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第2話 気丈なる彼女、旅の準備
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翌日、小鳥のさえずりで目が覚めた。
どうやら昨晩寝床を借りた後すぐに眠ってしまったらしい。寝付きの良くない私には珍しい方だ。
さて昨晩の事もある。彼女に礼を言い、話をしなくてはいけないだろう。
そう思って部屋を出、屋敷の中を歩いて何故か玄関まで行くと玄関口でぼんやりと外を眺めている彼女がいた。
その目はどこかを見ている様で見ておらず、ただ目が顔の向いている方に向いているだけの目、言うなれば虚空を眺めている様な目だった。
そんな彼女にどうやって声をかけるか迷ってしまった。なにせ私が近くまで来ているのに全く気がつかないのだから。
しかしなにか声をかけなければ、というのもある。
「おはようございます」
散々迷ってこうして声をかけた。挨拶なら的外れにならない。
「……! 昨晩はありがとうございました。ええっと……お名前をお伺いしておりませんでした」
私の挨拶が彼女を虚空から呼び戻したのだろうか。挨拶とともに私の名を尋ねてきた。
考えてみれば昨晩あんなことがあったのだ、名前くらい聞き忘れたても仕方のない事である。
「いえいえ、お気になさらず。私はルカワ ヒロカズ(流川 広一)と申します」
私は簡単な自己紹介をした。最初の自己紹介なんてものは簡単でいいのである。沢山言った所で伝わらない。
どうにも彼女からはそこはかとない気品のようなものを感じて妙に丁寧な話し方をしてしまう。
見た目、声つきからは十六~十八ほどだとは見ているものの名家の御令嬢であるなら失礼があってはいけないと思うのだ。
私の本心としては家柄や地位の高低で人を変に区別するのは好まないが。
「ルカワ様、ですね。昨晩は本当にありがとうございました。……あっ! この様な時は私から名乗るべきですね。ミーナといいます。訳あって今はそうとしか。ご容赦下さい」
どうやら彼女の名前、特にフルネームは特別なものらしい。向こうでも名前は大切なものであるが、ここではそれ以上の意味がある様だ。
何となくそう察したので別段悪い気もせず、むしろ素性の知れない私にその名を教えてくれた事に感謝した。
さて簡単な自己紹介は済んだ。そろそろ昨晩の事を話した方が良いだろう。
話を切り出す為、では昨晩の、と言いかけた所で腹が鳴った。
それもその筈、よく考えれば昨日から何も食べていない。
腹の虫も目を覚まして文句の一つや二つ言ってくるのが常だ。
「あはは、話の前に先ずは腹の虫の文句を聞かないと」
何故か恥ずかしくなった私は恥ずかしさを紛らわす為に下らない冗談を飛ばした。座布団を取られるくらいには下らないだろう。
「そうですね。先ずは食事にしましょう」
私の冗談が面白かったようで彼女は少し顔を綻ばせ明るい口調でそう言った。
虚空を見つめる沈んだ表情よりこちらの方が良い。
彼女に案内されて屋敷のキッチンですぐに食べられる物を探していると缶詰が出てきた。
この世界にも缶詰はあるんだなと思い眺めていると、彼女も用意ができたとの事で私は缶詰を三つ持っていき食事の場に。
彼女は自分が見た限り、パン、チーズ、ドライソーセージであろう物を持ってきていた。
ここの住人がすぐに食べられると思っているのなら大丈夫だろう。やはり私は呑気なものだ。
「その三つの真ん中の缶詰、私の好物なんです」
彼女は私の持ってきた缶詰を見て少々嬉しそうに指差した。
そして引き出しから缶切りを取り出したのだが缶切りの扱いが苦手で上手く開けられないらしく溜息が出ている。
缶切りが苦手な人は向こうでも多々いるので不思議には思わない。
それよりも私は缶詰の中身が多少気になったので私が開けると提案する怪我に気をつける様にと念押しされた。
不得手な人からすると心配になる気持ちは分からないでもないので気をつけると言って缶を開けていく。
問題と言えば右利き用ゆえ使いにくいという事くらいだ。
祖母には左利きが包丁を使っているところを見ていると怖いなどと言われたが今となってはそれが分かる。
彼女には少し驚かれたがともかくも食事にしよう。
腹が減っている時の食事は余程ゲテモノでもない限り何でも美味い。
暫くして食事を終え、食休みに茶を二人で飲んでいると彼女は昨晩の事について話し始めた。
どうやら昨日の一件はギュリアという化物の一種の襲撃によって起きたものだそうだ。
この化物はいわゆる人さらいで人間の集落、大きな時には街すらもぬけの殻にしてしまい、しかも痕跡を一切残さないのでその生態といったものの殆どが謎に包まれているという。
更に昨晩彼女が言った「ある意味安全」というのはギュリアが一度襲撃した場所をもう一度襲撃するのは極めて稀だから、という事らしい。
そして彼女が攫われなかったのは、あの戸にまじないがしてあってそれが化物の盲点になった、そして彼女を守る為に父母、使用人、皆が必死で時間稼ぎをしたのだという。
「私がもっと早く感知出来ていれば……」
そう涙混じりに悔しさをにじませていた。
私には実体験がないから「分かる」などとは安直に言えないが、少なくとも辛い事この上ない苦しみがあるのは見れば分かる。
これ以上彼女に喋らせるのは余りにも酷だ。
「お話ししてくれてありがとうございます。事の次第はおおよそわかりました。話す事が辛いのでしたらもう話して頂かなくても大丈夫ですから」
なるべく優しく伝えた。
こういう時は言葉を選ばないと相手が酷く傷つく。
「お気遣いありがとうございます」
彼女の声はか細いものだった、が続けてギュリア襲撃から生存した事は稀である以上首都ロムナスに行き、事の顛末を伝えなくてはならないと気丈にも言った。
よくここまで耐えられるものだ。
今頃泣き崩れてもおかしくない筈なのに。
彼女曰く首都ロムナスまではこのトルナス村から七日程かかるとの事で、移動のための荷積みを手伝って欲しいと頼まれた。
特に何の目的もなかった私は手伝いを快諾したし、彼女だけでは大変な筈だ、何より目的があったとしてもここで断るのはそれこそ酷というものだろう。
さて準備、とは言っても長旅とキャンプ道具の用意であり衣服やら食料やらを積んでいくものかと思い、聞いてみるとそんな所だという。
また道中に村や宿場町が無い様で準備は入念に、との事だった。補給地点無しの長旅はかなりハードだろう。
ここまで考えた所で私は一つの事に思い至った。
「こんな長旅です。貴女一人じゃ危険なはず。ご一緒しましょうか?」
「……よろしいのですか? 貴方にご迷惑がかかるのでは」
別に迷惑ではないと言いかけたのだが瞬時に考え直した。
私はとんだ阿呆だ。
「申し訳ない。私のような素性の知れない者と旅という方が怖いですよね。出過ぎたことを言ってしまいました」
正しくこの通りである。何をふざけたことを言っているのかと自分に呆れてしまいそうだ。
しかし彼女からの返答は意外なものだった。
「いえ、そういう意味では無いんです。貴方は旅のお方の様ですからご迷惑にならないかと思いましたので」
そう申し訳なさそうに言ってきた。
……本当にこの人は凄い。自分の事に手一杯な筈なのに私に気を使ってくれているのだ。
そんな彼女の気遣いを無下にするわけもいかない。
「お気遣いありがとうございます。私は本当にアテのない旅人ですから大丈夫です」
「ではご同行をよろしくお願いします」
彼女は安心した様子で返してきた。
阿呆なりに役に立てるだろうか。
さてそうなると善は急げ、だ。
荷馬車に荷を載せていき、準備を進めていくと荷物の中に金属の箱に入った奇妙な石を見つけた。
半透明のガラスの様な石の中に赤い火の様な物が入っている。何物だろうか?
「なんだろう?」
「ああっ! 迂闊に触っちゃ駄目です!」
「え?」
――ジュッ!
「あっつ!」
驚いて咄嗟に手を離した。熱々のヤカンに触ってしまったときの感覚だ。触るまで何も感じなかったのに。
「それ、燃石なんです。国や地域によって加工の仕方に差があるので……先に言っておくべきでした」
そう言って彼女は私にこの地域の燃石について教えてくれた。ともかくこれで火傷はせずに済みそうである。
どうやら昨晩寝床を借りた後すぐに眠ってしまったらしい。寝付きの良くない私には珍しい方だ。
さて昨晩の事もある。彼女に礼を言い、話をしなくてはいけないだろう。
そう思って部屋を出、屋敷の中を歩いて何故か玄関まで行くと玄関口でぼんやりと外を眺めている彼女がいた。
その目はどこかを見ている様で見ておらず、ただ目が顔の向いている方に向いているだけの目、言うなれば虚空を眺めている様な目だった。
そんな彼女にどうやって声をかけるか迷ってしまった。なにせ私が近くまで来ているのに全く気がつかないのだから。
しかしなにか声をかけなければ、というのもある。
「おはようございます」
散々迷ってこうして声をかけた。挨拶なら的外れにならない。
「……! 昨晩はありがとうございました。ええっと……お名前をお伺いしておりませんでした」
私の挨拶が彼女を虚空から呼び戻したのだろうか。挨拶とともに私の名を尋ねてきた。
考えてみれば昨晩あんなことがあったのだ、名前くらい聞き忘れたても仕方のない事である。
「いえいえ、お気になさらず。私はルカワ ヒロカズ(流川 広一)と申します」
私は簡単な自己紹介をした。最初の自己紹介なんてものは簡単でいいのである。沢山言った所で伝わらない。
どうにも彼女からはそこはかとない気品のようなものを感じて妙に丁寧な話し方をしてしまう。
見た目、声つきからは十六~十八ほどだとは見ているものの名家の御令嬢であるなら失礼があってはいけないと思うのだ。
私の本心としては家柄や地位の高低で人を変に区別するのは好まないが。
「ルカワ様、ですね。昨晩は本当にありがとうございました。……あっ! この様な時は私から名乗るべきですね。ミーナといいます。訳あって今はそうとしか。ご容赦下さい」
どうやら彼女の名前、特にフルネームは特別なものらしい。向こうでも名前は大切なものであるが、ここではそれ以上の意味がある様だ。
何となくそう察したので別段悪い気もせず、むしろ素性の知れない私にその名を教えてくれた事に感謝した。
さて簡単な自己紹介は済んだ。そろそろ昨晩の事を話した方が良いだろう。
話を切り出す為、では昨晩の、と言いかけた所で腹が鳴った。
それもその筈、よく考えれば昨日から何も食べていない。
腹の虫も目を覚まして文句の一つや二つ言ってくるのが常だ。
「あはは、話の前に先ずは腹の虫の文句を聞かないと」
何故か恥ずかしくなった私は恥ずかしさを紛らわす為に下らない冗談を飛ばした。座布団を取られるくらいには下らないだろう。
「そうですね。先ずは食事にしましょう」
私の冗談が面白かったようで彼女は少し顔を綻ばせ明るい口調でそう言った。
虚空を見つめる沈んだ表情よりこちらの方が良い。
彼女に案内されて屋敷のキッチンですぐに食べられる物を探していると缶詰が出てきた。
この世界にも缶詰はあるんだなと思い眺めていると、彼女も用意ができたとの事で私は缶詰を三つ持っていき食事の場に。
彼女は自分が見た限り、パン、チーズ、ドライソーセージであろう物を持ってきていた。
ここの住人がすぐに食べられると思っているのなら大丈夫だろう。やはり私は呑気なものだ。
「その三つの真ん中の缶詰、私の好物なんです」
彼女は私の持ってきた缶詰を見て少々嬉しそうに指差した。
そして引き出しから缶切りを取り出したのだが缶切りの扱いが苦手で上手く開けられないらしく溜息が出ている。
缶切りが苦手な人は向こうでも多々いるので不思議には思わない。
それよりも私は缶詰の中身が多少気になったので私が開けると提案する怪我に気をつける様にと念押しされた。
不得手な人からすると心配になる気持ちは分からないでもないので気をつけると言って缶を開けていく。
問題と言えば右利き用ゆえ使いにくいという事くらいだ。
祖母には左利きが包丁を使っているところを見ていると怖いなどと言われたが今となってはそれが分かる。
彼女には少し驚かれたがともかくも食事にしよう。
腹が減っている時の食事は余程ゲテモノでもない限り何でも美味い。
暫くして食事を終え、食休みに茶を二人で飲んでいると彼女は昨晩の事について話し始めた。
どうやら昨日の一件はギュリアという化物の一種の襲撃によって起きたものだそうだ。
この化物はいわゆる人さらいで人間の集落、大きな時には街すらもぬけの殻にしてしまい、しかも痕跡を一切残さないのでその生態といったものの殆どが謎に包まれているという。
更に昨晩彼女が言った「ある意味安全」というのはギュリアが一度襲撃した場所をもう一度襲撃するのは極めて稀だから、という事らしい。
そして彼女が攫われなかったのは、あの戸にまじないがしてあってそれが化物の盲点になった、そして彼女を守る為に父母、使用人、皆が必死で時間稼ぎをしたのだという。
「私がもっと早く感知出来ていれば……」
そう涙混じりに悔しさをにじませていた。
私には実体験がないから「分かる」などとは安直に言えないが、少なくとも辛い事この上ない苦しみがあるのは見れば分かる。
これ以上彼女に喋らせるのは余りにも酷だ。
「お話ししてくれてありがとうございます。事の次第はおおよそわかりました。話す事が辛いのでしたらもう話して頂かなくても大丈夫ですから」
なるべく優しく伝えた。
こういう時は言葉を選ばないと相手が酷く傷つく。
「お気遣いありがとうございます」
彼女の声はか細いものだった、が続けてギュリア襲撃から生存した事は稀である以上首都ロムナスに行き、事の顛末を伝えなくてはならないと気丈にも言った。
よくここまで耐えられるものだ。
今頃泣き崩れてもおかしくない筈なのに。
彼女曰く首都ロムナスまではこのトルナス村から七日程かかるとの事で、移動のための荷積みを手伝って欲しいと頼まれた。
特に何の目的もなかった私は手伝いを快諾したし、彼女だけでは大変な筈だ、何より目的があったとしてもここで断るのはそれこそ酷というものだろう。
さて準備、とは言っても長旅とキャンプ道具の用意であり衣服やら食料やらを積んでいくものかと思い、聞いてみるとそんな所だという。
また道中に村や宿場町が無い様で準備は入念に、との事だった。補給地点無しの長旅はかなりハードだろう。
ここまで考えた所で私は一つの事に思い至った。
「こんな長旅です。貴女一人じゃ危険なはず。ご一緒しましょうか?」
「……よろしいのですか? 貴方にご迷惑がかかるのでは」
別に迷惑ではないと言いかけたのだが瞬時に考え直した。
私はとんだ阿呆だ。
「申し訳ない。私のような素性の知れない者と旅という方が怖いですよね。出過ぎたことを言ってしまいました」
正しくこの通りである。何をふざけたことを言っているのかと自分に呆れてしまいそうだ。
しかし彼女からの返答は意外なものだった。
「いえ、そういう意味では無いんです。貴方は旅のお方の様ですからご迷惑にならないかと思いましたので」
そう申し訳なさそうに言ってきた。
……本当にこの人は凄い。自分の事に手一杯な筈なのに私に気を使ってくれているのだ。
そんな彼女の気遣いを無下にするわけもいかない。
「お気遣いありがとうございます。私は本当にアテのない旅人ですから大丈夫です」
「ではご同行をよろしくお願いします」
彼女は安心した様子で返してきた。
阿呆なりに役に立てるだろうか。
さてそうなると善は急げ、だ。
荷馬車に荷を載せていき、準備を進めていくと荷物の中に金属の箱に入った奇妙な石を見つけた。
半透明のガラスの様な石の中に赤い火の様な物が入っている。何物だろうか?
「なんだろう?」
「ああっ! 迂闊に触っちゃ駄目です!」
「え?」
――ジュッ!
「あっつ!」
驚いて咄嗟に手を離した。熱々のヤカンに触ってしまったときの感覚だ。触るまで何も感じなかったのに。
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