【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

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第十一章 1000階層の守護者

世界を繋ぐ扉

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950階層の秘湯を俺たちは満喫した。 
心も身体も(ミミだけは腰砕けになっていたが)完全にリフレッシュした俺たちは、一気呵成に残りの階層を駆け抜けた。 

八人の嫁たちとの連携は、もはや芸術の域に達していた。 
現代組の科学的な戦術と、異世界組の理不尽なまでの魔力。 

それが俺という軸を得て、完璧に融合している。 
900階層であれほどバラバラだったのが嘘のようだ。

そしてついに。 
俺たちはダンジョン最深部千階層の巨大な扉の前に立っていた。

「…ここが最後ね」 

陽奈美がごくりと喉を鳴らす。 

「ええ。この先に全ての答えが…」 

セラフィーナが祈るように胸の前で手を組む。 
扉からは、今までのボスとは比較にならないほどの凄まじいプレッシャーが漏れ出していた。 
それは魔力というより、もっと根源的な世界そのものの「意志」のような重い圧だ。

「行くぞ」 

俺が扉に手をかける。 
九人の心が一つになる。

ギゴゴゴゴゴ… 開かれた扉の先。 
そこはまるです星空の中に浮かんでいるかのような、広大な円形の闘技場だった。 
そしてその中央。 
玉座に静かに鎮座していたのは…。

「…!」 

人でも魔物でもない。 
それは、純粋な光と幾何学模様だけで構成された、巨大な天使のような「何か」だった。 
無数の光の翼がその背中から生えている。 
顔があるべき場所には、ただ万華鏡のように回転する光の円環があるだけ。 
あれこそが二つの世界を歪めた元凶、1000階層の守護者。

俺の【鑑定】が凄まじい情報量の洪水で悲鳴を上げる。

【名称:クロノス・ガーディアン】 
【種族:秩序の化身(オーダー)】 
【称号:世界の理そのもの】
【時空の守護者】
【因果の調律者】 
【スキル】
『フェイズ・シフト』:自身の存在次元を一定時間ごとに切り替える。
物理形態・魔法形態・概念形態の三つをローテーションする。
『ワールド・デリート』:因果律を操作し、対象の存在確率を強制的にゼロに収束させる。
防御不可能な消去攻撃。
『パラダイム・ブレイク』:空間内の全ての魔力的付与効果(バフ・デバフ)を強制的に初期化し、リセットする。
『クロノ・スタシス』:指定領域の時間を停止させ、対象を封じ込める。
『エンド・オブ・ワールド』:HPが一定以下になると発動する。
自らの存在を対価に、全空間を因果ごと崩壊させる最終殲滅攻撃。

((((((…最強感どころかクソゲーじゃねえか!!)))))) 

俺は心の中で絶叫した。 
物理魔法が効かない時間がある? 
存在を消去する? 
バフ・デバフ全解除? 
なんだ、その理不尽の詰め合わせセットは!

「…ルナ、凛花」 

俺が声をかける。 

「…フン。見たまんまじゃ。厄介極まりないただの光の塊じゃな」 
「…同感ですわ。あれはもはや生物ではない。世界の『システム』そのものと考えるべきです」 

二人の賢者が即座に同じ結論に達する。

「…とりあえず」 

俺は剣(もう素手でいいか)を構えた。 

「一回殴ってみるか。死なない程度に、アルゴリズムを把握するぞ!」

「応(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!) 」

まずはオーソドックスに一戦交えてみる。 

「ブリジット! エレオノール! 前へ!」 
「「はっ!」」 

二人の聖騎士が盾を構えて突っ込む! 
だがガーディアンは動かない。 

二人の渾身の一撃が、光の身体に触れた瞬間。 

キィン! 

「「なっ!?」」 

攻撃がすり抜けた!? 

「物理無効化! 今は魔法形態だ!」 
「ルナ! 凛花!」 
「【ボルテックス・ブリザード】!」 
「【天(アマツ)・ノ・裁キ(サバキ)】!」

 二人の最強魔法がガーディアンに直撃する! 

「!」 

だがガーディアンは無傷。 
光の円環が高速で回転する。 

『パラダイム・ブレイク』 

「「きゃっ!?」」 

二人がかけた攻撃魔法の余波が、全て消し飛んだ! 

「バフ・デバフ全解除!?」 
「クソっ! 厄介すぎる!」

『フェイズ・シフト』 ガーディアンの身体が今度は実体を持った。 
物理形態だ! 

「麗華! ミミ!」 
「奥義!」 
「秘技!」 

二人の物理攻撃が、今度は確かに手応えを感じさせる! 
だが 『ワールド・デリート』 ガーディアンから、不可視の何かが放たれた。 

「…っ!?」 麗華の蹴りが空を切った。 
いや違う。 

麗華の脚が一瞬透けた…!? 

「ななんだアル!? 今脚の感覚が…!」
「因果律攻撃か! 下がれ二人とも!」 

俺は咄嗟に二人を引き戻す。

「…ダメだ。一旦退くぞ!」 

俺は全員を抱え、転移魔法でセーフティルームへと撤退した。 

「はぁ…はぁ…」 
「ななんなのよあいつ…!」 
「強すぎるだろ…」 

全員が床に座り込む。 
今の戦闘はわずか五分。 
だが疲労感は、900階層のボス戦の比じゃない。

ーーーーー

俺たちは、何度も、何度も挑んだ。 
戦いながら撤退を繰り返し、ガーディアンの行動パターンと、その段階的な攻撃の変化を確認していく。

第一フェイズ:HP100%から80%。
物理形態と魔法形態がランダムに切り替わる。
比較的攻撃は単調だが防御が厄介だ。

 第二フェイズ:HP80%から50%。
『パラダイム・ブレイク』を多用し始める。
支援魔法が即座に消される。
さらに『クロノ・スタシス』でこちらの動きを止めてくる。 

第三フェイズ:HP50%から20%。
『ワールド・デリート』を連発してくる。
存在消去の恐怖と戦わなければならない。 

最終フェイズ:HP20%以下。
形態が『概念形態』に移行する。
全ての攻撃が半減され『エンド・オブ・ワールド』の発動準備に入る。

「…ラスボスだけあって、本当に今までで一番やっかいな敵だな」 

セーフティルームで、俺たちは最後の綿密なミーティングを行っていた。 
もう撤退はしない。 
次で決める。

「いいか」 

俺は八人の嫁たちの真剣な顔を見渡した。 

「まず第一フェイズ。これは俺の【鑑定】で形態変化を予測する。俺の合図で物理組と魔法組が入れ替われ」 

「「「「「「「「はい(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!)」」」」」」」」

「第二フェイズ。『パラダイム・ブレイク』が来たら陽奈美とセラは、即座に支援をかけ直せ。絶対に一瞬たりとも切らすな」 

「「任せて(ですわ)!」」 
「『クロノ・スタシス』は俺が受ける。
俺のEXステータスなら、時間停止にも多少の耐性があるはずだ。
その隙にお前たちが攻撃を叩き込め」

「第三フェイズ。『ワールド・デリート』。これも俺が受ける」 

「「「「「「「「翔太(勇者様)!?」」」」」」」」 
「大丈夫だ。俺のステータスなら、因果律攻撃だろうと耐えられる。お前たちが消されるわけにはいかない」

「…そして最後。HP20%以下で発動する『エンド・オブ・ワールド』」

 俺は息を吸った。 

「…これだけは、どうなるか分からない。俺の全魔力を使っても防ぎきれるか…」 
「…翔太」 

陽奈美が俺の手を握る。 

「…大丈夫よ。私たち八人がいる」 
「ああ」 

俺は頷いた。 

「絶対に無理はするな。本当にヤバくなったら、俺がお前たちだけでも強制的に転移させる。いいな?」 「「「「「「「「…はい!」」」」」」」」

俺たちは立ち上がった。 
千階層の守護者。 

二つの世界を繋ぐ扉。 
最後の戦いが今始まる。
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