11 / 34
エターナルアザーの歴史
しおりを挟む
ダジリン島……。
そこは世界の北西に位置するもう一つの孤島。
私が現在住んでいるブリガンと対極に位置する島。
ブリガンと違うのは全体的に温暖な気候であり厳しい自然環境ではなかったため、海経由でのバイキングなどとのいざこざが多かったという事。
悲しい事に、歴史上恵まれた大地には争いごとは絶えない。
幸か不幸かその為、争いごとに強い一族が必然に王として君臨した。
そのためダジリン島に世界最強の海軍が誕生してしまう。
更には人族の王はこの島に住まうエルフ達とも同盟を結んでいた。
理由は現状味方をつけないと、人だけではやっていけないと聡い人族の王は理解していたからだ。
結果その聡いダジリン一族が島を統治した関係で、この島の名前はダジリン島と命名される。
私達エルフはこのダジリン島の豊かな森林を拠点として暮らすらしい。
なんでも、無益な殺生はしないとか肉は食べない堅物とか聞いたことがある。
というのも物心ついた幼い頃、私は【エターナルアザー】という組織で育ったため、この世界でのエルフの生活環境は知らなかったのだ。
(ちなみに私は肉も魚も大好物です。生粋の森林育ちでは無いからそりゃね)
話を元に戻すが、私の組織の長はバンパイヤだ。
ちなみにバンパイヤとは吸血鬼やドラキュラという別名もあり、人の生き血をすすりコウモリなどに変身する不死の異形生物の事だ。
走る速さも狼並みで、鉄の棒も軽く一ひねりできる怪力を持つ。
早い話、モンスターの中でもトップクラスに超強い。
ただし、太陽の光や水に弱いという分かりやすい弱点もある。
何千年という古い歴史の中、このダジリン王家との戦争に敗北した一族、つまり元は人であったという噂も聞く。
何はともあれ、そのダジリン島の更に離れの小さな孤島に【エターナルアザー】の居城はあった。
私がこの居城に連れてこられたのは、さらわれたとも捨てられていたとも聞くが真相は定かでない。
なにしろ私は生みの親を見たことが無いのだから。
ただ、理解出来ていたのはこの組織での生活はそれなりに充実していたという事。
なんにせよ、周囲はもれなく組織の関係者のみ。
ただ、理解しているのは「組織の長の言う事は絶対だ」という事。
理解出来ている事は、「長に気に入られるためには、金銀財宝に対する目利きやそれなりの戦闘能力が必要」という事。
そう、理由は簡単、私達の組織【エターナルアザー】は世界を相手にする怪盗集団なのだから……。
アジトの場所も場所な為、無骨物以外誰も近づいてこない。
それに仮に酔狂なバイキングなどが近づいて来ても、バンパイヤ長を始めとする異形の集団がアジトに近づく前にそれらを易々と葬り去ってきた。
そもそもアジト近くは深い霧がでて、誰も近づけない仕様にもなっている。
これはまあ、長の仕業らしい。
なお、黒い噂ではダジリン王家と【エターナルアザー】は繋がってると言う話を良く聞いた。
実際の話、繋がっているというより長が関係を繋げたのが正解だ。
最強の海軍がバックにいる最強の異形の長が統治する世界トップクラスの怪盗集団【エターナルアザー】。
裏事情に詳しい裏業界ではそんな認識だった。
そんな中、組織から離脱する術も無く、選択権が無い私は組織で生き抜くしかなかった。
更には私は生まれつきエルフとしては欠陥があり、魔法が一切使えなかったのだ。
早い話、魔法使いとしてはどうしようもない落ちこぼれだ。
もしかしてその関係で私は捨てられたのでは? と幼心で考えた事もある。
ただ、その代わりそれを補填するように女がてら剣の腕を必死になって磨いた。
非力ではあったが代わりに剣技を死ぬほど磨き、戦闘能力が鍛え上げられた。
選美眼は生まれつき持っていたお陰で、組織としては重宝された。
そんなある日15歳になった私は長に呼ばれ、長の部屋に行く。
そこは世界の北西に位置するもう一つの孤島。
私が現在住んでいるブリガンと対極に位置する島。
ブリガンと違うのは全体的に温暖な気候であり厳しい自然環境ではなかったため、海経由でのバイキングなどとのいざこざが多かったという事。
悲しい事に、歴史上恵まれた大地には争いごとは絶えない。
幸か不幸かその為、争いごとに強い一族が必然に王として君臨した。
そのためダジリン島に世界最強の海軍が誕生してしまう。
更には人族の王はこの島に住まうエルフ達とも同盟を結んでいた。
理由は現状味方をつけないと、人だけではやっていけないと聡い人族の王は理解していたからだ。
結果その聡いダジリン一族が島を統治した関係で、この島の名前はダジリン島と命名される。
私達エルフはこのダジリン島の豊かな森林を拠点として暮らすらしい。
なんでも、無益な殺生はしないとか肉は食べない堅物とか聞いたことがある。
というのも物心ついた幼い頃、私は【エターナルアザー】という組織で育ったため、この世界でのエルフの生活環境は知らなかったのだ。
(ちなみに私は肉も魚も大好物です。生粋の森林育ちでは無いからそりゃね)
話を元に戻すが、私の組織の長はバンパイヤだ。
ちなみにバンパイヤとは吸血鬼やドラキュラという別名もあり、人の生き血をすすりコウモリなどに変身する不死の異形生物の事だ。
走る速さも狼並みで、鉄の棒も軽く一ひねりできる怪力を持つ。
早い話、モンスターの中でもトップクラスに超強い。
ただし、太陽の光や水に弱いという分かりやすい弱点もある。
何千年という古い歴史の中、このダジリン王家との戦争に敗北した一族、つまり元は人であったという噂も聞く。
何はともあれ、そのダジリン島の更に離れの小さな孤島に【エターナルアザー】の居城はあった。
私がこの居城に連れてこられたのは、さらわれたとも捨てられていたとも聞くが真相は定かでない。
なにしろ私は生みの親を見たことが無いのだから。
ただ、理解出来ていたのはこの組織での生活はそれなりに充実していたという事。
なんにせよ、周囲はもれなく組織の関係者のみ。
ただ、理解しているのは「組織の長の言う事は絶対だ」という事。
理解出来ている事は、「長に気に入られるためには、金銀財宝に対する目利きやそれなりの戦闘能力が必要」という事。
そう、理由は簡単、私達の組織【エターナルアザー】は世界を相手にする怪盗集団なのだから……。
アジトの場所も場所な為、無骨物以外誰も近づいてこない。
それに仮に酔狂なバイキングなどが近づいて来ても、バンパイヤ長を始めとする異形の集団がアジトに近づく前にそれらを易々と葬り去ってきた。
そもそもアジト近くは深い霧がでて、誰も近づけない仕様にもなっている。
これはまあ、長の仕業らしい。
なお、黒い噂ではダジリン王家と【エターナルアザー】は繋がってると言う話を良く聞いた。
実際の話、繋がっているというより長が関係を繋げたのが正解だ。
最強の海軍がバックにいる最強の異形の長が統治する世界トップクラスの怪盗集団【エターナルアザー】。
裏事情に詳しい裏業界ではそんな認識だった。
そんな中、組織から離脱する術も無く、選択権が無い私は組織で生き抜くしかなかった。
更には私は生まれつきエルフとしては欠陥があり、魔法が一切使えなかったのだ。
早い話、魔法使いとしてはどうしようもない落ちこぼれだ。
もしかしてその関係で私は捨てられたのでは? と幼心で考えた事もある。
ただ、その代わりそれを補填するように女がてら剣の腕を必死になって磨いた。
非力ではあったが代わりに剣技を死ぬほど磨き、戦闘能力が鍛え上げられた。
選美眼は生まれつき持っていたお陰で、組織としては重宝された。
そんなある日15歳になった私は長に呼ばれ、長の部屋に行く。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる