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巨人族のダグ
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ある日、ダグじゃない巨人が食料を届けていた。
「ありがとう。……今日、ダグは?」
そう尋ねれば、巨人の男は手短に答えてくれた。
「腹壊して寝てる」
そして挨拶もせずに、どしどしと消えてしまった。
大丈夫なのかと不安に思うものの、それはそれでダグの排泄物についての妄想が捗った。
なんてったって、あの大きさだ。きっとその排泄量も、多いに違いない。
ダグの身を案じると同時に、ちんこを擦る手は止まらなかった。
もりもり食べて、もりもり出す。
小便に溺れる妄想をしたり、大便に埋められる様もなかなかそそった。
「オナラも、きっとどでかいんだろうな……」
にやにやと笑いながら、俺は勢いよくフィニッシュしていた。
次の日、ダグはすまなそうに来てくれた。
その顔もまた、どでかい大型犬がくぅんと鳴くみたいに眉を寄せていた俺の中の何かをくすぐった。
しかしそれからたびたび、ダグは体調を崩すようになっていく。
決まってそれは、腹を壊しているという内容でもあった。
何か悪いものを食べたのか、それとも胃腸が弱っているのか。
何度か聞き出そうとしたけれど、ダグは話を濁すばかりだった。
「ダグ、大丈夫か?無理はするなよ?」
その日も、ダグは腹を押さえながらも俺に食料を渡していた。
「ああ、大丈夫だ。……それよりヒロキ、明日一緒に遠くまで行ってみないか?」
そうダグは、立ち上がって遠くを指さした。
その先にはいくつか山が広がっていて、俺に見えるはずもなかった。
「遠くって、どこまで?」
「あの、山の向こう。別の巨人族の集落があるんだけど、この間、将来的に統合するっていう話が出たんだ。こっちとは違って、栄えているみたいで……いろんな店とかあるみたいなんだ」
「へえ、面白そうだな。いいよ、行こう」
「本当か?じゃあ、また明日な」
そうダグは、いつもの笑みを浮かべて立ち去ろうとした。
俺は思わず、声をかけていた。
「でも……ダグ、腹は大丈夫なのか?」
「ああ、もうすっかり大丈夫だ。ヒロキの顔を見たら、治った」
「そうか?くれぐれも、無理はするなよ」
「わかってるって、じゃあな」
指先で俺の頭を撫でて、ダグは去っていった。
俺は小屋に入って、一人思う。
「これって、デートじゃないのか!?」
その夜、俺はまともに眠れなかった。
そして、別の巨人族についても期待で胸を膨らませていた。
「……どうしよう、楽しみすぎる!」
俺はまだ見ぬ巨人とダグとに挟まれながら、窒息する妄想をして笑っていた。
本当に、異世界転移をしてよかったと心の底から思った。
***
翌朝、俺はいつもより早起きをして小屋の前でダグを待っていた。
ダグはいつもと同じ笑顔で、俺を見つけると大きく手を振っていた。
「お待たせ」
「いや、いま外に出たところだ。ダグ、今日はよろしくな!」
そして俺は、感動することになる。
ダグの手のひらの上に乗って、いま俺は移動していたんだ。
いつもよりうんと高い視点に、かすかに揺れる衝撃。はるか下で響く足音は心地いい音で、いつもより空も風もやけに近く感じられた。
そして、あっという間に山を越えていた。
「どうだ、怖くないか?」
そうダグは、気遣うような目をしてくれていた。
「大丈夫、すっごく楽しいよ!」
そのままを伝えれば、ダグの目は柔らかくなった。
あんなに遠く思えた山の向こうは、ダグの足だと数分ほどで到着してしまっていたんだ。
「うわあ……」
「ここが、別の集落だ」
そこには、ダグとは違い褐色の肌をした巨人族がうろうろとしていた。
人の数も、あの集落よりもはるかに多かった。
ダグもまた人の活気に圧倒されながら、しかしゆっくりと足を進めていく。
「ヒロキ、すごいな」
「そうだな」
多くの人もさることながら、広場のような場所にはずらりと大きな出店が並んでいた。
何かの肉が売っていたり、綺麗な布があったり、新鮮な果物や花なんかも売っていた。
「ヒロキ、気になるものは?」
「そうだな……ぜんぶ、かな。ダグは?」
「俺も、ぜんぶだ」
そう照れたように笑いながら、ダグと俺は一つ一つの店を覗いて回った。
小さな俺の姿が珍しいのか、この集落の人はみんな不思議そうな顔をして俺のことを見つめていた。
ダグはそのたびに、俺を異世界からきた友人だと紹介してくれていた。
俺は嬉しい気分で、珍しい物を見せてもらったからとタダ同然でもらった肉の欠片にかぶりつく。
「ダグ、うまいな!」
「そうだな、食べたことのない味付けだ」
丸太でできたベンチに並んで座って舌鼓をうっていると、俺と同じくらいの大きさの人間を肩に乗せた褐色の巨人と目が合った。
巨人は次にダグの顔を見つめて、静かに声をかけてきた。
「あの、失礼ですが……。貴方が連れている方は、もしや私の連れと同じ人種では?」
巨人は肩からその人を降ろすと、静かに俺の前へと導いた。
俺よりも身長は若干低いけど、その姿は日本人のようにも見えていた。
思わず俺は、答えていた。
「そうかもしれません。……こんにちは、俺の言葉がわかりますか?」
「こんにちは。わかるよ。俺は日本人なんだけど、もしかして君も?」
その言葉に、俺は目を輝かせていた。
「そうです!俺、ヒロキっていいます!」
「俺は、シンジ。やっぱり君も……突然ここに?」
「そうなんです!」
相手は俺よりも少し年上で、この世界にも数年早く来ていた先輩だった。
シンジさんは落ち着きのある人で、俺の話を静かに聞いてくれていた。
「あの山の向こうで、気づいたらこの世界にいて……。今日は友達のダグと、初めてここに来たんです」
そうダグを見上げれば、ダグはにっこりと笑っていた。
「そうか……。ガラ、ヒロキ君ともっと話がしたい。いいか?」
「もちろんだとも。ヒロキさんとダグさんさえよければ、ぜひ一度……我が家で話でもいかがでしょう?」
ガラさんもまた、ダグより年上の落ち着いた紳士といった雰囲気の人だった。
「ダグ、いい?」
「ああ。俺も、ガラさんに聞きたいことがあるし……」
「なら、決まりだな。ガラ、肩乗せて」
「わかったよ」
俺とダグはすぐさま肉を平らげて、ガラさんの家にお邪魔することになったんだ。
「ありがとう。……今日、ダグは?」
そう尋ねれば、巨人の男は手短に答えてくれた。
「腹壊して寝てる」
そして挨拶もせずに、どしどしと消えてしまった。
大丈夫なのかと不安に思うものの、それはそれでダグの排泄物についての妄想が捗った。
なんてったって、あの大きさだ。きっとその排泄量も、多いに違いない。
ダグの身を案じると同時に、ちんこを擦る手は止まらなかった。
もりもり食べて、もりもり出す。
小便に溺れる妄想をしたり、大便に埋められる様もなかなかそそった。
「オナラも、きっとどでかいんだろうな……」
にやにやと笑いながら、俺は勢いよくフィニッシュしていた。
次の日、ダグはすまなそうに来てくれた。
その顔もまた、どでかい大型犬がくぅんと鳴くみたいに眉を寄せていた俺の中の何かをくすぐった。
しかしそれからたびたび、ダグは体調を崩すようになっていく。
決まってそれは、腹を壊しているという内容でもあった。
何か悪いものを食べたのか、それとも胃腸が弱っているのか。
何度か聞き出そうとしたけれど、ダグは話を濁すばかりだった。
「ダグ、大丈夫か?無理はするなよ?」
その日も、ダグは腹を押さえながらも俺に食料を渡していた。
「ああ、大丈夫だ。……それよりヒロキ、明日一緒に遠くまで行ってみないか?」
そうダグは、立ち上がって遠くを指さした。
その先にはいくつか山が広がっていて、俺に見えるはずもなかった。
「遠くって、どこまで?」
「あの、山の向こう。別の巨人族の集落があるんだけど、この間、将来的に統合するっていう話が出たんだ。こっちとは違って、栄えているみたいで……いろんな店とかあるみたいなんだ」
「へえ、面白そうだな。いいよ、行こう」
「本当か?じゃあ、また明日な」
そうダグは、いつもの笑みを浮かべて立ち去ろうとした。
俺は思わず、声をかけていた。
「でも……ダグ、腹は大丈夫なのか?」
「ああ、もうすっかり大丈夫だ。ヒロキの顔を見たら、治った」
「そうか?くれぐれも、無理はするなよ」
「わかってるって、じゃあな」
指先で俺の頭を撫でて、ダグは去っていった。
俺は小屋に入って、一人思う。
「これって、デートじゃないのか!?」
その夜、俺はまともに眠れなかった。
そして、別の巨人族についても期待で胸を膨らませていた。
「……どうしよう、楽しみすぎる!」
俺はまだ見ぬ巨人とダグとに挟まれながら、窒息する妄想をして笑っていた。
本当に、異世界転移をしてよかったと心の底から思った。
***
翌朝、俺はいつもより早起きをして小屋の前でダグを待っていた。
ダグはいつもと同じ笑顔で、俺を見つけると大きく手を振っていた。
「お待たせ」
「いや、いま外に出たところだ。ダグ、今日はよろしくな!」
そして俺は、感動することになる。
ダグの手のひらの上に乗って、いま俺は移動していたんだ。
いつもよりうんと高い視点に、かすかに揺れる衝撃。はるか下で響く足音は心地いい音で、いつもより空も風もやけに近く感じられた。
そして、あっという間に山を越えていた。
「どうだ、怖くないか?」
そうダグは、気遣うような目をしてくれていた。
「大丈夫、すっごく楽しいよ!」
そのままを伝えれば、ダグの目は柔らかくなった。
あんなに遠く思えた山の向こうは、ダグの足だと数分ほどで到着してしまっていたんだ。
「うわあ……」
「ここが、別の集落だ」
そこには、ダグとは違い褐色の肌をした巨人族がうろうろとしていた。
人の数も、あの集落よりもはるかに多かった。
ダグもまた人の活気に圧倒されながら、しかしゆっくりと足を進めていく。
「ヒロキ、すごいな」
「そうだな」
多くの人もさることながら、広場のような場所にはずらりと大きな出店が並んでいた。
何かの肉が売っていたり、綺麗な布があったり、新鮮な果物や花なんかも売っていた。
「ヒロキ、気になるものは?」
「そうだな……ぜんぶ、かな。ダグは?」
「俺も、ぜんぶだ」
そう照れたように笑いながら、ダグと俺は一つ一つの店を覗いて回った。
小さな俺の姿が珍しいのか、この集落の人はみんな不思議そうな顔をして俺のことを見つめていた。
ダグはそのたびに、俺を異世界からきた友人だと紹介してくれていた。
俺は嬉しい気分で、珍しい物を見せてもらったからとタダ同然でもらった肉の欠片にかぶりつく。
「ダグ、うまいな!」
「そうだな、食べたことのない味付けだ」
丸太でできたベンチに並んで座って舌鼓をうっていると、俺と同じくらいの大きさの人間を肩に乗せた褐色の巨人と目が合った。
巨人は次にダグの顔を見つめて、静かに声をかけてきた。
「あの、失礼ですが……。貴方が連れている方は、もしや私の連れと同じ人種では?」
巨人は肩からその人を降ろすと、静かに俺の前へと導いた。
俺よりも身長は若干低いけど、その姿は日本人のようにも見えていた。
思わず俺は、答えていた。
「そうかもしれません。……こんにちは、俺の言葉がわかりますか?」
「こんにちは。わかるよ。俺は日本人なんだけど、もしかして君も?」
その言葉に、俺は目を輝かせていた。
「そうです!俺、ヒロキっていいます!」
「俺は、シンジ。やっぱり君も……突然ここに?」
「そうなんです!」
相手は俺よりも少し年上で、この世界にも数年早く来ていた先輩だった。
シンジさんは落ち着きのある人で、俺の話を静かに聞いてくれていた。
「あの山の向こうで、気づいたらこの世界にいて……。今日は友達のダグと、初めてここに来たんです」
そうダグを見上げれば、ダグはにっこりと笑っていた。
「そうか……。ガラ、ヒロキ君ともっと話がしたい。いいか?」
「もちろんだとも。ヒロキさんとダグさんさえよければ、ぜひ一度……我が家で話でもいかがでしょう?」
ガラさんもまた、ダグより年上の落ち着いた紳士といった雰囲気の人だった。
「ダグ、いい?」
「ああ。俺も、ガラさんに聞きたいことがあるし……」
「なら、決まりだな。ガラ、肩乗せて」
「わかったよ」
俺とダグはすぐさま肉を平らげて、ガラさんの家にお邪魔することになったんだ。
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