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四章◆それは誇り◆
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しおりを挟む何種類かのパンをたくさん袋に詰めて、琴葉は綾菜のブティックへ赴いていた。
高級そうな扉を開けると、上品な店員が「いらっしゃいませ」と出迎えてくれる。
琴葉は緊張しながら、おずおずと尋ねた。
「南部と言います。綾菜さんはいらっしゃいますでしょうか?」
店員が奥をチラリと見るので、琴葉もつられて奥を見る。
どうやら誰かと話をしているようだった。
「申し訳ございません、ただ今取り込み中でして。」
「そうですか、ではこちらをお渡しいただけますか?南部琴葉と申します。先日はありがとうございましたとお伝えください。」
元々長居をする気はなくパンを渡しに来ただけなので、パンの入った紙袋を店員に渡して琴葉はそそくさと店を出た。
今日はminamiの定休日なので、外に出たついでに久しぶりにブラブラとウィンドウショッピングでもしていこうかと考えながら歩いていると、後ろから声をかけられる。
「minamiの店員さん。」
振り向くとそこには、いつものスーツとは違う私服姿の杏奈がいた。
私服も、体のラインが強調されるようなおしゃれなワンピースにヒールのある靴でさながらモデルの様だ。
「ちょうどあなたとお話ししたいと思っていたのよ。」
にこりと笑うも、その瞳の奥は全然笑っているように見えず、琴葉は身構える。
「何でしょう?」
「あなた、雄大から手を引いてちょうだい。お金目当てで雄大に近付いたってことはわかっているのよ。」
確信に迫る杏奈に、琴葉は一歩たじろぐ。
だが、言われた意味がわからなくて恐る恐る疑問を投げ掛けた。
「どういうことでしょうか?」
「事故でご両親を亡くされて多額の賠償金が入ったんでしょうけど、ごねて訴訟になりかけたそうね。それに加えてお店の経営状態もかなり悪いわ。」
それは予想だにしない言葉で、冷ややかに告げる杏奈に琴葉は恐怖を覚え、どんどん血の気が引いていった。
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