小さなパン屋の恋物語

あさの紅茶

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一章◆ぜひ常連さんに◆

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お釣りを握らされては返すわけにはいかず、雄大は戸惑いながらも渋々ポケットへしまう。
そんな雄大に、琴葉は微笑みながら言った。

「それならばぜひまたいらしてください。私の焼くパンを好きになってもらえると嬉しいです。ぜひ常連さんに。」

にっこりと微笑む琴葉に、雄大は思わず

「じゃあ明日も来ます。」

と口走っていた。

琴葉は一瞬驚いた顔になったがすぐさまニコリと微笑み、

「はい、お待ちしております。ありがとうございました。」

と深々とお辞儀をした。
琴葉の心地よい声に見送られて、雄大は会社へ戻った。

買ってきたばかりのパンを噛りながら、仕事の続きをする。
いつもこの時間は副社長室にこもり、食事も取らずに黙々と仕事をしている。
だけど今日は何だか気持ちがフワフワしてしまって落ち着かず、もう帰ることにした。
こんなに早くオフィスを出るのは久しぶりだなと、雄大は思った。

月明かりがとても綺麗な夜だった。
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