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第11話 癖のある才、何かの予兆
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先日言った「風踏」とはどんな術なのか、まずは見て欲しいとの事だ。
「比較対象が必要なので、最初は普通のジャンプです」
そう言うと普通に「ぴょん」とジャンプをした。至って普通だ。
「これに『風踏』を使うと」
そこから繰り出されたジャンプは、確かに通常の倍程の飛び上がりになっていた。しかもフォームはまるで変わっていない。
「今のは少し弱めたものですが、幾らでも調整できます。やり方は至ってシンプルで風属性のルカワさんなら足裏に弾力のある風の塊があると思えばできます。複雑な術式はいりません」
なる程、足裏にバネがあるのだと思えばいいのか。大したことは出来ないだろうから思い切ってみよう。
「やってみるよ、よいしょ……っ!」
――バシューン!
……?
…………?
……ん? やけに風が強い? あれ? 足が浮きっぱなし? んん? 空が近い?
あれ? ミーナが小さく?
「ええええ! どういう事だ!」
驚きだ、ちょっとジャンプしたつもりが遥か上空まで飛んでしまっている。
これは不味い。このまま落ちれば無事では済まない。そう言えばこの術は空も蹴れると聞いた。
ならば、空を蹴りつつゆっくり降りればいい。我ながら安直な発想だ。
足裏に空を蹴れるバネを想定しつつ、落下速度を殺しながら降りる。多少遠くに着地しても仕方ないと思いつつやっていると何とか地面に降りられた。
ああ、ようやく降りられた。肝が冷える。
「大丈夫ですか!」
ミーナが慌てて駆けつけてきた。随分と遠くに私は着地したらしい。
「まさかあれ程跳ぶなんて思いませんでした。咄嗟に水縄で掴もうとしましたが間に合わず……」
と、申し訳なさそうに言い、
「それにしてもあれ程跳んで、その上霊気を調整しながら空を蹴って着地なんて思いついてもなかなか出来ませんよ」
そう驚き混じりに言ってきた。
「あはは、夢中だったからね」
返せる言葉はこれくらいしかなかった。
少し座って休憩しているとミーナが、
「あれだけ霊気を使っても倒れていない、むしろ元気な方です。それとあの状況で霊気を操り着地している……こと風に関しては私以上の使い手になるかもしれません」
と、言ってきた。褒められるのは嬉しいがミーナ以上は難しい気がする。しかしミーナはまだ何かを試したいらしく、
「帯霊気をやってみて下さい。やり方は更に簡単、身体に膜、もう一枚服を着る感覚です」
そう言われたのでやってみると確かにもう一枚服を着ている感覚になった。
「やはり出来ましたか。ではその帯霊気に風を織り込む感覚、服から風が出ている様にやってみて下さい」
要は夏場に扇風機で服の中に風を入れていたあの感覚である。やってみるとこれまた出来てしまった。
風を纏うとはこんな感覚なのか、想像通りだが変な感じだ。
と思った瞬間、ミーナがいきなり水球を飛ばしてきた。
「なっ!」
と、声は出たが私にその水球は届かず、外側へ弾き出されていた。
「やはり、そうなりますか」
そう言うミーナの周りには無数の水球が浮いていた。
「私はルカワさんに水霊術の球、水球弾をぶつけたんです。しかもかなり強めに。でもそれはルカワさんの風属性帯霊気によって完全に弾かれたんです」
私は呆気にとられて何故こんな事をしたのか聞くと、私の帯霊気、属性を試す為だったという。
ミーナ曰く、三属性は基本的に三すくみの関係にはない独立したもので、相対したとき霊気圧の強い方は弱い方を弾くのだという。
そして帯霊気は霊術を弾く事などほぼ不可能で、属性まで混ぜ込むのはもっと難しいとのことだ。
つまり私は「帯霊気」に「風を混ぜる」という「難度の高い」事をし、その上「霊術を弾いた」ということになる。私の「風」がミーナの「水」より「強かった」訳だ。
「ミーナ、難しいと分かっていてさせたのか」
「でも出来たでしょう? しかもごく簡単な説明で」
「それはそうだが、一体何故?」
「ルカワさんの術の使い方を見て、恐らくあの説明で出来ると思ったんです。風のみにおいてですが」
それからミーナの話をまとめると、私にはやはり膨大な霊気が内包されており、強力な風属性を持っている。
そして先天的に使えた筈であった物の塊が先程のアレらしい。
「イメージするだけで術が使える」
という事だ。
だが欠点も多く存在し、
霊術の基本である「術式」が組めない。
他の属性も使えた筈なのに全く使えず、特殊霊術も全くダメ。
既存の霊術を使いやすくした霊術式符すら使えない。
つまりの如くは、
「霊術を使いたければイメージするより他がない」
という事でもある。
全くこれでは本当にミーナの真逆である。霊術をミーナは全て使える、私は殆ど使えない。そして缶切りだ。
才能は二つ三つと持てないらしい。
その後色々試してみたが、術式を真似てみようにもそもそも描けない、教えてもらった通りにイメージしても火は吹かないし水も溢れない、符を使っても萎れるばかり、しかし風だけは上手くいく、といった始末である。
「ははは、私は本当に風しか使えないみたいだね」
「ふふ、それくらいで良いんですよ。色々と力を持ってしまうと大変ですから……」
「大丈夫だよ。人を傷つける様な使い方はしないさ」
「そう言うと思っていましたよ」
ミーナは安堵していた。彼女の気持ちが分からない私ではない。
そうこうしている内に時は十五時頃となり、またミーナに霊気を渡しつつ歩を進める事にした。
ミーナは私の霊気が練習する前よりも更に優しい感じがすると言ってくれた。嬉しい限りである。
ふたりでぼんやりと話して、休んで、進んでとしているとそろそろ夕刻になってきた。
今日は足をここで休める事にしてキャンプの設置をし、各々出来る事をしながら昨日と同じ様に準備を整えた。
準備中、何やらミーナが深く考え込んでいる様子があったのでどうしたのかと聞くと、
「ああ、いえ、何でも無いんです。今日のメニューについて考えていただけなので」
と、返ってきた。それにしては神妙な面持ちだったが料理上手のミーナにすれば重要な事であるかもしれないし、そうでなかったとしても深入りはしない方がよさそうだ。
私は阿呆だが女の子の調子が悪くなる時を知らない訳ではない。全ての人がそうだ、と決めつけている訳でもないが。
調子が悪いのなら無理をさせる訳にもいかないので少し気合を入れて準備した。
ともかくとして準備も昨日より早く終わり、早めの夕食という段になった。
今晩のメニューはカレーであったがミーナの料理、しかもキャンプのカレーと来たのだから美味くない訳がなかった。そう言えば昨晩の事が気になる。
「ミーナのお兄さんは何で辛口評価なんだ? こんなに美味しいのに」
「いえ、悪い意味で辛口ではないんです。私がまだあまり上手ではなかった時色々とアドバイスをくれたという意味です」
「難癖つけてた訳ではない、ってことかな?」
「はい、兄様のアドバイスのお陰で上達したところもありますし」
なる程、人望が厚いというのもこれなら頷ける。適切なアドバイスというのは難しいし、それを上手く伝えるのもなかなか大変だからだ。
それが出来るのだから慕われるというのは大いに有り得る。
「兄様にはルカワさんの事、ちゃんと伝えておきますね。きっと快く迎え入れてくれると思います」
有り難い事だ。私から説明するよりもミーナから説明してもらった方が早い。
食事も終わり、風呂に入って早めに休もうかと持ちかけると、
「それがいいです、今日は霊術の練習でルカワさんも疲れているでしょうし、私も少々疲れました」
と、返ってきた。確かにあれだけやって私も疲れてしまったところはある。
昨日と同じく、湯を沸かして交代で風呂に入り、湯を抜く、ここまでは昨日と変わらない。
だがいざ寝るかと布団に入ろうとした時、ミーナが何やらよろけてしまった。違和感を覚えた私は大丈夫かと聞いたのだが、
「ちょっと疲れが溜まっているみたいですね……一応丸薬を飲んでから寝ます。ルカワさんもどうぞ」
と、応えた。心配だったがミーナはとても眠たそうな目をしていたので、早く寝かせてあげる事の方が大事だと思い、私の手を小さく握って眠る彼女を軽く抱き寄せて眠った。
――しかし
「比較対象が必要なので、最初は普通のジャンプです」
そう言うと普通に「ぴょん」とジャンプをした。至って普通だ。
「これに『風踏』を使うと」
そこから繰り出されたジャンプは、確かに通常の倍程の飛び上がりになっていた。しかもフォームはまるで変わっていない。
「今のは少し弱めたものですが、幾らでも調整できます。やり方は至ってシンプルで風属性のルカワさんなら足裏に弾力のある風の塊があると思えばできます。複雑な術式はいりません」
なる程、足裏にバネがあるのだと思えばいいのか。大したことは出来ないだろうから思い切ってみよう。
「やってみるよ、よいしょ……っ!」
――バシューン!
……?
…………?
……ん? やけに風が強い? あれ? 足が浮きっぱなし? んん? 空が近い?
あれ? ミーナが小さく?
「ええええ! どういう事だ!」
驚きだ、ちょっとジャンプしたつもりが遥か上空まで飛んでしまっている。
これは不味い。このまま落ちれば無事では済まない。そう言えばこの術は空も蹴れると聞いた。
ならば、空を蹴りつつゆっくり降りればいい。我ながら安直な発想だ。
足裏に空を蹴れるバネを想定しつつ、落下速度を殺しながら降りる。多少遠くに着地しても仕方ないと思いつつやっていると何とか地面に降りられた。
ああ、ようやく降りられた。肝が冷える。
「大丈夫ですか!」
ミーナが慌てて駆けつけてきた。随分と遠くに私は着地したらしい。
「まさかあれ程跳ぶなんて思いませんでした。咄嗟に水縄で掴もうとしましたが間に合わず……」
と、申し訳なさそうに言い、
「それにしてもあれ程跳んで、その上霊気を調整しながら空を蹴って着地なんて思いついてもなかなか出来ませんよ」
そう驚き混じりに言ってきた。
「あはは、夢中だったからね」
返せる言葉はこれくらいしかなかった。
少し座って休憩しているとミーナが、
「あれだけ霊気を使っても倒れていない、むしろ元気な方です。それとあの状況で霊気を操り着地している……こと風に関しては私以上の使い手になるかもしれません」
と、言ってきた。褒められるのは嬉しいがミーナ以上は難しい気がする。しかしミーナはまだ何かを試したいらしく、
「帯霊気をやってみて下さい。やり方は更に簡単、身体に膜、もう一枚服を着る感覚です」
そう言われたのでやってみると確かにもう一枚服を着ている感覚になった。
「やはり出来ましたか。ではその帯霊気に風を織り込む感覚、服から風が出ている様にやってみて下さい」
要は夏場に扇風機で服の中に風を入れていたあの感覚である。やってみるとこれまた出来てしまった。
風を纏うとはこんな感覚なのか、想像通りだが変な感じだ。
と思った瞬間、ミーナがいきなり水球を飛ばしてきた。
「なっ!」
と、声は出たが私にその水球は届かず、外側へ弾き出されていた。
「やはり、そうなりますか」
そう言うミーナの周りには無数の水球が浮いていた。
「私はルカワさんに水霊術の球、水球弾をぶつけたんです。しかもかなり強めに。でもそれはルカワさんの風属性帯霊気によって完全に弾かれたんです」
私は呆気にとられて何故こんな事をしたのか聞くと、私の帯霊気、属性を試す為だったという。
ミーナ曰く、三属性は基本的に三すくみの関係にはない独立したもので、相対したとき霊気圧の強い方は弱い方を弾くのだという。
そして帯霊気は霊術を弾く事などほぼ不可能で、属性まで混ぜ込むのはもっと難しいとのことだ。
つまり私は「帯霊気」に「風を混ぜる」という「難度の高い」事をし、その上「霊術を弾いた」ということになる。私の「風」がミーナの「水」より「強かった」訳だ。
「ミーナ、難しいと分かっていてさせたのか」
「でも出来たでしょう? しかもごく簡単な説明で」
「それはそうだが、一体何故?」
「ルカワさんの術の使い方を見て、恐らくあの説明で出来ると思ったんです。風のみにおいてですが」
それからミーナの話をまとめると、私にはやはり膨大な霊気が内包されており、強力な風属性を持っている。
そして先天的に使えた筈であった物の塊が先程のアレらしい。
「イメージするだけで術が使える」
という事だ。
だが欠点も多く存在し、
霊術の基本である「術式」が組めない。
他の属性も使えた筈なのに全く使えず、特殊霊術も全くダメ。
既存の霊術を使いやすくした霊術式符すら使えない。
つまりの如くは、
「霊術を使いたければイメージするより他がない」
という事でもある。
全くこれでは本当にミーナの真逆である。霊術をミーナは全て使える、私は殆ど使えない。そして缶切りだ。
才能は二つ三つと持てないらしい。
その後色々試してみたが、術式を真似てみようにもそもそも描けない、教えてもらった通りにイメージしても火は吹かないし水も溢れない、符を使っても萎れるばかり、しかし風だけは上手くいく、といった始末である。
「ははは、私は本当に風しか使えないみたいだね」
「ふふ、それくらいで良いんですよ。色々と力を持ってしまうと大変ですから……」
「大丈夫だよ。人を傷つける様な使い方はしないさ」
「そう言うと思っていましたよ」
ミーナは安堵していた。彼女の気持ちが分からない私ではない。
そうこうしている内に時は十五時頃となり、またミーナに霊気を渡しつつ歩を進める事にした。
ミーナは私の霊気が練習する前よりも更に優しい感じがすると言ってくれた。嬉しい限りである。
ふたりでぼんやりと話して、休んで、進んでとしているとそろそろ夕刻になってきた。
今日は足をここで休める事にしてキャンプの設置をし、各々出来る事をしながら昨日と同じ様に準備を整えた。
準備中、何やらミーナが深く考え込んでいる様子があったのでどうしたのかと聞くと、
「ああ、いえ、何でも無いんです。今日のメニューについて考えていただけなので」
と、返ってきた。それにしては神妙な面持ちだったが料理上手のミーナにすれば重要な事であるかもしれないし、そうでなかったとしても深入りはしない方がよさそうだ。
私は阿呆だが女の子の調子が悪くなる時を知らない訳ではない。全ての人がそうだ、と決めつけている訳でもないが。
調子が悪いのなら無理をさせる訳にもいかないので少し気合を入れて準備した。
ともかくとして準備も昨日より早く終わり、早めの夕食という段になった。
今晩のメニューはカレーであったがミーナの料理、しかもキャンプのカレーと来たのだから美味くない訳がなかった。そう言えば昨晩の事が気になる。
「ミーナのお兄さんは何で辛口評価なんだ? こんなに美味しいのに」
「いえ、悪い意味で辛口ではないんです。私がまだあまり上手ではなかった時色々とアドバイスをくれたという意味です」
「難癖つけてた訳ではない、ってことかな?」
「はい、兄様のアドバイスのお陰で上達したところもありますし」
なる程、人望が厚いというのもこれなら頷ける。適切なアドバイスというのは難しいし、それを上手く伝えるのもなかなか大変だからだ。
それが出来るのだから慕われるというのは大いに有り得る。
「兄様にはルカワさんの事、ちゃんと伝えておきますね。きっと快く迎え入れてくれると思います」
有り難い事だ。私から説明するよりもミーナから説明してもらった方が早い。
食事も終わり、風呂に入って早めに休もうかと持ちかけると、
「それがいいです、今日は霊術の練習でルカワさんも疲れているでしょうし、私も少々疲れました」
と、返ってきた。確かにあれだけやって私も疲れてしまったところはある。
昨日と同じく、湯を沸かして交代で風呂に入り、湯を抜く、ここまでは昨日と変わらない。
だがいざ寝るかと布団に入ろうとした時、ミーナが何やらよろけてしまった。違和感を覚えた私は大丈夫かと聞いたのだが、
「ちょっと疲れが溜まっているみたいですね……一応丸薬を飲んでから寝ます。ルカワさんもどうぞ」
と、応えた。心配だったがミーナはとても眠たそうな目をしていたので、早く寝かせてあげる事の方が大事だと思い、私の手を小さく握って眠る彼女を軽く抱き寄せて眠った。
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