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第七章 聖騎士の初デートは、波乱の幕開け ~甘いお祭りの約束は、奈落の底へ~
約束のお祭りと、夜空の口づけ
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目の前で、601階層の番人であった、巨大なゴーレムが、轟音と共に崩れ落ちていく。
「…はぁ、はぁ…!」
「エレオノールさん、お疲れ様。見事な一撃だった」
翔太さまの、労いの言葉が、疲弊しきった私の身体に、温かく、沁み渡ります。
長かった…。
本当に、長い戦いでした。
奈落の底、700階層に堕とされてから、丸二日。
私たちは、ついに、転移阻害の結界が解ける、600階層まで、たどり着いたのです。
この二日間で、私のレベルは、信じられないほどに、上昇しました。
『大聖騎士(アークパラディン)』という、新たなジョブにも、ある程度、習熟することができた。
でも、それ以上に、得たものがあります。
それは、翔太さまとの、揺るぎない、絆。
「さあ、帰ろうか。みんな、心配している」
「はいっ!」
翔太さまのスキルで、眩い光に包まれる。
次に目を開けた時、私たちは、冒険者学校の、見慣れた訓練場の前に、立っていました。
時刻は、月曜日の、朝。
私たちが、生きて帰ってきたことに、気づいた、陽奈美さんたちが、涙を流しながら、駆け寄ってきてくれて、私たちの無事を、心から、喜んでくれました。
学校への報告を済ませた私たちは、特別に、三日間の安息日を、いただくことになりました。
◇
久しぶりに、屋敷の、薔薇の香りがする、広いお風呂に浸かりながら、私は、この三日間のことを、ぼうっと、振り返っておりました。
と、その時、脱衣所に置いていた、私のスマホが、軽やかな音を立てました。
画面に表示された、その名前に、私の心臓が、とくん、と、大きく跳ねます。 『翔太さま♡』
「は、はいっ! もしもし!」
慌てて、電話に出ると、受話器の向こうから、彼の、優しい声が聞こえてきました。
『やあ、エレオノールさん。身体は、もう大丈夫かい?』
「はい! 翔太さまのおかげで、完璧ですわ!」
『そっか、よかった。…あのさ、急で悪いんだけど、明後日、俺も休みだから、よかったら、出かけようか? この前の、お祭りの、埋め合わせ。…お泊まりで』
「え…」
『俺も、浴衣で行くから。よかったら、エレオノールさんも、浴衣で、来てくれないかな』
やった! やった…! やったあああああああ! 嬉しい…! 嬉しすぎますわ…! 私は、電話を切った後、バスローブ姿のまま、ベッドの上に、ばふんっ!とダイブして、枕に顔をうずめて、きゃあきゃあと、何度も、何度も、足をばたつかせてしまいました。
でーと…。
おとまり…。
頑張った、ご褒美…。
私は、うきうきと、この日のために用意していた、桔梗の花が描かれた、美しい浴衣を、クローゼットから、取り出します。
そして、それを、ぼうっと、眺めていました。
でも、はっと、我に返ります。
(いけません、エレオノール。また、浮かれて、翔太さまに、ご迷惑をおかけするわけには…)
(そうですわ。今度こそ、完璧に、彼を、エスコートしてさしあげるのです!)
私は、きゅっと、気を引き締め直しました。
でも、緩みきった、私の口元は、どうしても、にやにやと、幸せの形に、歪んでしまうのでした。
◇
デート当日。
待ち合わせは、浅草の『雷門』。
私は、約束の時間より、一時間も早く、着いてしまいました。
大きな、大きな、赤い提灯。
テレビでしか見たことのない、日本の文化。
その、圧倒的な迫力に、私は、ただただ、感動しておりました。
浴衣や、着物を着ている人も、たくさんいる。
ふと、気づくと、道ゆく人が、みんな、私のことを、ちらちらと、見ているような気がします。
(…なにか、おかしいのでしょうか…?)
今日の日のために、完璧に結い上げた、金色の髪。
そこにつけた、ガラスのかんざし。
そして、浴衣の下でも、隠しきれない、この、ボリュームのあるバスト(B90のEカップですのよ)。
翔太さまのことを、考えていたせいで、少しだけ、潤んで、憂いを帯びてしまった、表情。
その、全てが、完璧以上に、周囲の視線を集めていることに、この時の私は、全く、気づいていませんでした。
その時でした。人混みの向こうに、紺色の、粋な浴衣を着こなした、翔太さまの姿が、見えたのです! ああ、なんて、素敵なのかしら…! だんだんと、近づいてくる、翔太さま。
今にも、駆け出したい思いを、なんとか、抑えて、あと、五メートル…。
もう、だめ! 私が、思わず、駆け出してしまった、その時。
こつん、と、慣れない下駄が、石畳につまづいて、私の身体が、大きく、傾きました。
「きゃっ!」
でも、地面に叩きつけられる、衝撃は、ありませんでした。
代わりに、ふわりと、彼の、逞しい腕の中に、抱きしめられていたのです。
「お待たせ、エレオノールさん。…その浴衣、すごく、似合っているよ。綺麗だ」
「あ…♡」
「さあ、行こうか」
そう言って、彼が、差し出してくれた、大きな手。
私は、その手を、一生、離さないと、心に誓って、ぎゅっと、握り返しました。
◇
それからの時間は、もう、夢のようでした。
まず、私たちは、『浅草横町』という、お祭りみたいに、賑やかな場所で、美味しい、たこ焼きを、食べました。
「あーん」して、食べさせっこしたりして、もう、恥ずかしくて、でも、嬉しくて、たまりません。
次に、日本で一番古い遊園地、『花やしき』にも、行きました。
小さな、ジェットコースターに乗って、私は、柄にもなく、「きゃあああ!」と、叫んで、翔太さまの腕に、しがみついてしまいましたわ。
そして、『浅草寺』で、二人、並んで、お参りもしました。
私は、翔太さまの、これからのご武運と、そして、私たちの、この幸せな時間が、ずっと、
続きますように、と、心から、お祈りしました。
『仲見世通り』では、人の波に流されそうになる私を、翔太さまが、ずっと、手を引いて、守ってくれました。
デートは、本当に、楽しかった。
生まれてから、こんなふうに、誰かと、出かけたことは、ありませんでした。
デートも、もちろん、初めて。
夕方になり、日が落ちかけた頃、私たちは、スカイツリーの、展望台に、登りました。
夕焼けの、燃えるようなオレンジ色が、だんだんと、深い藍色に変わり、街に、一つ、また一つと、光が灯っていく。
その、息を呑むほど、美しい景色を、私たちは、手を繋ぎながら、ずっと、二人で、見ていました。
ふと、彼の、その美しい横顔を、見ようと、横を向いたら、翔太さまも、ちょうど、私のことを見ようとしていました。
目が、合って、二人で、ふふっと、笑い合う。
そして、どちらからともなく、吸い寄せられるように、きらきらと輝く、東京の夜景を、背景に、キスを、しました。
「…デート、楽しかったかい?」
「…はいっ! 人生で、一番、幸せな一日でしたわ…!」
「そっか。よかった」
翔太さまは、そう言うと、私の耳元で、囁きました。
「夜のデートも、楽しみにしててね」
その、低い、甘い声。
その瞬間、私の頭の中で、何かが、ぷつん、と、切り替わる音がした気がしました。
今日一日、ずっと、ふわふわ、きゃっきゃしていた、『少女』のスイッチが、オフになって、彼の、その一言で、とろとろに、じゅくじゅくに熟れた、『女』のスイッチが、オンに、なったのです。
私の目が、自分でもわかるくらい、とろり、と、熱を持って、蕩けていくのを、感じました。
◇
浅草駅から、徒歩三分。
私たちは、『MIMARU SUITES 東京浅草』という、素敵なホテルに、チェックインしました。
案内されたお部屋は、『2ベッドルームジャパニーズスイート』。
リビングの奥には、い草の、いい香りがする、畳のお部屋もありました。
「まずは、お風呂に入ろうか?」
翔太さまが、優しく、問いかけます。
そして、私の、蕩けきった瞳を見て、悪戯っぽく、笑いました。
「…それとも、一緒に入りたい?」
その、お誘いに、私が、どう、答えたのか。
それは、言うまでも、ありませんわよね…♡
「…はぁ、はぁ…!」
「エレオノールさん、お疲れ様。見事な一撃だった」
翔太さまの、労いの言葉が、疲弊しきった私の身体に、温かく、沁み渡ります。
長かった…。
本当に、長い戦いでした。
奈落の底、700階層に堕とされてから、丸二日。
私たちは、ついに、転移阻害の結界が解ける、600階層まで、たどり着いたのです。
この二日間で、私のレベルは、信じられないほどに、上昇しました。
『大聖騎士(アークパラディン)』という、新たなジョブにも、ある程度、習熟することができた。
でも、それ以上に、得たものがあります。
それは、翔太さまとの、揺るぎない、絆。
「さあ、帰ろうか。みんな、心配している」
「はいっ!」
翔太さまのスキルで、眩い光に包まれる。
次に目を開けた時、私たちは、冒険者学校の、見慣れた訓練場の前に、立っていました。
時刻は、月曜日の、朝。
私たちが、生きて帰ってきたことに、気づいた、陽奈美さんたちが、涙を流しながら、駆け寄ってきてくれて、私たちの無事を、心から、喜んでくれました。
学校への報告を済ませた私たちは、特別に、三日間の安息日を、いただくことになりました。
◇
久しぶりに、屋敷の、薔薇の香りがする、広いお風呂に浸かりながら、私は、この三日間のことを、ぼうっと、振り返っておりました。
と、その時、脱衣所に置いていた、私のスマホが、軽やかな音を立てました。
画面に表示された、その名前に、私の心臓が、とくん、と、大きく跳ねます。 『翔太さま♡』
「は、はいっ! もしもし!」
慌てて、電話に出ると、受話器の向こうから、彼の、優しい声が聞こえてきました。
『やあ、エレオノールさん。身体は、もう大丈夫かい?』
「はい! 翔太さまのおかげで、完璧ですわ!」
『そっか、よかった。…あのさ、急で悪いんだけど、明後日、俺も休みだから、よかったら、出かけようか? この前の、お祭りの、埋め合わせ。…お泊まりで』
「え…」
『俺も、浴衣で行くから。よかったら、エレオノールさんも、浴衣で、来てくれないかな』
やった! やった…! やったあああああああ! 嬉しい…! 嬉しすぎますわ…! 私は、電話を切った後、バスローブ姿のまま、ベッドの上に、ばふんっ!とダイブして、枕に顔をうずめて、きゃあきゃあと、何度も、何度も、足をばたつかせてしまいました。
でーと…。
おとまり…。
頑張った、ご褒美…。
私は、うきうきと、この日のために用意していた、桔梗の花が描かれた、美しい浴衣を、クローゼットから、取り出します。
そして、それを、ぼうっと、眺めていました。
でも、はっと、我に返ります。
(いけません、エレオノール。また、浮かれて、翔太さまに、ご迷惑をおかけするわけには…)
(そうですわ。今度こそ、完璧に、彼を、エスコートしてさしあげるのです!)
私は、きゅっと、気を引き締め直しました。
でも、緩みきった、私の口元は、どうしても、にやにやと、幸せの形に、歪んでしまうのでした。
◇
デート当日。
待ち合わせは、浅草の『雷門』。
私は、約束の時間より、一時間も早く、着いてしまいました。
大きな、大きな、赤い提灯。
テレビでしか見たことのない、日本の文化。
その、圧倒的な迫力に、私は、ただただ、感動しておりました。
浴衣や、着物を着ている人も、たくさんいる。
ふと、気づくと、道ゆく人が、みんな、私のことを、ちらちらと、見ているような気がします。
(…なにか、おかしいのでしょうか…?)
今日の日のために、完璧に結い上げた、金色の髪。
そこにつけた、ガラスのかんざし。
そして、浴衣の下でも、隠しきれない、この、ボリュームのあるバスト(B90のEカップですのよ)。
翔太さまのことを、考えていたせいで、少しだけ、潤んで、憂いを帯びてしまった、表情。
その、全てが、完璧以上に、周囲の視線を集めていることに、この時の私は、全く、気づいていませんでした。
その時でした。人混みの向こうに、紺色の、粋な浴衣を着こなした、翔太さまの姿が、見えたのです! ああ、なんて、素敵なのかしら…! だんだんと、近づいてくる、翔太さま。
今にも、駆け出したい思いを、なんとか、抑えて、あと、五メートル…。
もう、だめ! 私が、思わず、駆け出してしまった、その時。
こつん、と、慣れない下駄が、石畳につまづいて、私の身体が、大きく、傾きました。
「きゃっ!」
でも、地面に叩きつけられる、衝撃は、ありませんでした。
代わりに、ふわりと、彼の、逞しい腕の中に、抱きしめられていたのです。
「お待たせ、エレオノールさん。…その浴衣、すごく、似合っているよ。綺麗だ」
「あ…♡」
「さあ、行こうか」
そう言って、彼が、差し出してくれた、大きな手。
私は、その手を、一生、離さないと、心に誓って、ぎゅっと、握り返しました。
◇
それからの時間は、もう、夢のようでした。
まず、私たちは、『浅草横町』という、お祭りみたいに、賑やかな場所で、美味しい、たこ焼きを、食べました。
「あーん」して、食べさせっこしたりして、もう、恥ずかしくて、でも、嬉しくて、たまりません。
次に、日本で一番古い遊園地、『花やしき』にも、行きました。
小さな、ジェットコースターに乗って、私は、柄にもなく、「きゃあああ!」と、叫んで、翔太さまの腕に、しがみついてしまいましたわ。
そして、『浅草寺』で、二人、並んで、お参りもしました。
私は、翔太さまの、これからのご武運と、そして、私たちの、この幸せな時間が、ずっと、
続きますように、と、心から、お祈りしました。
『仲見世通り』では、人の波に流されそうになる私を、翔太さまが、ずっと、手を引いて、守ってくれました。
デートは、本当に、楽しかった。
生まれてから、こんなふうに、誰かと、出かけたことは、ありませんでした。
デートも、もちろん、初めて。
夕方になり、日が落ちかけた頃、私たちは、スカイツリーの、展望台に、登りました。
夕焼けの、燃えるようなオレンジ色が、だんだんと、深い藍色に変わり、街に、一つ、また一つと、光が灯っていく。
その、息を呑むほど、美しい景色を、私たちは、手を繋ぎながら、ずっと、二人で、見ていました。
ふと、彼の、その美しい横顔を、見ようと、横を向いたら、翔太さまも、ちょうど、私のことを見ようとしていました。
目が、合って、二人で、ふふっと、笑い合う。
そして、どちらからともなく、吸い寄せられるように、きらきらと輝く、東京の夜景を、背景に、キスを、しました。
「…デート、楽しかったかい?」
「…はいっ! 人生で、一番、幸せな一日でしたわ…!」
「そっか。よかった」
翔太さまは、そう言うと、私の耳元で、囁きました。
「夜のデートも、楽しみにしててね」
その、低い、甘い声。
その瞬間、私の頭の中で、何かが、ぷつん、と、切り替わる音がした気がしました。
今日一日、ずっと、ふわふわ、きゃっきゃしていた、『少女』のスイッチが、オフになって、彼の、その一言で、とろとろに、じゅくじゅくに熟れた、『女』のスイッチが、オンに、なったのです。
私の目が、自分でもわかるくらい、とろり、と、熱を持って、蕩けていくのを、感じました。
◇
浅草駅から、徒歩三分。
私たちは、『MIMARU SUITES 東京浅草』という、素敵なホテルに、チェックインしました。
案内されたお部屋は、『2ベッドルームジャパニーズスイート』。
リビングの奥には、い草の、いい香りがする、畳のお部屋もありました。
「まずは、お風呂に入ろうか?」
翔太さまが、優しく、問いかけます。
そして、私の、蕩けきった瞳を見て、悪戯っぽく、笑いました。
「…それとも、一緒に入りたい?」
その、お誘いに、私が、どう、答えたのか。
それは、言うまでも、ありませんわよね…♡
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