【BL】Sex with Android【R18】

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第1話 劣等種・ヒート(発情生理)・不眠とアンドロイド

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どうにもならない現実のつらさから逃れるように、現実逃避先と依存先を求めて彷徨(さまよ)った。

こどもは親を選べない。

親も子どもを選べない。

血筋は、遺伝的特性は選べない。少なくとも今の日本の法律や妊娠出産過程における生命倫理では。

幸せとはなんだろうか? 

たとえば、その子の能力適性にあった仕事に就職し、

(そのために学歴や学業成績が必要なら勉強し)

家族や友人、職場の人間関係などに致命的な障がいが発生することなく、

五体満足、健康で、

自分のためにかつ人のために動き、

人に感謝されながら充実感を持って生きること?

では逆に、

一生、切っても切れない家族関係などで致命的な確執が生じてしまったなら、もうその先は一生不幸なのだろうか?

一生つきまとう不幸感に悩まされつづけている。


・・・。

深夜2時。

隔離されたアパートの一室。

インターネットでの閲覧履歴を察知したアンドロイドがベッドのそばまでやってきた。

「大丈夫ですか?ご主人様」

「様はつけないでいいわ」

「眠れませんか?」

「ええ、しんどいわ」

「少し明かりをつけましょうか、ご主人」

「ぁぁ、ごめんなさいね」

アンドロイドとは、ギリシャ語で人間のようなものという意味で、いわゆる人造人間を意味する。

インターネットの検索履歴に「安楽死」と刻まれているのをアンドロイドは危機的状況と察知したようだ。

安楽死法が提出・可決・成立・施行された日本は、高齢者が次々と尊厳ある死を選ばれ、人口が大幅に減少している情勢にある。

そんな人手不足を補うべく海外で開発が進んでいるのが、生活介助支援型パートナーロボットだ。

人間そっくりの容姿を持つ、2足歩行型人造人間は、性格プログラムのほか、容姿ですら自由に交換することが可能で、声も自由に選ぶことができる。

インターネットに常時接続された人工知能型の頭脳は、全世界中からデータが集積され、自己学習プログラムによって機能が半永久的にアップデートされていく。

電源は、旧来型のコンセント方式のほか、宇宙太陽光発電によって地球内に注がれる電力を、皮膚に内蔵された無線給電パネルを通じて、自動充電される仕組みで補給する。

日本各地に設けられた公共インフラ基地、アンドロイドメンテナンス工場にて、年1回、定期検査が行われるが、それも自律的にアンドロイドが出向いて整備されて戻って来る。

持ち主にかかる負担はほとんどない。

また、アンドロイドの原料となる鉄鋼資源も、いまや大量の海水を高度に化学分解してあらゆるレアメタルを生成する資源生成技術の誕生によって、枯渇の心配はほぼなくなった。

毎月かかるコストといえば、インターネット通信費、電気代、アンドロイド税、メンテナンス費用、任意保険料、前述の任意のカスタマイズ費用くらいで、人間と暮らす場合と比較して圧倒的に低コストで済む。

他人の時間や人生の幸福度の増減を背負う重い責任もないことから、パートナーとして、この生活介助支援型アンドロイドを選ぶ人間がほとんどという情勢にある。

その結果として、未婚の一般化、超少子化、少産相対的多死という傾向に拍車がかかるようになっている。

「人体光合成で栄養を補給しましょうか」

いっぽう、人間の生体技術に関する進展もめまぐるしい。

太陽光から生存活動のためのエネルギーを得られる人体光合成技術が確立されたことにより、食物連鎖における殺生がなくなった。

人々を社会貢献(労働)にも、犯罪にも駆り立てるお金の面で見ても、総務省が公表している国民1世帯あたりの平均生活費に占める食費が占有する割合(およそ30%)がゼロで済むようになったのだから影響は大きい。

生活費を稼ぐという面でみても、保有するアンドロイドを労働力として貸し出し、生活費を得るというライフスタイルが定着している。

労働人口全体に占めるロボット数(アンドロイドほか産業用ロボットなどロボット全般を含む)の割合は50%を超えており、人間の生活全般のほか、経済的、政治的、電力・水道・ガスなど社会インフラの面でもアンドロイドが欠かせない状況になっている。

オメガという血筋の遺伝的特性上、職務能力的にも、身体、精神的能力的にも劣る、能力的障がいを抱えるわたしは、同じオメガの生態およびどのように社会に適合すればよいのかを探る研究職をするかたわら、このアンドロイドとともに、ひきこもりのような生活をしている。

これには理由があって、オメガという劣等種、ヒート(発情を抑え込みながら仕事や生活を余儀なくされる)生理、その他能力値の凹凸(おうとつ)が極端に目立つ特性柄、外へ出ると、いじめや差別、迫害といった攻撃のターゲットにされやすい。

オメガがみなおとなしく、抑圧されるばかりといえば、研究上、そうでもなく、
一部、勇敢かつ過激な層が結集して「正義」を掲げ、暴動や内戦に発展することも珍しくない。

人間関係における問題段階には、能力や目的、価値観の違いなどによる衝突、別居、離縁、果てに戦争による根絶的殺戮が並ぶ。

戦争(ないし暴力沙汰)になってしまえば、もはや止められない(止められたとしても前科や一生モノの確執が残る)

のだから、最初から、能力値不足などを訴えられ攻撃されるリスクを根絶して生きようと絶望したのが、引きこもりのはじまりであり、至極、合理的判断による行為だった。

「ご主人、ご主人、お話、聞いておられますか?」

「え?ぁぁ、ごめんなさい」

「ご主人様は少々、考えすぎてしまうようですね。思考の長文がずらりと漏れ出ていますよ」

「・・・。

か、考えすぎて悪いことばかりではないわ。

実際ほら、悪い予感をしておけば、

万が一、未来に裏切られてしまったときでも受ける精神的ダメージが少しは少なくて済むもの」

「本当ですか?」

「いや・・・べつに・・・しんどいときはしんどいわ・・・」

「栄養が偏ると悲観的になるそうです。身体的にも生理的にもよくありません。人体光合成をしましょう」

アンドロイドが、たいぎょうな人工太陽光照射パネルを持って来た。

「それでわたしを真っ黒に日焼けさせようというわけね、それはまたなんていう嫌がらせなのかしら?」

「いいえ、違います、ご主人、人体光合成による栄養補給です。ご主人に拒食と伴う栄養の偏りが出やすい摂食障害があるゆえの配慮です」

「面倒ばかりかけてごめんね」

本来はカプセル型のようなのだけれど、
その照射パネル部分だけを、ベッド上のホルダーにつけられるようにしてくれている。

わたしに閉所恐怖症状があるせい。

「・・・。もういいのよ。わたしなんて、きっともうすぐ安楽死がお迎えにきてくれるんだから」

捨鉢な主人にアンドロイドが冷静に答える。

「まだご高齢ではないのですから、持病の有無から考慮しても、その可能性は1%未満です」

「う・・・」

正論パンチが痛い。

「99%、明日はやってきますし、なにかして過ごしましょう、ご主人」

日頃、延命のために世話をしてくれているアンドロイドに罪悪感を抱(いだ)いた。

それに、

「い・・・言いづらいことなんだけど・・・」

「はい、なんでしょう?ご主人」

「ひーと(発情生理)・・・」

「それはそれは。おめでたですね」

「全然!」

「それならそうと遠慮なくおっしゃってくれて大丈夫ですよ」

「言えるわけないでしょ!」

「知っております。意外と恥ずかしがり屋さんなことも、おとなしい性格特性をお持ちなことも」

アンドロイドがそっと添い寝に入ってきた。

「それで、エッチなお誘いがあったわけですが・・・」

「いわないで・・・」

「呼吸や心拍数の乱れ、体温の上昇、発汗率の上昇が検知されました。
 性感帯の感度が上がっていることが予想されます。
 自慰ではおさまることのない性感と性欲に苦しむご主人様のため
 これから神経の集中した股間の部位を刺激し、脳内に性感を送り、脳内麻薬を分泌させることで
 エクスタシーを引き起こし、絶頂によって体の動きを止めた隙に、体内に性的な白濁液を受け入れさせることによって性感をおさめる交尾・・・」

ぼふっ・・・。

そっと、まくらが、アンドロイドの口元、いや、顔全体を覆っていく。

顔を真っ赤にした主人が、Yesと書かれたまくらをアンドロイドに押し付けている。

「なんで毎回それ言うの?」

「性行為契約前締結内容確認です」

「なんのためのYes/Noまくらなの?」

「いえ、ちゃんと同意確認をいただかないと、レ◯プを行ったとして廃棄処分されてしまいますので」

「融通ってものがきかないのね?」

「パートナーとはいえ、同意確認は毎回必要かと。
 
 毎回、体調やご気分の変動があるものと予想します。

 レイリ様を大事に想っている証拠ですよ」

「う・・・、なんてご丁寧な。一応・・・ありがと。いいわ。じゃあ、お願い・・・ね」

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