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時間潰しと暇潰しと暇潰し
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マルナ村の端から端まで歩いていくと5時間はかかる。
村というより、町と言っていい規模だ。
組合はそんな村の真ん中あたりに建てられている。マルナ村の東西南北、4方角の端には村の守り神として奉っている四神の社がある。村の人は年に一回、四神に年越しのお礼参りに行くらしい。
北端に奉られている北の神『ノーザ』。
南端に奉られている南の神『サウサ』。
西端に奉られている西の神『ウェース』。
東端に奉られている東の神『イーサ』。
向かうのは北の神ノーザが奉られている北端、依頼主は力試しをしてくれ、とのことだ。
どんな人なのだろうと思い馳せながら、向かう。
「場所はここでいいはずなんだけどな…」
着いたのは特に何もない更地だった。地図を読み違えたか?とも思ったがどうやら正しかったようだ。
離れたところの地面が隆起したと思ったら、静也の脚元に目掛けてボコボコと地面を盛り上げながら移動し始める。
何かおかしいと思い傘を召喚し、スキル<傘使い>の補正で身体能力が向上させる。
横に移動して、様子を見る。
横に動いたのと同時に地面の隆起は静也の動いた方向に向かう。
地面に何かの魔物が居るのかと思い傘を構え、盛り上がった部分に目掛け投擲する姿勢をとる。
すると、地面の隆起は収まる。
「ほっほっほっ!お主が依頼を受けた者かの?いきなり失礼したの。ちょっと試しただけじゃ。」
静也は警戒を解いていない。声のする法へ顔を向ける。
暫く様子を伺い危険がないと思い、警戒を解く。
「依頼を受けた水鏡静也です。静也とお呼びください。」
どこからか現れた者はボロボロのローブを着ている長く白い髭の目立つ老人だった。
腰は折れ、杖を突いて体を支えていることから高齢者だと一見してわかる。
「依頼を受けたということは、儂の依頼を見たのじゃろ?」
「はい、それで力試しというのは?」
静也は依頼の力試しをさせてくれ。というのを、依頼主が冒険者に力試しをさせてもらいたいと捉えているが、依頼主の老人はその逆、冒険者の力量を試させてくれ。という風に頼んだのだ。
「お主の力と儂の力、どちらがつよいかってだけじゃ。簡単じゃろ?」
「失礼ですが…力比べでしたら、まだ若い自分のほうに機があると思いますが…」
「違う違う、そこまで脳みそ筋肉な話はしておらんわ。とある勝負しようって話じゃ。」
ここで初めて、依頼の内容が理解できた。
「どのような?」
相手は老人、適当に戦って終わらせようと思っていた。
すると老人は杖で地面をコンッと突く。すると静也を中心とする半径10メートルの大地が揺れながら沈没した。
地面は円筒形にえぐれている状態になっている。高さは20メートルだろう。斜面は小石一つない綺麗な状態。触り心地はツルツルとしている。壁自体かなり硬く傘も刺さらない。少し壁は削れたがすぐに修復され元通りになる。
まず登ることが不可能、地上への復帰は無理だ。
「安心せい、今からお主の四方八方から石でできた魔物、いや召喚魔を倒してもらう。一体ごとに0.1センチずつ地面が上昇するようになっておる。
お主はそのフィールドから帰還できるか、帰還出来たらお主の勝ち、帰還できなかったら儂の勝ちという単純な勝負じゃ。」
老人は不敵な笑みを地上から向けるながら説明をする。
同時に老人が開始と大きな声で宣言する。
有無を言わさず強制参加だ。
壁から、空中から、地面から、召喚魔達が襲ってくる。
全身を、自身のもつありとあらゆるものを活用し、襲い来るモノに挑む。
地面から這いよるモノは<傘使い>の補正で強化された体で放つ蹴りをお見舞いする。
壁から出てきたモノには傘で薙ぎ、突きを放つ。
空から来るモノは壁からのと同じようにする。
しかしそれでも、地面から這いよるモノを討ち漏らし、体にへばりつき動きを阻害される。
壁から出てきたもの、空から来るものに押しつぶされそうになる。重さのあまり倒れ、どんどん召喚魔たちが静也に乗っかっていく。
まずいと思い咄嗟に魔法<傘の雨>を行使し、一気に殲滅し、その危機は免れたが、体内の魔力が枯渇
状態になりつつある。
ちなみに魔力が枯渇すると頭痛、吐き気、筋肉の弛緩、マヒ等の症状が出る。
枯渇状態に近くになるとそれに近い症状が起きる。
今の静也はそれに付随する症状が出ている、一気に体内魔力が使用される切り札を初っ端から使ったので、仕方のないことだ。
そんな切り札を使ったのに地上までの高さは残り18メートル。
魔力枯渇付近状態の静也は現状に重度の焦燥感に狩り立たれる。
筋肉は弛緩し、焦り立ち上がろうにも地面に頬ずりする形になる。
歯を食いしばることすらできない。地面に爪を立てる事さえままならない状態。この上ない危機、迫る召喚魔。
鼓動が早くなる、呼吸回数も格段に上がる。生存本能が働きかける。
いかに本能が働きかけども動けない。現状、死が刻一刻と迫るだけだ。
すると、身体が勝手に動き出す。意識はあるのに。身体が勝手に動いている。自分の意思で操作ができない。
しかし自分でも驚くくらい効率的に、確実一撃でに召喚魔を殺す。筋肉は弛緩されているはずだというのに、その動きは力強く、躍動している。
脳内に声が響いてくる。
『おいおい、ほんっとうにお前は弱えなぁ、おい。だがそれも面白い。強化しようがあるんだよなぁ』
「だ、誰だ!」
脳内に直接聞こえてくるその声に驚きを隠せない静也だった。声は出せるようだ。
『おっ!意識が残ってたか!…本当はやばいんだろうけど…まぁいいかぁ。それもまた面白い!おれは『起死回生の神』、お前を加護している神だ。ま、本当は転生保障で暫く慣れるまで世話する形になってるんだがよ?お前を転生させた『■■■■』のやつが俺に押し付けて…ったくあいつはほんっとうに性格悪いわ、お前が死んだときも、死因が面白いからって神力を使って録画までしてたからな…、本当に面倒だが、面白い!』
次から次へと話題が変わっていく。
起死回生の神の発言の一部が聞こえなかったが、聞く間もなく起死回生の神は話を続ける。
『お前の持つスキル<傘使い>は本当はこの上ないくらい強力なんだがよ?お前さん、応用力皆無だろ。まったくこれだから前世でゆとりゆとりってバカにされるんだよ。いいさ。とりあえずそこで説明するわ。所有スキル一覧を開くぜ?あと詳細もな。』
すると視界が暗黒に切り替わる。それと同時に暗黒の空間から見たことのあるものが浮かび上がる。
所持スキル一覧
パッシブスキル
<傘使い><傘の極意><転生者><常時警戒・傘><双槍使い・傘><理解・傘>
アクティブスキル
<傘><バーサークモード・傘><位置把握・傘><傘突き><探索・傘><投擲・傘><薙ぎ払い・傘><手加減・傘>
<傘融合><危機察知・傘><臨機応変・傘>
システム
<自己開示><■■■■><傘ストレージ確認>
その他
<アンブレランスモード><アンブレラシールドモード>
魔法
<傘の雨><傘操作><足場作成・傘>
『お前はそこで全部のスキルの詳細見てろ。んで、応用を凝らせ。ん?まてよ?応用を凝らす?なんか矛盾してるけど…まぁいいっか!とりあえずよんでろ!』
なんて適当な神なんだ…と思っていた。
とりあえず、言われたようにスキルの詳細を見ることにした。
<傘使い>
傘を武器とて、道具とする者に最大限活用できるだけの身体能力、魔力を与える。傘によるスキルの習得難易度を下げ、熟練度の向上速度を上げる。
発動中
<傘の極意>
傘を自在に扱えるようになり傘の本質を見極められる。また傘の良し悪しを目利きすることができ、スキル<目利き>の上位スキル<鑑定>をも行使できる。
自身の傘による自爆、他人の傘攻撃を無効にする。
傘による行動の補正がかかる。
発動中
<転生者>
別の世界、異世界で死亡し転生できたものに贈られるギフトスキル。
異世界で苦労をしないように<言語理解>と<鑑定>を授ける。他人に開示しても見えない。
永久発動
<常時警戒・傘>
傘を装備、もしくは常備している場合にのみ効果を発動する。
敵意、殺意に反応できる。危険も察知できる。
視界に入る範囲なら確実性は高い。
発動中(未発動)
<双槍使い・傘>
傘を両手に装備時、もしくは槍と同じような攻撃をした場合、高い補正がかかる。
また、槍使いと同様のスキルを習得することができる。
発動中(未発動)
<理解・傘>
傘を介してなら、傘の派生スキルへの方法が眉唾程度だがわかる。
発動中(未発動)
<傘>
異界の傘を顕現させる。<強靭>の能力付き。また、所有者の願望により形状を変形させるが明確な構造を考えていないと新たな傘を召喚できない。傘の持つ能力は強力である。
<バーサークモード・傘>
バーサークモードの傘派生。
狂気に染まり、他人に手加減なしで襲いかかる。
傘を装備している時に任意、もしくは感情の爆発で発動する
発動中は理性を失うので使用は計画的に。
<位置把握・傘>
いったことのある場所ならば傘に連れていって欲しいと願えば傘の手元が目的方向へ倒れる。
別世界の所の場合使用者のいる世界を示すため使用は不可能。
<傘突き>
攻撃スキルの一種、貫通力が高く鎧をも貫く。
所有者のテクニックに依存する。
アンブレランスモード時には貫通力と攻撃力を上げる。
<探索・傘>
傘を装備、又は使用しているとき、罠の発見、宝の発見等ほぼ全般的に役立つ。
見つけたいもの、さがしものの名称や特徴を思い浮かべている状態ならその物の所へ案内してくれる。
<投擲・傘>
傘を投擲したときに高い補正がかかる。
命中精度、軌道補正、威力の補正が高くなる。
なお、傘を落としただけでもその効果は発生する。
<薙ぎ払い・傘>
傘で薙ぎ払いをしたときに高い補正がかかる。
<手加減・傘>
相手を殺さないように加減ができるようになる。
任意発動
<傘融合>
傘と自身の体を融合させる。生地だけを身に纏いローブにしたり、シャフトを束ね甲冑を作るイメージだけでも想像通りのモノになる。
なお、自身の骨肉と融合するため、折られたり焼かれたりすれば一大事になるためそうなれば任意解除を推奨する。
任意発動
<危機察知・傘>
<常時警戒・傘>の危機察知能力が向上したスキル。
視界に入っている危険性の高いモノに敏感に反応する。
常時発動
<臨機応変・傘>
臨機応変な行動がたまにできる確率がややあがる。
常時発動
<■■■■>
ある神の権限の乱用により与えられたもの。
とある制限と恩恵を授けられた。
神のきまぐれで情報を公開するかもしれない。
ただいまの公開可能情報
傘以外の武器を触れることを禁じる。ただし、ナイフは可。
神からのコンタクト発生確率上昇、一部規制緩和。
異世界に慣れるまで神々の一柱『起死回生の神』の加護下に置かれる。
以上
<傘ストレージ確認>
傘の能力のひとつ、傘ストレージ内のものの在庫の確認をする。
<アンブレランスモード>
傘の形状変形のひとつ、攻撃に向いている。特に貫通力はずば抜けて高い。
このモードでは傘ストレージからアイテムを取り出せない。
<アンブレラシールドモード>
傘の形状変形のひとつ、防御に向いている。特に防御力はずば抜けて高い。
このモードでは傘ストレージからアイテムは取り出せない。
<傘の雨>
体内魔力を消費し、周辺の討伐目標を異世界から召喚される傘で一掃する。
討伐目標が多くいる場合、魔力枯渇寸前になるまでに留まる。
任意発動・無詠唱魔法
<傘操作>
召喚した傘を自在に操作する。
操作している間は自身の体内魔力を消費し続ける。
任意発動・無詠唱魔法
<足場作成・傘>
召喚した傘が開き、空中で浮き、足場として役立つ。
作成した足場は傘操作で操作可能。
足場を作成するとき少し魔力を消費。作成した足場は任意で召喚解除できる。
任意発動・無詠唱魔法
「こうみたら、かなり多いな…どんだけあるんだよ…」
『お、読み終わったか。こっちは地上まであと10メートルだぜ。まったく、体内魔力を殆どつかって2メートルしか上がってないって…本当に弱っちいなぁ。くっそだせぇ。』
笑いながら静也を小馬鹿にする起死回生の神にぐうの音も出なかった。
『まぁ、いいさ。お前に一ついいことおしえてやる。魔法は想像力に依存する。どんな魔法を使いたいかってのは思いついただけでも魔法になる。でもそれを発動できる魔力があるかどうかにもよるぜ?おっと、また新しいスキルとるぜ?いいな?よーしとった!もう1個も!』
返事を待つことをしない起死回生の神。
《スキル<双盾使い・傘>を習得しました。》
《スキル<シールドバッシュ・傘>を習得しました。》
何が何だかわからないうちに陥没した地面は残り1メートルになっていた。
『そろそろにしておくか。これ以上したらおれの神威に引っかかるからな。
そろそろ、自力でやってみろ。ここまでやってやった俺に感謝しろよ?
ったく…俺は本当に甘ぇよなぁ。これからの成長に期待しているぜ。』
そう言い残すと視界は徐々に光に侵食されていく。
視界が戻る。いま、ちょうど召喚魔を倒していたようだ。
魔力は循環されている、筋肉も弛緩から解放され、万全な状態になっている。疲れもない。
バーサークモードが終わったときには体は回復するがどっと疲れるのだが、神の干渉があると特殊な場合疲れがないようだ。
「ほほう、戻ってきたかい。それはいい。それじゃぁ全力で行かせてもらおうかのぉ!」
老人に石や岩の瓦礫が纏われていく。
オーラのようなモノも混ざっていく。
そしてあらわれたものは巨大な岩石の巨人の強化種『ゴーレム・多重硬化』だった。
村というより、町と言っていい規模だ。
組合はそんな村の真ん中あたりに建てられている。マルナ村の東西南北、4方角の端には村の守り神として奉っている四神の社がある。村の人は年に一回、四神に年越しのお礼参りに行くらしい。
北端に奉られている北の神『ノーザ』。
南端に奉られている南の神『サウサ』。
西端に奉られている西の神『ウェース』。
東端に奉られている東の神『イーサ』。
向かうのは北の神ノーザが奉られている北端、依頼主は力試しをしてくれ、とのことだ。
どんな人なのだろうと思い馳せながら、向かう。
「場所はここでいいはずなんだけどな…」
着いたのは特に何もない更地だった。地図を読み違えたか?とも思ったがどうやら正しかったようだ。
離れたところの地面が隆起したと思ったら、静也の脚元に目掛けてボコボコと地面を盛り上げながら移動し始める。
何かおかしいと思い傘を召喚し、スキル<傘使い>の補正で身体能力が向上させる。
横に移動して、様子を見る。
横に動いたのと同時に地面の隆起は静也の動いた方向に向かう。
地面に何かの魔物が居るのかと思い傘を構え、盛り上がった部分に目掛け投擲する姿勢をとる。
すると、地面の隆起は収まる。
「ほっほっほっ!お主が依頼を受けた者かの?いきなり失礼したの。ちょっと試しただけじゃ。」
静也は警戒を解いていない。声のする法へ顔を向ける。
暫く様子を伺い危険がないと思い、警戒を解く。
「依頼を受けた水鏡静也です。静也とお呼びください。」
どこからか現れた者はボロボロのローブを着ている長く白い髭の目立つ老人だった。
腰は折れ、杖を突いて体を支えていることから高齢者だと一見してわかる。
「依頼を受けたということは、儂の依頼を見たのじゃろ?」
「はい、それで力試しというのは?」
静也は依頼の力試しをさせてくれ。というのを、依頼主が冒険者に力試しをさせてもらいたいと捉えているが、依頼主の老人はその逆、冒険者の力量を試させてくれ。という風に頼んだのだ。
「お主の力と儂の力、どちらがつよいかってだけじゃ。簡単じゃろ?」
「失礼ですが…力比べでしたら、まだ若い自分のほうに機があると思いますが…」
「違う違う、そこまで脳みそ筋肉な話はしておらんわ。とある勝負しようって話じゃ。」
ここで初めて、依頼の内容が理解できた。
「どのような?」
相手は老人、適当に戦って終わらせようと思っていた。
すると老人は杖で地面をコンッと突く。すると静也を中心とする半径10メートルの大地が揺れながら沈没した。
地面は円筒形にえぐれている状態になっている。高さは20メートルだろう。斜面は小石一つない綺麗な状態。触り心地はツルツルとしている。壁自体かなり硬く傘も刺さらない。少し壁は削れたがすぐに修復され元通りになる。
まず登ることが不可能、地上への復帰は無理だ。
「安心せい、今からお主の四方八方から石でできた魔物、いや召喚魔を倒してもらう。一体ごとに0.1センチずつ地面が上昇するようになっておる。
お主はそのフィールドから帰還できるか、帰還出来たらお主の勝ち、帰還できなかったら儂の勝ちという単純な勝負じゃ。」
老人は不敵な笑みを地上から向けるながら説明をする。
同時に老人が開始と大きな声で宣言する。
有無を言わさず強制参加だ。
壁から、空中から、地面から、召喚魔達が襲ってくる。
全身を、自身のもつありとあらゆるものを活用し、襲い来るモノに挑む。
地面から這いよるモノは<傘使い>の補正で強化された体で放つ蹴りをお見舞いする。
壁から出てきたモノには傘で薙ぎ、突きを放つ。
空から来るモノは壁からのと同じようにする。
しかしそれでも、地面から這いよるモノを討ち漏らし、体にへばりつき動きを阻害される。
壁から出てきたもの、空から来るものに押しつぶされそうになる。重さのあまり倒れ、どんどん召喚魔たちが静也に乗っかっていく。
まずいと思い咄嗟に魔法<傘の雨>を行使し、一気に殲滅し、その危機は免れたが、体内の魔力が枯渇
状態になりつつある。
ちなみに魔力が枯渇すると頭痛、吐き気、筋肉の弛緩、マヒ等の症状が出る。
枯渇状態に近くになるとそれに近い症状が起きる。
今の静也はそれに付随する症状が出ている、一気に体内魔力が使用される切り札を初っ端から使ったので、仕方のないことだ。
そんな切り札を使ったのに地上までの高さは残り18メートル。
魔力枯渇付近状態の静也は現状に重度の焦燥感に狩り立たれる。
筋肉は弛緩し、焦り立ち上がろうにも地面に頬ずりする形になる。
歯を食いしばることすらできない。地面に爪を立てる事さえままならない状態。この上ない危機、迫る召喚魔。
鼓動が早くなる、呼吸回数も格段に上がる。生存本能が働きかける。
いかに本能が働きかけども動けない。現状、死が刻一刻と迫るだけだ。
すると、身体が勝手に動き出す。意識はあるのに。身体が勝手に動いている。自分の意思で操作ができない。
しかし自分でも驚くくらい効率的に、確実一撃でに召喚魔を殺す。筋肉は弛緩されているはずだというのに、その動きは力強く、躍動している。
脳内に声が響いてくる。
『おいおい、ほんっとうにお前は弱えなぁ、おい。だがそれも面白い。強化しようがあるんだよなぁ』
「だ、誰だ!」
脳内に直接聞こえてくるその声に驚きを隠せない静也だった。声は出せるようだ。
『おっ!意識が残ってたか!…本当はやばいんだろうけど…まぁいいかぁ。それもまた面白い!おれは『起死回生の神』、お前を加護している神だ。ま、本当は転生保障で暫く慣れるまで世話する形になってるんだがよ?お前を転生させた『■■■■』のやつが俺に押し付けて…ったくあいつはほんっとうに性格悪いわ、お前が死んだときも、死因が面白いからって神力を使って録画までしてたからな…、本当に面倒だが、面白い!』
次から次へと話題が変わっていく。
起死回生の神の発言の一部が聞こえなかったが、聞く間もなく起死回生の神は話を続ける。
『お前の持つスキル<傘使い>は本当はこの上ないくらい強力なんだがよ?お前さん、応用力皆無だろ。まったくこれだから前世でゆとりゆとりってバカにされるんだよ。いいさ。とりあえずそこで説明するわ。所有スキル一覧を開くぜ?あと詳細もな。』
すると視界が暗黒に切り替わる。それと同時に暗黒の空間から見たことのあるものが浮かび上がる。
所持スキル一覧
パッシブスキル
<傘使い><傘の極意><転生者><常時警戒・傘><双槍使い・傘><理解・傘>
アクティブスキル
<傘><バーサークモード・傘><位置把握・傘><傘突き><探索・傘><投擲・傘><薙ぎ払い・傘><手加減・傘>
<傘融合><危機察知・傘><臨機応変・傘>
システム
<自己開示><■■■■><傘ストレージ確認>
その他
<アンブレランスモード><アンブレラシールドモード>
魔法
<傘の雨><傘操作><足場作成・傘>
『お前はそこで全部のスキルの詳細見てろ。んで、応用を凝らせ。ん?まてよ?応用を凝らす?なんか矛盾してるけど…まぁいいっか!とりあえずよんでろ!』
なんて適当な神なんだ…と思っていた。
とりあえず、言われたようにスキルの詳細を見ることにした。
<傘使い>
傘を武器とて、道具とする者に最大限活用できるだけの身体能力、魔力を与える。傘によるスキルの習得難易度を下げ、熟練度の向上速度を上げる。
発動中
<傘の極意>
傘を自在に扱えるようになり傘の本質を見極められる。また傘の良し悪しを目利きすることができ、スキル<目利き>の上位スキル<鑑定>をも行使できる。
自身の傘による自爆、他人の傘攻撃を無効にする。
傘による行動の補正がかかる。
発動中
<転生者>
別の世界、異世界で死亡し転生できたものに贈られるギフトスキル。
異世界で苦労をしないように<言語理解>と<鑑定>を授ける。他人に開示しても見えない。
永久発動
<常時警戒・傘>
傘を装備、もしくは常備している場合にのみ効果を発動する。
敵意、殺意に反応できる。危険も察知できる。
視界に入る範囲なら確実性は高い。
発動中(未発動)
<双槍使い・傘>
傘を両手に装備時、もしくは槍と同じような攻撃をした場合、高い補正がかかる。
また、槍使いと同様のスキルを習得することができる。
発動中(未発動)
<理解・傘>
傘を介してなら、傘の派生スキルへの方法が眉唾程度だがわかる。
発動中(未発動)
<傘>
異界の傘を顕現させる。<強靭>の能力付き。また、所有者の願望により形状を変形させるが明確な構造を考えていないと新たな傘を召喚できない。傘の持つ能力は強力である。
<バーサークモード・傘>
バーサークモードの傘派生。
狂気に染まり、他人に手加減なしで襲いかかる。
傘を装備している時に任意、もしくは感情の爆発で発動する
発動中は理性を失うので使用は計画的に。
<位置把握・傘>
いったことのある場所ならば傘に連れていって欲しいと願えば傘の手元が目的方向へ倒れる。
別世界の所の場合使用者のいる世界を示すため使用は不可能。
<傘突き>
攻撃スキルの一種、貫通力が高く鎧をも貫く。
所有者のテクニックに依存する。
アンブレランスモード時には貫通力と攻撃力を上げる。
<探索・傘>
傘を装備、又は使用しているとき、罠の発見、宝の発見等ほぼ全般的に役立つ。
見つけたいもの、さがしものの名称や特徴を思い浮かべている状態ならその物の所へ案内してくれる。
<投擲・傘>
傘を投擲したときに高い補正がかかる。
命中精度、軌道補正、威力の補正が高くなる。
なお、傘を落としただけでもその効果は発生する。
<薙ぎ払い・傘>
傘で薙ぎ払いをしたときに高い補正がかかる。
<手加減・傘>
相手を殺さないように加減ができるようになる。
任意発動
<傘融合>
傘と自身の体を融合させる。生地だけを身に纏いローブにしたり、シャフトを束ね甲冑を作るイメージだけでも想像通りのモノになる。
なお、自身の骨肉と融合するため、折られたり焼かれたりすれば一大事になるためそうなれば任意解除を推奨する。
任意発動
<危機察知・傘>
<常時警戒・傘>の危機察知能力が向上したスキル。
視界に入っている危険性の高いモノに敏感に反応する。
常時発動
<臨機応変・傘>
臨機応変な行動がたまにできる確率がややあがる。
常時発動
<■■■■>
ある神の権限の乱用により与えられたもの。
とある制限と恩恵を授けられた。
神のきまぐれで情報を公開するかもしれない。
ただいまの公開可能情報
傘以外の武器を触れることを禁じる。ただし、ナイフは可。
神からのコンタクト発生確率上昇、一部規制緩和。
異世界に慣れるまで神々の一柱『起死回生の神』の加護下に置かれる。
以上
<傘ストレージ確認>
傘の能力のひとつ、傘ストレージ内のものの在庫の確認をする。
<アンブレランスモード>
傘の形状変形のひとつ、攻撃に向いている。特に貫通力はずば抜けて高い。
このモードでは傘ストレージからアイテムを取り出せない。
<アンブレラシールドモード>
傘の形状変形のひとつ、防御に向いている。特に防御力はずば抜けて高い。
このモードでは傘ストレージからアイテムは取り出せない。
<傘の雨>
体内魔力を消費し、周辺の討伐目標を異世界から召喚される傘で一掃する。
討伐目標が多くいる場合、魔力枯渇寸前になるまでに留まる。
任意発動・無詠唱魔法
<傘操作>
召喚した傘を自在に操作する。
操作している間は自身の体内魔力を消費し続ける。
任意発動・無詠唱魔法
<足場作成・傘>
召喚した傘が開き、空中で浮き、足場として役立つ。
作成した足場は傘操作で操作可能。
足場を作成するとき少し魔力を消費。作成した足場は任意で召喚解除できる。
任意発動・無詠唱魔法
「こうみたら、かなり多いな…どんだけあるんだよ…」
『お、読み終わったか。こっちは地上まであと10メートルだぜ。まったく、体内魔力を殆どつかって2メートルしか上がってないって…本当に弱っちいなぁ。くっそだせぇ。』
笑いながら静也を小馬鹿にする起死回生の神にぐうの音も出なかった。
『まぁ、いいさ。お前に一ついいことおしえてやる。魔法は想像力に依存する。どんな魔法を使いたいかってのは思いついただけでも魔法になる。でもそれを発動できる魔力があるかどうかにもよるぜ?おっと、また新しいスキルとるぜ?いいな?よーしとった!もう1個も!』
返事を待つことをしない起死回生の神。
《スキル<双盾使い・傘>を習得しました。》
《スキル<シールドバッシュ・傘>を習得しました。》
何が何だかわからないうちに陥没した地面は残り1メートルになっていた。
『そろそろにしておくか。これ以上したらおれの神威に引っかかるからな。
そろそろ、自力でやってみろ。ここまでやってやった俺に感謝しろよ?
ったく…俺は本当に甘ぇよなぁ。これからの成長に期待しているぜ。』
そう言い残すと視界は徐々に光に侵食されていく。
視界が戻る。いま、ちょうど召喚魔を倒していたようだ。
魔力は循環されている、筋肉も弛緩から解放され、万全な状態になっている。疲れもない。
バーサークモードが終わったときには体は回復するがどっと疲れるのだが、神の干渉があると特殊な場合疲れがないようだ。
「ほほう、戻ってきたかい。それはいい。それじゃぁ全力で行かせてもらおうかのぉ!」
老人に石や岩の瓦礫が纏われていく。
オーラのようなモノも混ざっていく。
そしてあらわれたものは巨大な岩石の巨人の強化種『ゴーレム・多重硬化』だった。
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【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
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加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
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しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
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冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
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代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
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『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
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気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
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異世界へ行って帰って来た
バルサック
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ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
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