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第十四章 女神のバグと、黒のアバター
黒き天使と、十一の絆
「「「「キイイイイイイイイイッ!」」」」
甲高い耳を劈くような、叫び声。
玉座の間から見下ろす、王都の上空を無数の「黒い天使」たちが埋め尽くし始めていた。
「くっ…! なんという数だ!」
国王陛下が歯噛みする。
「陛下!」
俺は王と、その隣で震えるアリストリアス王子に向き直った。
「国民の避難を! ここは、俺たちが引き受けます!」
「…うむ! 勇者殿、感謝する!」
王は即座に覚悟を決めた。
「聞けい! 全騎士団! 戦闘は、勇者殿とその『妻』たちに一任する! 我らの最優先任務は、国民の安全確保! 全員を、城内の大聖堂へと避難させよ!」
「父上! わたくしも!」
「アリストリアス!」
王が息子の肩を強く掴む。
「お前は、王族として国民の先頭に立ち、彼らを導くのです! それがお前の戦場ですわ!」
「…姉上…」
セラフィーナの凛とした声に、王子は涙をぐっと堪え「…はい!」と力強く頷いた。
「翔太さん」
俺の服の裾を、静香さんが掴む。
「…私たちも、戦います」
「お兄ちゃん! 理奈たちもここに残る!」
「…うん。お兄ちゃん守る」
理奈と瑠奈が、真っ直ぐな瞳で俺を見る。
俺は三人の頭を、優しく撫でた。
「ああ。分かってる。お前たちは俺の最強の家族だ」
俺は三人に、向き直る。
静香さん、理奈、瑠奈には、それぞれの特性に合わせた魔法をレクチャーしてある。
「静香さん、理奈、瑠奈。三人はこの玉座の間、大聖堂に通じるこの場所を死守してくれ。ここが国民の最後の砦だ。後方待機頼んだぞ」 「でも、無理は絶対にしないで」
「はい!」
「任せて!」
「うん!」
三人の顔には、もう迷いはなかった。
俺の『妻』としての覚悟が決まっていた。
「…さて」
俺は残りの八人の嫁たちを見渡した。
陽奈美、セラフィーナ、ルナリア、ブリジット、エレオノール、凛花、麗華、ミミ。
俺の最強のハーレム同盟だ。
「俺たちは、あのアバターを叩く! そのためにはあの眷属どもを蹴散らしながら、中央突破する!」
俺は王都の地図を広げた。
「四つのチームに分かれる。眷属を倒しながら、王城の中央塔で合流する。そこがアバターに一番近いポイントだ」
「「「「「「「「御意!」」」」」」」」
八人の声が、重なる。
「よし!」
「陽奈美とセラフィーナ!」
「「はい!(ですわ!)」」
二人の正妻が一歩前に出る。
「お前たちは東の商業区を抜けろ。空の敵が一番多いルートだ。お前たちの支援と殲滅力で空を切り裂け!」
「エレオノールとブリジット!」
「「はっ!(であります!)」」
二人の聖騎士が胸を張る。
「お前たちは、正面突破だ。王城の大通りを突っ切れ。お前たちの鉄壁の守りで道を作れ!」
「ルナリアと凛花!」
「「フン(承知)」」
二人の賢者が静かに頷く。
「お前たちは上空から、広範囲魔法で他のチームを援護しつつ、西の貴族街を制圧しろ!」
「麗華とミミ!」
「「任せろアル!(だぴょん!)」」
二人のスピードスターがニヤリと笑う。
「お前たちは最短ルート。南の裏路地を駆け抜けろ。敵の指揮官クラスがいたら即座に叩け!」
「俺はお前たちの全てをサポートしながら、中央塔で待つ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「行くぞ! 俺たちの世界を守る!」
俺たちは玉座の間を飛び出した。
◇
【後方待機チーム:静香・理奈・瑠奈】
玉座の間を守る静香たち三人の前に、ついに黒い天使たちが現れた。
窓ガラスを突き破り、五体の眷属が侵入してくる。
「きゃっ!」
「来た!」
理奈と瑠奈が身構える。
「二人とも落ち着いて」
静香さんの声は、震えていなかった。
彼女は翔太の妻。
この世界に来る前に誓ったのだ。
この人たちを守ると。
「理奈、瑠奈。打ち合わせ通りに」
「「うん!(はい!)」」
静香さんは戦闘ジョブではない。
だが俺との『誓約』によって彼女の中には、俺のEX級の魔力が流れ込んでいる。
彼女の本質…『母性』と『献身』 が魔法として開花していた。
「【マザー・サンクチュアリ】!」
静香さんが両手を広げると、暖かい光の障壁が玉座の間の入口を塞いだ。
黒い天使たちの闇の槍が、障壁に当たりキン!と音を立てて弾かれる。
「すごい…! お母さん!」
「((((((これが、お兄ちゃんとの、愛の、力…!))))) 」
理奈と瑠奈が、目を輝かせる。
「理奈! 瑠奈! お願い!」
「任せて!」
「うん!」
二人はもはや、現代の中学生ではない。
勇者の妹であり妻だ。
二人の魔力が、異世界の濃密な魔力と共鳴する!
「「【ツイン・ストライク】!」」
理奈の炎と、瑠奈の氷が、螺旋を描き一体の天使を直撃する!
「キイイイッ!」
天使が蒸発する。
「よし! 次!」
理奈が駆け出し、天使の注意を引く!
「こっちだぴょん! あ、違う、こっちよ!」
「理奈! 危ない!」
瑠奈が的確に援護射撃の氷の矢を放つ。
天使の足が凍りつき動きが止まる。
「ナイス、瑠奈!」
そこへ理奈の回し蹴りが炸裂する!
「おらぁ!」
「キイッ!」
天使が吹っ飛ぶ。
だが残りの三体が、静香さんの障壁に襲いかかった!
「くっ…!」
障壁にヒビが入る!
「お母さん!」
「大丈夫です…!」
静香さんは、歯を食いしばる。
((((((翔太さん…! あなたの帰る場所は、わたくしたちが守ります!)))))
彼女の中の俺の魔力が呼応する。
「【ラブ・バースト】!」
障壁が眩いピンク色の光を放ち、天使たちを吹き飛ばした!
「「すごい…!」」
理奈と瑠奈が息を呑む。
静香さんは頬を赤らめ「…今のは、忘れてね…♡」と呟いた。
俺の家族チームは、確実に王城を守り抜いていた。
◇
【正妻チーム:陽奈美・セラフィーナ】
東の空は、黒い天使たちで埋め尽くされていた。
「うわー…! すごい、数…!」
「怯んではいけません、陽奈美さん!」
セラフィーナが。聖女としての戦闘衣装に身を包み。空中に浮かぶ。
「わたくしたち二人で、あのアバターへの、道を、切り開くのです!」
「分かってるよ! セラさんこそ、足、引っ張らないでよね!」
陽奈美も、付与術師としてのローブを翻す。
「行きますわよ! 【ホーリー・ジャッジメント】!」
セラフィーナが手を掲げると、天から無数の光の槍が降り注ぐ。
だが女神の言葉どおり、聖属性は反転している。
光の槍は漆黒の闇の槍と化し、天使たちを貫いていく!
「キイイイイッ!」
「すごい…! あれが、異世界の、聖女の、力…!」
陽奈美が息を呑む。
「陽奈美さん! ぼーっとしないで! 援護を!」
「はいはい! 【マルチ・エンチャント! ホーリー・ウェポン!】」
陽奈美がセラフィーナの攻撃に、更なるバフを上乗せする。
「!」
セラフィーナの闇の槍が、倍の太さになり威力が跳ね上がった!
「まあ! これが、現代の、付与術…! なんて、効率的な!」
「でしょ?♡ 合わせるよ、セラさん!」 「ええ!」
天使の大群が二人を包囲しようと迫る!
「((翔太(勇者様)は、わたくし(あたし)が、守る!))」
二人の正妻の心が一つになる。
「セラさん、あれ、やるよ!」
「あれ、ですの!?」
「「【デュアル・アーツ:ブライド・ノヴァ】!」」
陽奈美がセラフィーナにありったけの魔力を注ぎ込む。
セラフィーナはその増幅された魔力を、全て反転させ漆黒の太陽として解き放った!
「キイイイイイイイイイイイッ!!」
東の空を覆っていた天使たちが、一瞬で蒸発していく。
「…はぁ…はぁ…」
「…や、やった…」
「…ふぅ。なかなか、やりますわね、陽奈美さん」
「…そっちこそ。とんでもない、魔力だね、セラさん」
二人のライバルは互いの実力を認め合い笑い合った。
「さあ、翔太(勇者様)の、元へ、急ぎますわよ!」
「うん!」
◇
【聖騎士チーム:エレオノール・ブリジット】
「突貫するであります! エレオノール殿!」 「だから、無策な、突撃は、美しくありませんわ!」 王城の大通りは黒い天使たちで溢れ返っていた。 「問答無用!」 ブリジットが大きな盾を構え文字通り天使の群れに突っ込んでいく! 「【シールド・ストライク】!」 「キイッ!」 数体の天使がボーリングのピンのように弾き飛んだ。 「ああ、もう!」 エレオノールも続くしかない。 「【グラン・クロス】!」 彼女の聖なる剣が反転した闇の十字を描き天使たちを切り裂く。
「((((((この人、強い…!))))) 」 二人の聖騎士は互いの戦いぶりに舌を巻いていた。 ブリジットの一撃は重くまさに鋼の城壁そのもの。 エレオノールの剣技は美しく流れるように敵を捌いていく。 「ブリジットさん! 右!」 「エレオノール殿! 左!」 黒い槍が左右から二人を襲う。 「「【デュアル・ガード】!」」 二人の聖なる盾が完璧なタイミングで交差し鉄壁のドームを作る! ガギィィィィン! 凄まじい衝撃が二人を襲うが 「「ぬううううっ!」」 二人は一歩も引かない。 「…やりますな、エレオノール殿! その、細腕で!」 「そちらこそ! 力だけかと、思えば、見事な、足さばきですわ!」 二人の間に戦友としての絆が芽生える。 「「行きます(であります)!」」 「「【ツイン・ホーリー・ブレード】!」」 二振りの聖剣が反転した闇の光を纏い 竜巻のように回転しながら天使の群れを殲滅していく。 最強の二枚盾は誰にも止められない突撃槍と化していた。
◇
【賢者チーム:ルナリア・凛花】
「…見えますわ」
「…見えておるわ」
王都の遥か上空。
二人の賢者は冷静に戦場を見下ろしていた。
「凛花よ。あそこ。西の貴族街に、ひときわ大きな魔力反応がある」
「ええ。あれが、この区域の眷属を指揮している指揮官個体でしょう」
「フン。面倒じゃ。まとめて消し飛ばす」
ルナリアが手のひらに、超巨大な氷の槍を生み出す。
「待って」
凛花さんがそれを制する。
「…なんじゃ」
「下を見て。民間人の避難が遅れていますわ」
「…チッ!」
ルナリアが舌打ちする。
「あんな大技を使えば、街ごと吹っ飛びます。…わたくしに考えが」
「…言ってみよ」
「まず、わたくしが魔力の指向性を変更するフィールドを展開します。あなたはその中心に、最大火力の魔法を」
「…ほう? 妾の魔力を制御できると申すか? 人間ごときが」
「できますわ。…『科学』ならね」
凛花さんが伊達メガネを光らせる。
「…よかろう! 乗ってやろう!」
ルナリアもニヤリと笑った。
「【パラボラ・フィールド:ターゲット・ロック】!」
凛花さんが無数の魔法陣を展開し、指揮官個体の頭上に一点集束させる。
「ルナリアさん! 今!」
「任せよ! これがハイエルフの真髄じゃ!」
「【メテオ・ストライク】!」
ルナリアが放ったのは、本来広範囲殲滅魔法である隕石召喚!
だがその凄まじい破壊の力は、凛花さんの魔法陣に吸い込まれ、一本のレーザーのように収束され指揮官個体の頭上に、寸分の狂いもなく直撃した!
「キイイイイイイイイイイイッ!?」
西の空の天使たちが、指揮官を失い混乱し始める。
「…ふぅ」
「…フン。まあまあ、じゃな」
「…あなたこそ。とんでもない魔力ですわね」
最強の二つの頭脳が空を制圧した。
◇
【特攻チーム:麗華・ミミ】
「麗華! 遅いウサ!」
「ミミこそ! 獲物を横から取るなアル!」
王都の裏路地を、二つの影が弾丸のように駆け抜けていた。
この二人に連携など必要ない。
あるのは「競争」だけだ。
「あ! あそこのデカいの、ミミがやるぴょん!」
「ワタシの、獲物ネ!」
路地を塞ぐ大型の天使に、二人が同時に襲いかかる!
「【アサシネイト・ダガー】!」
「【百裂脚】!」
ミミが影から現れ、天使の首を掻き切ろうとする!
同時に麗華の無数の蹴りが、天使の胴体を滅多打ちにする!
「「キイイイッ!」」
天使は何が起きたかも分からず、崩れ落ちた。
「ふん! 今のはワタシの勝ちアル!」
「むー! ミミのナイフが先だったウサ!」
「「「キイイッ!」」」
口論している間にも新たな敵が二人を囲む!
「「あーもう! うるさい(アル)(ウサ)!」」
「「【龍ノ咆哮】!」」
「「【ラピッド・スラッシュ】!」」
麗華の闘気を込めた掌底と、ミミの目にも止まらぬ斬撃が炸裂する。
最強の特攻コンビは、まるで遊ぶかのように敵陣を突破していく。
「…すごい」
俺は王城の中央塔の頂上から、その全てを見ていた。
家族は城を守り。
八人の嫁たちは俺の作戦を完璧に遂行している。
全員が中央塔へと集結しつつあった。
「…待たせたな、ラスボス」
俺は空に浮かぶ漆黒のアバターを睨みつけた。
「ここからが、本当の、最終決戦だ!」
甲高い耳を劈くような、叫び声。
玉座の間から見下ろす、王都の上空を無数の「黒い天使」たちが埋め尽くし始めていた。
「くっ…! なんという数だ!」
国王陛下が歯噛みする。
「陛下!」
俺は王と、その隣で震えるアリストリアス王子に向き直った。
「国民の避難を! ここは、俺たちが引き受けます!」
「…うむ! 勇者殿、感謝する!」
王は即座に覚悟を決めた。
「聞けい! 全騎士団! 戦闘は、勇者殿とその『妻』たちに一任する! 我らの最優先任務は、国民の安全確保! 全員を、城内の大聖堂へと避難させよ!」
「父上! わたくしも!」
「アリストリアス!」
王が息子の肩を強く掴む。
「お前は、王族として国民の先頭に立ち、彼らを導くのです! それがお前の戦場ですわ!」
「…姉上…」
セラフィーナの凛とした声に、王子は涙をぐっと堪え「…はい!」と力強く頷いた。
「翔太さん」
俺の服の裾を、静香さんが掴む。
「…私たちも、戦います」
「お兄ちゃん! 理奈たちもここに残る!」
「…うん。お兄ちゃん守る」
理奈と瑠奈が、真っ直ぐな瞳で俺を見る。
俺は三人の頭を、優しく撫でた。
「ああ。分かってる。お前たちは俺の最強の家族だ」
俺は三人に、向き直る。
静香さん、理奈、瑠奈には、それぞれの特性に合わせた魔法をレクチャーしてある。
「静香さん、理奈、瑠奈。三人はこの玉座の間、大聖堂に通じるこの場所を死守してくれ。ここが国民の最後の砦だ。後方待機頼んだぞ」 「でも、無理は絶対にしないで」
「はい!」
「任せて!」
「うん!」
三人の顔には、もう迷いはなかった。
俺の『妻』としての覚悟が決まっていた。
「…さて」
俺は残りの八人の嫁たちを見渡した。
陽奈美、セラフィーナ、ルナリア、ブリジット、エレオノール、凛花、麗華、ミミ。
俺の最強のハーレム同盟だ。
「俺たちは、あのアバターを叩く! そのためにはあの眷属どもを蹴散らしながら、中央突破する!」
俺は王都の地図を広げた。
「四つのチームに分かれる。眷属を倒しながら、王城の中央塔で合流する。そこがアバターに一番近いポイントだ」
「「「「「「「「御意!」」」」」」」」
八人の声が、重なる。
「よし!」
「陽奈美とセラフィーナ!」
「「はい!(ですわ!)」」
二人の正妻が一歩前に出る。
「お前たちは東の商業区を抜けろ。空の敵が一番多いルートだ。お前たちの支援と殲滅力で空を切り裂け!」
「エレオノールとブリジット!」
「「はっ!(であります!)」」
二人の聖騎士が胸を張る。
「お前たちは、正面突破だ。王城の大通りを突っ切れ。お前たちの鉄壁の守りで道を作れ!」
「ルナリアと凛花!」
「「フン(承知)」」
二人の賢者が静かに頷く。
「お前たちは上空から、広範囲魔法で他のチームを援護しつつ、西の貴族街を制圧しろ!」
「麗華とミミ!」
「「任せろアル!(だぴょん!)」」
二人のスピードスターがニヤリと笑う。
「お前たちは最短ルート。南の裏路地を駆け抜けろ。敵の指揮官クラスがいたら即座に叩け!」
「俺はお前たちの全てをサポートしながら、中央塔で待つ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「行くぞ! 俺たちの世界を守る!」
俺たちは玉座の間を飛び出した。
◇
【後方待機チーム:静香・理奈・瑠奈】
玉座の間を守る静香たち三人の前に、ついに黒い天使たちが現れた。
窓ガラスを突き破り、五体の眷属が侵入してくる。
「きゃっ!」
「来た!」
理奈と瑠奈が身構える。
「二人とも落ち着いて」
静香さんの声は、震えていなかった。
彼女は翔太の妻。
この世界に来る前に誓ったのだ。
この人たちを守ると。
「理奈、瑠奈。打ち合わせ通りに」
「「うん!(はい!)」」
静香さんは戦闘ジョブではない。
だが俺との『誓約』によって彼女の中には、俺のEX級の魔力が流れ込んでいる。
彼女の本質…『母性』と『献身』 が魔法として開花していた。
「【マザー・サンクチュアリ】!」
静香さんが両手を広げると、暖かい光の障壁が玉座の間の入口を塞いだ。
黒い天使たちの闇の槍が、障壁に当たりキン!と音を立てて弾かれる。
「すごい…! お母さん!」
「((((((これが、お兄ちゃんとの、愛の、力…!))))) 」
理奈と瑠奈が、目を輝かせる。
「理奈! 瑠奈! お願い!」
「任せて!」
「うん!」
二人はもはや、現代の中学生ではない。
勇者の妹であり妻だ。
二人の魔力が、異世界の濃密な魔力と共鳴する!
「「【ツイン・ストライク】!」」
理奈の炎と、瑠奈の氷が、螺旋を描き一体の天使を直撃する!
「キイイイッ!」
天使が蒸発する。
「よし! 次!」
理奈が駆け出し、天使の注意を引く!
「こっちだぴょん! あ、違う、こっちよ!」
「理奈! 危ない!」
瑠奈が的確に援護射撃の氷の矢を放つ。
天使の足が凍りつき動きが止まる。
「ナイス、瑠奈!」
そこへ理奈の回し蹴りが炸裂する!
「おらぁ!」
「キイッ!」
天使が吹っ飛ぶ。
だが残りの三体が、静香さんの障壁に襲いかかった!
「くっ…!」
障壁にヒビが入る!
「お母さん!」
「大丈夫です…!」
静香さんは、歯を食いしばる。
((((((翔太さん…! あなたの帰る場所は、わたくしたちが守ります!)))))
彼女の中の俺の魔力が呼応する。
「【ラブ・バースト】!」
障壁が眩いピンク色の光を放ち、天使たちを吹き飛ばした!
「「すごい…!」」
理奈と瑠奈が息を呑む。
静香さんは頬を赤らめ「…今のは、忘れてね…♡」と呟いた。
俺の家族チームは、確実に王城を守り抜いていた。
◇
【正妻チーム:陽奈美・セラフィーナ】
東の空は、黒い天使たちで埋め尽くされていた。
「うわー…! すごい、数…!」
「怯んではいけません、陽奈美さん!」
セラフィーナが。聖女としての戦闘衣装に身を包み。空中に浮かぶ。
「わたくしたち二人で、あのアバターへの、道を、切り開くのです!」
「分かってるよ! セラさんこそ、足、引っ張らないでよね!」
陽奈美も、付与術師としてのローブを翻す。
「行きますわよ! 【ホーリー・ジャッジメント】!」
セラフィーナが手を掲げると、天から無数の光の槍が降り注ぐ。
だが女神の言葉どおり、聖属性は反転している。
光の槍は漆黒の闇の槍と化し、天使たちを貫いていく!
「キイイイイッ!」
「すごい…! あれが、異世界の、聖女の、力…!」
陽奈美が息を呑む。
「陽奈美さん! ぼーっとしないで! 援護を!」
「はいはい! 【マルチ・エンチャント! ホーリー・ウェポン!】」
陽奈美がセラフィーナの攻撃に、更なるバフを上乗せする。
「!」
セラフィーナの闇の槍が、倍の太さになり威力が跳ね上がった!
「まあ! これが、現代の、付与術…! なんて、効率的な!」
「でしょ?♡ 合わせるよ、セラさん!」 「ええ!」
天使の大群が二人を包囲しようと迫る!
「((翔太(勇者様)は、わたくし(あたし)が、守る!))」
二人の正妻の心が一つになる。
「セラさん、あれ、やるよ!」
「あれ、ですの!?」
「「【デュアル・アーツ:ブライド・ノヴァ】!」」
陽奈美がセラフィーナにありったけの魔力を注ぎ込む。
セラフィーナはその増幅された魔力を、全て反転させ漆黒の太陽として解き放った!
「キイイイイイイイイイイイッ!!」
東の空を覆っていた天使たちが、一瞬で蒸発していく。
「…はぁ…はぁ…」
「…や、やった…」
「…ふぅ。なかなか、やりますわね、陽奈美さん」
「…そっちこそ。とんでもない、魔力だね、セラさん」
二人のライバルは互いの実力を認め合い笑い合った。
「さあ、翔太(勇者様)の、元へ、急ぎますわよ!」
「うん!」
◇
【聖騎士チーム:エレオノール・ブリジット】
「突貫するであります! エレオノール殿!」 「だから、無策な、突撃は、美しくありませんわ!」 王城の大通りは黒い天使たちで溢れ返っていた。 「問答無用!」 ブリジットが大きな盾を構え文字通り天使の群れに突っ込んでいく! 「【シールド・ストライク】!」 「キイッ!」 数体の天使がボーリングのピンのように弾き飛んだ。 「ああ、もう!」 エレオノールも続くしかない。 「【グラン・クロス】!」 彼女の聖なる剣が反転した闇の十字を描き天使たちを切り裂く。
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◇
【賢者チーム:ルナリア・凛花】
「…見えますわ」
「…見えておるわ」
王都の遥か上空。
二人の賢者は冷静に戦場を見下ろしていた。
「凛花よ。あそこ。西の貴族街に、ひときわ大きな魔力反応がある」
「ええ。あれが、この区域の眷属を指揮している指揮官個体でしょう」
「フン。面倒じゃ。まとめて消し飛ばす」
ルナリアが手のひらに、超巨大な氷の槍を生み出す。
「待って」
凛花さんがそれを制する。
「…なんじゃ」
「下を見て。民間人の避難が遅れていますわ」
「…チッ!」
ルナリアが舌打ちする。
「あんな大技を使えば、街ごと吹っ飛びます。…わたくしに考えが」
「…言ってみよ」
「まず、わたくしが魔力の指向性を変更するフィールドを展開します。あなたはその中心に、最大火力の魔法を」
「…ほう? 妾の魔力を制御できると申すか? 人間ごときが」
「できますわ。…『科学』ならね」
凛花さんが伊達メガネを光らせる。
「…よかろう! 乗ってやろう!」
ルナリアもニヤリと笑った。
「【パラボラ・フィールド:ターゲット・ロック】!」
凛花さんが無数の魔法陣を展開し、指揮官個体の頭上に一点集束させる。
「ルナリアさん! 今!」
「任せよ! これがハイエルフの真髄じゃ!」
「【メテオ・ストライク】!」
ルナリアが放ったのは、本来広範囲殲滅魔法である隕石召喚!
だがその凄まじい破壊の力は、凛花さんの魔法陣に吸い込まれ、一本のレーザーのように収束され指揮官個体の頭上に、寸分の狂いもなく直撃した!
「キイイイイイイイイイイイッ!?」
西の空の天使たちが、指揮官を失い混乱し始める。
「…ふぅ」
「…フン。まあまあ、じゃな」
「…あなたこそ。とんでもない魔力ですわね」
最強の二つの頭脳が空を制圧した。
◇
【特攻チーム:麗華・ミミ】
「麗華! 遅いウサ!」
「ミミこそ! 獲物を横から取るなアル!」
王都の裏路地を、二つの影が弾丸のように駆け抜けていた。
この二人に連携など必要ない。
あるのは「競争」だけだ。
「あ! あそこのデカいの、ミミがやるぴょん!」
「ワタシの、獲物ネ!」
路地を塞ぐ大型の天使に、二人が同時に襲いかかる!
「【アサシネイト・ダガー】!」
「【百裂脚】!」
ミミが影から現れ、天使の首を掻き切ろうとする!
同時に麗華の無数の蹴りが、天使の胴体を滅多打ちにする!
「「キイイイッ!」」
天使は何が起きたかも分からず、崩れ落ちた。
「ふん! 今のはワタシの勝ちアル!」
「むー! ミミのナイフが先だったウサ!」
「「「キイイッ!」」」
口論している間にも新たな敵が二人を囲む!
「「あーもう! うるさい(アル)(ウサ)!」」
「「【龍ノ咆哮】!」」
「「【ラピッド・スラッシュ】!」」
麗華の闘気を込めた掌底と、ミミの目にも止まらぬ斬撃が炸裂する。
最強の特攻コンビは、まるで遊ぶかのように敵陣を突破していく。
「…すごい」
俺は王城の中央塔の頂上から、その全てを見ていた。
家族は城を守り。
八人の嫁たちは俺の作戦を完璧に遂行している。
全員が中央塔へと集結しつつあった。
「…待たせたな、ラスボス」
俺は空に浮かぶ漆黒のアバターを睨みつけた。
「ここからが、本当の、最終決戦だ!」
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美鈴転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
17年間実力を隠してスローライフを謳歌してたが、うっかり王女様を助けてから勝手に成り上がり人生が始まった
田中又雄リグゼ=ブルームは男爵家のハズレ三男…ということにしていた。
生まれながらに自分が周りより遥かに魔法使いとして優れている理解した俺は、自分の力を抑える力を覚えると、17年間見事にその実力を隠してスローライフを謳歌していた。
そんなある日のことだった。
真夜中の森で、フードを深く被った子が5人の男に襲われている場面に遭遇する。
面倒ごとに巻き込まれたくない俺は見なかったことにして、その場を去ろうとするが、その男たちにバレてしまう。
そうして、戦闘になるとそいつらは中々に強かったが、傷一つつけられることなく勝利を収める。
そのまま、奴らを縛ってその場を攫うとすると少女が俺の手を掴む。
「助けてくれて…ありがとうございます」と、フードを取るとその子は大国の第一王女ラルフ=クラムであった。
そして、倒したのが近年話題になっていた最強の盗賊団の幹部たちであると知る。
こうして、王女に目をつけられたことで、勝手に成り上がり人生が始められるのであった。
牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)~軟弱男のハーレム旅行はどこへ行く~
@000ーooo ツェーザルはネルデンベルク公爵家の三男である。顔だけはよかったが、それ以外は至って平凡で、5歳のスキル授けの儀式では授かったスキルは生活魔法であった。この国では、兄弟の誰かが家を継ぐとその時点で家を継がなかった兄弟は平民となる。何の取柄もない三男が家を継げるわけもなく、親からは「どこかの貴族家に婿に行くか」と言われたが、婿に行けば肩身の狭い思いをするので「将来は商人になっていろいろな国を旅してみたい」と言った。そうしたら、「15歳で学院を卒業するまでは面倒を見るが、その後は好きにしろ」と言われていた。
ツェーザルは、表面上は顔はいいが、目立たない、空気のような存在である。しかし、実際は女性を虜にするスキルを持っており、それを人に目立たなくするスキルで必死に抑えているのである。そのため、何事にも余裕がなく、いつも疲れ気味なのである。ほんとうはすごく有能なのである。そんな公爵家三男の学院生活と卒業後の旅先々でいろいろな経験をする。顔だけ男の物語である。
本作品はアルファポリス様、小説家になろう様の同時投稿です。あと最近エブリスタ様にも投稿始めました。
表紙作ってみました。今回も以前撮った花桃の写真(違う木です)を使いました。
男が少ない世界に転生して
美鈴※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。