【R18】異世界帰りのSSS級勇者、うっかりMAXにした【魅力】スキルで日常が崩壊する ~魔王は倒せたけど、ヒロイン達からは逃げられない?

のびすけ。

文字の大きさ
86 / 96
第十四章 女神のバグと、黒のアバター

甘い朝と、絶望の顕現

しおりを挟む
陽奈美との、濃厚で最高に気持ちいい「お風呂セックス」。 
三回も、彼女の奥深くに俺の愛を注ぎ込んだせいで、陽奈美はもう腰がとろけて、立てなくなってしまった。 

「…しょうたのバカ…♡」 
「やりすぎ…♡」 
「はは、ごめんごめん」 

俺はそんな愛しい俺の「正妻」を、タオルで優しく拭いてやると、そのままお姫様抱っこで俺のベッドへと運んだ。 

「…今夜は、一緒に寝る」 
「…うん♡」 

二人でシーツにくるまり、久しぶりの温もりを感じながら、俺たちは深い眠りに落ちた。

…どれくらい時間が経っただろうか。 
夜が明け始める頃。 

俺は、肌を刺すような禍々しい気配で、目を覚ました。 

「…っ!?」 

なんだ、この嫌な感じは…! 
俺はベッドから飛び起きると、窓へと駆け寄った。

「…なっ!」 

俺は息を呑んだ。 
王都の美しい夜明けの空。 

その遥か上空に、黒い亀裂が走っていた。 
まるで、空が引き裂かれたかのように。 

そしてその亀裂から、十年前魔王城で感じたものと同質…いやそれ以上に、冷たく禍々しい気配が溢れ出してきている。 

「あれは…?」

「…翔太?」 

俺のただならぬ気配に、陽奈美も目を覚ました。 
彼女はシーツを胸に巻き付けたまま、俺の隣にやってくる。 

「…なに、あれ…」 

彼女も空の異変に気づき、顔を青ざめさせた。

その瞬間だった。 
俺たちの部屋の中央が、眩しい光に包まれた。 

「「!」」 

俺は、陽奈美を庇うように抱きしめる。 
光が収まるとそこには… 

「…お前!」 

千階層で、俺たちにあのとんでもない『誓約』を押し付けてきた、あの無慈悲な女神が立っていた。

「…勇者、相川翔太」 

彼女は相変わらず能、面のような無表情で俺たちを見ている。 

「…緊急事態です」 
「見れば分かる! あれは、お前の言ってた異世界の危機か!」 
「…はい。正確には、わたくしが引き起こした『バグ』の最終段階です」 
「はあ!?」

女神は淡々と説明を始めた。 

「わたくしは、勇者がいなくなった時、世界のバランスを保つため、慌てて新しい勇者を召喚しようとしました」 
「…ああ」 
「ですが、失敗しました」 
「は?」 
「あなたの存在が強すぎたため、世界にあなたの『型』が残ってしまい、新しい勇者を受け入れられなかったのです。そして、召喚の儀式がバグを起こし…」 

女神は初めて気まずそうに、視線を逸らした。 

「…わたくしの力が、そのバグに吸い取られ反転し…」 
「わたくしの力を持った、漆黒の『アバター』が生み出されてしまったのです」 
「アバター!?」 
「はい。あれが時空の歪みを生み出し、魔物を溢れさせていた元凶」

「それを倒してほしいのです」 

女神は深々と頭を下げた。 

「…すみません」

(こいつが謝った!?) 

俺と陽奈美は、顔を見合わせた。 
よっぽどの事態だ。

ゴゴゴゴゴゴゴ… その時城全体が激しく揺れた。 
空の亀裂が、ますます禍々しく広がっていく。 
そしてその漆黒の闇の中から、ゆっくりと 『それ』が姿を現した。

「…!」 

女神と瓜二つ。 
だがその姿は、全てが黒。 
漆黒のドレス。 
漆黒の翼。 
その瞳だけが、赤く憎悪に燃えていた。

「翔太さま!」 

バンッ!と部屋のドアが開き、セラフィーナが鎧姿で駆け込んできた。 

「あれを、見ましたわね!」 
「ああ、確認した」 
「全員、目を覚ましています! 陛下が玉座の間に緊急召集を!」 
「分かった! すぐに行く!」 

俺は陽奈美と目を合わせ頷いた。

「装備を整えて、玉座の間に集合だ!」



玉座の間には、既に全員が集まっていた。 
俺の嫁たち十一人。 
そして、国王陛下、第一王子、アリストリアス王国の重鎮たち。 
全員が窓の外に浮かぶ、あの漆黒のアバターを緊張の面持ちで見つめている。

「…女神よ」 

王が重々しく口を開いた。 
俺の隣に顕現した女神に問う。 

「あれは、お主の仕業か」 
「…はい。わたくしのミスです」 

女神はもう一度頭を下げた。 

「翔太、全員にもう一度説明を」 

俺は女神に促され、事の経緯を全員に説明した。

「なんと…」 
「女神のミスだと…」 

重鎮たちがどよめく。 

「姉上を危険な目に遭わせたのも、全部こいつのせいか!」 

アリストリアス王子が、女神を睨みつける。 

「…して」 

王が女神を見た。 

「あれを倒す術はあるのか?」 
「…はい」 

女神は頷いた。 

「まず第一に。あのアバターはわたくしの力が反転した存在。つまり聖属性の攻撃は全て吸収されます」 「なっ!?」 

セラフィーナとエレオノールとブリジットが息を呑む。 

「わたくしたち聖騎士や聖女の力が効かないと…!」 
「逆です」 

女神は首を振った。 

「反転しているということは、あなたたちの聖なる力は、あのアバターに対してのみ最強の『闇属性』として作用します」 
「「「!」」」

 三人の顔に、光が戻る。

「第二に。あのアバターは、おそらくわたくしの眷属を召喚するでしょう。反転した『黒い天使』たちを」 
「黒い天使…」 
「その眷属たち、はあなたたちの力で倒せるはずです。数は多いかもしれませんが」

「…そして最後に。最大の問題です」 

女神の声が、一層低くなる。 

「あのアバター本体には、通常の物理攻撃も魔法攻撃も一切効きません」 
「「「「なっ!?」」」」 

今度は全員が絶句した。 

「じゃあ、どうやって倒すんだよ!」 

俺が叫ぶ。

「…あのアバターは、わたくしが『世界を救う勇者を生み出す』というシステムのバグ。愛を知らない力の暴走です」 
「それを止めるには、それよりも強大な愛の力を、ぶつけるしかありません」 

「愛の力…?」 
「勇者、翔太。あなたとあなたに選ばれた、十一人の妻たち」 
「あなたたちが結んだ『誓約』の力」 
「世界を救うためではない、ただ純粋な『愛』だけがアバターを封印する鍵となります」 
「…どういうことだ?」 
「…わたくしにも分かりません。ですがあなたたち九人…いえ十二人…?」 

女神は、静香さんたち家族組も見て首を傾げた。 

「…あなたたちの、その規格外の『愛』ならあるいは…」

その時だった。 

「「「「キイイイイイイイイイッ!」」」」 

空の亀裂から、無数の黒い天使たちが甲高い叫び声を上げながら、王都へと降り注いできた。 

「! 眷属たちが来た!」 
「翔太!」 
「行くぞ、みんな!」 

俺は十一人の嫁たちと共に、玉座の間を飛び出した。 
世界を救う、本当の最後の戦いが始まる!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日発売! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)

スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞、いただきました!! スティールスキル。 皆さん、どんなイメージを持ってますか? 使うのが敵であっても主人公であっても、あまりいい印象は持たれない……そんなスキル。 でもこの物語のスティールスキルはちょっと違います。 スティールスキルが一人の少年の人生を救い、やがて世界を変えてゆく。 楽しくも心温まるそんなスティールの物語をお楽しみください。 それでは「スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました」、開幕です。 2025/12/7 一話あたりの文字数が多くなってしまったため、第31話から1回2~3千文字となるよう分割掲載となっています。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...