イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。

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第7章『《るる☆るん!》の初恋研究レポート』

『恋って……なに?――るる☆るん、真剣考察中!』

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「……はぁぁぁああ~~~~~っ」



パステルピンクのベッドに、うさぎクッションを抱きしめながら、思いっきりため息をついた。



部屋には、今日の原宿でもらったショップ袋が、ぽんぽんと転がっている。

スマホの画面は真っ暗。でも、通知ランプだけが、静かにまたたいてる。



(……なんで、あんなにドキドキするの?)



顔が、まだ熱い。胸の中が、ふわふわして落ち着かない。



楽しかったはずなのに――なのに、今のこの気持ちは、ちょっと違う。

スイーツを食べたあとの幸せとか、配信がうまくいった達成感とかじゃない。



“レイ”としてじゃなく、“コウさん”として接してくれた声。

あの低くて優しいトーンが、ずっと頭に残ってて。



(しかも、かっこよすぎた……)



一人で悶えていると、スマホの通知が一瞬光った。



《コウさん:今日はありがとう。機材の件、ちゃんと復旧できた?》



「……きたっ!!」



わたしは勢いよく起き上がって、即返信。



《るる:ばっちりですっ!!ほんとに助かりました……!今日の映像、神回になりそうです✨》



数秒後に返ってきた返信。



《コウさん:それはよかった。るるちゃん、ほんと頑張ってたね。構成もしっかりしてたし、コメントの間も上手いと思ったよ》



(やばっ……褒められた……っ!!)



また、心臓が跳ねる。

なにこれ……褒められただけなのに、呼吸が浅くなるってどういう現象……?



《るる:えへへ……そう言ってもらえると、ちょっと自信出ます》



すると、コウさんの方から提案が。



《コウさん:少しだけ通話、できる?打ち合わせ兼ねて、軽く話そう》



「…………っっ!!」



スマホを抱きしめながら、思いっきりベッドに突っ伏した。

声が、聞ける。あの、あの声が。



「し、心の準備っ……心の準備が……!」



慌てて、ヘッドセットをつける。

ディスコードの通話ボタンを押す指が、ふるふる震えてる。



――ピッ。



「……るるちゃん、聞こえる?」



「……っ、はいっ……ばっちり聞こえてますっ!」



声が、耳に届いた瞬間――



世界が、変わった。



脳の奥がじんってして、心臓が跳ねて、呼吸が止まりそうになる。

耳から入ってきた声が、直接胸の中心をノックしてきたみたいに。



(な、なにこれ……やば……本気で、やばい)



「よかった。緊張してた?」



「ちょ、ちょっとだけ……その、コウさんの声、めっちゃ落ち着くから……」



「そう言ってもらえると嬉しいな。じゃあ、本題いこうか」



そこからは、配信の構成の話とか、どんな風にファンと接してるかとか、結構まじめな内容だった。



でも、どんなに話してても――

コウさんの声だけは、わたしの心をずっとドクドク揺らしてて。



(こんなに、誰かの“声”で、気持ちが動くなんて……)



気づけばもう30分以上話していた。

名残惜しいけど、そろそろ終わりの時間。



「じゃ、今日はこのへんで。明日また連絡するね」



「……はいっ。今日は、ありがとうございました。すごく、楽しかったです……!」



「こっちこそ。おやすみ、るるちゃん」



「お、おやすみなさい……っ」



通話が切れた瞬間、わたしはもう、うわあああああってベッドに飛び込んだ。



「………………恋、かも………………いや、これは恋だ……!」



はじめての感情に、頭の中が爆発しそうになる。

理屈じゃ、全然整理できない。

天才って言われるこの脳みそが、まるで役に立たない。



「……やるしかない……分析だ。これはるる☆るん!の、れっきとした研究対象……!」



わたしは机に向かい、ノートを開いた。

表紙に大きく書いた。



《初恋研究ノート》



そして、最初の一文を、震える手で書きつけた。



『声を聞いただけで、心臓がきゅってなるのは、なぜ?』



その答えを探す旅が――いま、始まったんだ。
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