甘い箱庭

マリモ

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1章

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「ん……え?なんで女の子の服着てるの!?」

目を覚まして服を見るとフワフワとしたピンクのワンピースを着ていた。


あれ、さっきまでお風呂に入ってたはず……

キョロキョロと見渡す


「あれ、起きたのか。ご飯にしよう。」

「え……服…」

「ん?何を言ってるんだい?」

アーリヤは怖い笑顔をして僕を黙らせた。

そう言って微笑んでからベルを鳴らすと知らないメイドさんがカートの上の料理を運んで来た。
 

机の上にササッと暖かな料理を置いて「失礼します。」とだけ言って出ていってしまった。

「さあ食べようか。」


コクリと頷いて僕を抱き上げて机の椅子に座らせられた。

机の上には見たことのない料理が並んでいる。


向かい側に座ったアーリヤは何か呪文のような物を唱え円を切っている。

「何やってるの?」

「ん?あぁ…フェイは知らないのか。ディメティルと言う豊穣の神に祈りを捧げるんだ。」



「神よ、恵みに感謝する。祈りを聞き入れ祝福を授けたまえ。フェイもやってみると良い」

そう手を汲んでから目をつぶりアーリヤの真似をして円を切る。

「神よ、めぐみに感謝する…祈りを聞き入れしゅくふくをさずけたまえ……」

終わった後にアーリヤを見ると微笑んで言った。

「さあ食べようか。好きな物を沢山食べると良い。」

そう言ってパンを1つ取ったアーリヤを真似して同じパンを1つ取る。

少しちぎって口に入れるとフカフカフワフワとした食感にミルクのような味がする。

「美味しい!」

「そうか。沢山食べると良い。」

何時も食べていた固くてモサモサガリガリしててスープに浸して食べているパンと違う。

夢中で食べていたら食べきってしまった。

もう1つパンを取り食べる。

もう1つ手に取ろうとしたらアーリヤに止められてしまった。

「まだ沢山あるし明日にだって食べられるから他の物も食べると良い。このカボチャのポタージュも美味しいよ。」

そう言ってスープを掬ったスプーンを口の前に差し出してきた。

恐る恐る口を付けてみる。

「美味しい!」

アーリヤはニコニコと笑って此方を見ている。

スープやお肉をアーリヤから次々に色々食べさせられる。

こんなに美味しい物を食べられるなんて幸せだなぁとニコニコしているとアーリヤもニコニコと笑った。



ご飯を食べ終わった後アーリヤはすぐに仕事があるからと言って僕を鳥籠に入れて出ていってしまった。


ここに来てから良いことばかりだ。良い匂いの暖かいお風呂に入れるし美味しい食べたことのないご飯も食べられる。

僕はすっかりワンピース等着せられた事を忘れて寝入ってしまった。










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