えー? ひよこまる、愛を叫んだだけだよぉ?」
「叫ぶな!全国配信で“膝枕強制”とか“お仕置き部屋”とか口走るなァ!」
\ガタッ/
突然、事務所の扉が開いた。
入ってきたのは神代カオルマネージャー。
頭にタオルを乗せ、眼鏡を外し、完全に“疲れ切った社会人モード”。
「はい、みんな反省タイム始めるよ。いやぁ、バズったよ。めっちゃバズった。でも、ギリだったからね!? 完全にバランスブレイカーだったからね!?」
「……ギリだったのは俺の心の安定です……」
「コウくん、むしろ君が一番イケてたってコメント多かったんだよ。
“追い詰められるイケボ男子最高”って。自覚して?」
「やだこの世界……」
「というわけで、次回からは――」
神代は無慈悲な笑顔で言い放つ。
「“台本、必ず守ること”。いいね?」
「その前に妹の自由すぎる口をなんとかしようよ……」
コウが涙目で訴える中、背後のモニターでは昨夜の配信が切り抜き編集されて再生されていた。
「レイくん、明日から私の部屋で寝てもらおっかな~♪」
「なんでそんなセリフ、アドリブで出せるの!?」
「……全部、愛してるからだよ♡」
\\\ドォン!!///
コウ:「やめろぉぉぉおおおお!!」
そして、その頃――
その“修羅場劇場”を遠巻きに見つめる者たちがいた。
◆不知火 夜々(年上・先輩V)──自宅/ベッドの上
スマホを横に寝転がりながら、昨夜の配信アーカイブを再生していた夜々は、にこりと微笑んだ。
「ふぅん……まぁ、盛り上がってたわよ。すごく。……でもレイくん、今までで一番楽しそうだったわね?」
その声色は柔らかく――けれど、ほんの少し“冷えていた”。
(……私、負ける気はしないけど)
◆真白みなと(無口系・技術担当)──自宅/風呂上がり・ソファ
髪をタオルで拭きながら、みなとはノートPCに向かい、映像編集ソフトを立ち上げていた。
「……台本崩壊。配信進行グラフ、破綻。
だが……視聴回数、通常比420%。……バズ。悪くない」
その手は迷いなく、《#神回》《#耳が溶けた》《#兄妹じゃね?》といったタグを映像に付けていく。
「……次は、自分の番。準備、完了」
◆葛城メグ(陽キャ・ギャル系V)──自宅/湯船の中
「いや~! マジ最高だったってあれ! ひよこまる、あれリアルに化け物♡」
泡まみれの湯船の中、スマホ片手に爆笑するメグ。
そして、ふと思いついたように呟いた。
「でもさ~……お兄ちゃん、次はアタシともやろ? “ギャルと先生”とかのシチュ、絶対ウケるっしょ♡」
その瞬間、彼女の脳内ではすでに新企画の企画書とハッシュタグが生成されていた。
──物語は、まだまだ終わらない。
静けさの中に火花が散る、“次の配信”という名の戦場へ――
そして、すべての元凶たる妹は言う。
「ねぇお兄ちゃん、“次の神回”、いつやる?♡」
コウの胃は、またひとつ、悲鳴をあげた――。
──To Be Continued.
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる