145 / 297
143.歓迎されない生存者(2)
しおりを挟む
「たぶん、北の蛮族が携行する非常食の木の実を隠し持ち、餓えをしのいでいたのではないかと……」
と、ホンファが報告してくれた。
上、ビキニ姿で。
ちょっとシリアスモードだったんで、唐突なビキニに動揺して照れております……。
まんまとドキッとさせられてます。
「そ、そんな木の実があるんだ……」
「はい。北の蛮族の領域でしか採れないので、滅多に見かけませんが、一粒食べれば一日もつとか」
そんな、仙豆みたいなの、すぐにでも欲しいですけどね。
「食事は? 食べてた?」
と、俺がシュエンに聞くと、ホンファがクスリと笑った。
「なによぉ。笑うことないでしょ?」
と、シュエンが口を尖らせて腕組みした。
髪色と同じ黄色の短いキャミソール姿で、胸の谷間が、ぷるんと盛り上がった。
「だって、シュエンさん。お粥を食べようとしない北の蛮族に『へぇー、恐いんだ? 恐くて食べられないんだ? うわー、雑魚っぽーい』ってクスクス笑いながら煽り続けるんですよ?」
「そんなこと言ったって、あいつら、普通に勧めても食べそうになかったじゃない」
「それから、『ガツガツ食べちゃうんだ? へぇー、ゆっくり食べられないんだ? 雑魚っぽいお口ーっ』って」
と、思い出し笑いが耐え切れなくなったホンファはププーッと吹き出した。
「何も食べてなかったのに、急にガツガツ食べたら死んじゃうでしょ」
「そ、そうですけど……。プププッ」
「もう! 笑い過ぎよ」
「だって、3人に1人ずつ同じことやっていくんですよっ! 私もう、笑いを堪えるのに必死だったんですから」
ホンファは笑い死にしそうな勢いだけど、とりあえず褐色女子たちはシュエンの粥を食べてくれたようだ。
そして、
「しばらく、世話を見てやってくれない?」
という、俺の言葉にシュエンとホンファは顔を見合わせた。
やがて、シュエンが恐る恐るといったテイで口を開いた。
「マレビト様は救けたいの? 北の蛮族なのに……?」
少し考えてから応えた。
「うん。やっぱりあんなに弱ってる人を見過ごせないよ」
「……分かりました! 精一杯、お世話します」
と、シュエンは頭を下げ、ホンファもそれに続いた。
ビキニのホンファとキャミソールのシュエンは、望楼を降りて行った。
……か、階段に、服を脱いで来たのかな?
シアユンさんと2人に戻ってから、「衛士にも丁寧な扱いをするよう、指示しておいてもらえますか?」と、お願いした。
シアユンさんは、いつもの氷の女王スマイルで「かしこまりました」と、頭を下げてくれた。
いつにも増して、考えてることが読めない。
……ご、ご不満ですか?
と、思ったけど聞かずにおいた。
やがて、夜明け前にメイユイが姿を見せた。髪色と同じ緋色のビキニ姿で。
……この娘は、本当に着てるもので胸のサイズが全然違って見える。
今は、ばいんって感じ。
ど、どういう仕組みなんだろう……。
「マレビト様にもお聞きいただいて問題ありません。そのまま、報告してください」
と、シアユンさんがメイユイに言う。
「はい……。出来る限り調べたのですが、あの北の蛮族3名を捕らえた当時の衛士は1人も残っておらず、詳細は分かりませんでした」
「そうですか」
「ただ、戦闘中ですがフェイロン様がお話を聞かせてくださり『北の蛮族が侵入していたが、抵抗しなかったので衛士だけで拘束した』という連絡が、衛士長から剣士長様に入っていたようです」
「それって……」
と、思わず口を挟んでしまった。
「特に悪いことはしてないけど、いたから捕まえたってこと?」
返事に困るメイユイに代わって、シアユンさんが答えた。
「いたら捕まえます」
「そうか……」
シアユンさんはメイユイに報告の続きを促す。
「いつ頃のことか、フェイロン様にお伺いすることは出来ましたか?」
と、シアユンさんの口調は優しいけど、太保の役職に相応しい威厳も含まれているように感じた。
「はい。人獣が現れる前日のことだったそうです」
と、ホンファが報告してくれた。
上、ビキニ姿で。
ちょっとシリアスモードだったんで、唐突なビキニに動揺して照れております……。
まんまとドキッとさせられてます。
「そ、そんな木の実があるんだ……」
「はい。北の蛮族の領域でしか採れないので、滅多に見かけませんが、一粒食べれば一日もつとか」
そんな、仙豆みたいなの、すぐにでも欲しいですけどね。
「食事は? 食べてた?」
と、俺がシュエンに聞くと、ホンファがクスリと笑った。
「なによぉ。笑うことないでしょ?」
と、シュエンが口を尖らせて腕組みした。
髪色と同じ黄色の短いキャミソール姿で、胸の谷間が、ぷるんと盛り上がった。
「だって、シュエンさん。お粥を食べようとしない北の蛮族に『へぇー、恐いんだ? 恐くて食べられないんだ? うわー、雑魚っぽーい』ってクスクス笑いながら煽り続けるんですよ?」
「そんなこと言ったって、あいつら、普通に勧めても食べそうになかったじゃない」
「それから、『ガツガツ食べちゃうんだ? へぇー、ゆっくり食べられないんだ? 雑魚っぽいお口ーっ』って」
と、思い出し笑いが耐え切れなくなったホンファはププーッと吹き出した。
「何も食べてなかったのに、急にガツガツ食べたら死んじゃうでしょ」
「そ、そうですけど……。プププッ」
「もう! 笑い過ぎよ」
「だって、3人に1人ずつ同じことやっていくんですよっ! 私もう、笑いを堪えるのに必死だったんですから」
ホンファは笑い死にしそうな勢いだけど、とりあえず褐色女子たちはシュエンの粥を食べてくれたようだ。
そして、
「しばらく、世話を見てやってくれない?」
という、俺の言葉にシュエンとホンファは顔を見合わせた。
やがて、シュエンが恐る恐るといったテイで口を開いた。
「マレビト様は救けたいの? 北の蛮族なのに……?」
少し考えてから応えた。
「うん。やっぱりあんなに弱ってる人を見過ごせないよ」
「……分かりました! 精一杯、お世話します」
と、シュエンは頭を下げ、ホンファもそれに続いた。
ビキニのホンファとキャミソールのシュエンは、望楼を降りて行った。
……か、階段に、服を脱いで来たのかな?
シアユンさんと2人に戻ってから、「衛士にも丁寧な扱いをするよう、指示しておいてもらえますか?」と、お願いした。
シアユンさんは、いつもの氷の女王スマイルで「かしこまりました」と、頭を下げてくれた。
いつにも増して、考えてることが読めない。
……ご、ご不満ですか?
と、思ったけど聞かずにおいた。
やがて、夜明け前にメイユイが姿を見せた。髪色と同じ緋色のビキニ姿で。
……この娘は、本当に着てるもので胸のサイズが全然違って見える。
今は、ばいんって感じ。
ど、どういう仕組みなんだろう……。
「マレビト様にもお聞きいただいて問題ありません。そのまま、報告してください」
と、シアユンさんがメイユイに言う。
「はい……。出来る限り調べたのですが、あの北の蛮族3名を捕らえた当時の衛士は1人も残っておらず、詳細は分かりませんでした」
「そうですか」
「ただ、戦闘中ですがフェイロン様がお話を聞かせてくださり『北の蛮族が侵入していたが、抵抗しなかったので衛士だけで拘束した』という連絡が、衛士長から剣士長様に入っていたようです」
「それって……」
と、思わず口を挟んでしまった。
「特に悪いことはしてないけど、いたから捕まえたってこと?」
返事に困るメイユイに代わって、シアユンさんが答えた。
「いたら捕まえます」
「そうか……」
シアユンさんはメイユイに報告の続きを促す。
「いつ頃のことか、フェイロン様にお伺いすることは出来ましたか?」
と、シアユンさんの口調は優しいけど、太保の役職に相応しい威厳も含まれているように感じた。
「はい。人獣が現れる前日のことだったそうです」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
403
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる