【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

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第八章 ハーレムな日常と、八百階層の追憶

乙女たちの覚醒、八百階層の頂きへ

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そして、いよいよその日――陽奈美たち、現代パーティーの総力を試す時が来た。 
B級ダンジョン『彷徨いの古城』、八百階層。 僕たちは、ついにその最奥に到達した。

目の前には、この階層の主(ボス)が待つ巨大な扉がそびえ立っている。 
扉の隙間から漏れ出す魔力の密度が、今までの階層とは比べ物にならない。

「(……この魔力の質感、間違いない。異世界で戦った『アビス・ロード』の同属、か……)」

僕は【鑑定】スキルを使い、扉の奥に潜む気配を探る。 
幸い、僕が十年前に死闘を繰り広げた個体よりは、数段格下のようだ。

「(これなら、今の陽奈美たちでも…ギリギリ、いや、クリアできる可能性がある)」

僕は一歩下がり、彼女たちに告げる。 

「この先は、僕も戦ったことがある相手だ。強敵だけど、今の君たちなら勝てる。僕はサポートに徹するから、四人の力を信じてみて」

「(もし、本当にやばそうなら…その時は、俺が割って入るまでだ)」

このボスを討伐すれば、彼女たちは名実ともに、世界でもトップクラスのパーティーとして、その名を刻むことになる。

ゴクリと、誰かが息を呑む音が聞こえる。 
その緊張を破ったのは、このパーティーのリーダーであり、僕の「正妻」を自称する陽奈美だった。

「みんな!」 

彼女はくるりと仲間たちに向き直り、その太陽みたいな瞳で、一人一人の顔を真っ直ぐに見つめた。 

「ついにここまで来たね。緊張してる? …うん、あたしも、すっごく緊張してる」 

ふふっ、と彼女は小さく笑う。 

「でもね、あたしたちなら絶対やれる! いつまでも翔太に守られてばっかりの、弱いあたしたちじゃ、もうないんだから!」

陽奈美の檄(げき)に、仲間たちの瞳に、決意の光が灯る。

「ええ、陽奈美さんの言う通りですわ!」 

エレオノールが、聖騎士の誇りを胸に、カキン、と剣の柄を鳴らす。 

「わたくしたちが積み重ねてきた訓練の成果…そして、翔太さまが示してくれた『守るための強さ』。この剣に懸けて、必ずや勝利を掴んでみせます!」

「データは万全ですわ」 

凛花さんも、冷静な声で続ける。 

「ボスの予測行動パターンは50通りインプット済み。陽奈美さんの支援(バフ)、エレオノールさんの防御(タンク)、麗華さんの攻撃(アタック)…その全てが噛み合えば、必ず、わたくしの計算が勝利へと導きます」

「うずうずしてきたアル!」 

最後に、麗華がこぶしをパチンと打ち鳴らした。 

「こんな強い奴と戦えるなんて、最高ネ! 陽奈美、エレオノール、凛花! ワタシがガンガン隙を作るから、デカいの頼むヨ!」

陽奈美、エレオノール、麗華、凛花。 
お互いを信じ、高め合う四人の姿。

(……ああ、すごい) 僕は、静かな感動を覚えていた。 
今のこのパーティーなら……セラやルナ、ブリジットたち、異世界で共に戦ったあの仲間たちとも、いい勝負ができるかもしれない。

「翔太、見ててね! あたしたちの、本気!」

陽奈美が、力強く頷く。 
僕は、ただ、彼女たちの背中を見守りながら、深く頷き返した。

ーーーー

ボス部屋の巨大な扉の前で、最後の休息と準備を整える。 
陽奈美たちが装備やポーションの最終確認をしている、その静かな時間。 
僕は、ふと…十年間を過ごした、あの世界の仲間たちを思い出していた。

セラフィーナ…慈愛に満ちた聖女様は、僕にだけは重すぎるほどの愛を見せてくれた。 
今頃、王女として立派に国を治めているだろうか。 
(我が勇者様、貴方様がいない世界など、わたくしには意味がありませんわ…) 
そんな、彼女の切実な幻聴が聞こえた気がした。

ルナリア…人間を「短命種」と見下していたハイエルフの賢者は、僕だけを「主(ぬし)様」と認めてくれた。 
今頃、静かな森の奥で、世界の真理でも探求しているんだろうか。 
(主様…主様のいない百年など、妾(わらわ)にとっては、一瞬の退屈な時間に過ぎぬわ) 
彼女の少し寂しそうな、美しい横顔が脳裏に浮かぶ。

ブリジット…質実剛健な聖騎士は、僕への忠誠心と恋心を、綺麗に混同してくれていた。 
今も王国の盾として、その真っ直ぐな剣を振るっているだろうか。 
(団長! 自分が必ずや、団長のお戻りになる場所を、この命に代えても守り抜いてみせます!) 
彼女の、どこまでも真っ直ぐな声が、今も耳の奥に残っている。

そして、ミミ…いつも元気で、僕に抱きついてきた兎獣人(ラパン)の少女。 
「ご主人様の子どもをたくさん産むウサ!」が口癖だった。 
…まさか、もう誰か別の人と、家庭を築いていたりして。 
(ご主人様以外のオスなんて、そこらの石ころと一緒だぴょん! ミミは一生、ご…ご主人様だけを待ってるウサ!) ぴょこぴょこと動くウサ耳と、ちょっと怒ったような顔が、目の前にちらついた。

(……いや、何を考えてるんだ、僕は)

過去を振り返るな。 
僕には今、ここに、守るべき大切な人たちがいる。 
彼女たちなら、きっと元気にやっている。
…そう信じたい。

僕は感傷を振り払うように、ゆっくりと立ち上がった。

「みんな、行こうか」

僕の声に、四人が一斉に振り返る。 その瞳に宿る、絶対の信頼。

「「「「うん!(ですわ!)(アル!)」」」」

そうだ。 僕の日常は、もう、この世界にあるのだから。
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