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第十一章 1000階層の守護者
世界を繋ぐ扉
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950階層の秘湯を俺たちは満喫した。
心も身体も(ミミだけは腰砕けになっていたが)完全にリフレッシュした俺たちは、一気呵成に残りの階層を駆け抜けた。
八人の嫁たちとの連携は、もはや芸術の域に達していた。
現代組の科学的な戦術と、異世界組の理不尽なまでの魔力。
それが俺という軸を得て、完璧に融合している。
900階層であれほどバラバラだったのが嘘のようだ。
そしてついに。
俺たちはダンジョン最深部千階層の巨大な扉の前に立っていた。
「…ここが最後ね」
陽奈美がごくりと喉を鳴らす。
「ええ。この先に全ての答えが…」
セラフィーナが祈るように胸の前で手を組む。
扉からは、今までのボスとは比較にならないほどの凄まじいプレッシャーが漏れ出していた。
それは魔力というより、もっと根源的な世界そのものの「意志」のような重い圧だ。
「行くぞ」
俺が扉に手をかける。
九人の心が一つになる。
ギゴゴゴゴゴ… 開かれた扉の先。
そこはまるです星空の中に浮かんでいるかのような、広大な円形の闘技場だった。
そしてその中央。
玉座に静かに鎮座していたのは…。
「…!」
人でも魔物でもない。
それは、純粋な光と幾何学模様だけで構成された、巨大な天使のような「何か」だった。
無数の光の翼がその背中から生えている。
顔があるべき場所には、ただ万華鏡のように回転する光の円環があるだけ。
あれこそが二つの世界を歪めた元凶、1000階層の守護者。
俺の【鑑定】が凄まじい情報量の洪水で悲鳴を上げる。
【名称:クロノス・ガーディアン】
【種族:秩序の化身(オーダー)】
【称号:世界の理そのもの】
【時空の守護者】
【因果の調律者】
【スキル】
『フェイズ・シフト』:自身の存在次元を一定時間ごとに切り替える。
物理形態・魔法形態・概念形態の三つをローテーションする。
『ワールド・デリート』:因果律を操作し、対象の存在確率を強制的にゼロに収束させる。
防御不可能な消去攻撃。
『パラダイム・ブレイク』:空間内の全ての魔力的付与効果(バフ・デバフ)を強制的に初期化し、リセットする。
『クロノ・スタシス』:指定領域の時間を停止させ、対象を封じ込める。
『エンド・オブ・ワールド』:HPが一定以下になると発動する。
自らの存在を対価に、全空間を因果ごと崩壊させる最終殲滅攻撃。
((((((…最強感どころかクソゲーじゃねえか!!))))))
俺は心の中で絶叫した。
物理魔法が効かない時間がある?
存在を消去する?
バフ・デバフ全解除?
なんだ、その理不尽の詰め合わせセットは!
「…ルナ、凛花」
俺が声をかける。
「…フン。見たまんまじゃ。厄介極まりないただの光の塊じゃな」
「…同感ですわ。あれはもはや生物ではない。世界の『システム』そのものと考えるべきです」
二人の賢者が即座に同じ結論に達する。
「…とりあえず」
俺は剣(もう素手でいいか)を構えた。
「一回殴ってみるか。死なない程度に、アルゴリズムを把握するぞ!」
「応(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!) 」
まずはオーソドックスに一戦交えてみる。
「ブリジット! エレオノール! 前へ!」
「「はっ!」」
二人の聖騎士が盾を構えて突っ込む!
だがガーディアンは動かない。
二人の渾身の一撃が、光の身体に触れた瞬間。
キィン!
「「なっ!?」」
攻撃がすり抜けた!?
「物理無効化! 今は魔法形態だ!」
「ルナ! 凛花!」
「【ボルテックス・ブリザード】!」
「【天(アマツ)・ノ・裁キ(サバキ)】!」
二人の最強魔法がガーディアンに直撃する!
「!」
だがガーディアンは無傷。
光の円環が高速で回転する。
『パラダイム・ブレイク』
「「きゃっ!?」」
二人がかけた攻撃魔法の余波が、全て消し飛んだ!
「バフ・デバフ全解除!?」
「クソっ! 厄介すぎる!」
『フェイズ・シフト』 ガーディアンの身体が今度は実体を持った。
物理形態だ!
「麗華! ミミ!」
「奥義!」
「秘技!」
二人の物理攻撃が、今度は確かに手応えを感じさせる!
だが 『ワールド・デリート』 ガーディアンから、不可視の何かが放たれた。
「…っ!?」 麗華の蹴りが空を切った。
いや違う。
麗華の脚が一瞬透けた…!?
「ななんだアル!? 今脚の感覚が…!」
「因果律攻撃か! 下がれ二人とも!」
俺は咄嗟に二人を引き戻す。
「…ダメだ。一旦退くぞ!」
俺は全員を抱え、転移魔法でセーフティルームへと撤退した。
「はぁ…はぁ…」
「ななんなのよあいつ…!」
「強すぎるだろ…」
全員が床に座り込む。
今の戦闘はわずか五分。
だが疲労感は、900階層のボス戦の比じゃない。
ーーーーー
俺たちは、何度も、何度も挑んだ。
戦いながら撤退を繰り返し、ガーディアンの行動パターンと、その段階的な攻撃の変化を確認していく。
第一フェイズ:HP100%から80%。
物理形態と魔法形態がランダムに切り替わる。
比較的攻撃は単調だが防御が厄介だ。
第二フェイズ:HP80%から50%。
『パラダイム・ブレイク』を多用し始める。
支援魔法が即座に消される。
さらに『クロノ・スタシス』でこちらの動きを止めてくる。
第三フェイズ:HP50%から20%。
『ワールド・デリート』を連発してくる。
存在消去の恐怖と戦わなければならない。
最終フェイズ:HP20%以下。
形態が『概念形態』に移行する。
全ての攻撃が半減され『エンド・オブ・ワールド』の発動準備に入る。
「…ラスボスだけあって、本当に今までで一番やっかいな敵だな」
セーフティルームで、俺たちは最後の綿密なミーティングを行っていた。
もう撤退はしない。
次で決める。
「いいか」
俺は八人の嫁たちの真剣な顔を見渡した。
「まず第一フェイズ。これは俺の【鑑定】で形態変化を予測する。俺の合図で物理組と魔法組が入れ替われ」
「「「「「「「「はい(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!)」」」」」」」」
「第二フェイズ。『パラダイム・ブレイク』が来たら陽奈美とセラは、即座に支援をかけ直せ。絶対に一瞬たりとも切らすな」
「「任せて(ですわ)!」」
「『クロノ・スタシス』は俺が受ける。
俺のEXステータスなら、時間停止にも多少の耐性があるはずだ。
その隙にお前たちが攻撃を叩き込め」
「第三フェイズ。『ワールド・デリート』。これも俺が受ける」
「「「「「「「「翔太(勇者様)!?」」」」」」」」
「大丈夫だ。俺のステータスなら、因果律攻撃だろうと耐えられる。お前たちが消されるわけにはいかない」
「…そして最後。HP20%以下で発動する『エンド・オブ・ワールド』」
俺は息を吸った。
「…これだけは、どうなるか分からない。俺の全魔力を使っても防ぎきれるか…」
「…翔太」
陽奈美が俺の手を握る。
「…大丈夫よ。私たち八人がいる」
「ああ」
俺は頷いた。
「絶対に無理はするな。本当にヤバくなったら、俺がお前たちだけでも強制的に転移させる。いいな?」 「「「「「「「「…はい!」」」」」」」」
俺たちは立ち上がった。
千階層の守護者。
二つの世界を繋ぐ扉。
最後の戦いが今始まる。
心も身体も(ミミだけは腰砕けになっていたが)完全にリフレッシュした俺たちは、一気呵成に残りの階層を駆け抜けた。
八人の嫁たちとの連携は、もはや芸術の域に達していた。
現代組の科学的な戦術と、異世界組の理不尽なまでの魔力。
それが俺という軸を得て、完璧に融合している。
900階層であれほどバラバラだったのが嘘のようだ。
そしてついに。
俺たちはダンジョン最深部千階層の巨大な扉の前に立っていた。
「…ここが最後ね」
陽奈美がごくりと喉を鳴らす。
「ええ。この先に全ての答えが…」
セラフィーナが祈るように胸の前で手を組む。
扉からは、今までのボスとは比較にならないほどの凄まじいプレッシャーが漏れ出していた。
それは魔力というより、もっと根源的な世界そのものの「意志」のような重い圧だ。
「行くぞ」
俺が扉に手をかける。
九人の心が一つになる。
ギゴゴゴゴゴ… 開かれた扉の先。
そこはまるです星空の中に浮かんでいるかのような、広大な円形の闘技場だった。
そしてその中央。
玉座に静かに鎮座していたのは…。
「…!」
人でも魔物でもない。
それは、純粋な光と幾何学模様だけで構成された、巨大な天使のような「何か」だった。
無数の光の翼がその背中から生えている。
顔があるべき場所には、ただ万華鏡のように回転する光の円環があるだけ。
あれこそが二つの世界を歪めた元凶、1000階層の守護者。
俺の【鑑定】が凄まじい情報量の洪水で悲鳴を上げる。
【名称:クロノス・ガーディアン】
【種族:秩序の化身(オーダー)】
【称号:世界の理そのもの】
【時空の守護者】
【因果の調律者】
【スキル】
『フェイズ・シフト』:自身の存在次元を一定時間ごとに切り替える。
物理形態・魔法形態・概念形態の三つをローテーションする。
『ワールド・デリート』:因果律を操作し、対象の存在確率を強制的にゼロに収束させる。
防御不可能な消去攻撃。
『パラダイム・ブレイク』:空間内の全ての魔力的付与効果(バフ・デバフ)を強制的に初期化し、リセットする。
『クロノ・スタシス』:指定領域の時間を停止させ、対象を封じ込める。
『エンド・オブ・ワールド』:HPが一定以下になると発動する。
自らの存在を対価に、全空間を因果ごと崩壊させる最終殲滅攻撃。
((((((…最強感どころかクソゲーじゃねえか!!))))))
俺は心の中で絶叫した。
物理魔法が効かない時間がある?
存在を消去する?
バフ・デバフ全解除?
なんだ、その理不尽の詰め合わせセットは!
「…ルナ、凛花」
俺が声をかける。
「…フン。見たまんまじゃ。厄介極まりないただの光の塊じゃな」
「…同感ですわ。あれはもはや生物ではない。世界の『システム』そのものと考えるべきです」
二人の賢者が即座に同じ結論に達する。
「…とりあえず」
俺は剣(もう素手でいいか)を構えた。
「一回殴ってみるか。死なない程度に、アルゴリズムを把握するぞ!」
「応(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!) 」
まずはオーソドックスに一戦交えてみる。
「ブリジット! エレオノール! 前へ!」
「「はっ!」」
二人の聖騎士が盾を構えて突っ込む!
だがガーディアンは動かない。
二人の渾身の一撃が、光の身体に触れた瞬間。
キィン!
「「なっ!?」」
攻撃がすり抜けた!?
「物理無効化! 今は魔法形態だ!」
「ルナ! 凛花!」
「【ボルテックス・ブリザード】!」
「【天(アマツ)・ノ・裁キ(サバキ)】!」
二人の最強魔法がガーディアンに直撃する!
「!」
だがガーディアンは無傷。
光の円環が高速で回転する。
『パラダイム・ブレイク』
「「きゃっ!?」」
二人がかけた攻撃魔法の余波が、全て消し飛んだ!
「バフ・デバフ全解除!?」
「クソっ! 厄介すぎる!」
『フェイズ・シフト』 ガーディアンの身体が今度は実体を持った。
物理形態だ!
「麗華! ミミ!」
「奥義!」
「秘技!」
二人の物理攻撃が、今度は確かに手応えを感じさせる!
だが 『ワールド・デリート』 ガーディアンから、不可視の何かが放たれた。
「…っ!?」 麗華の蹴りが空を切った。
いや違う。
麗華の脚が一瞬透けた…!?
「ななんだアル!? 今脚の感覚が…!」
「因果律攻撃か! 下がれ二人とも!」
俺は咄嗟に二人を引き戻す。
「…ダメだ。一旦退くぞ!」
俺は全員を抱え、転移魔法でセーフティルームへと撤退した。
「はぁ…はぁ…」
「ななんなのよあいつ…!」
「強すぎるだろ…」
全員が床に座り込む。
今の戦闘はわずか五分。
だが疲労感は、900階層のボス戦の比じゃない。
ーーーーー
俺たちは、何度も、何度も挑んだ。
戦いながら撤退を繰り返し、ガーディアンの行動パターンと、その段階的な攻撃の変化を確認していく。
第一フェイズ:HP100%から80%。
物理形態と魔法形態がランダムに切り替わる。
比較的攻撃は単調だが防御が厄介だ。
第二フェイズ:HP80%から50%。
『パラダイム・ブレイク』を多用し始める。
支援魔法が即座に消される。
さらに『クロノ・スタシス』でこちらの動きを止めてくる。
第三フェイズ:HP50%から20%。
『ワールド・デリート』を連発してくる。
存在消去の恐怖と戦わなければならない。
最終フェイズ:HP20%以下。
形態が『概念形態』に移行する。
全ての攻撃が半減され『エンド・オブ・ワールド』の発動準備に入る。
「…ラスボスだけあって、本当に今までで一番やっかいな敵だな」
セーフティルームで、俺たちは最後の綿密なミーティングを行っていた。
もう撤退はしない。
次で決める。
「いいか」
俺は八人の嫁たちの真剣な顔を見渡した。
「まず第一フェイズ。これは俺の【鑑定】で形態変化を予測する。俺の合図で物理組と魔法組が入れ替われ」
「「「「「「「「はい(ですわ!)(アル!)(ぴょん!)(じゃ!)(であります!)」」」」」」」」
「第二フェイズ。『パラダイム・ブレイク』が来たら陽奈美とセラは、即座に支援をかけ直せ。絶対に一瞬たりとも切らすな」
「「任せて(ですわ)!」」
「『クロノ・スタシス』は俺が受ける。
俺のEXステータスなら、時間停止にも多少の耐性があるはずだ。
その隙にお前たちが攻撃を叩き込め」
「第三フェイズ。『ワールド・デリート』。これも俺が受ける」
「「「「「「「「翔太(勇者様)!?」」」」」」」」
「大丈夫だ。俺のステータスなら、因果律攻撃だろうと耐えられる。お前たちが消されるわけにはいかない」
「…そして最後。HP20%以下で発動する『エンド・オブ・ワールド』」
俺は息を吸った。
「…これだけは、どうなるか分からない。俺の全魔力を使っても防ぎきれるか…」
「…翔太」
陽奈美が俺の手を握る。
「…大丈夫よ。私たち八人がいる」
「ああ」
俺は頷いた。
「絶対に無理はするな。本当にヤバくなったら、俺がお前たちだけでも強制的に転移させる。いいな?」 「「「「「「「「…はい!」」」」」」」」
俺たちは立ち上がった。
千階層の守護者。
二つの世界を繋ぐ扉。
最後の戦いが今始まる。
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