73 / 77
第72話 動く身体
しおりを挟む
カイン――その名が喉の奥で渇いたように停滞した。
目の前の男は、確かにカインだった。
あの日、俺は彼の穏やかな死に顔を、その冷たくなった肌を、確かに確認したはずだ。
だというのに、今、彼は研究室の入口に立っている。
「……なんで」
喉の奥から漏れる声は、ひどく掠れていた。
「あの人って……」
そしてリリアが、俺の後ろで息を呑む。
彼女の反応で、決して俺の見間違いなどではないと確信する。
だが――違和感があった。
ゆっくりと、軋むように顔を上げたカインは、こちらを“見ている”はずなのに、焦点がどこにも合っていない。
まるで、光そのものを認識できていないかのような濁った視線。
「カインさん!」
俺は彼に呼びかける。
すると僅かに顔をこちらに向けた。
反応はある。だがあまりにも鈍い。
「ディ……ラン……?」
掠れた声が、乾いた空気の中に沈んだ。
まさか名前を呼ばれるとは思わず、心臓が跳ねた。
だが、それは俺の知っているカインの声ではない。
あの穏やかな響きも、低く安定した調子も、どこにもない。
「お兄さん……」
リリアからも怯えたような声が聞こえた。
ゴクリと喉を鳴らす。
どれだけ姿形が同じでも、これは“カイン”ではない。
その結論が脳内に浮かび上がった瞬間、全身に冷たいものが走る。
カインは、もう一歩だけ前に出た。
足取りはぎこちなく、歩くという動作そのものを忘れてしまったかのようだった。
だが、確かにこちらへ向かってくる。
『ディランさん……これ……』
ルーの声も震えていた。
その様子から、俺と同じ結論に至っているようだ。
(……そうだな)
俺はゆっくりと後退しながら、手を前に出す。
カインの目が、わずかにこちらへ動いた。
だが、その動きすら“誰かに紐で引かれている”ような不自然さ。
そして――
「――っ!」
カインの指が、あり得ない角度に折れ曲がりながら、こちらへ伸びてきた。
人としての動きではない。
関節が悲鳴を上げる音が部屋に響き、落ちかけた腕が、糸で吊るされたかのように跳ね上がる。
その様は、まるで――操られた人形だった。
「……っ、リリア様!」
声を上げると同時に、背後から爆音が鳴り響いた。
かと思うと、眼の前のカインが後ろに弾き飛び、壁に叩きつけられる。
思わず振り返る。
リリアが、いつもの無邪気な笑顔を消し去り、片腕をカインに向けて突き出していた。
彼女の華奢な手首には、銀色の腕輪型の魔道具が装着されており、その先端が淡い熱を帯びて煙を上げている。
「お兄さん、下がって!」
普段の甘い声とは似ても似つかない、鋭く、張り詰めた声。
宮廷魔法師である彼女の魔力で増幅された一撃は、常人なら即座に昏倒するほどの威力だったはずだ。
だが――
「……まだ立つ、のか」
壁に叩きつけられ、ありえない角度に首を傾けたまま、カインはゆっくりと起き上がった。
骨の軋む音が、静かな研究室にいやに鮮明に響く。
背骨がずるりと蛇のように揺れ、片目だけがこちらを追っていた。
「……っ」
それはもはや人の動きではない。
死体が動いてる。
その確信が胸の奥で固まった瞬間、俺の中で湧き上がったのは恐怖ではなかった。
怒り。
(ふざけるなよ……)
人の命を軽んじ、死んでもなおその身体を弄ぶなんて。
誰が許せるものか。
拳を握る。
怒りで熱くなった血が、皮膚の下で脈打つ。
「お兄さん、気を付けて」
「ッ!」
リリアの叫びと同時に、カインが床を蹴った。
否――蹴ってはいない。
つま先が床に触れた直後、糸で無理やり引き寄せられるように、質量だけがこちらへ飛んでくる。
「――っ!」
反射的に腕を交差させる。
だが、衝撃は想像を超えていた。
「ぐっ……!」
腕が痺れ、視界が跳ねる。
まるで丸太で殴られたような重さ。死体のはずなのに、筋力など残っているはずがないのに。
『ディランさんしゃがんで! 下!』
ルーの警告に従い、身を低くする。
直後、上空を何かが裂いた。
――カインの腕だった。
肘から先が、鞭のようにしなり、空気を裂きながら通り過ぎた。
骨が悲鳴を上げ続けている音が、生々しく耳にまとわりつく。
「リリア様!」
「分かってる!」
リリアが再び腕輪に魔力を込める。
指先を向けた瞬間、銀の輪が甲高く鳴り、青白い光が収束――
「――くらえ!」
光弾が放たれた。
情け容赦の欠片もない、殺傷前提の直撃弾。
だが。
「っ……!?」
カインの身体が、ありえない動きで“曲がった”。
膝から下を置き去りにして、上半身だけが横へ滑る。
まるで重力の方向を変えられたように。
光弾は空を切り、壁に穴を穿つ。
「避けた……?」
リリアが目を見開く。
違う。
避けたのではない。
(動かされている。 今のは反射でも技術でもない、“操作者が引いた”動きだ)
瞬間、背筋に氷柱が落ちたような感覚が走った。
――これは死体が勝手に動いているのではない。
――“誰かが”この亡骸を戦闘用に操作している。
カインの首が、音を立ててこちらへ戻る。
口が大きく開いた。
そこから漏れた声は、もはや声と呼べない。
「……ァ……ァアアァ……」
喉が潰れたような、穴の奥をなぞるような声。
それは“痛み”でも“苦しみ”でもない。
ただの、命令を遂行するための駆動音のようだった。
「っ、来るよ!」
リリアが叫ぶ。
次の瞬間、床板が砕けた。
カインの脚が沈みこみ、その反動で矢のようにこちらへ跳ぶ。
(速い、だけど――魔力の流れを、見る!)
俺は魔力感知をカイン一人に絞り込む。
やはりそうだ。
ガーゴイルの時にも感じた、体表を覆う異質な魔力の流れ。
(右腕!)
俺は咄嗟に右へ身を捻った。
次の瞬間、右側を通過した“何か”が空気を裂き、俺の頬を掠める。
「……ッ!」
皮膚が薄く裂け、熱い線が走る。
見なくても分かる。今のは“腕”だ。
カインの右腕――いや、“右腕を通る魔力”が、一瞬だけ不自然に膨らんだ。
それは関節の動きとは無関係な“引き金”のような魔力波だった。
(やっぱり……! 関節じゃない、“魔力の糸”を先に動かしている!)
そして――それは俺にとって“視える”。
操作者は、肉体の限界を無視して魔力で関節を吊るし、
必要に応じて向きを変え、角度を折り曲げ、
当たる直前で“力点”を切り替えてくる。
だから動きが速い。
だから軌道が読めない。
だからこそ――“魔力の流れ”さえ読めれば回避はできる。
だが。
「く……ッ!!」
避けても避けても、ぎりぎりで距離が詰まる。
人体の可動域ではありえない角度と伸びで、腕が迫る。
「しつこ……!」
リリアが腕輪を構えた。
彼女の周囲の魔力濃度が一段階跳ね上がる。
「下がって!」
リリアの叫びに、俺は即座に後退する。
その瞬間――
パァン、と乾いた破裂音が室内に響いた。
リリアの足元から、青い魔法陣が花弁のように展開され、
そこから生じた斥力の衝撃波がカインを真正面から吹き飛ばす。
「リリア様! 魔力を断つ道具はありませんか!」
俺はリリアに叫んだ。
「魔力を断つ道具……? あるけど、使いにくいよ!」
「そんなこと言ってる場合じゃ――!」
言い終える前に、吹き飛んだはずのカインが、床を転がる勢いのまま腕を振り上げた。
――いや、違う。
転がっていない。
床を転がった“後の姿勢だけ”が補正されて、無理やり形を整えられたような動き。
もはや人としての身体は役目を終えている。
今や彼の身体はただの攻撃のための道具だ。
――そんなものを相手にするなら、真っ当な“手段”を選んではいられない。
「リリア様!」
「分かった! ……けど、ちょっと下がって!」
リリアが腕を振ると、研究机の下にあった金属ケースがふわりと浮かんだ。
そのまま指先ひとつで蓋が弾け飛ぶ。
内部には、七色の結晶が埋め込まれた細い棒状の魔道具が数本並んでいた。
リリアが一本を掴み、軽く振ると、空気が裂けて白い火花が散る。
その瞬間、俺の魔力感知が突然、歪んだ。
だが同時にカインの右腕がぶらりと垂れた。
「効いてる……!」
リリアが息を呑む。
だが、カインは止まらない。
胸元の黒い紋が脈打つたび、切ったはずの“糸”が再び巻きなおされるように、腕が起き上がる。
「……っ、早い!」
関節を無視した動きが加速し、床を削りながら迫る。
(魔力の流れ……! 読める、でも――早すぎるっ……!)
避けてもすぐ詰められる。
人の身体では不可能な間合いの潰し方。
リリアが震える声で叫ぶ。
「魔断符、行くよ!」
「……分かりました!」
息を合わせるしかない。
これを外したら、もう防げない。
カインの身体が、糸に吊られた操り人形のように跳ね上がる。
攻撃が来る。
(ここだ――!)
「リリア様、今!!」
「いけー!!」
リリアが魔断符を叩きつける。
空気が一瞬、完全に「無音」になった。
そして――
カインの動きが、ぴたりと止まる。
床に片足をつけたまま、まるで時間を切り取られたように。
その静止した姿の中で、胸の黒い紋だけが、ゆっくりと、脈動を続けていた。
目の前の男は、確かにカインだった。
あの日、俺は彼の穏やかな死に顔を、その冷たくなった肌を、確かに確認したはずだ。
だというのに、今、彼は研究室の入口に立っている。
「……なんで」
喉の奥から漏れる声は、ひどく掠れていた。
「あの人って……」
そしてリリアが、俺の後ろで息を呑む。
彼女の反応で、決して俺の見間違いなどではないと確信する。
だが――違和感があった。
ゆっくりと、軋むように顔を上げたカインは、こちらを“見ている”はずなのに、焦点がどこにも合っていない。
まるで、光そのものを認識できていないかのような濁った視線。
「カインさん!」
俺は彼に呼びかける。
すると僅かに顔をこちらに向けた。
反応はある。だがあまりにも鈍い。
「ディ……ラン……?」
掠れた声が、乾いた空気の中に沈んだ。
まさか名前を呼ばれるとは思わず、心臓が跳ねた。
だが、それは俺の知っているカインの声ではない。
あの穏やかな響きも、低く安定した調子も、どこにもない。
「お兄さん……」
リリアからも怯えたような声が聞こえた。
ゴクリと喉を鳴らす。
どれだけ姿形が同じでも、これは“カイン”ではない。
その結論が脳内に浮かび上がった瞬間、全身に冷たいものが走る。
カインは、もう一歩だけ前に出た。
足取りはぎこちなく、歩くという動作そのものを忘れてしまったかのようだった。
だが、確かにこちらへ向かってくる。
『ディランさん……これ……』
ルーの声も震えていた。
その様子から、俺と同じ結論に至っているようだ。
(……そうだな)
俺はゆっくりと後退しながら、手を前に出す。
カインの目が、わずかにこちらへ動いた。
だが、その動きすら“誰かに紐で引かれている”ような不自然さ。
そして――
「――っ!」
カインの指が、あり得ない角度に折れ曲がりながら、こちらへ伸びてきた。
人としての動きではない。
関節が悲鳴を上げる音が部屋に響き、落ちかけた腕が、糸で吊るされたかのように跳ね上がる。
その様は、まるで――操られた人形だった。
「……っ、リリア様!」
声を上げると同時に、背後から爆音が鳴り響いた。
かと思うと、眼の前のカインが後ろに弾き飛び、壁に叩きつけられる。
思わず振り返る。
リリアが、いつもの無邪気な笑顔を消し去り、片腕をカインに向けて突き出していた。
彼女の華奢な手首には、銀色の腕輪型の魔道具が装着されており、その先端が淡い熱を帯びて煙を上げている。
「お兄さん、下がって!」
普段の甘い声とは似ても似つかない、鋭く、張り詰めた声。
宮廷魔法師である彼女の魔力で増幅された一撃は、常人なら即座に昏倒するほどの威力だったはずだ。
だが――
「……まだ立つ、のか」
壁に叩きつけられ、ありえない角度に首を傾けたまま、カインはゆっくりと起き上がった。
骨の軋む音が、静かな研究室にいやに鮮明に響く。
背骨がずるりと蛇のように揺れ、片目だけがこちらを追っていた。
「……っ」
それはもはや人の動きではない。
死体が動いてる。
その確信が胸の奥で固まった瞬間、俺の中で湧き上がったのは恐怖ではなかった。
怒り。
(ふざけるなよ……)
人の命を軽んじ、死んでもなおその身体を弄ぶなんて。
誰が許せるものか。
拳を握る。
怒りで熱くなった血が、皮膚の下で脈打つ。
「お兄さん、気を付けて」
「ッ!」
リリアの叫びと同時に、カインが床を蹴った。
否――蹴ってはいない。
つま先が床に触れた直後、糸で無理やり引き寄せられるように、質量だけがこちらへ飛んでくる。
「――っ!」
反射的に腕を交差させる。
だが、衝撃は想像を超えていた。
「ぐっ……!」
腕が痺れ、視界が跳ねる。
まるで丸太で殴られたような重さ。死体のはずなのに、筋力など残っているはずがないのに。
『ディランさんしゃがんで! 下!』
ルーの警告に従い、身を低くする。
直後、上空を何かが裂いた。
――カインの腕だった。
肘から先が、鞭のようにしなり、空気を裂きながら通り過ぎた。
骨が悲鳴を上げ続けている音が、生々しく耳にまとわりつく。
「リリア様!」
「分かってる!」
リリアが再び腕輪に魔力を込める。
指先を向けた瞬間、銀の輪が甲高く鳴り、青白い光が収束――
「――くらえ!」
光弾が放たれた。
情け容赦の欠片もない、殺傷前提の直撃弾。
だが。
「っ……!?」
カインの身体が、ありえない動きで“曲がった”。
膝から下を置き去りにして、上半身だけが横へ滑る。
まるで重力の方向を変えられたように。
光弾は空を切り、壁に穴を穿つ。
「避けた……?」
リリアが目を見開く。
違う。
避けたのではない。
(動かされている。 今のは反射でも技術でもない、“操作者が引いた”動きだ)
瞬間、背筋に氷柱が落ちたような感覚が走った。
――これは死体が勝手に動いているのではない。
――“誰かが”この亡骸を戦闘用に操作している。
カインの首が、音を立ててこちらへ戻る。
口が大きく開いた。
そこから漏れた声は、もはや声と呼べない。
「……ァ……ァアアァ……」
喉が潰れたような、穴の奥をなぞるような声。
それは“痛み”でも“苦しみ”でもない。
ただの、命令を遂行するための駆動音のようだった。
「っ、来るよ!」
リリアが叫ぶ。
次の瞬間、床板が砕けた。
カインの脚が沈みこみ、その反動で矢のようにこちらへ跳ぶ。
(速い、だけど――魔力の流れを、見る!)
俺は魔力感知をカイン一人に絞り込む。
やはりそうだ。
ガーゴイルの時にも感じた、体表を覆う異質な魔力の流れ。
(右腕!)
俺は咄嗟に右へ身を捻った。
次の瞬間、右側を通過した“何か”が空気を裂き、俺の頬を掠める。
「……ッ!」
皮膚が薄く裂け、熱い線が走る。
見なくても分かる。今のは“腕”だ。
カインの右腕――いや、“右腕を通る魔力”が、一瞬だけ不自然に膨らんだ。
それは関節の動きとは無関係な“引き金”のような魔力波だった。
(やっぱり……! 関節じゃない、“魔力の糸”を先に動かしている!)
そして――それは俺にとって“視える”。
操作者は、肉体の限界を無視して魔力で関節を吊るし、
必要に応じて向きを変え、角度を折り曲げ、
当たる直前で“力点”を切り替えてくる。
だから動きが速い。
だから軌道が読めない。
だからこそ――“魔力の流れ”さえ読めれば回避はできる。
だが。
「く……ッ!!」
避けても避けても、ぎりぎりで距離が詰まる。
人体の可動域ではありえない角度と伸びで、腕が迫る。
「しつこ……!」
リリアが腕輪を構えた。
彼女の周囲の魔力濃度が一段階跳ね上がる。
「下がって!」
リリアの叫びに、俺は即座に後退する。
その瞬間――
パァン、と乾いた破裂音が室内に響いた。
リリアの足元から、青い魔法陣が花弁のように展開され、
そこから生じた斥力の衝撃波がカインを真正面から吹き飛ばす。
「リリア様! 魔力を断つ道具はありませんか!」
俺はリリアに叫んだ。
「魔力を断つ道具……? あるけど、使いにくいよ!」
「そんなこと言ってる場合じゃ――!」
言い終える前に、吹き飛んだはずのカインが、床を転がる勢いのまま腕を振り上げた。
――いや、違う。
転がっていない。
床を転がった“後の姿勢だけ”が補正されて、無理やり形を整えられたような動き。
もはや人としての身体は役目を終えている。
今や彼の身体はただの攻撃のための道具だ。
――そんなものを相手にするなら、真っ当な“手段”を選んではいられない。
「リリア様!」
「分かった! ……けど、ちょっと下がって!」
リリアが腕を振ると、研究机の下にあった金属ケースがふわりと浮かんだ。
そのまま指先ひとつで蓋が弾け飛ぶ。
内部には、七色の結晶が埋め込まれた細い棒状の魔道具が数本並んでいた。
リリアが一本を掴み、軽く振ると、空気が裂けて白い火花が散る。
その瞬間、俺の魔力感知が突然、歪んだ。
だが同時にカインの右腕がぶらりと垂れた。
「効いてる……!」
リリアが息を呑む。
だが、カインは止まらない。
胸元の黒い紋が脈打つたび、切ったはずの“糸”が再び巻きなおされるように、腕が起き上がる。
「……っ、早い!」
関節を無視した動きが加速し、床を削りながら迫る。
(魔力の流れ……! 読める、でも――早すぎるっ……!)
避けてもすぐ詰められる。
人の身体では不可能な間合いの潰し方。
リリアが震える声で叫ぶ。
「魔断符、行くよ!」
「……分かりました!」
息を合わせるしかない。
これを外したら、もう防げない。
カインの身体が、糸に吊られた操り人形のように跳ね上がる。
攻撃が来る。
(ここだ――!)
「リリア様、今!!」
「いけー!!」
リリアが魔断符を叩きつける。
空気が一瞬、完全に「無音」になった。
そして――
カインの動きが、ぴたりと止まる。
床に片足をつけたまま、まるで時間を切り取られたように。
その静止した姿の中で、胸の黒い紋だけが、ゆっくりと、脈動を続けていた。
10
あなたにおすすめの小説
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる