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第1話 到来と出会い
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ここは何処だ、私が最初に思ったのは正にそれだった。目を開けると見知らぬ土道の真ん中に立っていた。
道の両脇には木々が青々と繁っており、心地よい風と暖かな日差しもそこにはあった。それだけならばこの地球には山ほどもある。
都会と田舎の違いに過ぎぬものだ。そう思わせるほど、ここの空気は清浄で美しかった。
だがそうではない、それではない何か、とても不確かな何かが違っていた。
ではここは私のいた国ではないのか、否、そういう違いでもない何かだ。
この時私は愚かしくもこう直感したのだ、ここは私の知る世界とは異なる世界、そう「異世界」であると。
確証などなかった、ただ何となく空気が違う、それだけの理由だ。
そんな世界にいきなり放り出されれば困惑し、焦り、帰りたいと願う筈だ。
しかし私は呑気なもので木々の茂る緑のカーテンあるいは遊歩道といったこの道をブラブラと歩き始めた。
優しく木々を撫でた風が通り抜け、小鳥のさえずりも聞こえてくる。
「異世界でも日は暖かく、緑も繁り、風も吹くのか」
間抜けな事を口にして、自然の恵みを感じながら気ままに歩いているとその内に川を見つけた。
その川はとても綺麗で透き通っていて、この美しい川の水に喉の渇きを感じた私は水を一すくい、何のためらいも無く飲んだ。
喉が渇いている時にこそ無味の水はとても美味いのだ。
飲み終わってからこれを水だと思うあたり、私には異世界に来たということに危機感がまるでないのだろう。
ともかくも川の水の優しさで喉の渇きは潤ったが少々困り事が出来てしまった。
この川、確かに綺麗で穏やかなのだが対岸まで距離があり深い所もありそうだったのだ。
泳いで渡れるか、とも思ったがズブ濡れになるのは困るし、カバンに入っているタオルも大きくはない。
ここは来た道を戻るしかないのか、と思いつつあたりを見渡すと少しばかり遠くに幸運にも橋が架かっているのを見つけた。
「『渡りに船』、ならぬ『渡りに橋』だな」
下らない事を言い、持っていたペットボトルに川の水を入れて橋に向かった。私が口にする事は大概下らないのだ。
さてしばらくすると少々大きな道に出て、先程の橋があった。
そこそこしっかりとした作りの橋だがどうやら通行料を取られる類のものではないようで人影もない。
ともかくも橋を渡り、また道なりにブラブラと歩を進めた。
まだ日も高く、歩いては休み、また歩いたりしていた。
菓子がないのは残念だが木陰で水を飲みゴロリとしていると不思議に眠たくなってくるもので一時間程昼寝をしてしまった。
昨日あまり眠れなかったせいだろう。
まあ誰にせかされる訳でもないので好きにブラついた。このまま歩けば村なり街なりに多分着く筈だ。
言葉が通じるか考えていなかったあたり大概阿呆である。
橋の先の道は先程の道と同じく未舗装で少し埋まっているが轍もある。
見た限り自動車のタイヤで出来たものではないだろう。やはり異世界を感じさせる。
そうこうしている内に日も傾き夕刻の様な時間になってきた。
呑気な私でも野宿は少々怖いので村あるいは民家でもないかと目を配らせると煙が上がっているのを見かけた。
この時間帯なら夕煙のはずだ、人が居るのだろうと安心したのだが疑問が生じた。
この煙よく見れば黒煙、つまり夕煙ではなく火事か何かだ。
厄介事には巻き込まれたくないものの見てしまった以上見過ごせないし、半分野次馬のような下らない気持ちも相まってその方向へと足を早めた。
あまりにも俗っぽい事は好まないのだが何か不思議な縁を感じたのかもしれない。
少し汗ばむくらいに走ってその場に着くと奇妙な光景が広がっていた。
確かに火事が起きた形跡はあるが火が既に小さくなっている。
延焼も起きておらず、更に消火した気配もなければ、人影すら一切ない。
黒煙の原因は村中央の建物の火の手らしいが、とにかく何事なのか、人はいないのかと見て回り、試しに一軒一軒尋ねても何の反応も得られない。
どうしたものかと更に見回すと少し遠くに大きな家、というよりは屋敷が見えたので、誰か居ることを期待してその屋敷に向かい声をかける事にした。
近づいてみると大きな屋敷はやはり大きな屋敷で、シンプルながら門扉も立派だ。
声をかけても返事がないので少々崩れた門を潜り、敷地へお邪魔したが結果として、誰もいなかった。
無作法ながら屋敷の中に入り声をかけて回ったのだが駄目だった。
「参ったなぁ」
少々疲れた私はそう呟いて屋敷の玄関脇に腰を下ろした。
もしかするとかなり厄介な事に巻き込まれたのかもしれない、いや首を突っ込んだというべきか。
勝手に民家の寝床を拝借して一泊させてもらうか、それはあまりに無礼だ。
しかし夜露に濡れるのは、それよりも住民を探すべきでは、などと私にはどうしようもない事を考えていると微かにだが物を叩く音が聞こえた。
もしかすると誰かが閉じ込められているのでは、と私は音をたどりその方へ向かった
。
ガレキを乗り越え行き着いた先は屋敷の裏手であった。
音の主を探るため玄関から拝借したランタンを使い辺りを照らすと崩れた石壁の下に戸があり、そこから先程の音がしている。
かなり微かな音で自分もよくぞ気がついたと思わんばかりだ。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけた。これが向こうなら真っ当な声掛けであるが残念ながらここは異世界、日本語が通じるか分からないのである。
ほぼ何の考えもなしにこの言葉を口にしたあたりが私の阿呆さ加減だ。
だがこれ以外にかける言葉も無いのが事実ではないだろうか。声をかけてからしばらく何も音がしなかった。
「誰か、いるのですか」
静けさの中に声が一つ。
なんとまあ都合の良いことに日本語が通じたらしく戸の内側から女性のものらしき声が聞こえてきた。
少々驚きであるが通じるなら何でもいい。とにかく意思疎通ができるので一安心だ。
「内側から開かないのです。なんとかして貰えないでしょうか」
その声には力がない、相当弱っているのだろう。よく戸を叩き続けられたものだ。
とにかくガレキをどうにかしなければ戸は開けようがないので、その旨を声の主に伝えガレキを片付け始めた。
幸いにもガレキは大きくなく、重さもどうにかなる程度だったので戸を開けた時に崩れ込まない様に綺麗に片付けることができた。
安全を確認して声をかけ、戸を開くとそこには十六~十八ほどの女性がうずくまっていた。
出られるかどうかと聞くと腰が抜けて立てないとあったので私も中に入り彼女を背負って外に出ると彼女は私に礼とともに村がどうなったかと聞いてきた。
私は一瞬、嘘をつくか迷った。
が、村が既にもぬけの殻なのは事実であるし、この嘘はすぐにバレてしまう。
そして何よりも彼女の目を見たとき何故か嘘がつけなかった、嘘をつくことこそが彼女を酷く傷つけると思わされたのだ。
「では屋敷も……」
「そう……ですね」
なんとも非常に答えにくいがしかし事実を伝えるよりほかもない。
流石に呑気な私でも苦々しく答えるしかなかったのである。
場には嫌な静寂がもたらされた。
ふと気づけばあたりはもう夜の帳が下りきっていた。かける言葉に悩んだが彼女の身の安全が心配だ。
残念な事に私は悪党を追い返すだけの強さを持ち合わせてはいない。
せいぜい出来るのは彼女の足のかわりになる程度の事だ。
それを踏まえ、ここは危ないのではと聞いた。
「ある意味ここはもう安全なんです」
私の疑問に不思議な答えが返ってきた。
ある意味、とはどういう事かと気にはなったがこの状況下でこれ以上の質問は野暮というものだ。
それくらいは分かる。
「とにかく今日は休みましょう。今はもう、どうしようもありません。助けて頂いたお礼、というには足りないかもしれませんがよろしければ屋敷でお休みになってください」
「お言葉に甘えさせて頂きます。詳しい事はまた明日、という事で」
なんとか絞り出したような彼女の言葉に甘えるより他のない、これ以上の言葉も返せない、そんな私はきっと頼りのない男だろう。
昼間は呑気な散歩だったが夜はそうともいかぬらしい。
本当に変な事に巻き込まれ、いや首を突っ込んだようだ……
道の両脇には木々が青々と繁っており、心地よい風と暖かな日差しもそこにはあった。それだけならばこの地球には山ほどもある。
都会と田舎の違いに過ぎぬものだ。そう思わせるほど、ここの空気は清浄で美しかった。
だがそうではない、それではない何か、とても不確かな何かが違っていた。
ではここは私のいた国ではないのか、否、そういう違いでもない何かだ。
この時私は愚かしくもこう直感したのだ、ここは私の知る世界とは異なる世界、そう「異世界」であると。
確証などなかった、ただ何となく空気が違う、それだけの理由だ。
そんな世界にいきなり放り出されれば困惑し、焦り、帰りたいと願う筈だ。
しかし私は呑気なもので木々の茂る緑のカーテンあるいは遊歩道といったこの道をブラブラと歩き始めた。
優しく木々を撫でた風が通り抜け、小鳥のさえずりも聞こえてくる。
「異世界でも日は暖かく、緑も繁り、風も吹くのか」
間抜けな事を口にして、自然の恵みを感じながら気ままに歩いているとその内に川を見つけた。
その川はとても綺麗で透き通っていて、この美しい川の水に喉の渇きを感じた私は水を一すくい、何のためらいも無く飲んだ。
喉が渇いている時にこそ無味の水はとても美味いのだ。
飲み終わってからこれを水だと思うあたり、私には異世界に来たということに危機感がまるでないのだろう。
ともかくも川の水の優しさで喉の渇きは潤ったが少々困り事が出来てしまった。
この川、確かに綺麗で穏やかなのだが対岸まで距離があり深い所もありそうだったのだ。
泳いで渡れるか、とも思ったがズブ濡れになるのは困るし、カバンに入っているタオルも大きくはない。
ここは来た道を戻るしかないのか、と思いつつあたりを見渡すと少しばかり遠くに幸運にも橋が架かっているのを見つけた。
「『渡りに船』、ならぬ『渡りに橋』だな」
下らない事を言い、持っていたペットボトルに川の水を入れて橋に向かった。私が口にする事は大概下らないのだ。
さてしばらくすると少々大きな道に出て、先程の橋があった。
そこそこしっかりとした作りの橋だがどうやら通行料を取られる類のものではないようで人影もない。
ともかくも橋を渡り、また道なりにブラブラと歩を進めた。
まだ日も高く、歩いては休み、また歩いたりしていた。
菓子がないのは残念だが木陰で水を飲みゴロリとしていると不思議に眠たくなってくるもので一時間程昼寝をしてしまった。
昨日あまり眠れなかったせいだろう。
まあ誰にせかされる訳でもないので好きにブラついた。このまま歩けば村なり街なりに多分着く筈だ。
言葉が通じるか考えていなかったあたり大概阿呆である。
橋の先の道は先程の道と同じく未舗装で少し埋まっているが轍もある。
見た限り自動車のタイヤで出来たものではないだろう。やはり異世界を感じさせる。
そうこうしている内に日も傾き夕刻の様な時間になってきた。
呑気な私でも野宿は少々怖いので村あるいは民家でもないかと目を配らせると煙が上がっているのを見かけた。
この時間帯なら夕煙のはずだ、人が居るのだろうと安心したのだが疑問が生じた。
この煙よく見れば黒煙、つまり夕煙ではなく火事か何かだ。
厄介事には巻き込まれたくないものの見てしまった以上見過ごせないし、半分野次馬のような下らない気持ちも相まってその方向へと足を早めた。
あまりにも俗っぽい事は好まないのだが何か不思議な縁を感じたのかもしれない。
少し汗ばむくらいに走ってその場に着くと奇妙な光景が広がっていた。
確かに火事が起きた形跡はあるが火が既に小さくなっている。
延焼も起きておらず、更に消火した気配もなければ、人影すら一切ない。
黒煙の原因は村中央の建物の火の手らしいが、とにかく何事なのか、人はいないのかと見て回り、試しに一軒一軒尋ねても何の反応も得られない。
どうしたものかと更に見回すと少し遠くに大きな家、というよりは屋敷が見えたので、誰か居ることを期待してその屋敷に向かい声をかける事にした。
近づいてみると大きな屋敷はやはり大きな屋敷で、シンプルながら門扉も立派だ。
声をかけても返事がないので少々崩れた門を潜り、敷地へお邪魔したが結果として、誰もいなかった。
無作法ながら屋敷の中に入り声をかけて回ったのだが駄目だった。
「参ったなぁ」
少々疲れた私はそう呟いて屋敷の玄関脇に腰を下ろした。
もしかするとかなり厄介な事に巻き込まれたのかもしれない、いや首を突っ込んだというべきか。
勝手に民家の寝床を拝借して一泊させてもらうか、それはあまりに無礼だ。
しかし夜露に濡れるのは、それよりも住民を探すべきでは、などと私にはどうしようもない事を考えていると微かにだが物を叩く音が聞こえた。
もしかすると誰かが閉じ込められているのでは、と私は音をたどりその方へ向かった
。
ガレキを乗り越え行き着いた先は屋敷の裏手であった。
音の主を探るため玄関から拝借したランタンを使い辺りを照らすと崩れた石壁の下に戸があり、そこから先程の音がしている。
かなり微かな音で自分もよくぞ気がついたと思わんばかりだ。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけた。これが向こうなら真っ当な声掛けであるが残念ながらここは異世界、日本語が通じるか分からないのである。
ほぼ何の考えもなしにこの言葉を口にしたあたりが私の阿呆さ加減だ。
だがこれ以外にかける言葉も無いのが事実ではないだろうか。声をかけてからしばらく何も音がしなかった。
「誰か、いるのですか」
静けさの中に声が一つ。
なんとまあ都合の良いことに日本語が通じたらしく戸の内側から女性のものらしき声が聞こえてきた。
少々驚きであるが通じるなら何でもいい。とにかく意思疎通ができるので一安心だ。
「内側から開かないのです。なんとかして貰えないでしょうか」
その声には力がない、相当弱っているのだろう。よく戸を叩き続けられたものだ。
とにかくガレキをどうにかしなければ戸は開けようがないので、その旨を声の主に伝えガレキを片付け始めた。
幸いにもガレキは大きくなく、重さもどうにかなる程度だったので戸を開けた時に崩れ込まない様に綺麗に片付けることができた。
安全を確認して声をかけ、戸を開くとそこには十六~十八ほどの女性がうずくまっていた。
出られるかどうかと聞くと腰が抜けて立てないとあったので私も中に入り彼女を背負って外に出ると彼女は私に礼とともに村がどうなったかと聞いてきた。
私は一瞬、嘘をつくか迷った。
が、村が既にもぬけの殻なのは事実であるし、この嘘はすぐにバレてしまう。
そして何よりも彼女の目を見たとき何故か嘘がつけなかった、嘘をつくことこそが彼女を酷く傷つけると思わされたのだ。
「では屋敷も……」
「そう……ですね」
なんとも非常に答えにくいがしかし事実を伝えるよりほかもない。
流石に呑気な私でも苦々しく答えるしかなかったのである。
場には嫌な静寂がもたらされた。
ふと気づけばあたりはもう夜の帳が下りきっていた。かける言葉に悩んだが彼女の身の安全が心配だ。
残念な事に私は悪党を追い返すだけの強さを持ち合わせてはいない。
せいぜい出来るのは彼女の足のかわりになる程度の事だ。
それを踏まえ、ここは危ないのではと聞いた。
「ある意味ここはもう安全なんです」
私の疑問に不思議な答えが返ってきた。
ある意味、とはどういう事かと気にはなったがこの状況下でこれ以上の質問は野暮というものだ。
それくらいは分かる。
「とにかく今日は休みましょう。今はもう、どうしようもありません。助けて頂いたお礼、というには足りないかもしれませんがよろしければ屋敷でお休みになってください」
「お言葉に甘えさせて頂きます。詳しい事はまた明日、という事で」
なんとか絞り出したような彼女の言葉に甘えるより他のない、これ以上の言葉も返せない、そんな私はきっと頼りのない男だろう。
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