私の父は陽キャな幽霊

悠月かな(ゆづきかな)

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第三話

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「結衣!おはよう!もう朝だよ~」

部屋に響く大きな声で、私は目を覚ました。

(え?誰…?)

私は起き上がると、ボンヤリとした頭で声の主を探す。
突然、目の前にお父さんがヌッと現れた。

「キャー!!」

私は驚き、悲鳴を上げてしまった。

「お父さん!ビックリするから急に現れないで!」

私の胸は早鐘を打っている。

「そんなに驚くと思わなかったんだよ…」

シュンと肩を落とすお父さん。
何だか、ちょっと可哀想だ。

「あ~ごめん…お父さんがいる生活に慣れてないからさ」

私が謝ると、お父さんが私の頭を撫でた(感覚はないけど)

「そうだよな…お母さんと2人で頑張ってきたんだもんな。結衣は頑張り屋さんで良い子だ」

そう言えば…お父さんは、いつも私の頭を撫でてくれた。
お父さんの手は大きくて温かったのを覚えている。
切なくて温かい複雑な感情を打ち消すように、私は頭を振るとベッドから下り、学校に行く準備を始めた。

 家を出て、あの道に立つ。
私の後ろには、陽キャ幽霊のお父さんがいる。
でも、やっぱり…この道はダメだ…
あの時の事がフラッシュバックする。

「結衣…お父さんがいても、やっぱりダメか?」

心配そうに、私の顔を覗き込むお父さん。

「うん。やっぱりダメみたい」

私が答えると、私を呼ぶ声が聞こえてきた。

「結衣!おはよ~」

弦太だ。
私はホッとして振り返った。

「弦太、おはよう」

弦太と2人、肩を並べて駅に向かう。

(今日も弦太がいてくれて良かった)

心の中で感謝する。
その時、私はお父さんがいない事に気が付いた。
思わず、キョロキョロと辺りを見回す。
しかし、どこにもお父さんはいない。

「結衣、何キョロキョロしてるんだ?」

不思議そうに見つめる弦太に、慌てて笑顔で答える。

「え!ううん。何でもないよ」
「ふ~ん…なら良いけどさ」

尚も不思議そうにしている弦太に、好きなアニメの話を振ると、目を輝かせ熱く語り始めた。
私は、頷きながら目の端でお父さんを探したが、やっぱり姿はなかった。

(まぁ…良いか。後で現れるだろうし)

私は頭からお父さんを追い出すと、弦太の熱い語りに耳を傾けた。

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